( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです
- 6: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:39:00.63 ID:HoHPyXRWO
第十二話「共同戦線」
ξ゚听)ξ「……」
(・∀ ・)「アヒャ……アヒャヒャ!!」
斉藤の高笑いと共に、大量の血が床に滴り落ちる。
川メメメ゚ -゚)「……」
クーはその姿を黙って見つめていた。
(・∀ ・)「アヒャ……」
斉藤の高笑いが止まった。
そして、それと同時に誰かが床に倒れる音。
倒れたのは誰か。
- 7: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:40:24.62 ID:HoHPyXRWO
ξ゚听)ξ「……」
ツンは無事だ。それどころか、無傷だった。
(・∀ ・)「……」
倒れているのは斉藤。
倒れている斉藤の脇腹からはかなりの血が流れていた。
当然、気絶している。
そしてこの状況を疑問に思っていたクーが口を開く。
川メメメ;゚ -゚)「……どういうことだ」
(メメメメ^ω^)「お?」
川メメメ;゚ -゚)「アイツの脇腹を貫いたのは……お前の槍じゃなかったか?」
そう。
実は斉藤は脇腹にブーンの能力の槍を刺され、倒れたのである。
- 9: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:43:59.75 ID:HoHPyXRWO
川メメメ;゚ -゚)「だがお前はペンを投げてもいないし手に持ってもいないじゃないか。一体どうやって?」
(メメメメ^ω^)「……簡単な話だお。僕は道場に来た時からツンにペンを持たせていたんだお」
それを聞き、クーはツンの手を見る。
すると確かにツンの手にはペンが握られていた。
川メメメ゚ -゚)「……なるほどな」
納得するクー。
続けてクーはツンに話しかけようとする。
が、
川メメメ゚ -゚)「ツン……?」
その時、クーはツンの異変に気付いた。
ツンの体が小刻みに震えていたのだ。
そして、何かを呟いている。
- 10: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:46:16.55 ID:HoHPyXRWO
ξ゚听)ξ「……私、人を刺しちゃった……」
ξ゚听)ξ「……血がいっぱい出てる……」
ξ゚听)ξ「……死んじゃうのかな」
ξ゚听)ξ「……そしたら私は……」
人殺し?
- 11: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:49:03.03 ID:HoHPyXRWO
ξ;;)ξ「……あ…あ…」
ついに泣き出してしまうツン。
ツンからは泣き声しか聞こえなくなった。
そんなツンをブーンはかばおうとする。
(メメメメ;^ω^)「ツン!」
(メメメメ;^ω^)「刺したのはツンじゃないお! 僕が勝手に能力を使ったからだお!」
ξ;;)ξ「でも……でも……」
泣き続けるツン。
- 12: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:50:25.99 ID:HoHPyXRWO
(メメメメ;^ω^)「〜〜!」
ブーンが何か言ってるみたい。
でも、私の耳には入らない。
何で私は泣いているの?
本来なら喜んでもいい状況なのに。
あの時、あの時から、こんな状況になるかもしれないことは覚悟していたはずなのに。
人を、人を傷つけることがこんなに辛いことだったなんて。
このままじゃ本当にこの人―――
死んじゃ、
川メメメ゚ -゚)「死なないさ」
ξ;;)ξ「!?」
- 14: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 21:57:46.25 ID:HoHPyXRWO
私の思考とクーの言葉が重なり、クーの声が私の耳に入ってきた。
死なない?
どうやって……
……あれ?
私が刺した人……あんなに血が出てたのに、もう止まってる……それにもう固まってる。
川メメメ゚ -゚)「……どうだ? これでもう彼が死ぬ心配はないだろう」
ξ;;)ξ「……」
川メメメ゚ -゚)「なんだ、まだ泣いているのか」
川メメメ゚ -゚)「そんなに怖かったのか? ……思ったより根性なしだったんだな」
ξ;;)ξ「!!」
- 15: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:00:45.52 ID:HoHPyXRWO
(メメメ;^ω^)「クー!」
ブーンはクーにこれ以上の発言を止めさせようと思わずクーの名を呼ぶ。
が、クーはそれに耳を傾けもせずに続ける。
川メメメ゚ -゚)「もうこんな戦いが嫌になったか? なら私がキミを気絶させてあげよう。もちろん痛みはないから安心したまえ」
ξ;;)ξ「な……!」
川メメメ゚ -゚)「どうする? 逃げたいんだろ? 」
(メメメ;^ω^)「クー!」
川メメメ゚ -゚)「キミは黙っていろ」
ξ;;)ξ「……」
泣いたまま、何も答えないツン。
- 16: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:04:35.31 ID:HoHPyXRWO
クーは続ける。
川メメメ゚ -゚)「沈黙……か」
川メメメ゚ -゚)「……キミもこの戦いに参加したからにはそれなりの願いがあるだろう。なら少しは覚悟していたはずなんじゃないか?」
川メメメ゚ -゚)「こういう血みどろの戦いを」
ξ;;)ξ「!」
川メメメ゚ -゚)「私はキミの願いは知らないが……こんなので諦められるほどちっぽけな夢だったのか?」
ξ;;)ξ「……違う」
今にも枯れそうな声でツンは呟いた。
- 18: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:09:18.48 ID:HoHPyXRWO
川メメメ゚ -゚)「ん? なんか言ったか? 聞こえないぞ」
川メメメ゚ -゚)「やはりそんなものk――」
ξ;;)ξ「――違うっ!!」
クーの言葉に、今度は道場全体に響く程の声を張り上げるツン。
(メメメ;^ω^)「うおっ!」
突然の声にブーンは驚く。
が、一方クーは先程の無表情から一変し、微笑む。
そしてツンにそのまま話しかけた。
- 19: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:13:15.85 ID:HoHPyXRWO
川メメメ゚ ー゚)「……それでいいんだ。それでこそキミだ」
ξ;;)ξ「え?」
川メメメ゚ -゚)「……辛い時は相談に乗ろう。だから……」
川メメメ゚ -゚)「こんな所で諦めるんじゃない。私たちは仲間じゃないか。一人でも減ってほしくないんだ」
ξ;;)ξ「……仲間……?」
- 20: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:15:34.43 ID:HoHPyXRWO
そのクーのセリフにブーンは突っかかって来る。
(メメメ;^ω^)「ちょ! クー! キミはシャキンの仲間だったんじゃ……」
川メメメ゚ -゚)「空気嫁よ」
(メメメ;^ω^)「……」
川メメメ゚ -゚)「冗談だ。私は負けた。それにその私を負かした奴を助けてしまった」
川メメメ゚ -゚)「もうあっちには戻れない。死ぬことも嫌になった。なら……」
(メメメ;^ω^)「仲間になるしかない……ってことかお」
川メメメ゚ ー゚)「ああ。しばらくは共同戦線だ」
クーはさらっと言う。
- 21: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:18:35.38 ID:HoHPyXRWO
ξ;ー;)ξ「……仲間か……」
ツンは、笑った。
涙を流しつつも。
ξ;ー;)ξ「……わかった。私もう泣き言言わない。もう怖がらない」
ξ;ー;)ξ「……この戦いが終わるまではね」
川メメメ゚ ー゚)「……」
クーは微笑みつつ、黙ってツンに近付く。
そして何をするかと思うと、急にツンの頭を撫で始めた。
ξ///)ξ「な……何すんのよ!!」
川メメメ゚ ー゚)「いいじゃないか。仲間だろ?」
それとこれとは違うだろ、と思うツン。
たが、決して止めてとはツンは言わなかった。
それはなんだか、心地よかったのだ。
とても。
(メメメ;^ω^)「……また僕だけのけ者かお……」
- 22: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:23:22.38 ID:HoHPyXRWO
―――――
そして。
クー、斉藤との激しい戦いが終わった次の日の夜。
ブーン達は何故かクーによって、またクーの道場に集められていた。
川 ゚ -゚)「……すまんな。わざわざ」
(;^ω^)「まだ傷が少し痛いお……」
('A`)「……なんでオレまで」
何故かドクオもである。
('A`)「……てかこの子は?」
ξ゚听)ξ「ツンよ。よろしく」
( ^ω^)「僕が今朝ドクオに説明した子だお」
- 24: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:26:36.91 ID:HoHPyXRWO
('A`)「把握した」
ξ゚听)ξ「で、クー。私達を呼んだ理由は?」
早速クーに詰め寄るツン。
だがクーはそれを制すかのように、ツンの質問に質問を返す。
川 ゚ -゚)「……その前に、ツン。ここに来た、ということは戦う気があるんだな?」
ξ゚ー゚)ξ「……もちろんよ」
ツンは微笑み言う。
それを見てクーも微笑む。
川 ゚ ー゚)「なら良し。女は切り替えも大事だからな」
('A`)「……なんか色んな意味で怖い台詞だな。それ」
川 ゚ -゚)「もう一つ。ドクオは昨日の話は聞いたか?」
('A`)「今朝ブーンからバッチリ」
と、ドクオは親指を立てクーにアピールする。
川 ゚ -゚)「きめぇ」
('A`)「……」
- 25: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:31:29.45 ID:HoHPyXRWO
ドクオが何も喋らなくなったのを全く気にせず、クーは真剣な眼差しになり話し始める。
川 ゚ -゚)「さて……本題に入ろうか」
(;^ω^)「あっ……その前に質問いいかお?」
川 ゚ -゚)「空気嫁」
(;^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「被告人の発言を許可する」
( ^ω^)「ありがたき幸せ。で、昨日のことなんだけどお……」
( ^ω^)「斉藤の出血を止めたのはクーだおね? クーの能力は一体何なんだお?」
川 ゚ -゚)「あぁスマン、言うのを忘れていたな」
と言うと、クーは急に親指の平を噛む。
当然その部分は切れ、軽く血が流れた。
- 27: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:36:30.51 ID:HoHPyXRWO
- (;^ω^)「!! 何やってんだおクー!」
川 ゚ -゚)「……まぁ見ていろ」
クーがそう言うと、途端にクーの親指から流れていた血が止まる。
(;^ω^)「!!」
そして、その流れていた血が形を変えていく。
その形にブーンは見覚えがある。
小さく細く、先がとがっているもの。
そう。
それは真っ赤な血の色のつまようじ。
そしてクーはそれを親指と人指し指で挟んで掴み、ブーンに渡す。
( ^ω^)「え?」
川 ゚ -゚)「歯に青海苔が挟まっているぞ。これでとるがいい」
(;^ω^)「……どうも」
ブーンはとりあえずそのつまようじで口をシーハーシーハーする。
川 ゚ -゚)「……とまぁ、私の能力はこんな感じだ」
('A`)「ワカンネ」
川 ゚ -゚)「やっぱり?」
- 28: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:40:00.27 ID:HoHPyXRWO
そして改めてクーは説明する。
川 ゚ -゚)「……私の能力は血に硬(コチ)を加える能力。……つまり私は血を硬くできる」
川 ゚ -゚)「もちろんダイヤモンドの強度だって血で作れる。血を止めたのもこれの応用だ。だがこの能力は使い勝手が悪い」
('A`)「血が体外にないと使えない、からか」
川 ゚ -゚)「ご名答。さすがだな。さて、わかったかブーン?」
( ^ω^)「うんうん。それより青海苔取れた?」
と言いブーンは口をイーッと開き、歯をクーに見せる。
川 ゚ -゚)「……つまようじの血で赤く染まっていてわからん」
( ゜ω゜)「ヒッ―――――――!!!!!!」
- 29: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:42:58.57 ID:HoHPyXRWO
―――――
川 ゚ -゚)「と、まぁ茶番はここらでオシマイだ。そろそろ本題に移ろうと思う」
('A`)「前フリ長かったな……」
川 ゚ -゚)「さて、その内容だが……」
ここでクーは一拍、間をおく。
そして、凛として話す。
川 ゚ -゚)「シャキン様……いやシャキンの仲間達を私達で……倒す」
- 30: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:44:21.99 ID:HoHPyXRWO
(;^ω^);'A`);゚听)ξ「「「なんだって――!!」」」
クーのさらっと言った爆弾発言に、動揺を隠せないブーン達。
そして彼(彼女)達は、クーのその発言で浮かんだ問いを、全てクーに投げつける。
(;^ω^)「マジかお!? 作戦は……?」
('A`)「無理だろ。常識的に考えて……。そもそもあいつら何処にいるかわからんだろ」
ξ;゚听)ξ「……勝てるの?」
川;゚ -゚)「おいキミ達、質問は一人ずつにしてくれ」
- 31: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:46:14.48 ID:HoHPyXRWO
そして、クーはそれぞれの質問を聞き、丁寧に答える。
川 ゚ -゚)「では……まずブーンの質問」
( ^ω^)「お!」
川 ゚ -゚)「作戦はある。以上だ」
( ^ω^)「……」
('A`)「次はオレの番だな」
川 ゚ -゚)「あいつらが何処にいるか、か……」
川 ゚ -゚)「あいつらは普段は自分の家に住んでいる。だが週に一度、シャキン以外のメンバーが全員集まる時があるんだ。そこを叩く」
('A`)「ほう……」
川 ゚ -゚)「そして、ツン」
ξ゚听)ξ「?」
川 ゚ ー゚)「私達が力を合わせれば勝てる。安心しろ」
ξ゚ー゚)ξ「……だよね。ごめん」
- 32: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:47:38.68 ID:HoHPyXRWO
(;^ω^)「って待つお! 僕の質問だけ丁寧も糞もないお! ちゃんと答えるお!」
川 ゚ -゚)「……答えないわけじゃないさ。長くなるから最後に話すことにしただけだ」
( ^ω^)「あらそうなの」
川 ゚ -゚)「あぁ。まず……何故私がこの作戦を考えたか、を説明しておこうか」
川 ゚ -゚)「簡単に言うと『いずれ戦うなら今やっちゃおう』だ」
('A`)「軽っ!!」
すかさずドクオが突っ込みを入れる。
クーは無視して続ける。
川 ゚ -゚)「では作戦だが……」
('A`)(……オレいつからこんな扱いになったんだ?)
- 33: ソムリエ(樺太) :2007/04/21(土) 22:49:29.64 ID:HoHPyXRWO
クーはその「作戦」をブーン達に説明する。
作戦の内容はブーン達にとっては不安な点もあったが、あいつらと戦うには確かにこの作戦が一番適当かと思えた。
決行は、来週だ。
第十二話おわり
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