( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:06:58.89 ID:eeXFobKTO
  

第十四話「ロマネスク」

会議も終わり、メンバーは解散、全員ペアと行動することになる。
そしてブーンはモララーといた。

( ・∀・)「見苦しいとこを見せてすまなかったね。まぁ気にしないで欲しい」

(;^ω^)「大丈夫ですお」

そうブーンが言うと、モララーは突然真剣な表情になり、ブーンに話し出す。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:09:43.68 ID:eeXFobKTO
  

( ・∀・)「今から私たちは共同体、二人で一人だ」

( ・∀・)「――だが、もし私が相手にやられ倒れたとしても、キミは私を無視して敵を倒すことのみに集中しろ。私がやられることは重要ではない。無論、キミもだ」

( ・∀・)「全てはシャキン様の為、いいな?」

( ^ω^)「……わかりましたお」

この言葉はブーンにとっても願ってもいないことであった。
これならブーンがモララーを倒した時に、ブーンが疑われる可能性が低くなるからだ。
能力者を倒すのを優先した、と言えばいいのだから。

( ^ω^)(あとは……僕が勝てるかどうかだけだお)

絶対に勝つ。
決意を強めたブーンは、モララーには見えない位置でギュッ、と拳を握った。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:13:05.29 ID:eeXFobKTO
  

――――

一方ここはクーの道場。
そこに彼女ら二人はいた。

ξ゚听)ξ「……で、クー。私達はどう行動するの?」

ツンはクーに問いかける。

川 ゚ -゚)「それは決まっているだろう。しばらくはキミの能力を探すことに専念する」

当然のようにクーは答える。

川 ゚ -゚)「ブーン達だけではぶっちゃけ少々不安だからな。早くキミにも戦力になってもらう」

ξ゚听)ξ「わかったわ……でも、どうやって能力を見つけるの?」

川 ゚ -゚)「……それも今から考える」

と、言うとクーはツンに向かって手を出し、そのままツンに言う。

川 ゚ -゚)「少々大変かもしれんが、頑張ろう」

ξ゚ー゚)ξ「…うん!」

二人も熱い決意を秘め、固い握手を結んだ。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:16:34.86 ID:eeXFobKTO
  
――――

また場面は変わり、会議場近くの森の中。

( ФωФ)「……さて、俺達のノルマは次の会議までに能力者3人。いいな?」

('A`)「はい」

返事をするのはドクオ。
ドクオもペアのロマネスクと話している最中であった。

( ФωФ)「ま、お互い協力し合って頑張って行こうぜ」

('A`)「……はい。頑張りましょう」

(;'A`)(……何か調子狂うなぁ。どうしてだ?)

ドクオが妙な違和感を感じていると、ロマネスクは心配した様子で話しかけてくる。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:19:49.42 ID:eeXFobKTO
  

( ФωФ)「……どした? 腹の具合でも悪いのか?」

(;'A`)「え? い、いや! 全然何ともないっす!」

( ФωФ)「そか。ま、無理はすんじゃねぇぞ」

(;'A`)「はい……ありがとうございます……」

そしてドクオは先程から生まれているその違和感の正体に気付く。

(;'A`)(なんつーか……この人……俺の倒すべき相手なのに……)

(;'A`)(俺、この人がすっげぇいい人だと思ってしまってる……)

と、そこまで考えるとドクオはハッとした顔をし、頭を軽く横に数回振る。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:22:22.29 ID:eeXFobKTO
  

(;'A`)(――いかんいかん! 情に流されちゃダメだ! こんなんじゃ戦う時影響が出てしまう!)

('A`)(これは絶対に負けられない戦いなんだ……気合い入れろ、ドクオ!)

ドクオは両手で頬を叩き気合いを入れる。
まるで自分を奮い立たせるかのように。


それとほぼ同時にドクオは何かを聞いた。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:25:01.45 ID:eeXFobKTO
  

「やっと見つけたYO……!」

突然、聞いたことのない男の声。

('A`)「ん?」

と、ドクオはその声が自分の遥か上の方から聞こえたことに気付く。

( ФωФ)「……誰だ?」

ドクオ、ロマネスクは上を見上げる。
と、その男はドクオ達の何十倍もの大きさの木の枝の上で立っていた。

\(^o^)/「この先にお前らのアジトがあるんだNA……」

その男は何故か笑顔。
ドクオはその顔に何か正義感というか、そういう眩しいものが漂っている雰囲気を感じた。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:28:37.17 ID:eeXFobKTO
  

( ФωФ)「何の用だ?」

\(^o^)/「お前らを潰しに来たに決まってるYO!」

( ФωФ)「……まぁそりゃそうだよな」

(;'A`)「!!」

早くも能力者に遭遇する二人。
うろたえるドクオ。
しかしそれと対照的に、ロマネスクは全く動じているような様子がない。
ドクオは自分の頭の中で考えを巡らす。

(;'A`)(オイオイ予想外だぜ!? まさか本当の敵が出てくるとはよ……! さっさと片付ける予定だったのに……! 無駄な戦いは面倒だからしたくねぇんだがなぁ……)

( ФωФ)「お、ドクオ。ビビってんのか?」

ロマネスクは呑気に、軽く悪戯っぽくドクオに話しかける。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:32:28.58 ID:eeXFobKTO
  

ちょうど自分の世界にいたドクオは、不意を突かれて思わず声が裏返る。

(;'A`)「へ!? あ、はひぃ! 大丈夫です!!」

ロマネスクはそのドクオの声、様子に思わず口から吹き出した。

( ФωФ)「ハハッ! なんだそりゃ! 相当重症じゃねぇか!」

(;'A`)「え? あ、はぁ……」

どうやらロマネスクにはそのドクオの挙動不審な様子が、ビビっているように見えたらしい。

( ФωФ)「でもま! 初めてだしな! 怖いのは仕方ないよな!」

(;'A`)「はぁ……」

ドクオはとりあえずロマネスクに合わせて返事をしておく。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:35:36.82 ID:eeXFobKTO
  

\(^o^)/「な、なに楽しい話に花を咲かせているんDA! こっちに集中しRO!」

と、木の上にいたままの男が微妙に間違っている日本語でロマネスク達に話しかけてくる。
だがロマネスクはそれを気にせず、またドクオに話しかける。

( ФωФ)「ま! 敵の野郎も待ってはくれんしな! 今回は俺一人に任せときな!」

(;'A`)「なんと! マジすか!」

これはドクオにとっては願ってもない流れである。

('A`)(ここで先に相手の能力を見ておけば対策が練れる……! それに自分の能力もバレずに済む……!)

('A`)「是非お願いします!」

ドクオは即答する。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:39:38.33 ID:eeXFobKTO
  

( ФωФ)「よし、任された!」

ロマネスクは胸を張り、ドンと胸を叩いた。
と、またドクオ達の上の方向から男の声が聞こえる。

\(^o^)/「とにかく! お前達雑魚に用はないんだYO! シャキンを呼ぶんDA!」

( ФωФ)「それは出来ない相談だぜ!」

ロマネスクはすぐさま答える。
が、男も動じない。

\(^o^)/「……ま、そりゃあタダでは呼ぶはずないKA……」

\(^o^)/「なら力づくでも案内してもらうYO!」

男はそう言うと服の胸ポケットから何か、小さな箱を取り出す。

( ФωФ)「あれは……?」

('A`)「――フリスクか!」

\(^o^)/「ご名答!」

そう。
男はフリスクを取り出していた。
ちなみに味はライムミント。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:43:42.83 ID:eeXFobKTO
  

ドクオとロマネスクはその男の様子を見ていると、男はおもむろにフリスクを一個、自分の口に投げ込んだ。

\(^o^)/「スースーするZE!」

( ФωФ)「……ドクオ、来るぞ」

('A`)「え?」

ドクオが問い返した瞬間、男は口をもごもごしながら言った。

\(^o^)/「……ごちそうSUMMER!!」

と、なんと男は口に含んでいたフリスクを二人に向けて吐き出した。

※良い子はマネしないでね!

(;'A`)「げっ! ばっちい!」

上から降ってくる一粒のフリスク。
ドクオはそれをじっと見る。

(;'A`)「……ってあれ?」

男の唾液がべっとりついたフリスクが迫る。
その時、ドクオはある疑問を持った。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:46:22.15 ID:eeXFobKTO
  

('A`)「……なんかでかくね?」

だんだんフリスクは近付いてくる。
ドクオはそれが近付くにつれて、大きくなっていることに気付く。

そしてそれがはっきり見えた瞬間、ドクオはようやくそれが何かわかる。

(;'A`)「――岩!?」

( ФωФ)「ドクオ!! 避けろ!!」

(;'A`)「うおっ!」

ロマネスクの声と共に、とっさにドクオは横へと跳ぶ。
ズシン、と大きな音。

\(^o^)/「……避けたka」

ドクオほどある大きな岩は間一発、ドクオの居た位置にめり込んでいた。

(;'A`)「うわ、あぶねー……!」

ドクオの額からは冷や汗が滲み出る。



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:50:44.88 ID:eeXFobKTO
  

( ФωФ)「ドクオ、大丈夫か?」

ロマネスクはそう言い、ドクオに手をさしのべる。

(;'A`)「大丈夫っす……すいません」

ドクオはその手を掴む。
そしてロマネスクに引っ張り上げられた。

すると、また二人の頭上から男の声が聞こえる。

\(^o^)/「HAHAHA! ミーの『フリスクを岩石に変える能力』を思いしったka!」

(;'A`)「……!」

\(^o^)/「耳の穴をかっぽじって聞きNA! ミーの名前はジンセイ=オワタ! お前らを潰す男DA!」

その男、オワタは大きな声で話し続ける。

\(^o^)/「じゃ、もうオワリにするNE!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:56:07.77 ID:eeXFobKTO
  

と、オワタはフリスクのケースの蓋を開け、口にありったけのフリスクを流し込んだ。

\(゚o゚)/「ゴ……ゴフッッッ!!!! エンッッッ!!!!!」

オワタからは思わず死にそうなほど苦しそうな奇声が漏れる。
それと同時に一気にフリスクを全て口から飛ばす。
というか吐き出た。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 20:58:41.08 ID:eeXFobKTO
  

(;'A`)「うわっ! 汚っ……!」

(;'A`)「って言ってる場合じゃNEEEEEEEEE!!!」

降り注いでくる大量の岩石。
その量は今から急いで走って逃げてもとても逃げ切れないほど。

\(^o^)/「シャキン乃ち悪! ならばその仲間達も悪!!」

\(^o^)/「てめぇら全員潰れちまえYO!!」

(;'A`)(くっ……どうする!? これじゃあ俺がロマネスクを倒す前に俺もやられちまう!!)

ドクオは必死に案を考える。
が、何もいい案は浮かばない。
自分の能力じゃ、あの数の岩石はどうしようも出来ない。

そんな困り果てるドクオにロマネスクは言う。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 21:01:02.88 ID:eeXFobKTO
  

( ФωФ)「うし、んじゃーさっさと終わらせるか」

(;'A`)「はい……ってえぇっ!?」

ロマネスクの言葉にドクオは思わず動揺する。

( ФωФ)「どした? なんでそんな驚くんだ」

(;'A`)「いや……この状況をなんとか出来るんですか!?」

( ФωФ)「当たり前だろ。あ〜そうか、まだ俺を信用してないんだな?」

(;'A`)「いや、そういう問題じゃ……」

ロマネスクはひょうひょうとした態度でドクオに話す。

( ФωФ)「ま! 見てな!」

するとロマネスクはどこからかある物を取り出す。

('A`)(あれは……)



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/08(火) 21:03:46.26 ID:eeXFobKTO
  

('A`)「十手、か!」

そう。
ロマネスクが取り出したのは十手。
昔の岡っ匹とかが使っていた武器である。

\(^o^)/「今更何したってMUDA☆MUDA!! もうオワリだYO!」

(;'A`)「――!」

気付くと、岩石はもう二人の目と鼻の先まで迫っている。
ドクオには最早、出来ることはない。

ドクオはぎゅっ、と目を瞑った。




第十四話おわり



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