( ^ω^)ブーンが神候補から能力を受け取ったようです
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:34:41.75 ID:iH7TcXnSO
- 第十五話「大剣」
目を瞑るドクオ。
ほぼそれと同時に、大量の岩石が地面に降り注ぐ音がドクオの耳に飛込む。
ドクオは歯を食い縛る。
('A`)「……!!」
………
('A`)「……あれ?」
――が、いつまで経ってもドクオは岩石の下敷にならない。
それどころか、彼は全くの無傷でただその場に立ち尽くしていた。
('A`)「……」
ドクオはそっと目を開ける。
( ФωФ)「な、大丈夫だろ?」
そこにはロマネスクが平然な表情をし、先程と全く変わらない様子で立っていた。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:38:56.61 ID:iH7TcXnSO
しかしドクオは自分の周りに広がる光景を見て、驚いた。
(;'A`)「な……!!」
(;'A`)\(;^o^)/「なんじゃこRyaaaaa!!!!」
ドクオ+αの叫びが谺(こだま)する。
二人が叫ぶのも無理はない。
なんと、あれだけあった岩石が全てドクオとロマネスクの周りを囲んでいるかのように砕かれて散らばっていたのだから。
だが、さらにそれよりも彼等の目を引いたものがある。
ロマネスク。
一見、彼は普通に佇んでいるように見えるが、彼の手に持っている物は普通ではなかった。
('A`)「……すげぇ」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:41:46.34 ID:iH7TcXnSO
ドクオは思わずそれに見惚れてしまう。
――それは巨大な剣。
その剣は刀身だけでドクオの体を優に越えていた。
全体を合わせると2m、いやそれ以上あるだろうか。
銀色に煌めく刀身が、森の木々の隙間から射し込む日の光に反射し輝いていた。
(*'A`)「……かっけー」
ドクオの口からは思わず本音が溢れた。
と、ロマネスクはその大剣を十手へと戻す。
剣に見惚れていたドクオは剣が十手に戻ったことで、ようやく正気に戻った。
だがドクオはロマネスクが能力を解除した事に疑問を持った。
(;'A`)「あれ? まだあいつは気絶してないんじゃ……」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:44:48.19 ID:iH7TcXnSO
( ФωФ)「ん? いや、終わったぜ?」
('A`)「え?」
どう見てもあいつはまだ木の上です。
本当にありがt(ry
\(;^o^)/「……まさか剣で岩を叩き斬るとはNA……だが」
そこまで言うと、オワタは元々の笑顔にまたニヤリとした笑みを加える。
\(^o^)/「そんな芸当も長くは続くMAI……!」
と、オワタはパンツの中に手を突っ込む。
そしてフリスクの箱を次々と取り出していく。
(;'A`)(パンツの中て……)
パンツの中をごそごそとまさぐり、オワタは大量のフリスクを取り出した。
軽く10箱は越えているだろうか。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:46:09.04 ID:iH7TcXnSO
オワタはフリスクを両手いっぱいに持ち、言う。
\(^o^)/「これら全てのフリスクを防げるKA……?」
(;'A`)「!!」
そんなの、不可能に決まってる。
ロマネスクとはいえ、さすがに無理だろう。
\(^o^)/「今度こそオワリDA!!」
オワタはフリスクのケースを開ける。
そして口に放り込む―――
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:48:38.44 ID:iH7TcXnSO
と、その瞬間。
突然、オワタの体が大きく揺れる。
\(^o^)/「オワッ!? アッ--------!!!」
それにより、オワタが持っていたフリスクは全てオワタの手から滑り落ちる。
/(;^o^)\「ナンテコッタイ!!!!!」
頭を抱えるオワタ。
するとロマネスクはそんな彼を指差して言う。
( ФωФ)「……だから言ったろ。勝負は終わってるんだって」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:51:52.69 ID:iH7TcXnSO
\(#^o^)/「オ……オワッテル!?」
ロマネスクのその言葉。
どうやらオワタの癪に障ったようだ。
舐めた態度を取るロマネスクに対し、オワタは逆上する。
\(#^o^)/「シャキンの金魚のフンGA……! 舐めやがっTE……!」
\(#^o^)/「偶然、木が揺れたぐらいで何調子に乗っているんDA!」
\(#^o^)/「まだフリスクはあるんだYO!!」
と、オワタはまたパンツの中に手を突っ込む。
すると、再びフリスクが大量に出てくる。
\(#^o^)/「今度こそ死ね……DEATH!!!」
そしてオワタはフリスクを口に入れ―――
\(;^o^)/「オワッ!? アッ---------!!!」
――ることはまたもや出来なかった。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:55:38.99 ID:iH7TcXnSO
何故か。
それは、再び木が大きく揺れたためだ。
そのためフリスクはまたもや岩石に変わることもなく、オワタの手からそのまま地面に落ちていく。
\(;^o^)/「ま……また……! な……なんでDA……!」
\(;^o^)/「何故こんなに頻繁に……木が動KU…?」
オワタは考える。
何故こんなに大きな揺れが続くのかと。
気象はどうか。
……しかし今、風は全然吹いていない。
むしろ無風と言っていいほどだ。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 20:57:55.57 ID:iH7TcXnSO
ではロマネスク達の動きに不審な部分は。
――だが彼等は岩石を斬り刻んでから、そこから一歩も動いていない。
再び能力を発動した様子もない。
では……一体何故……?
オワタがちょうどそこまで思考を展開させると、また、オワタの体が揺れを感じ取った。
\(;^o^)/「オワッ!!」
また木が大きく揺れる。
それは先程よりも、とても大きな揺れだった。
\(;^o^)/「オワオワ!」
バランスを崩すオワタ。
手をバタバタさせ、なんとか耐えようとする。
が――
\(;^o^)/「あぁっ!」
ついに堪えきれず、オワタは木の枝から足を滑らす。
オワタは重力に従うように、木からまっ逆さまに落ちていく――。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:01:30.94 ID:iH7TcXnSO
- と、思いきや。
\(;^o^)/「ファイトいっぱ――つ!!」
オワタは落ちている最中、手を伸ばし、とっさにすぐ近くの違う木の枝を掴み、そこにぶら下がる。
オワタはなんとか一命を取り留めた。
\(;^o^)/「あ……焦ったZE……」
\(;^o^)/(だがこのままじゃ格好の餌食……! 早く体勢を整えないTO!)
するとオワタは枝にぶら下がりつつ、体を小さく揺らし始めた。
そしてどんどん大きく揺らし、その勢いで枝の上にまた上ろうとする。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:08:17.68 ID:iH7TcXnSO
オワタの予想に反して、ロマネスク達が何かを仕掛けてくるような様子はなかった。
オワタはその事が気になったが、そのまま体を振り続ける。
そして、ちょうどオワタの体が地面と平行に向き合う形にまで大きくなった時。
彼は、その時初めて自分のいた木の枝の下、つまり木の幹をまじまじと見た。
\(;^o^)/「なっ……なんだTO……!?」
オワタは正直に思わず声を漏らしてしまう。
彼はその時ようやく現状に気付いたのだ。
そして木が異常に揺れる原因にも。
\(;^o^)/「木が……木がずれている……だTO……!?」
そう。
オワタが上に乗っかっていた木は、幹のちょうど真ん中より少し下の辺りが斜めにまっぷたつに斬られていたのだ。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:11:07.47 ID:iH7TcXnSO
そしてその影響でどんどん木がずれてきていた、ということだ。
オワタにとって、自分のいる木の年輪が、どんどん露になってきている光景はまさに異常であった。
\(;^o^)/「あの時KA……!」
オワタは思い出す。
ロマネスクが自分の岩石を一瞬で切り落とした時のことを。
実はあの時、ロマネスクは木をも斬り刻んでいたのだ。
よく周りを見渡すと、自分のいる木以外にも斬られた跡がある。
\(;^o^)/「あの一瞬DE……ありえNAI……」
( ФωФ)「ありえない? 実際に起こっちゃってるんだからありえるんだよ」
ロマネスクはオワタに口を挟むように言う。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:14:16.05 ID:iH7TcXnSO
- ( ФωФ)「じゃ、勝負もここまで。ドクオ、帰るぜ」
(;'A`)「え? あ、はい……」
と、ロマネスクは後ろを振り返り、オワタがぶら下がっている木の逆方向へ森から出ようと歩き出す。
ドクオもそんなロマネスクの後ろについて行く。
\(;^o^)/「お、オイ! WAIT! WAIT! まだ勝負は終わってないぞ!」
しかしオワタは引き下がらない。
相変わらず枝にぶら下がっているという危機的状況にも関わらず言う根性は大したものだ。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:20:36.54 ID:iH7TcXnSO
( ФωФ)「ん? しつこいな。だから終わってるっつーの」
だがオワタの言葉を聞いてもロマネスクは歩みを止めない。
(;'A`)(……いいのかなほっといて)
\(;^o^)/「ちょ! 待てっTE! 逃げるNOKA!」
しかしロマネスクには聞こえているのかいないのか。
ロマネスクはなおも歩き続ける――
――と思ったら急に止まった。
\(^o^)/「Oh! ようやく聞こえたのKA……?」
そしてロマネスクは何かを呟く。
( ФωФ)「……そろそろだな」
\(^o^)/「え」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:24:49.74 ID:iH7TcXnSO
ロマネスクがそう呟くのと同時に、オワタは自分の体が徐々に傾いていくのを感じた。
それと共にオワタの耳には何かが擦れているような、不吉な音が飛込んだ。
\(;^o^)/「ま……まさKA……」
(;'A`)「あ、木が……」
ロマネスクの言葉を皮切りにしたかの如く、木は瞬く間にずれていく。
(;'A`)「お――……」
ドクオは初めて見る光景に呑気に感嘆の声を上げる。
だが一方、その木の上にいるオワタは、そんな呑気にいられるはずもない。
\(;^o^)/「YABEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!」
オワタは叫ぶ。
それと同時に、彼は急に体が軽くなったような錯覚に襲われる。
――というか、体が浮いた。
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/20(日) 21:27:41.45 ID:iH7TcXnSO
\(^o^)/「ARE? これもしかしTE……」
――彼のいる木は、もはや完全に2つに分かれていた。
当然木はバランスを崩し、重力に従うように倒れていく――
\(^o^)/「オワタ」
――轟音が響く。
その衝撃がドクオ、ロマネスクにまで伝わってくる。
砂ぼこりが、辺りに舞い散った。
第十五話おわり
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