( ^ω^)が怪人になるようです

  
1: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:13:58.24 ID:3M2zR3V+0
  

男は会社員、とてつもない速度で出世をするエリートである。
しかしエリートというのは自分の周りだけでの話しである。
世間的に見ると男はエリート崩れ。
というのも彼の勤める会社はインスタントのうどんの袋を作る会社。
そんな小企業で彼は着々と出世街道を走っているのである。



  
3: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:16:26.44 ID:3M2zR3V+0
  
男は会議に出ていた。
それは今後の商法を提案していく会議だ。
男も自分のアイディアをあげていく。

( ^ω^)「うどんの袋業界も寒い時期ですが我々は常に向上していかねばなりません
      そこで自分は従来の袋の注意事項の欄の増強を提案します。例として「これはそばではありません」なんていかがでしょうか」

「おーおー」という歓声、場内は超満員で高らかなファンファーレがなり
男は上司やらなにやらに祝福されながらまたレベルが上がった。
ホイミを覚えた。



  
4: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:17:28.60 ID:3M2zR3V+0
  
午前の会議を終え男は社員食堂に向かった。
不適な笑みを浮かべている。

( ^ω^)「ふひひこれでまた出世だお、べびべびなう」

どう見ても不審者です、本当にありがとうございました。
そして男はAランチを頼んだ。
男は番号札を持ちカウンターの近くでAランチができるのを待つ。
その間に別の男がBランチを頼んだ。



  
5: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:18:59.44 ID:3M2zR3V+0
  
Aランチができると男はすぐにそれを持ち席を探した。
ほどよく2人掛けのテーブルが空いていたのでそこにシットダウン。
Aランチはエビフライ(大体アメリカザリガニぐらい)をメインにしたいかにも定食といった感じの定食だった。
男は出世後の給料を考えそれを中東の貧しい子供たちに分け与えることを考えると興奮して今にも発狂しそうだった。もちろん性的な意味で。
そんな妄想にふけっているところに先ほどのBランチの男がこちらにきた。

「あのサーセン、相席いいっすかwwwww?」

なんだかとても腹の立つ笑みだが男は承諾した。



  
6: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:19:52.26 ID:3M2zR3V+0
  
男はBランチ男のBランチを見た。
BランチはほとんどAランチと変わらなかった。
ただエビフライだけを除いては・・・。
Bランチのエビフライはまさにロブスター級だった。
Aランチと比べるとその差は歴然。
蟻vs像、異色コラボのようであった。
男はこの時点でかなり動揺しいきり立っていた。
しかしそれを表に出してはいけない。
なぜなら自分は自称エリート、しかもこの会社ではマジでエリートだからだ。それをたかがエビフライの大小で崩してはいけない。
そんなことはわかっている、わかっているのだ。
よくよくBランチの男を見ると彼は袋作りの工場の方のようだ。
そう男は品質面を担当している。
現場とオフィスの差がそこにあった。



  
7: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:21:36.76 ID:3M2zR3V+0
  
しかしそんなものではエビフライの差は覆せない。
男は優位に立つため攻勢に出ることにした。
( ^ω^)「見たところキミは現場で働いているみたいだけど、最近は暑いお。
      工場の中じゃ大変なんじゃないお?まぁオフィスはエアコンがあるんだけどね。」

なんという嫌味なやつなのであろう、俺なら飛び蹴りをかました挙句すごい勢いで逃げながら「アホンダラー」と叫んでしまう。
しかしBランチ男はなんだか能天気というかただのバカなのかって感じで

「えぇ暑いっすねwwwwでも最近扇風機があるんすよwwwwww
1人1台くらのちっちゃいのがwwwwwwwそれがあれば大丈夫っすねwwwwふひひ」

男はBランチ男の清清しさとその微笑でなんだか劣勢にたった気分になった。



  
8:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:22:55.93 ID:3M2zR3V+0
  
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

しばらくの沈黙があった。
そんな中でも男はBランチへの攻撃を考えていた。
だがよい案が浮かばなかった。(くそ、このままでは俺がやられてしまう・・・どうすれば・・・)
そう思った矢先Bランチ男が口走った。

「思ったんすけど・・・おたくのエビちっちゃいっすねwwwwwwww」

急所に当たった!効果は抜群だ!
この瞬間男のプライドは粉々に崩れた。
しばらく思考をめぐらせていたがだんだんにそれが重なりあい
流石のエリート崩れの脳でも許容しきれないほどになってしまった。
しだいにそれは表情にあらわれ口を動かした。



  
9:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:24:22.10 ID:3M2zR3V+0
  
( ^ω^)「もぎゃあああああんぎゃぎゃへべれけへべれけえええ」

しだいに男の憤りは体全体を動かすにいたった。
プロも絶賛するようなタップダンスを踏みながら右手を高々と上げ捧げ手をし左手は肘からしたを軽快に回転させ
腰はラジオ体操でやりそうな動きをしていた。
だが男の憤りはこんなものでは表現できなかった。
しだいに男は股から裂け始めた。
避けた部分からは男の感情を具現化した液体がこぼれていた。
虹色に輝いていた。
男はわずかに自我を持っており。思っていた。

( ^ω^)「あぁ僕ってもしかしてここで終わるのかお?でもよかったかなぁ
      妻はなにをしてるかな?晩御飯なにかな?あーめんどくせ」

そうこうしているうちに男の思考が止まった。



  
10:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:27:19.30 ID:3M2zR3V+0
  
どれくらいの時間がたっただろうか?

男は気付いたとき東京のやたら人通りの多い道のど真ん中にたっていた。
頭はちょんまげをゆっていてなぜかふんどし一枚であった。
そして右手には大根を持っている。
ふと若い男が男の前を横切った。

( ^ω^)「えぇとすいませんお・・・」

若い男は振り向かなかった

( ^ω^)「すいませんお!」

そりゃぁふんどしちょんまげなんてねえ
手に持つ大根を振りかぶり振り切る
ボコッという鈍い音を立てて若い男は倒れこんだ。
男は本能的に人々を殴り倒していく。
大根は折れない。
それどころか人の生気を吸って頑丈になっているように見える。
男は車をバコバコと叩きまくり地を割り建物を粉砕していった。
警察などが拳銃をもち男を銃撃した。
でも男は大根でそれを受け止めるのである。
まさに鬼神、今は前しか見えていない。
一通りの人間を撲殺すると男は悟った。



  
11:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:28:19.06 ID:3M2zR3V+0
  
( ^ω^)「そうだお、世界は僕を求めていたんだお。」

しばらくして男の前に数十人の男たちが現れた。
男たちは全身黒タイツであり「キィーキィー」と甲高く叫んでいた。
男の名は「怪人・大根男」以後はショッカーの幹部となる。



  
12:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:29:54.29 ID:3M2zR3V+0
  
ブーンは気づいたときには「大根男」と呼ばれていた。
それは確かにブーンがそう呼ばれるべき男だったからだろう。
ショッカーという組織に入ったのは数週間前



  
13:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:30:59.81 ID:3M2zR3V+0
  
赤い地面を作ったブーンに近づいてきた黒い男たち、いわゆる戦闘員
しばらく「キィー!キィー!」とけたたましく叫んでいたが、
少しして一人が歩み寄り言った。

('A`)「あ、あの、すいません、俺らここらでちょっと仕事してるんすけど・・」

やけに腰が引けた口調で男は俺に言った。
要約するとこいつらはここらで悪事を働くショッカーの戦闘員らしい。
それで俺のような怪人を探してはスカウトしているんだそうだ。

俺はこんな姿ではどこにもいけんので彼らの話に乗ることにした。
春の嵐吹きすさむ若葉のころであった。



  
14:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:31:50.03 ID:3M2zR3V+0
  
その後は通常の就職活動のように面接を受けたりした。
まぁ人数が足りないらしかったのでモラル試すぐらいのものだった。
当然合格である。
俺のほかにもかなりの数の連中が面接を受けていたが
ほとんどのやつは戦闘員に回されるようだ。
そしてその中で特殊な能力を持つ物は俺のように怪人とされる。



  
15:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:35:20.23 ID:3M2zR3V+0
  
新生活は中々いいものであった、怪人は会社の用意したマンションに入る。
給与は月に30万ほどであった。もちろん税金は払っている。
仕事内容は商店街を適度に荒らしたり
人をさらってきて改造人間にすること。
俺の能力で考えるばとても簡単なことだった。
とくに商店街を荒らして駄菓子屋の戦利品を奪うときは快感だった。
俺はチュッパチャップスが大好きだからな。

俺に最初に声をかけてきてくれた男はドクオというらしい。
やつはいいやつだ。うん。
さすがにふんどし、ちょんまげはまずいので一般的な格好をすることになった
全身黒タイツだが顔だけは、はずしてもおk



  
16: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:38:59.73 ID:3M2zR3V+0
  
ドクオが会社のことについていくらか教えてくれた
なんでも怪人というのは2種類いるらしく
天然怪人と人口怪人がいるんだそうな
天然っちゅうのはあれやな、うん生まれつきの怪人じゃ
人口っちゅうのは人口の怪人じゃ
簡単だね、やっふーい
んでまぁ俺は天然の怪人なんすけど
天然の怪人ってのは結構希少でして



  
17: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:40:23.85 ID:3M2zR3V+0
  
そうすると俺を妬む者もいた。
俺の部屋の斜向かいの「蜘蛛男」だ。
あいつは俺よりも少しばかり早く入社していた。
確かに先輩ではあるが能力に大差はない。
俺はあいつが嫌いだ、まず容姿がよくない。なんせ蜘蛛だ。
毎朝出勤時に顔を会わせると

<ヽ`∀´>「けっ人間みたいな面しやがって」

なんて嫌味を言われる。
そりゃ俺は元々人間だからな
あいつのように改造された怪人じゃないのだ
だから顔もわざわざ改造する必要はない。



  
19:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:43:34.56 ID:3M2zR3V+0
  
出勤後はいたって普通だ
確かにノーマルな生活では味わえないかもしれないが少しばかりマンネリ
そんな中で俺に少しばかり風が吹いた



  
20:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:44:34.58 ID:3M2zR3V+0
  
彼女と出会ったのは1週間前
「蜂女」という人だった。出会いはゴミ捨て場
俺がゴミだしをしていると彼女はそこにいた

从'ー'从「あ、新人の方ですか?」

俺は当たり障りのない返事をしておいた。
次の日もその次の日も彼女はいて俺に話かけてきた
俺は恋に落ちていた
怪人なのに
彼女は任務のときこそ趣味の悪い格好をしているがなかなか美人だ
優しい口調は俺を簡単に魅了しビジュアルはとどめを刺



  
21:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:45:20.64 ID:3M2zR3V+0
  
そして今日は俺は見たくないものを見てしまった。
蜂女が蜘蛛男の部屋に入っていくところだった
俺は頭がどうにかなりそうだった
ともかくじっとしていることもできないので走り出した
真夜中であるにも関わらず暴動を働いた
夜間は表に出てはいけないんだけどな
大根ブレードは決して折れない



  
22:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:48:56.45 ID:3M2zR3V+0
  
朝方になって俺は部屋に戻った
会社には体調不良ってことで休んだ
電話に出たモナーさんといういぶし銀の怪人は

( ´∀`)「お大事にもな。まぁまだ若いんだ早く治せもな。」

と言ってくれた。
俺はなんだか自分がふがいなくなった
ただ勝手に惚れただけじゃないか
相手は悪くないし、俺と関係があったわけでもなんでもない
そんなことを考えると自分が嫌になった
公園のブランコに揺られて俯いていた
ふと、携帯がなった、ドクオからだ
自分でいうのもなんだがあいつは俺を尊敬しているようだった
自惚れですかね?

('A`)「あ、ブーンさんっすか。ちょっと会社の方で事件がありまして・・・」



  
23: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:53:20.55 ID:3M2zR3V+0
  
今は蜘蛛男の葬儀の最中だ
ぶっちゃけ早く帰りたい
蜂女が泣いている、蜘蛛男はいい様だと思うが
蜂女はかわいそうだ
「蜘蛛男はいい様だと思う」こんな自分がまた嫌だった



  
24: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:53:56.27 ID:3M2zR3V+0
  
ボスがあーだこーだと蜘蛛男の功績を話している
ボスは姿を見せない戦闘員が持ってきたスピーカーから音声だけ
いつもそうだ、デスノートでも怖がってるのか?
どうでもいいことだが蜘蛛男は結構努力家だったらしい
だからこそ俺のような改造なしでも十分な奴が嫌いだったのかもしれない



  
25: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:56:06.30 ID:3M2zR3V+0
  
葬儀が終わり帰ろうとすると他の怪人が話している声が聞こえた

「なんでも相手も怪人のようだったらしい」

「蜘蛛男は真っ二つにされていたみたいだぜ・・・」

俺は蜘蛛男の顔は見てこなかった
葬儀場を出るところでセミミンガさんに声をかけられた

( ´∀`)「今まで事故や病気で死んだのは見たが
      他殺は初めてもな、お前も気をつけるもなよ、じゃあな」

セミミンガさんは部下思いの良い上司だった
いちおう怪人にも階級というものは存在するのだ



  
26: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:57:18.76 ID:3M2zR3V+0
  
ちなみにセミミンガってのはモナーさんの怪人時の名前だ
俺ことブーンは大根男っていうのさ
ドクオはドクオ、戦闘員だしね



  
27: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 20:59:44.99 ID:3M2zR3V+0
  
数日後に蜂女と久しぶりにあった
蜂女は綺麗な顔をしていたがそれは決して気持ちの良いものではなかった
復讐の念でいっぱいの顔だった
この女性はそれほどまでにあの男を想っていたのか・・・
俺はだんだんいたたまれなくなり、彼女に問いかけた

( ^ω^)「僕もできる限り手伝うお・・・」

そんな気はさらさらないのだが
下心というやつはどうも心にないことを言わせたがる

从'ー'从「ありがとう、でもケジメは自分でつけたいんだ」

そういうと蜂女はヘルメットをかぶり会社へ向かっていった
俺もあとを追うように会社に向かう



  
28:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 21:00:48.35 ID:3M2zR3V+0
  
事件後ショッカーは犯人の話題で持ちきりだった
どうやら犯人は脳の改造前に脱走した人間のようだった
思えばここの連中も意識こそあるが会社第一という改造を受けている
もしかしたら俺も気づかない間に改造されていたのかもしれない

「でもよ、蜘蛛男って頑張ってたけど才能なかったよなwwwwww」

一人の怪人が言った
ダンッ!という音が響き皆はそちらを向いた
蜂女だった。デスクに向かい目をつぶり歯を食いしばっていた。
蜂女は我慢できなかったのか席を立ちどこかに向かっていった



  
30: グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 21:01:41.04 ID:3M2zR3V+0
  
数週間が過ぎた
あの事件から1週間後、また怪人がやられた
そしてそれから1週間後も同じように
なんとか逃げ延びた戦闘員が言うには敵は「ライダーキック」
という技を使うらしい、ほんとに強いのだろうか
俺ならもっとセンスのある名前をつけるだろう
例えば「ターボスマッシャーキック」とか「波動キック」とか



  
31:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 21:03:23.77 ID:3M2zR3V+0
  
部屋に帰りTVをつけた
今日は残業もなくゆっくりできた
蜂女はどうしているのだろうか?
あれからあまり見かけない
俺はあまりアグレッシブじゃないので女性に関しては奥手なのだ
そういえば俺には妻がいたなぁ人間のころ
でもなんだかうまく思い出せないわけだ
まぁいいじゃないか、今は蜂女を攻めようとしてるわけだし
TVにはくだらないバラエティばかり流れていた
まったく仲間が何人も殺されているのに不謹慎だ



  
32:グラドル(茨城県) :2007/03/24(土) 21:05:31.68 ID:3M2zR3V+0
  
こう周期的に仲間が殺されると皆気が気でなかった
葬儀は簡単に行われるようになった
中には会社を退職しようとして脳を完全に改造されたものもいる
帰り際に蜂女が話しかけてきた

从'ー'从「前に言ったこと覚えてる?」

( ^ω^)「あぁ蜘蛛男のことかお?」

从'ー'从「そう、厚かましいんだけどあれに甘えてもいいかな?」

( ^ω^)「自分で言ったんだら全然構わないお」

从'ー'从「じゃぁ帰ったら部屋に行くね」

ktkl

( ^ω^)「わかったお」

俺は内心とても期待していた
これは間違いなくフラグだ、蜘蛛男は無駄死にじゃない
ひひ、ひひひ



戻る次のページ