( ^ω^)は幻の大地の住人のようです
- 239:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:01:38.84 ID:dipaKxFD0
- *二章 九話*
〜レイドック城〜
俺たちは今、レイドック城に来ている。
どうやら『上』のほうのレイドックらしい。
『上』だの『下』のだの言われても俺にはよく分からないが
とにかく『上』のレイドックとのことだ。
ここに来るまで、ホントいろいろとあって、
………………………何がなんだかわからない……。
例えるなら――
そう、『僕がキラかもしれない』と自首してきたのに
何日か経ったら『僕はキラじゃない! カワジリダ!』と言い出された奴の気分だ。
何を言ってるのか わからねーと思うが
俺も何を言いたいのかわからない……
時間はある、一つ一つ、少しずつ、思い出してみるか。
- 241:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:12:15.31 ID:dipaKxFD0
- まずは月鏡の塔だ。
もょもとさんが言ったとおり左の塔を上ることにしたんだ。
心配していた罠とかはなくて、順調に進んでいった。
そういえば、途中階段がなくて困ったなぁ……
いや、あるにはあったんだけどさ
鏡の中にだったんだ。
鏡の中に入れないか試してみたり
実は鏡じゃなくてガラスで、裏側に隠し通路がないか探してみたり
試行錯誤を繰り返してみたが一向に先に進めない
少し、遅れてきたしぃさんが
(*゚ー゚)「鏡の中で階段がある場所を調べたらいいんじゃない?」
(。;` ー´);゚,_ノ゚);'A`)「その発想はなかったわ」
調べたらあっさりと、床の下にスイッチのようなものを発見
押したら目の前の壁が倒れて階段が出現しましたとさ。
いやー鏡にばかり注目してて、偽られてるのが現実の方だとは気づかなかったわ。
- 242:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:13:36.38 ID:dipaKxFD0
- 次に俺たちを待っていたのは変な玉だった。
これは2箇所に1個ずつあった。
この程度の仕掛けは問題ない。
その玉がきれいだったからもって帰ろうとしたら割れた……
破片が足に刺さって痛かったけどホイミで治した。
仕方がないのでもう一箇所の方をもって帰ることにした。
うん、こっちのも割れた。
またホイミで怪我を治してたら――
(。 ` ー´)「回復呪文の無駄遣いしてんじゃねーよ」
( ゚,_ノ゚)「それに罠かもしれないものにうかつに触れるのは感心しないな村山」
――二人に怒られた……。
いいじゃん、自分で回復してるんだし。
それに結果的に俺のおかげでラーの鏡手に入ったんだし。
つか村山って誰だよ……。
まぁこんなこと絶対、口に出して言えないけど……
- 243:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:15:11.67 ID:dipaKxFD0
- どうやらさっき壊した玉が仕掛けになってたらしく
下のほうから大きな音が聞こえ、塔全体が揺れた。
俺たちは急いで塔を駆け下りた。
2階まで降りると二つの塔の間に部屋ができていた。
どうやら空から降ってきたみたいなかんじだった。
んでその中で『ラーの鏡』を発見したわけよ。
ほら、仕掛け壊した俺のおかげだな。
ラーの鏡は一見普通の鏡と変わらない。
こんな厳重に守られてる必要があるものなのだろうか?
- 244:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:16:14.69 ID:dipaKxFD0
- 本当に大変だったのはそれからだった。
ラーの鏡を手に入れたもょもとさんたちは早速『レイドック』へ向かった。
当然、俺としぃさんも一緒に。
後でわかったことだが、しぃさん曰く
ここのレイドックは『下』のらしい。
俺にはさっぱりだ。
俺はレイドックには初めてきた。
城下町がある城で、ずっと眠ってる王様と王妃様がいるとは聞いていた。
うわさどおりでかい町だ。
( ´Д`)「1さ〜ん。ハァハァ」
((( )))
(´Д`; )「うわ〜んキモイヨ〜」
町では八頭身のキモイ奴が男を追い回していた。
ああゆうのにはかかわりたくない……
都会は怖いところだ……
- 247:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:17:43.73 ID:dipaKxFD0
- 俺たちは、というと……
(。 ` ー´)「だから俺たちは、雇われた兵士だって!!」
兵士J「最近、雇われたものなんていないな。帰れ!」
(;゚,_ノ゚)「くそ、どうなってるんだいったい!?」
見てのとおり俺たちは門前払いをくらった。
だいたいこの二人が本当に兵士かどうか怪しいものだ。
- 248:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:18:35.44 ID:dipaKxFD0
- 大通りで会話していると、突然、一人のおばあさんが話しかけてきた。
おばあさん「おや、あんた王子によくにてるねぇ……そっくりだよ」
おばあさんはもょもとさんに向かってそう言った。
もょもとさんはそれを聞いて何かをひらめいたようで
どっかから貴族の服を買ってきた。
もょもとさんはそれを着て身なりを整え始めた。
激しくいやな予感がする……
- 249:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:20:00.22 ID:dipaKxFD0
- 再びレイドック城へ
兵士J「またお前たちかいいか……いいかg
「あ、あなたは王子様!! 戻ってらっしゃったのですか!?」
兵士と会話していると、城の上のほうから声が聞こえてきた。
見てみると兵士長らしき人が驚いた顔でこちらを見ている。( ゚д゚ )
こっちみんな……
兵士J「ドム兵士長! こいつらしつこいんですよどうにかしてください!」
ドム「ば、ばかも〜ん! それが王子様だ! 中にお通ししろぉ〜!」
今思えば、この兵士長の勘違いが始まりだったのだ。
迷惑な奴だ、踏み台にでもされちまえ。
皆の様子を見てみると……
(。 ` ー´)(思い通り!)
( ゚,_ノ゚)(ドム? ソリティ兵士長じゃなかったっけ?)
(*゚ー゚)(…………)
もょもとさんは必死で笑いをこらえている
ハッサソさんは困惑している
しぃさんはかわいい。
- 250:9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:21:17.43 ID:dipaKxFD0
- ドム「おお、王子様。立派になって……
先ほどは新人の兵士が失礼しました」
(。 ` ー´)「いいってことよ」
何がいいってことよだ。
その後は、とんとん拍子にことが運んで
王様とご対面する事になった。
うわさどおり王様は眠っていた。
その隣で王妃様も……
二人とも結構年をとっているようだ……
そこになにやら慌てて大臣がやってきた。
そして、これが崩壊の序曲となった。
- 258: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:46:02.12 ID:dipaKxFD0
- 大臣「おお王子様、みちがえましたな
ですが……本当にあなたが王子か?」
(。;` ー´)「!」
ドム「大臣! 何をおっしゃる!」
大臣「実は先ほどルパンから予告状が届きましてなぁ……
本日、我が城に保管されているキメラの翼を盗み出すとの事です」
ドム「まさか……」
大臣「失礼ですが王子としての証は?」
(。;;` ー´)「王子? 証? 何の事です?」
まずいぞ、この展開は非常にまずい……
大臣「ひとつ質問をお許しください。
あなたが小さいころ仲のよかった妹のお名前は?」
(。;` ー´)「…………た、タニア……」
- 262: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:50:40.66 ID:dipaKxFD0
- ドム「お、王子様……」
大臣「こいつがルパンだ! 捕らえろぉー!」
やっちまった……
(。;` ー´)「おい、逃げるぞ!!」
何が逃げるぞだ
もょもとさん、いやもょもと! あんたが余計なことをしなけりゃこんなことにはならなかったのに……
俺の人生お先真っ暗だ……
それから俺たちは必死で走った。
そして、指名手配される前に船に乗り込み東の大陸へと向かった。
ルパンもルパンで迷惑な奴だ。
何もこんなときに予告状を出さなくてもいいのに……
きっとこの騒動の隙に目的の物を盗み出しているのだろう……
- 265: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:53:00.80 ID:dipaKxFD0
- いや待てよ……
そうか……そういうことだったのか……
おれたちはとんでもない思い違いをしていたようだ。
これを思い出してみろ。
おばあさん「おや、あんた王子によくにてるねぇ……そっくりだよ」
そう……
('A`)「あのおばあさんがルパンで、もょもとが王子に成りすます様にけしかけたんだよ!!」
俺たちが城に入ったのを確認したところで予告状を出す。
ルパンは変装の天才なので誰もがこのタイミングで帰ってきた王子を疑うだろう。
あとは見てのとおりの結果だ……
つまり、俺たちは初めからルパンの手のひらの上で踊らされていたんだ……
だが、いまさら気づいたところでどうにもならない……
俺たちは……何もかも……何もかも遅すぎたんだ…………
そして人類は滅亡する!!
船の上で俺はそんな馬鹿なことを考えて現実逃避するしかなかった……
まぁ普通に考えて、予告状はどっかの子供のいたずらだろう。
俺たちはタイミングが悪かったのだ、悪い事はするもんじゃない……
- 267: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:54:52.80 ID:dipaKxFD0
- 数日後、東の大陸に着いた。
ここはサンマリーノという町らしい。
( ゚,_ノ゚)(はじめてくるのに何故か懐かしい感じがするな……)
(。 ` ー´)「おいハッサソ、何やってんだ、行くぞ!」
なるべく人目につくのはさけて
しぃさんの案内で、さらに東の神殿へと向かった。
幸い、犬が毒を盛られたとかどうとかの騒ぎで
俺たちに気づいた人はいないみたいだった。
- 271: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:56:59.73 ID:dipaKxFD0
- そして神殿へとたどり着いた。
神殿といってもそこは廃墟にちかかった。
建物は崩れ、地面は荒れ、幽霊でも出てきそうなふいんきだった。
(*゚ー゚)「こっちよ」
しぃさんは階段を下りて地下へともぐって行った。
俺たちも階段を下りると、そこにはひとつの井戸があった。
(*゚ー゚)「この中に入って」
わけのわからないまま俺たちは井戸に飛び込んだ。
井戸は深く、ずっと落ちていた。
途中で俺は気を失った――……
- 272: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:58:02.51 ID:dipaKxFD0
- 気がつくと俺たちは外にいた。
近くには大きな崖がある。
気のせいだろうか?
崖の下に町のようなものが見える。
落ちたらおしまいなのですぐに離れて、あまり見なかったが、たぶん気のせいだろう。
( ゚,_ノ゚)「これからどうするんだ?」
(*゚ー゚)「レイドックに向かうわ」
(。 ` ー´)「何いってんだ、捕まるぞ!」
(*゚ー゚)「大丈夫よ、こっちの『上の方』のレイドックならね」
俺たちはわけがわからなかった。
でも、しぃさんを信じてレイドックに行くことにした。
- 273: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 19:59:26.40 ID:dipaKxFD0
- そして、レイドックについた。
しぃさんが言ったとおり捕まることはなかった。
ドムさんによく似たソルティという兵士長に
ここで待つようにといわれた。
ここまでが月鏡の塔から今まであったことだ……
('A`)「はぁ……」
(。 ` ー´)「上だの下だのなんとなく把握できたきがするぜ」
( ゚,_ノ゚)「ちょっと俺にも説明してくれ、もょもと」
(。 ` ー´)「まず俺たちは西の崖から飛び降りたろ?」
( ゚,_ノ゚)「ああそうだったな、お前が無理やり突き落とした」
('A`)(シラネ-……)
- 275: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 20:00:51.32 ID:dipaKxFD0
- (。 ` ー´)「そしてたどりついた場所が『下の世界』だ」
( ゚,_ノ゚)「飛び降りる前の場所、つまりここが『上の世界』というわけか」
(*゚ー゚)「ええそうよ」
(。 ` ー´)「そして上と下、二つの世界には少なからず共通点がある」
('A`)「?」
(。 ` ー´)「ここ、レイドックがそうだ。この城は上と下にそれぞれ存在している
町のつくり、城のつくりはまったく一緒だ。
だが似ている人はいても、別の生活をしている」
(。 ` ー´)「俺たちは、こっちの『上』のレイドックの兵士となった。
だから『下』のレイドックでは追い返されたんだ」
( ゚,_ノ゚)「そして、『下』でおたずねものとなったが
『上』では関係なく兵士のままということか」
(*゚ー゚)「ええ、本当はもっと複雑なんだけど、今はその程度の知識でいいわ」
('A`)(まったく、わけがわからん、こいつらそろって電波受信中か?)
- 278: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 20:02:25.31 ID:dipaKxFD0
- ソルティ「王様がお見えになる。無礼のないようにな」
('A`)「王様? ずっと寝てるんじゃ……?」
(。 ` ー´)「これも興味深い点だ。上の王様は眠らないが、下の王様は眠ったまま……」
そんなことを話していると王様と思わしき方が歩いてきた。
レイドック王「もょもとと、ハッサソだったか、それとその仲間たちよ」
('A`)(若い……下の王様に比べてぜんぜん若い)
レイドック王「ラーの鏡を見つけたようだな。さっそく見せてもらいたい」
- 279: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 20:03:44.36 ID:dipaKxFD0
- (。 ` ー´)「はい、我々が数々の困難を潜り抜け、たどり着いた月かg
レイドック王「そんなことはどうでもよい。さぁ早く鏡を」
(。#` ー´)「…………これです」
レイドック王「これが…『ラーの鏡』か。これがあれば――
王様が鏡を覗き込んだそのときだった。
ラーの鏡が今まで、見せたことのない輝きをみせ、王様が光に包み込まれた。
レイドック王「なんだこれは! WRYYYYYYYYYYYYYYYY!」
ソルティ「王様!!!」
(。 ` ー´)「これはいったい……!?」
(*゚ー゚)「落ち着いて、これでいいのよ……」
- 282: 9 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/23(土) 20:05:29.37 ID:dipaKxFD0
- 王様は瞬く間に、別の人物へと姿を変えた。
この人は……!
('A`)「下で眠ってた王妃様……?」
それは間違いなく下で見た王妃様だった。
「そうです。私の名はシエーラ、レイドック王妃です」
しばらく話を聞いた後
……と、いっても俺にはほとんど理解できなかったが
しぃさんは把握してるようだからそれでいいだろう
もょもとと ハッサソさんは次の任務を受けることになった。
えっ、兵士に採用するから俺としぃさんも一緒に……?
で、その任務の内容は……
( ゚ A ゚ )
*九話 おわり*
戻る/第十話