( ^ω^)は幻の大地の住人のようです

  
3:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 15:56:46.87 ID:eYqgciQB0
  
*十話*

('A`)です。もう上とか下とかどうでもよくなってきたとです……


('A`)です。いま、レイドック南東の道にいるとです……


('A`)です。地底魔城にむかってるとです……


('A`)です。ムドーを倒してこいといわれたとです……


('A`)です…… ('A`)です…… ('A`)で…………



  
5:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 15:57:51.96 ID:eYqgciQB0
  
(。;` ー´)「まいったな、まさかムドー討伐なんて任務を授かるとは」

(;゚,_ノ゚)「たった四人であの魔王を倒せるのか……?

この二人は城を出てからずっとこの調子だ。


(*゚ー゚)「大丈夫よ。私たちならきっと勝てるわ。
     ほらドクオ君も勇気をだして! あなたは強いんだから」

しぃさんはずっと俺や、二人を励ましてる。
不安じゃないのかな……?



  
7:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 15:59:54.59 ID:eYqgciQB0
  
一応、城でそれなりの装備はもらったが、俺には重すぎて装備できるものは少なかった。
結果、もょもととハッサソさんの二人がそのほとんどを装備することになった。


('A`)(俺にあるのは斬れない刀と、盾、鉄の胸当て、それにスライム用の兜……)

胸当てだと腹部への攻撃はカバーできないので不安が残る……
しかし、スライム用の兜は意外と守備力があり、頭部の守りは多分安心できる。


(。 ` ー´)「さてと、ついたぜ……」
( ゚,_ノ゚)「この洞窟が。地底魔城への入り口か……」

(*゚ー゚)「そうよ、この先にムドーの住む地底魔城があるわ」

しぃさん、前から思っていたけど、あなた何者ですか?
いろいろと詳しすぎじゃありません?



  
8:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:01:55.42 ID:eYqgciQB0
  
(。 ` ー´)「よし、ここまできたら覚悟を決めるぞ」

( ゚,_ノ゚)「ああ勝って、英雄になろう」

(*゚ー゚)「その意気よ、二人とも! 私たちは勝てるわ!」


この人たちを見てたらなんだか俺も勇気がわいてきた。

('A`)「よし! 行こう!」

(。 ` ー´)「おっドクオも覚悟を決めたか!」
( ゚,_ノ゚)「みんなで生きて帰ろうぜ村山!!」

(;'A`)(だから村山ってだれよ……?)



  
9:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:03:59.12 ID:eYqgciQB0
  
〜地底魔城への洞窟〜

洞窟の中は、ところどころ炎が灯っていて、意外に明るい。
ただ、あたりには人間のものと思わしき骨が転がっている。

こういうところで死んだ人間は、魔の力の影響で
腐った死体などのゾンビ系のモンスターとなってしまうことがある。


('A`)(あんた達の分もがんばるよ……だから安らかに眠ってくれ)

聖水を振りまき、祈りをささげる。
これが今、俺にできる精一杯の供養だ。



  
11:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:06:16.68 ID:eYqgciQB0
  
洞窟の中では、スカルガルーやストーンビーストなどが襲い掛かってきた。
魔物図鑑でしか見たことのないやつらだ。
まさか、自分が戦うことになるとはな……

中でもストーンビーストは桁違いの強敵だった。
攻撃を仕掛けるとアストロンで鉄になり回避され、
ならばほかの奴を!
と思いそっちに気を取られていると背後からべギラマを放ってくる。
俺達はこの強敵に苦戦していた。

(メメ゚,_ノ゚)「完全に敵さんのペースだぜ」
(。;` ー´)「くそっ、どうにかならねぇのか、おいしぃ!!」

(*゚−゚)「『おい』はやめてって、せめて『、』を打ちなさいよ!」

(。;` ー´)「そんなこと言ってる場合かよ、わかったからどうにかしろ!」

(*゚ー゚)「ちょっと待ってて、ドクオ君、詠唱してる間私を守ってね」

('A`メ)「うん。二人のためにも早くしてあげて」



  
13:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:07:31.36 ID:eYqgciQB0
  
このパーティの戦術は
もょもととハッサソさんが前衛で敵を蹴散らし
しぃさんが後方で呪文を唱える。
二人の攻撃を潜り抜け、しぃさんに襲い掛かってきた敵を食い止めるのが俺の役目だ。


前衛の二人が2匹のストーンビーストを1:1で食い止めている間
俺は他の敵をすべて相手にしなければいけない。

正直、きつい……

でも――


('A`メ)「俺がいる限り、しぃさんには指一本触れさせない!!」

その思いが、俺に力を与え、勇気を与える。



  
14:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:09:34.24 ID:eYqgciQB0
  
キラーグースが襲い掛かってくる!

('A`メ)「遅い!!」

瞬時に刀を抜き、真空斬りを繰り出す。
ハッサソさん曰く、一閃の技術だ。

放たれた真空の刃が、キラーグースを真っ二つにした。

それを見た、他の魔物がたじろぎ、様子を見ている。
よし、これで時間は稼げた!

(*゚ー゚)「ナイスよドクオ君。詠唱完了」

(*゚ー゚)『マホトーン!!』

しぃは マホトーンを 唱えた!
あたりの 魔物の呪文が 封じこめられた!!



  
16:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:11:04.52 ID:eYqgciQB0
  
(。 ` ー´)「よくやった! しぃ、ドクオ!!」

( ゚,_ノ゚)「これで、ストーンビーストなど動きの遅い雑魚だな」

スパァッ! もょもとの剣がフェアリードラゴンの羽を切り落す。
ゴシカァン! ハッサソさんの棍棒が妙な音を立てて腐った死体の後頭部に殴りつける。

二人は、ストーンビーストの攻撃を華麗にかわしつつ、他の魔物をしとめていった。
俺は、呪文が封じられ、困惑している はねせんにんを倒した。
これで残るは二匹のストーンビーストのみ


(*゚ー゚)「二人とも、伏せてーーーっ」

しぃさんが二人に向かって叫ぶ。

(*゚ー゚)『イオラ!!』

爆発が起こり、ストーンビーストは跡形もなく消えた。

俺たちは勝利したのだ。



  
19:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:13:13.18 ID:eYqgciQB0
  
(。 ` ー´)「何とか勝ったな」

(メメ゚,_ノ゚)「わるい、村山、結構喰らっちまった回復を頼む……」

('A`メ)「うん。任せて『ベホイミ』」

ドクオは ベホイミを 唱えた!
ハッサソの 傷が 回復した!

俺は数々の連戦の中を通してホイミの上位呪文であるベホイミを扱えるようになっていた。
MP自体もしぃさんから教えてもらったイメトレの成果で大幅にアップしいる。

( ゚,_ノ゚)「ありがとうな」

(*゚ー゚)「ほらドクオ君も。『ホイミ』」

しぃは ホイミを 唱えた!
ドクオの 傷が 回復した!

('A`)「ありがとう、しぃさん」

それからは、俺たちの強さに恐れをなしたのか
あまり魔物は襲ってこなくなった。

例え襲ってきたとしても
このパーティにならどんな魔物にでも勝てる!
俺はそんな気がした。



  
21:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:14:54.67 ID:eYqgciQB0
  
唐突だが、俺は『勇気』とは『炎』のようなものだと思う。

たったひとつの火だと弱く、すぐに消えてしまうが
たくさん集まれば炎となり、強く激しく燃える。

勇気も同じだ
一人一人の勇気なんて、本当に小さいものだと思う
だが皆が集まれば、怖いものなどなくなり何でもできる気がしてくる
例えが悪いが『赤信号、皆で渡れば怖くない』
そんなものだろう。

俺一人なら、この洞窟を進むことなんて不可能だ。
強さがどうこう以前の問題で、おそらく入り口から一歩も進むことはできないだろう。
俺の勇気なんてそんなちっぽけな物だ

だけど、もょもと、ハッサソさん、しぃさん、そして俺。
四人がひとつだからこそ、俺たちは前へ進める。
俺達の『勇気の炎』はとても大きく燃えている。

                         ――dokuwo



  
22:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:16:46.88 ID:eYqgciQB0
  
〜地底魔城−入り口−〜

(。 ` ー´)「ついにたどり着いたな」

( ゚,_ノ゚)「いよいよだな」

('A`)「…………」

(。 ` ー´)「どうした? ドクオ、まだ怖いのか?」

('A`)「そんなことはないよ。自分自身強くなったのはわかるし、
    もょもと、ハッサソさん、しぃさん、皆の強さは信頼している
    このメンバーなら何でもできる気がするよ」

( ゚,_ノ゚)「村y……いや、ドクオ……皆、絶対勝とうぜ!!」

(。 ` ー´)「当然! 俺たちは世界最強のパーティだぜ!」

(*゚ー゚)(皆、強くなったわね。これならきっと大丈夫だわ」


(。 ` ー´)「よし! 突入だ!!」

(*゚ー゚)゚,_ノ゚)「おーーーーーー!!」('A`)



  
23:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:19:12.97 ID:eYqgciQB0
  
〜地底魔城−内部−〜

中は洞窟に比べてくらかった。
何とか前が見える程度だ。
この状況で魔物に襲われたら、つらい戦いとなるだろうが
あたりから魔物の気配はない……

だが奥から、強大な力を感じる……


(。 ` ー´)「みんな、離れるなよ!」

( ゚,_ノ゚)「はぐれたら大変だ、2列になって横の奴と手をつなごう。俺はもょもととつなぐ」

(*゚ー゚)「さぁドクオ君、私たちも」

(*'A`)「うん」

しぃさんの手は暖かかった。
暗闇の恐怖を吹き飛ばしてくれた。



  
26:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:21:28.18 ID:eYqgciQB0
  
しばらく歩くと部屋の中心に何かが見えた。
石像……だろうか?


( ゚,_ノ゚)「!」


突然、何かに気づいたハッサソさんが走り出し、その物体に駆け寄る。
続いて俺たちも『それ』に気づき駆け寄った。


(*゚−゚)(なぜこれがここにあるのかしら……?)

('A`)「これって……」

(。 ` ー´)「この石像は……」

(;゚,_ノ゚)「俺!?」



  
27:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:23:07.61 ID:eYqgciQB0
  
その石像はハッサソさんにそっくり、というよりは
ハッサソさんそのものだった。

ハッサソさんが像に触れたその時だった!


( ゚,_ノ゚)「おおおおおおおおぉぉ!」


突然、ハッサソさんと石像が光に包まれ、輝きだした!!


(。;` ー´)「ハッサソ! その石像はやばい! 手を離せ!!」

(*゚ー゚)「まって! これでいいのよ!」

(;'A`)「これでいい!!?」

(*゚ー゚)「そう、ハッサソは自分を取り戻そうとしてるの」

わけがわからなかった。
どうやらお得意の電波受信が始まったようだ。


( ゚,_ノ゚)「おおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ……!」



  
30:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:24:57.05 ID:eYqgciQB0
  
ハッサソさんは石像に吸い込まれるように消えた。

(。 ` ー´)「ハッサソ!!!!111」

(*゚ー゚)「大丈夫よ。今わかるわ……」

しばらくすると、石像の輝きがやんだ。
いや、そこにいたのは石像ではなかった。

( ゚,_ノ゚)「…………」

ハッサソさんがいた。

(。;` ー´)「ハッサソ……か?」

( ゚,_ノ゚)「全てを……思い出したぜ……」


( ゚,_ノ゚)「俺は、サンマリーノの大工の息子、ハッサソだ!!」


('A`)「? サンマリーノってあの港町の?」

( ゚,_ノ゚)「ああ。もょもとお前は覚えてないのか?」



  
31:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:25:35.89 ID:eYqgciQB0
  
(。;` ー´)「??? 覚えてるも何も、何の話だ??」

( ゚,_ノ゚)「そうか、覚えてないのか、俺たちは……」

(*゚ー゚)「まってハッサソ!! そこから先はもょもと自身が思いださなきゃいけないことよ!」

( ゚,_ノ゚)「そうだな……悪い、なんでもない忘れてくれ。先へ進もう」

複雑な表情でそういうとハッサソさんは先へ進んでいった。
続いてしぃさんも。


(。 ` ー´)「俺自身が思い出す……? いったい何のことなんだ?」


俺ともょもとはわけがわからないまま、二人に続いて先に進んだ……



  
33:10 ◆WOkutRzuoQ :2006/09/24(日) 16:26:51.09 ID:eYqgciQB0
  
しばらく進んむと、ひときわ暗い部屋があった。
光がなくまったく周りが見えない。

そして奥からは、さっきよりも強く邪悪な力を感じる。
奴はきっと、この先にいる……

(。 ` ー´)「何も見えない……流石にこれは先に進むのは無理だな」

(*゚ー゚)「私に任せて『レミーラ!』」

しぃは レミーラを 唱えた!
あたりが 少し明るくなった!

('A`)(レミーラ? 聞いたことのない呪文だな……)

(;゚,_ノ゚)「ここは落とし穴だらけだな、あのまま進んでたら危なかったぜ」

(*゚ー゚)「さぁ急いで進みましょう。この呪文はあまり長く持たないの。
     これ以上MPを無駄に使うわけにも行かないでしょ?」

今度は一列になって、細い足場を進んだ。

そして――


ついに目的の地へとたどり着いた……


*10話 おわり*



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