( ^ω^)は幻の大地の住人のようです
- 4: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:04:25.41 ID:yV1Duone0
- *一三章「過去―現在――そして……未来へ 〜それぞれの結末〜」*
門番T「ここは、ならず者の町ロンガデセオ。
パスを持たないものは入れられねぇな」
( ゚∀゚)「なぁたのむよ、別に怪しいもんじゃないから入れてくれよぉ!」
門番T「最近、ただでさえ市長が銃殺されたり、立て篭もりがあったり、無差別殺人が起きてんだ。
余計に人を入れてる余裕は無いんだよ!
よそ者はさっさとゲラウトヒアwwwwwwwwww 」
(;゚∀゚)「くそっ、ここまで来て門前払いかよ!
こうなったら忍び込むか……それとも……
なぁ、なんかいい手は無いか?」
( ´ω`)「…………」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
ブーンは あれから ずっとこの調子。
無気力で 何も喋らず 食事もほとんどとっていない。
(;゚∀゚)「はぁ……どうしたもんかね。ん?」
- 6: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:06:32.37 ID:yV1Duone0
(*゚ー゚)「あら?」
ルーラで しぃ達がやってきた!
(;゚,_ノ゚)「おっぱい!?」
(*゚ー゚)「久しぶりね。あれから何日ぐらいたったかしら」
_
( ゚∀゚)「一晩……いや、二晩たったぜ……!!」
(。 ` ー´)「このやり取りなんだれ」
('A`)「ブーン!」
( ´ω`)「…………」
('A`)「ブーン……? 何かあったのツン?」
ξ゚听)ξ「……ちょっとね」
- 8: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:08:44.26 ID:yV1Duone0
(。 ` ー´)「おい、そこの豚! 元気ねぇな!」
( ´ω`)「……」
(。 ` ー´)「ちっ、せっかく話しかけてやったってのに
なんとか言ったらどうだ、あぁ?」
( ´ω`)「……なんとか」
(。♯` ー´)「ふざけてんのか、てめぇ!」
もょもとがブーンの胸倉を掴む!
( ´ω`)「…………」
('A`;)「もょもと!」
(。 ` ー´)「フン、まぁ今はこいつにかまってる暇はねぇな」
もょもとはブーンを離した。
( ´ω`)「…………」
('A`)「ブーン、いったい何が……」
- 13: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:10:57.27 ID:yV1Duone0
- ( ゚∀゚)「それで、お前たちもここに用があるのか?
なんか、よそ者は入れてもらえないらしいぜ」
(*゚ー゚)「ふふふ、ジャーン!
『デセオのパス』! これがあれば大丈夫よ。
さぁ、みんな行くわよ」
( ゚,_ノ゚)「じゃあな、おっぱい」
('A`)「…………ブーン」
(;゚∀゚)「えっ、あ、おい! ちょっと待てって、俺も……
こうなったら……行くぞお前ら!」
ξ;゚听)ξ「ちょっと長岡、いきなり何すんのよ!」
門番T「確かに本物ですね。確認しました
ようこそ! ならず者の町、ロンガデセオへ」
しぃ達 四人は門番にパスを見せ 町の中へと入っていった!
(;゚∀゚)「見てのとおり、俺らもあいつらの仲間なんで
つまり、そういうことで。そんじゃ!」
ジョルジュはブーンとツンを両脇に抱え 急いで町の中へと滑り込んでいった!
門番T「あっ、お前! ……ま、いっか」
- 16: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:13:22.84 ID:yV1Duone0
(。 ` ー´)「何だ。結局、お前らも来たのかよ」
(;゚∀゚)「いいじゃねぇかよ。仲間だろ俺たち」
( ゚,_ノ゚)「都合のいいときだけ仲間か……」
(*゚ー゚)「まぁまぁ、元々このパスは長岡さんにあげるために貰ってきたものだから」
( ゚∀゚)「えっ、そうなのか」
(*゚ー゚)「はい、どうぞ」
( ゚∀゚)「うっひょーっ! サンキュー!」
ジョルジュは しぃから デセオのパスを受け取った!
ξ゚听)ξ「まったく、説明もせずに無理やり抱きかかえるなんて
レディの扱いがなってないわね。ねぇ、ブーン」
( ´ω`)「…………」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
- 19: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:15:28.84 ID:yV1Duone0
(*゚ー゚)「その代わりといっては何だけど、人探しを手伝って欲しいの」
( ゚∀゚)「いいぜ、パフパフ屋を探すついでに手伝ってやるぜ」
(*゚ー゚)「探して欲しいのは、一晩で何でもやってのける男ジェb……
「ちょっと! ブーン何処行くの!!」
(*゚ー゚)「「?」」(゚∀゚ )
二人の会話を さえぎるように飛んできた ツンの大声。
その方を見ると ブーンが一人ふらふらと 町の奥のほうへ歩いている。
( ´ω`)「……」
ξ゚听)ξ「そんな状態で何処に行くつもりなの!」
( ´ω`)「…………つかれたお……」
ξ゚听)ξ「えっ?」
- 22: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:17:49.00 ID:yV1Duone0
ξ゚听)ξ「疲れたって、ちょっと待ちなさいよ」
ツンはブーンを引き止めようとするが――
('A`)「ツン。何があったかは知らないけど、今はアイツの好きなようにさせてやってくれないか」
それをドクオにとめられる。
ξ゚听)ξ「付き合いの長いドクオがそういうなら……」
('A`)「それで、何があったのか教えてくれない?」
( ´ω`)「……」
ブーンは一人進んでいく。
町の奥へ奥へと 深い闇の中へと――……
- 23: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:19:52.18 ID:yV1Duone0
「新入りか、ようこそ『落人群』へ。 ここにいるものは皆わけありだ。
ギャンブルに負けて破産、人を殺し殺され、そんなのはザラだ。人生を捨てた者達の最終領域。
あんたがどうだかは知らんが、ここでは何もしなくていい。ゆっくり休めや」
そうさせてもらうお……
「アンタこんなところでなにやってんのよ!
ほら、いくわよ!」
「お前はこんなとこにいるべき人間じゃねぇだろ!
さっさと、立ち直れよ」
ツンに……ながおかかお……?
ブーンは……僕は、もういいんだお。
ほっておいてくれお……
「ツン、こりゃもうだめだ。いこうぜ」
「もう、知らない! 勝手にしなさいよ!」
それでいいんだお。
僕はもう『ブーン』であることをやめたんだお……
また、護れなかった僕に『ブーン』を名乗る資格はないんだお……
- 25: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:22:13.63 ID:yV1Duone0
「ブーン、何があったかはツンから聞いたよ。
2度目……いや、3度目か。お前が大切な者を目の前で失うのは……
でも、そんなお前を見ていたくねぇ、いつもみたいに笑ってろよ」
ドクオ……笑う?
笑うってどういうことだお……こうかお……
「誰だよ……」
じゃあ、こうかお……?
僕にはもう、心から笑うことは出来ないお。
「だから、誰だって! ……もういいわ、マンドクセ。
お前なら、きっと立ち直れるって信じてる……いや、分かってるから。
約束したもんな、全てが終わったらまた会おうって」
「ドクオ、何やってるんだ。いくぞ!」
「これだけは言っておくぜ。あの時、お前のカーチャンが言ってた事。
『RP』だ。それを忘れんなよ。じゃあなブーン」
RP……カーチャン……
ブーンをやめた僕はどうしたら、何をすれば……
- 27: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:24:20.54 ID:yV1Duone0
「――っう訳で、お前との冒険はここまでだ。
元気d……まぁ、がんばれや。じゃあな」
「――だからブーン、私もう行くからね。さようなら!」
もういいお……
もう疲れたお……
このまま静かに
眠らせてくれお…………
そもそも僕は、今まで何を一生懸命走ってたんだお……?
かゆ
うま
――――――――
――――
――
- 30: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:26:41.61 ID:yV1Duone0
あれは、いつのことだったかお。
僕が5才、いや4才のときだったかお。
ドクオのトーチャンとカーチャンが殺された日。
「月島さんと旦那さんが魔物に殺されたぞ!」
「ほとんど相打ちで魔物の方も相当の傷を負っておって引いていったんだが」
「俺、遠くから見てたけど。かなりの強さだった……KOEEeeee……」
「俺も……あの高笑いを忘れられそうに無いよ……それにかなり人間に近い姿だったな……」
「月島さん夫婦は、この村の護り手だったのに……また、襲って来たら……」
「あそこの家、小さい男の子がいたでしょ。どうするのかしら」
('A`)「トーチャンとカーチャンが……」
J( 'ー`)し「ドクオくん……よかったら……家で一緒に暮らさない?」
( ^ω^)「わーい、ドクオと一緒にくらせるおー!」
あの時の僕は何も知らなくて。
死ぬとかどういうことなのか、わからなくて……
本当に無知で無神経だったお。
('A`)「しばらく、考えさせてください……」
- 32: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:29:07.50 ID:yV1Duone0
( ^ω^)「ドクオー、遊びにいくお!」
('A`)「トーチャン達が死んだのにそんな気分に慣れねぇよ内藤……」
( ^ω^)「おっお! 死ぬってどこか遠いーとこに行くことだお。
僕のトーチャンもどっか行っちゃったから同じだお。
でも、そのうちきっと帰ってくるんだお」
僕は何であんなことを言ってしまったのだろうか、
気がつくとドクオに殴られていた。僕は本当に馬鹿だったお。
('A`#)「死ぬって言うのはそんな簡単なことじゃないんだよ!
もう、会えないんだよ! 帰ってこれねぇんだよ! どんなに願ってももう……」
( ;ω;)「痛いお……ドクオ怖いお……」
そのときは何でドクオが怒っているのかわからず、ただ泣くしか出来なかったお。
('A`)「……悪かったな、ごめん。今は一人にしてくれ……」
その後、ドクオは自分の家に篭りきってピアノを弾いていたお。
僕は音楽なんて全然分からないけど、どこか悲しい曲だったことは覚えてるお。
- 35: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:31:23.99 ID:yV1Duone0
- それから数日がたって、ドクオは僕の家で一緒に暮らすことを選んだお。
と、言っても一緒なのは食事や寝る時ぐらいで
それ以外の時間は、自分の家で何かしているようだったお。
( ^ω^)「ドクオは一緒に遊んでくれないし、今日も一人で遊ぶお。
ちょっと遠くの森の方へ行ってみるお〜」
そして、のん気に歌なんて歌いながら森の方へと歩いていったんだお。
( ^ω^)「ピザ・モッツァレラ♪ ピザ・モッツァレラ♪
♪レラレラレラレラ♪ レラレラレラレラレラレラレラレラ♪
ピザ・モッツァレラ♪ ……おっ」
.( ∧∧
⊂# ⌒⊃;゚Д゚メ)⊃ < ……ゴルァ。
 ̄ ̄
それが、僕とギコの出会いだったお。
第四十七話
ブーン外伝 『誰が為に彼は走る』
- 39: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:33:45.36 ID:yV1Duone0
(;^ω^)「ね、ネコ……?」
(;゚Д゚メ)「フッフーッ! ゴルァ!」
森の入り口に落ちていた――いや、倒れていた。
一匹の黄色い物体――生物。
幼かった僕はそれをネコだと思ったお。
( ^ω^)「あっ、ケガしてるのかお」
足を怪我してるのに気づいた僕が、近づいていくとその猫は精一杯僕を威嚇してきたんだお。
(;゚Д゚メ)「フーッ!! ゴ、ゴゴゴゴルァ!!」
(;^ω^)「だ、大丈夫だお。僕はキミをいじめたりしないお」
僕が優しく抱きかかえると僕の気持ちがわかったのか、猫はおとなしくなったお。
(,,゚Д゚メ)「…………」
(;^ω^)「重いお……けっこうおっきいお……?
きっとカーチャンなら、まほうでケガをなおしてくれるお」
当時の僕が両手で抱えてやっと持てるぐらいの大きさだった。
僕は家までつれて帰ることにしたお。長い道のりを一歩、一歩、歩いて。
- 41: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:36:09.39 ID:yV1Duone0
- 家に帰るとカーチャンは出かけてて、いなかったお。
病院に行こうにも、お金を持ってなかったし
とりあえず僕はドクオのところにつれて行ったお。
( ^ω^)「ドクオー! 僕だお。ネコをひろったんだお!!
出てくるお〜。ケガしてるんだおーー!!」
('A`)「……ん? 内藤か、なんだようるさいなぁ」
( ^ω^)「ネコをひろったんだお。でも、ケガしてるんだお」
(;゚Д゚メ)「ゴルァ……」
('A`;)「猫? なんかでかくね? それに鳴声がへんじゃね?」
今なら少しはわかる。
ギコは猫じゃなくて、たぶんベビーパンサーって魔物だったんだお。
( ^ω^)「足をケガしてるお。でもカーチャンが出かけてて……どうすればいいんだお」
('A`)「よし。ちょっと見てな」
( ^ω^)「?」
('A`)『ホイミ!』
- 43: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:38:12.53 ID:yV1Duone0
ドクオがホイミを唱えるとギコのケガはすぐに治ったお。
(,,゚Д゚)「ゴルァ!!」
('A`;)「はぁはぁ、うまくいったみたいだな。
でも結構、疲れるもんだな呪文って……」
( ^ω^)「ドクオすげーお! いつの間にまほうが使えるようになったんだお?」
('A`)「ふぅー。まぁな、ちょっとここのところ勉強してたんだよ。
お前にも教えてやろっか?」
( ^ω^)「別にいいお。僕とドクオは一緒ずっとだお。
いざって時にはドクオに治してもらうお!」
('A`;)「いや、いざって時にはお前も使えたほうがいいかと……まぁいいか、マンドクセェし……
で、どうすんだ。この、ね……こ?」
( ^ω^)「僕が飼うお!」
('A`)「まぁ、お前のカーチャンなら飼うの許してくれるだろうな。
名前は決めたのか?」
- 47: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:40:22.06 ID:yV1Duone0
- ( ^ω^)「名前かお……うーん、ボロンゴ……プックル……チロル……ゲレゲレ……」
('A`;)「何だその名前……」
(;゚Д゚)「…………」
( ^ω^)「僕が好きな、おはなしだお。
『すてきな なかよし よにんぐみ。
かしこいボロンゴ やさしいプックル かわいいチロル ゆうかんなゲレゲレ』」
('A`;)「まぁいいや、お前の好きにしろ……」
(;゚Д゚)「ギ、ギコゴルァ!!」
( ^ω^)「ん?」('A`)
(;゚Д゚)「ギコゴルァ!」
('A`)「ギコ……? さらに変わったなきごえだな……」
( ^ω^)「それがいいお! ギコギコ!!
『ギコ』にするお!!」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
('A`)「ギコギコねぇ。まぁ、最終的にいい名前じゃね」
- 50: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:42:59.52 ID:yV1Duone0
その日、カーチャンが帰ってきて
すぐに、ギコは家族になることを認められたお。
J( 'ー`)し「さぁ、ホライズン、ドクオ君。ご飯にするわよ」
( ^ω^)「今日は、ももんじゃ焼きだお! 僕これ好きだお」
('A`)「何処の獣だよ、もんじゃ焼きだろ……いただきます」
J( 'ー`)し「ギコちゃんはお魚ね」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^ω^)「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
('∀`)「きめぇwww」
J( 'ー`)し「ホライズン。ドクオ君みたいにお行儀よく食べなさいね」
(,,゚Д゚)「ギコゴルァ!!」
J( 'ー`)し「ギコちゃんどうしたの?」
- 54: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:45:08.65 ID:yV1Duone0
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
J( 'ー`)し「?」
( ^ω^)「もっと食べたいって言ってるんだお」
('∀`)「ほんとかよwww」
J( 'ー`)し「ホライズン、言葉わかるの?」
( ^ω^)「なんとなくだお」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
J( 'ー`)し「じゃあ、おかわりもってくるわね
いっぱい食べてね」
そんなこんなで何週間かが過ぎたお。
ドクオもまただいぶ笑うようになったし、ギコはよく食べてたお。
僕もそんな、いたって普通だけど楽しい日常に満足してたお。
あの日までは――……
- 55: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:47:50.25 ID:yV1Duone0
- あの日、カーチャンはレイドックの城下町まで買い物に出かけたお。
J( 'ー`)し「遅くなるけど、いい子で待っててね。
一人で遠くまで行っちゃだめよ」
( ^ω^)「はあくだお!」
J( 'ー`)し『ルーラ!』
( ^ω^)「行っちゃったお……ブーンも大きくなったらビューンってルーラで飛んでみたいお。
さてと、今日は何処へ行くかおドクオ」
('A`)「ああ、俺は今日はパス。見たいアニメがあるから」
( ^ω^)「またかお、あれは女の子が見るものだお」
('A`)「あれの良さがわからないとはまだまだな内藤。……んじゃ、うちに戻るわ」
( ^ω^)「……しかたがない、ギコと二人で遊ぶお」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^ω^)「ちょっと、とおいけど。森の方に行ってみるかお?」
(;゚Д゚)「ご、ゴルァ!?」
( ^ω^)「一人はダメっていわれたけど、ギコと二人なら大丈夫だお」
(;゚Д゚)「ごるぁ……」
- 60: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:50:42.04 ID:yV1Duone0
- そして、僕らは森の入り口までやってきたお。
( ^ω^)「ここでギコに会ったんだお」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^ω^)「まだ時間もあるし、奥のほうまで行ってみるお」
(;゚Д゚)「ゴルァ!?」
( ^ω^)「大丈夫だって、いくお。ギコ」
僕はギコの制止をスルーして森の奥へと入っていったお。
ギコもしぶしぶ僕を追いかけて森の中へと……
あの時 もっとギコが止めていてくれたら
あの時 カーチャンの言うことをちゃんと聞いていれば
あの時 ドクオにホイミを習っておけば
あの時 僕が空を飛べたなら
あの時 僕が速く走れたなら
あの時 僕に力があったなら……ギコは……
- 63: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:53:01.94 ID:yV1Duone0
僕たちは森の奥へ奥へと進んでいったお。
天高く太陽が煌き、木々の隙間からその光が降り注いでいて
その輝きを浴びながら、僕らはマッタリとすごしたお。
( ^ω^)「ゴルゴン・ゾーラ♪ ゴルゴン・ゾ−ラ♪
♪ゾラゾラゾラゾラ♪ ゾラゾラゾラゾラゾラゾラゾラゾラ♪
ゴルゴン・ゾーラ♪」
(,,゚Д゚)「ギコ・ゴルァ♪ ギコ・ゴルァ♪
♪ゴラゴラゴラゴラ♪」
( ^ω^)「おっおっおwwギコはネコなのに歌がうまいおwww」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^ω^)「暗くならないうちに、そろそろ戻るかお」
遅くならないうちに戻ろうかと考えていた時
アイツはあらわれた。
「見つけたぜぇ〜、子猫ちゃぁ〜ん!」
- 64: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:55:28.23 ID:yV1Duone0
「ハァーッハッハッハインリィーッヒ!!」
僕は、この高笑いを一生忘れられないだろう。
心の奥底に刻みつけられた恐怖と共に。
(;゚Д゚)「ゴ、ゴルァアアアア!!」
(;゚ω゚)「おっおっおおおあああああ、うあああうわあああ!!!」
僕は突然現れたアイツに、驚いて腰を抜かした。
顔はわからない、長い髪に隠れていて
何よりも、恐怖でまともに見ることが出来なかったお。
アイツの周りにはカードのようなものが浮遊していて――
ジョルジュの『ローゼスビット』。あれに近い雰囲気だったお。
その手には巨大な刃物が握られていて
何よりも恐怖を感じたのは
“その姿は間違いなく人間だったこと”
同族だからこその恐怖。
同じ人間なのになんで、あんなにも恐ろしいのだろうか。
- 67: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/05(土) 23:57:46.37 ID:yV1Duone0
「何でこんな辺境にいるのかはしらねーが、
計画の支障になるものは俺様が片っ端からぶっ殺す!!
覚悟はいいか!? 答えは聞いてねーけどなァッ!!」
そして、それらは僕達に牙をむいたお。
アイツの周りを浮遊してたカードが
猛スピードで僕に向かって飛んできて、瞬時に僕の体を切り裂いたお。
とっさに身を縮めたから傷は浅かったけど
僕を錯乱させるには十分すぎる血が吹き出たお。
(メ;゚ω゚)「う、うわあああ血が、血が出てるお!!
痛い! いたいお、かーtyくぁwせrtyふじこlp」
アイツの攻撃はそれだけに留まらない。
今度はアイツ自身が斬りかかってきたんだお。
一直線に僕をめがけて。
- 70: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:00:04.15 ID:jktubdqn0
「ハァーッハッハッハインリィーッヒ!!」
再び聞いたその高笑い。
その心の奥底まで響く声は、さらに恐怖心を煽り立てる。
僕は指一本動かせなくなったお。
「まずはテメーからだ!! 死ねよやぁあああああああああ!!!」
僕に向かって振り下ろされた刃物。
だけど、その刃は僕に届かなかったお。
(,,゚Д゚)「ギコゴルァアアアアアアアアアアアアア!!!
逃げろぉおおおッ! ホライズンッ!!」
ギコが受け止めていたお。
気のせいだろうか、ギコが人間の姿に……それにしゃべって……?
それが最後に見た、聞いた。光景、声。
真実はわからないままだお。
僕は恐怖のあまり気を失ったんだお。
- 72: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:02:17.31 ID:jktubdqn0
次に意識が戻ったとき、あたりは暗く静かになっていたお。
( ^ω^)「……あれ?」
森の中、地に倒れていた僕。
体に痛みは無い。それどころか傷一つ無い。
もしかして夢だったんだろうか。
(;^ω^)「なんだ。夢かお。怖かったお。
じょーしきてきに考えて、あんなことがあるはず無いお。さぁギコ、かえるお。
こんな暗くなっちゃって、これはカーチャンに怒られるかもしれんね」
ぜーんぶ夢だったんだお。
ぽかぽかいい陽気に当てられて、眠ってしまい見た夢。
本当に夢だったら、どんなに願ったことか。
- 76: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:04:34.23 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「ギコ? ギ……こ?」
おかしい、反応が無いお。
先に帰ってしまったんだろうか。
あわててあたりを見回した。
そして見つけたのは、ボロボロの布。
なにかの毛皮だろうか、ところどころ赤く染まっていた。
なんだろうと思って僕は近づいてみたお。
だけど、茂みの中ころがっていたそれは……
;;;; ; ;;; ;;;
;;;; ;;;; ;;; ::;;
;;;; ; ;;::;;; メ゙/゙) ;;;; ; ;;;;;;
,,,..∧ノ;; メ ;;;; ;;;;;;;
;;;; ; ;;;;;; (メメ゚д‐)っ" ;;;;; ;;;;;;
;;;; ; ;;;;;;; ;; ;;
ギコ……だったお。
- 79: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:06:48.90 ID:jktubdqn0
体のあちこちから血が出ていて、間接がめちゃくちゃに曲がっている子猫。
これは、人形だお。そうに違いないお!
(メメ゚Д‐)「ぎ、こ……ゴ……るァ……」
信じたくない。信じたくなかったお。
でも、そのかすれてるけど、独特のなきごえは
ギコであることを必死に証明していたお。
( ;ω;)「ギコー―――ッ!!」
僕はあわてて駆け寄り、抱き上げたお。
(メメ゚Д‐)「ゴ……ゴ……ルァ……」
そのギコに、いつものような威勢はなく
どこか遠くへ、イってしまいそうだったお。
そのとき『言葉』ではなく『心』で理解できた。
これが『死ぬ』ってことなんだと。
- 84: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:11:39.48 ID:jktubdqn0
( ;ω;)「ギコ!! ギコ!! 死んじゃだめだお!!」
右耳はちぎれ、左目は開かなくなっていて痛々しかった。
でも、残された右目でギコは真っ直ぐに僕を見つめていたお。
だから僕も目を背けずに、必死で呼び続けたお。
(メメ‐Д‐)「ゴルァ――――…………」
だが、その残された右目も閉じてギコは静かになった……
( ;ω;)「ギコ――――!! 誰かギコを、ギコを助けてくれお!!
誰でもいいお、誰か、誰か――――――ッ!!」
ここは森の奥、近くには誰もいない。
僕の悲痛の叫びは誰の耳にも届かない。
僕はギコを背負い走り出したお。
まだ、間に合うと思ったんだお。
治療すればギコは、まだ死なずにすむ。
そう思って。
ギコの体は僕の背中に重くのしかかったお……
- 86: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:13:51.86 ID:jktubdqn0
( ;ω;)「はぁはぁ……」
森の出口を目指して一生懸命走った。
何度も転んだ。それでも走ったお。
だけど森の出口は見えてこない。
暗い森の中、僕は迷子になっていたお。
昼の美しい木々の並びは
夜には姿を変え、中にいるものを惑わす。
( ;ω;)「出口はどっちだお!?
このままじゃ、ギコは……ギコが」
(メメ‐Д‐)「…………」
闇空を鳥が飛んでいた。
( ;ω;)「ブーンが鳥さんみたいに飛べたら、こんな森すぐに出られるのに……」
そんなことを考えながら、僕はまた走り出したお。
- 90: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:16:08.13 ID:jktubdqn0
- やっとのことで森を出たお。
でもここからトルッカの村までもかなりの距離があるお。
もう迷うことは無いけど、子供の足では相当遠く感じられる。
( ;ω;)「はぁはぁはぁはぁ……」
走る。走る。転ぶ。走る。走る。転ぶ。走る。転ぶ。
走る。転ぶ。走る。転ぶ。転ぶ。走る。転ぶ。転ぶ。
背中のギコは重く、走ることに慣れていなかった僕は重心を崩し、転びに転んだ。
(メ;ω;)「はぁはぁ、いたいお……でも走らないとギコが……」
転んだ拍子に見えた空は、星が盛大に輝いていた。そして、一つの流れ星。
(メメ;ω;)「!?」
急に背中のギコが軽くなった。
(メメ‐Д‐)
確認してみると大丈夫だった、ちゃんといたお。
僕はここぞとばかりに走り出したお。
(メメ;ω;)「後ちょっとだお、ギコ……」
僕は走ったお。
命の重みがナくなったのだとは、気づかずに。
- 96: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:18:53.66 ID:jktubdqn0
- 村につくとカーチャンやドクオが僕のことを探していた。
('A`;)「内藤! 今まで何処に……」
J( ;ー;)し「よかった……無事だったのね」
(メメ;ω;)「ギコが……ギコが!!」
(メメ‐Д‐)「――――」
('A`;)「ギコ……」
J(;'ー`)し「ギコちゃん!! 早く病院へ連れて行かないと!」
ギコをカーチャンに渡したとき
ギコの体は既に硬く冷たくなっていたお……
それからのことは、言うまでもなく……
同じ空の下では幸せに暮らしている人もいるのだろうか。
結ばれるカップルや、新たな生命の誕生などもしているかもしれない。
この星明りの下で僕は命の重みを知った。
まったく不平等だお。神様……。
僕に力があれば、ギコは……
- 98: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:21:21.09 ID:jktubdqn0
次の日。
('A`)「内藤……そんなに落ち込むなよ。お前のせいじゃないって」
( ^ω^)「……いや、僕のせいだお……」
昨日の病院でのやり取り。
『何でもっと速く来なかったんですか!』
『すぐに処置すれば間に合ったかもしれないのに!』
医者や看護士のこの言葉が幼い僕に突き刺さったお。
そして、何をすべきかを一晩考えていたお。
( ^ω^)「ドクオ。僕は走るお」
('A`)「は?」
( ^ω^)「走って走って、誰にも負けないくらい速く走れるようになるお。
そうすれば、きっと空も飛べるはずだお。
もうギコのような助かる命を失わないように……」
('A`)「……そうか」
- 101: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:23:44.12 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「どうやったら速く走って空を飛べるお?」
('A`)「さぁな。うーん、飛行機みたいに手を広げて走ったらどうだ」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「こうかお」
('A`)「おっ、なんかいい感じじゃね?
ブーンってかんじで」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーンかお。それがいいお!!
今日から僕は『ブーン』だお!!」
('A`;)「な、内藤?」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「『ブーン』だお、ドクオ。
この足で誰かを助けるために走る男ブーンだお!
じゃ、早速走りこみに行ってくるお!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
('A`)「ブーンねぇ。ま、アイツが元気ならいいか……」
- 104: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:26:06.33 ID:jktubdqn0
さらに次の日、僕は早起きしたんだお。
自分に枷を課すために。
J( 'ー`)し「あら、ホライズン。今日は早いのね」
( ^ω^)「ブーンだお、カーチャン。
早起きは3もんのなんたらだお」
J( 'ー`)し「?」
「新聞だよ。AZ新聞だよ」
( ^ω^)「お、きたお!」
新聞屋「AZ新聞だよ。全然新聞だよ」
( ^ω^)「新聞屋さん、ブーンにも新聞配達させてくれお!
バイトしたいお」
新聞屋「バイトって(笑)いやいや笑っちゃいけないか。なんで?」
( ^ω^)「速く走るための修行だお!」
新聞屋「あー、そういう入りかたが一番危険なような気がする」
- 107: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:28:46.04 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「新聞屋さんは足が速いお」
新聞屋「それは、毎朝ジョギングをしているから」
( ^ω^)「お金は要らないお。だからやらせてくれお」
新聞屋「これまた今までなかった発想だ(爆)」
( ^ω^)「やらせてもらえるのかお」
新聞屋「(おいしい話には気をつけた方がいいけど、
給料そのままで、この子に配達してもらえて自分は楽できるんだ)
めちゃくちゃうまい。いい事づくめ(爆)!」
いまいち、会話が通じてるかわからない人だったけど、
新聞屋さんは僕に残りの新聞を手渡してくれたお。
明日からは配達時間前に家の前に新聞を置いていくとのことだったお。
新聞屋「ではそろそろ次の町に行く時間なのでさらばじゃ! ドロン‘‘『ルーラ』」
( ^ω^)「やっぱりルーラっていいお。空とぶってあんな感じかお」
今、僕はルーラが使えるようになったけど。
空を飛ぶって言うのとは違う感じがするお。
あれは、『風』になるって感じだお。
まぁ、ともかくこの日から僕の新聞配達の日々が始まったんだお。
- 109: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:31:42.57 ID:jktubdqn0
その日から僕は走ったお。
朝は新聞配達、その後も走って
夕方にも新聞配達して。寝る前にも走って。
⊂二二二( ^ω^)二⊃『♪あの光る風は青春のオンザロードだぜ」
最初はやっぱり、よく転んだお。
時には新聞を汚したこともあったお。
でも、村の人達は僕を応援してくれたお。
『♪光る風を追い越したら君にきっと逢えるね』⊂二(^ω^ )二二二⊃
単純だったから、速く走ればきっと空も飛べると。
救える命もあると、そう思って走ってたお。
⊂二二二( ^ω^)二⊃『♪そのキモさで光る風追い越して、今すぐに〜』
今では、誰にも負けないぐらい足は速くなったお。
流石にジョルジュや、ホイミン……みたいに速くは走れないけど
一般人としては、ずいぶん速い方だと思うお。
でも、いつまでたっても空は飛べなかったお。
- 112: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:34:10.08 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「カーチャン……ブーンには空を飛ぶのは無理なのかお」
J( 'ー`)し「ブーン、あなたは良くがんばってるわ。
でもね、人にはううん。生き物にはそれぞれ演じるべき役割があるのよ
鳥さんは飛ぶ。あなたは早く走れる。欲張っちゃダメなのよ」
( ´ω`)「やっぱり、空は飛べないのかお……」
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
/⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
| / ブーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
それでも僕は空を飛びたいと思ったお。
僕は欲張りだったから、速く走れるだけでは満足できなかったんだお。
- 114: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:36:21.94 ID:jktubdqn0
そう、僕が走るのは誰かを護りたいから。
命を救いたいからだったお。
だから僕は走る。
誰かの為に走る。
“僕にとって、走ることは護ること”
でも、僕は誰一人護れなかった。
ギコ……
カーチャン……
ホイミン……
結局、僕が走っても救える命は無かったお。
なら、僕は走ることをやめよう。
どうせ、走っても無駄なのだから。
もう疲れたお。
――
――――
――――――――
- 117: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:38:33.81 ID:jktubdqn0
- ここに着てから何日たったかお……。
空から水滴が落ちてきた。
(ヽ´ω`)「雨かお……」
昔のことを思い出してたら、いつの間にか雨が降ってた。
もうどうでもいいことだお。
(ヽ´ω`)「おなかすいたお。ながおか何か作ってくれお」
雨が強くなってきた。
(ヽ´ω`)「ツン……荷物から傘だしてくれお……」
雨脚がさらに強くなった。
(ヽ´ω`)「だれも、いない、のか……お……」
ドクオ……ながおか……ツン……
皆、どこへ行っちゃったんだお。
僕をおいていかないでくれお……
僕は……一人なのかお?
(ヽ;ω;)「一人は、嫌だお……誰かブーンと一緒にいてくれお!!」
- 119: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:40:47.53 ID:jktubdqn0
そして 物語は 現在へと追いつく。
〜バーボンハウス本店〜
(´・ω・`)「――それで、僕のところに来たと言うわけか」
( ´ω`)「これが、今まであった全てのことだお」
(´・ω・`)「僕を頼ってきてくれたのはうれしいと思うが、
そんなキミだったら、僕もキミを見捨てるよ内藤ホライズン」
(;´ω`)「そんな! ショボンにまで見捨てられたら僕は、どうすれば……」
(´・ω・`)「いいかい。誰も護れないと言って何もしなかったら、もっと誰も護れないんだよ。
それにキミが走る事で救えた命だってあるはずさ。
君が気づいていないだけでね。少なくとも僕は何度か君に助けられた」
(;´ω`)「それでも、僕はもう! もう疲れたんだお!」
(´・ω・`)「そうかい、それなら僕は――
- 124: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:43:07.10 ID:jktubdqn0
船乗りA「らしくないでっせブーンのアニキ」
荒くれA「話を聞いてた限りアニキは、もっと立派な人のはずだ
こんなところで立ち止まってるべき人じゃないぜ!」
盗賊A「アンタだって行ったじゃないか!
『仲間に見捨てられたって、やりたかったことをやれ』って」
(`・ω・´;)「えっと、そのがんばれブーン君!」
(´・ω・`)「兄さん。無理矢理、話に加わろうとするのやめなよ。
そんなんだから、トークにキレが無いとか言われるんだよ」
(`・ω・´)「うるさいほっとけ!」
(´・ω・`)「さて、内藤ホライズン。みんなは、こう言ってるけどキミはどうするんだい?」
( ´ω`)「……僕はどうすれば……
ギコ……カーチャン……ホイミン……
僕はどうしたらいいんだお……」
その時 ブーンの胸が輝きだした!
- 127: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:45:09.31 ID:jktubdqn0
(`・ω・´;)「これは……!?」
( ´ω`)「……勇気のバッジが輝いてるお……?」
(´・ω・`)「『勇気のバッジ』。
持つの者に『勇気』と『希望』を与え、そして時には『奇跡』を起こすと言われているね」
(`・ω・´;)「博識だなショボン」
(´・ω・`)「兄さんが無知なんだよ。バーテンならこれぐらいの情報は聞き集めないと」
そんな二人の やり取りのあいだも ますますバッジの発する光は大きくなっていく!
(;´ω`)「なんだか、不思議な気分だお……暖かい、やさしい光だお……」
そして 奇跡は起きた!
「ゴルァ!!」
「ブーン……!」
「マスタァァアアアアアアア!!」
- 130: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:47:16.65 ID:jktubdqn0
( ;ω;)「ああっ、ああこの声は……!」
バーボンハウスの店内に響く3つの声。
それはブーンが求めていたもの。
「ゴルァ!! 元気出せや!!
そんな、お前は見ていたく無いぜ!!
笑えよ! ギコハハハハハハハハってな!!」
一つはギコの威勢のいい声。
( ;ω;)「ギコ、ギコなのかお!?
今の僕には君の言葉がわかるお!」
「そうだぜ! ギコだぜゴルァ! やっとお前と話が出来たなゴルァ!
お前ら親子とドクオと過ごしたの数週間楽しかったぜ!
今はこっちでカーチャンと楽しく過ごしてるぜ!!」
( ;ω;)「今、何処にいるんだお!?
姿を見せてくれお!」
「おっと、そいつは無理だぜ。
こっちのことは気にせず、お前はそっちで楽しくやれよな! じゃあなゴルァ!」
( ;ω;)「ギコ! 待ってくれおギコ!! まだ話したいことが……!」
- 133: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:49:37.46 ID:jktubdqn0
「ブーン。ごめんね。こんなときにあなたの役に立てなくてダメなカーチャンで、ごめんね」
一つは母の優しい声。
( ;ω;)「カーチャン……僕のほうこそ、こんなダメな子でごめんだお……」
「あなたにはまだ教えなきゃいけない事がたくさんあったけど、今は一つだけ。
『あなたが無駄にすごしたこの数日は、死んだ人が生きたいと切実に願った日々なのよ』
だからこのまま無駄のままで終わらせないで。無駄を有効な日にして、あなたなら出来るわ」
( ;ω;)「でも、僕はどうしたら……」
「もう一度あなたにこの言葉を授けるわ。
『生き物には演じるべき役割がある。でも、欲張っちゃダメなのよ』
今ならこの言葉の意味がわかるわね? だから、あなたの役割を演じなさいブーン」
( ;ω;)「わかったおカーチャン……ありがとうだお……」
- 139: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:51:50.20 ID:jktubdqn0
「マスター!」
最後の一つはホイミンの真っ直ぐな想いの詰まった熱い声。
( ;ω;)「あっああ……ホイミン……」
「そうですよぉおお! 私ですよ! わかりましたかマスター!!」
( ;ω;)「わからないはずが無いお、ホイミンは僕達の為にその命を……!」
「私は自分の役割を果たしただけですよマスター!
この命はマスターの幸せを護るために神様から授かった物なんですから!」
( ;ω;)「ホイミン……」
「マスターは私のことなんて気にせず、自分の幸せの為に生きてくださいね!
マスターの幸せに本当に必要なものは何ですか? それを一生懸命護ればいいんですよぉお!」
( ;ω;)「僕の幸せに本当に必要なもの……?」
「ああああ! まだお話したいことがたっくさーんあるのに!!
もう時間みたいですぅ〜」
- 142: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:53:58.92 ID:jktubdqn0
( ;ω;)「僕は! 僕はまた走ってもいいのかお!?
また『ブーン』を名乗っても言いのかお!?」
「「「 それを決めるのは―― 」」」
「お前自身だぜゴルァ!!」 (゚Д゚,,)
J( 'ー`)し 「あなた自身よ!!」
「マスター自身ですぅ〜!!」 ヽ(・∀・)ノ
「「「 がんばって『ブーン』 」」」
( ;ω;)「みんな、ありがとうだお。
『ブーン』は、また走ってみるお
何度、躓いて転んでもまた……」
バッジの輝きは収まり 3人の声は聞こえなくなった。
- 147: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:55:58.23 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「…………皆さん迷惑かけましたお。
ブーンはまた、走りますお!!」
船乗りA「それでこそブーンのアニキだ!!」
盗賊A「俺もまたがんばってみるぜ!!」
荒くれA「走れ! 輝け! 光って見せろ!」
(`・ω・´)「愛が正義か、正義が悪か」
(´・ω・`)「(何言ってんだかこの人は……)
ブーン、まったくキミは世話が焼けるんだから……
でもまぁそんなキミが好きなんだけどね。あーあ、僕もラヴコメ編とやらに参加したかったな」
(;^ω^)(ショボンがいなくてよかったお……いたらさらにややこしいことに……)
(´・ω・`)「それでブーンはこれからどうするんだい?」
( ^ω^)「ツンを探すお。
ツンには言わなきゃいけないことがあるんだお
じゃあブーンはいくお!」
(´・ω・`)「まちな、ツンが何処にいるかわかってるのかい。
それにどうやってそこまで行くつもりだい」
(;^ω^)「おっ……そこまで考えてなかったお」
- 151: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 00:58:10.84 ID:jktubdqn0
(´・ω・`)「ツンがどこ行ったか手がかりは無いの?」
(;^ω^)「困ったことになにも無いお」
(´・ω・`)「うーん、ジョルジの奴は一緒なのかなぁ」
「おーいショボン、いるかー!」
噂をすれば何とやら
バーボンハウスの扉を勢いよくあけ ジョルジュが入ってきた!
_
( ゚∀゚)「おお、すっかり元通り見てぇだな」
( ^ω^)「ながおか!」
(`・ω・´)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ」
(´・ω・`)「兄さんちょっと静かに、今はそんなテンプレ挨拶は必要ないから」
(`・ω・´)(ショボーン……ってしたいけど、それだとキャラかぶるからなぁ……)
- 155: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 01:00:28.19 ID:jktubdqn0
( ゚∀゚)「あれブーン、来てたのか。てっきり、まだ腑抜けてるかと思ったが」
(´・ω・`)「やぁ、ジョルジ。さっきまで君の言うとおりだったけどね。
それより、キミ一人かい?」
(;^ω^)「ツンは!? ツンは一緒じゃないのかお!?」
( ゚∀゚)「ん? ツンなら記憶がどうとかで、どっか行っちまったぜ」
(;^ω^)「どこ行ったかはわからないのかお!?」
( ゚∀゚)「さぁ、適当に世界を回ってから帰るとか言ってたけどな」
(´・ω・`)「記憶? 帰る? 記憶が戻ったってことかな」
(;^ω^)「こうしちゃいられないお! やっぱりブーンはもう行くお!!」
(´・ω・`)「情報は無いにも等しいんだよ、それなのに行くって言うのかい?」
( ^ω^)「ツンが行きそうな場所を回って、それで見つからなくても
もっといろいろ回って……とにかく世界を走るお!
それじゃ、ショボン、ながおかバイバイだお!」
(`・ω・´)(あれ、俺の名前は呼んでくれないの……?)
(´・ω・`)「まちな、ブーン」
- 160: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 01:02:32.82 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「止めても無駄だお、ショボン。
もう立ち止まっている事は出来ないお!!」
(´・ω・`)「とめやしないさ。餞別だよ、持っていきな」
ショボンはブーンに一粒のフリスクを投げ渡した!
( ^ω^)「これは……?」
(´・ω・`)「ためしに新種開発してみた『ドーピングコンソメフリスク』だよ。
ハバネロほどの出力は出ないだろうけど、持続力はかなりあると思うよ」
( ゚∀゚)「フリスクに出力とか持続力とか、明らかにおかしな単語だろ」
( ^ω^)「ありがとうだお、ショボン有効に使わせてもらうお!
では今度こそ、ショボンにながおかに、バーの皆!
それと、あとえっと……シャキンさん、お世話になりましたお!!」
(`・ω・´)(やった俺の名前があった!)
(´・ω・`)「まぁ、元気でやりなよブーン。ツンによろしく」
( ゚∀゚)「なんだかよくわからねぇが、まぁがんばれや」
( ^ω^)「バイブー!」
ブーンは思いっきり店の皆に手を振り、出て行った!
- 162: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 01:04:38.01 ID:jktubdqn0
( ^ω^)「さっそくだけど、『フリスクIN!!』」
ブーンは ドーピングコンソメフリスクを装備した!
( ^ω^)「みwなwぎwっwてwきwたw」
ブーンの体から魔力があふれ出し 金色のオーラとなって輝き光ってみせる!
( ^ω^)「まずは……あそこにいくお!!」
⊂二二二( ^ω^)二⊃『ルーラ!!』
ブーンは ブーンの構えを取り ルーラを唱えた!
意味は無いが これからまた走り出すと言う彼の心構え。
彼の体はそのまま光となり空を駆け出した。
こうして ブーンは再び走り出したのである
遥か未来へと向かって……
*第四十七話 ブーン外伝『誰が為に彼は走る』 おわり*
川 ゚ -メ)「…………ハートが消えたか……そろそろ私も動かなくては……」
- 165: 47 ◆WOkutRzuoQ :2007/05/06(日) 01:06:17.02 ID:jktubdqn0
- *次回予告*
_
( ゚∀゚)「ブーンがこれからどうなるかは、ひとまずおいといて。
次回の主役は俺! 全編眉毛つきのSP仕様!」
違います、主役は私です。きっと。
_
(;゚∀゚)「ナレーター自重!」
川д川「…………」
_
(;゚∀゚)「うおぁ! 何だこいつ!」
川д川「次回……第四十八話。ジョルジュ外伝『ボクがジョルジュ長岡になった理由』……ミテ……」
★挿入歌『創聖のアクエリオン』
_
( ゚∀゚)「ってことは、つまり……俺のラブストーリー?」
全編ギャグです。
_
(;゚∀゚)「なんでだよ!」
あなたは馬鹿です。
_
(;゚∀゚)「はぁ!?」
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