( ^ω^)ブーンがアッガイの着ぐるみを拾ったようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:07:26.76 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「ち……。姉ちゃんにも困ったもんだお…。」


俺はブーン。21歳の大学生。
今日は大学が休みだから家で部屋でゴロゴロしてたら姉ちゃんにいきなり追い出されてしまった。


ξ゚听)ξ「友達来るんだからアンタ外に行ってて。
5時まで帰って来なくていいよ」

だとよ。笑っちまうぜ


( ^ω^)「どうするかな〜〜……」

そんなワケで俺はフラフラと街を歩いていた。

( ^ω^)「仕方ない。コンビニにでもいくお……」

今は昼の12時。

どーすんだよこれから……



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:17:07.73 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「お、エロエロゲーの新刊が出てるお!」

早速エロ本コーナーに向かう。店員の冷めた目にはもう慣れた。

( ^ω^)「………」

一通りエロ本を眺めた後、もちもちお好み焼きパンと炭酸コーヒーを買ってコンビニを出た

( ^ω^)「……まだ12時半……」


後4時間半か。どうするかな

( ^ω^)「……」

どこに行くか考えながら歩く。

( ^ω^)「……?」

その時ふと、道端にあったバッグに目が止まった。


( ^ω^)「何だおあのバッグ……」

……金でも入ってるのかな?



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:27:02.30 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「……」


誰も……いないよな………

恐る恐るカバンを手に取る。

( ^ω^)「………」

そして猛ダッシュでその場を去った

ははは、何か入ってるんだろうな?金かな?

俺は人気のない所に移動するとバッグを開けてみた

( ^ω^)「お……?」

中に入っていたのは………

( ^ω^)「着ぐるみ………」

…期待外れだ。何だよこの着ぐるみ……

( ^ω^)「ちぇ………」――――――――――

( ゚∀゚)「……はぁー。ウンコしてたらついつい長引いちまったぜ?」

( ゚∀゚)「…………あれ?カバンが………」



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:34:12.24 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「………ん…?」

はて……。何故俺はこんな薄汚いカバンを盗んだんだ……?

( ^ω^)「……」

……自慢じゃないが俺は万引きする度胸すらないチキンだ。いくら道端に置いてあったとしても………カバンなんて普段の俺ならビビって盗めない……

( ^ω^)「………」

俺はカバンに入っていた着ぐるみを出す

( ^ω^)「これは…?」

アッガイ……?アッガイの着ぐるみ……?

( ^ω^)「………」

コスプレ用か?こんなの何に使うんだろうか……

( ^ω^)「……まぁ僕が使う機会は無さそうだお」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:40:01.98 ID:ojjE25dgO
  
まぁいいや。元の場所に返してこよ……。こんな着ぐるみイラン

( ^ω^)「……」

俺はアッガイの着ぐるみをカバンに入れ、手に持った

( ^ω^)「えーと…どこにあったんだっけ……」

――――――――――

( ゚∀゚)「畜生!どこだ!」

やべぇ……アレがねえと………変身できない…!

( ゚∀゚)「………くそ!」

やっぱりトイレに持って行くんだった……!

( ゚∀゚)「…」


そうだ…もしかしたら交番に届けられてるかも………

( ゚∀゚)「……」

仕方ない…。交番に行ってみるか………



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:50:38.35 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「あれ……。どこだったかな……」

カバンを持ちながら街を歩く。

( ^ω^)「くー…めんどくさいお…!いっそこのまま帰ろうかな……」

俺はそんな事を思いながら歩いていると正面の方向が騒がしいのに気付いた

( ^ω^)「……?」

何だ何だ?野次馬や警官が沢山いるぞ……?

( ^ω^)「……」

近づく。どうやら銀行で何かが起こっているらしい

( ^ω^)「あのー何かあったのかお?」

俺は野次馬の一人に聞いてみた。するてどうやら銀行強盗……みたいなのが立て篭もっているらしい

( ^ω^)「今時銀行強盗かお………。」


ま、関係ないや。再び俺はカバンのあった場所を探し出そうと踵を翻した



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 20:56:28.45 ID:ojjE25dgO
  
「おい待て!」

( ^ω^)「……へ?」

突然誰かが俺に喋りかけた。俺は振り向く

( ^ω^)「……」

誰もいない

( ^ω^)「?」

再び俺はその場を離れようと歩きだす


「おい!目の前で銀行強盗という悪事が行われているんだぞ!お前はそれを見逃すのか!?」

( ^ω^)「はぁ……?」

また声がする。俺は再び振り向くがやっぱり誰もいない。

( ^ω^)「………」

おいおい、何だ?幻聴か……?

「ここだ!マヌケ!」

( ^ω^)「……?」



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:04:06.70 ID:ojjE25dgO
  
もぞもぞ………

( ^ω^)「!?」

な、何だ!?カバンが動いてる……!?

「ここだ!カバンの中だだっつーの!!」

( ^ω^)「かかかかカバンの中……!?」

「いいから早く出せ!」

カバンの中……確かアッガイの着ぐるみが……

( ^ω^)「……」

俺はもぞもぞと動くカバンを開け着ぐるみを取り出した

( =○=)「よし!早く着ろ!」


( ^ω^)「ぎゃぁぁ!?」

着ぐるみが喋ったぁぁ!?

( =○=)「………」

( ^ω^)「ちょ……中に誰か入ってんのかお!?」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:09:14.23 ID:ojjE25dgO
  
俺は着ぐるみのジッパーを開けようとする。

( =○=)「や、やめろ!」

が、中には誰も入っていなかった。

( ^ω^)「お前……!?」

( =○=)「どうでもいいから早く着んかい!!」

( ^ω^)「!?や、やめ……!!」


アッガイの着ぐるみはいきなり俺に飛び掛かり、背中のジッパーに俺を押し込む

( ^ω^)「や、やめるお!!」

( =○=)「早くしないと手遅れになる!痛くないから俺の中に入れ!」

ぐいぐい、と俺を押し込むアッガイ。

……くそ!何て力だ…

( ^ω^)「誰か!助けてくれお!誰か!」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:14:55.83 ID:ojjE25dgO
  
ここは大通り……回りに人が沢山いる………筈なのだが

( ^ω^)「……」

回りの人間は銀行強盗に夢中で、着ぐるみに襲われている俺の事など見向きもしていなかった

( ^ω^)「く………」

( =○=)「よし!入った!」

( ^ω^)「ああああ!?ちょ……やめろ!妖怪!」

( =○=)「後は俺に任せろ!お前はそこにいるだけでいい!」

( ^ω^)「く………」


着ぐるみの中は不思議と狭いとかんじなかった。それに視界がまったく遮られていない。

( ^ω^)「……?」

まるで着ぐるみに入っていないかのような着心地……。
何だこの着ぐるみ……



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:20:42.52 ID:ojjE25dgO
  
「よし。行くぞ!」

( ^ω^)「は!?」


アイツの声がした瞬間、体が勝手に動いていた

( ^ω^)「!?」

何だよコレ!?体が勝手に………!

「ジャンプする!気をつけろ!」

( ^ω^)「ジャンプ……?」


ドン!!!


( ^ω^)「!?」

気付いたら俺は空を飛んでいた。隣にあったビルよりも高く、高く、高く………


「やばい、飛びすぎた」



( ^ω^)「おい!!」



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:26:47.84 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「ウァァァァァァァァァァ!?」


どーすんのよ!?この高さから落ちたら死ぬぞ!?

「大丈夫だ!ちょっち痛いだけだ!」

( ^ω^)「ちょっちじゃねーだろぉぉぉ!?」

そんな事を言っている間に高度が段々さがっている。

「着地地点……銀行……!」


( ^ω^)「銀行!?」

おいおい!!何しに行くんだよ!!強盗いるんだぞあそこ!?

「はははは。行くぞ!」

( ^ω^)「あっーー!?」


そうして俺は銀行の屋根に着地……いや、墜落した



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:34:30.29 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「うーん……」

どうやら銀行の屋根をつきぬけて銀行内に来てしまったらしい

周りには目を丸くしている強盗3人と口を開けたまま呆気としている警官がいた。

( ^ω^)「………」

「………」

「………」


シーンと静まり返る銀行内。どうやらお呼びでないらしい

瓦礫にまみれていた俺……もといアッガイが立ち上がる


( =○=)「………」


それを無言で見守る強盗と警官達

何だこの雰囲気は……

( ^ω^)「おい……どうするんだお……」

「任せろ…!」

そう言うとアッガイは瓦礫の上で、仮面ライダーのようなポーズを取り出した。



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:40:37.65 ID:ojjE25dgO
  
右手にはクロー

左手にはミサイル

腹にはメガ粒子砲


( =○=)「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!」


唸る伸縮可能な腕!

( =○=)「悪を倒せと俺を呼ぶ……!」

その身に死角無し!

( =○=)「悪人よ!聞け!」

ザクの流用パーツでコスト削減……!!!

その名は………


( =○=)「アッガイィィィィィ!!!!!!!」

どっかで聞いたようなセリフと共に恥ずかしいポーズを取るアッガイin俺
くそ…恥ずかしい……。恥ずかしいけど体が言う事を聞かない……、



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:49:34.45 ID:ojjE25dgO
  
( =○=)「さぁ!悪人よ!!かかってこい!」

強盗3人はどうしたらいいかわからなさそうに呆気に取られている。


( ^ω^)「おい…アッガイ!みんな引いてるお!」

「違う!恐れおののいているだけだ!」

( ^ω^)「アホか!!」

ひそひそそんな事を言っていると一人の警官が銃を構えてきた

警官「止まれ!動くな!」

( =○=)「……え?」


つられてほかの警官も俺に……アッガイに向かって銃を向けてきた

警官「強盗の仲間が屋根をつきやぶって現れた!至急……」


( =○=)「違う!お、俺は………強盗じゃない!!」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 21:59:32.72 ID:ojjE25dgO
  
( ^ω^)「お前……!!」

何やってるんだこいつ……。てかどうするんだよ、この状況………

( =○=)「お前等!話を聞け!俺は……」

警官「動くなー!!!」

( =○=)「………話を!!話をー!!」

アッガイが必死に話をしようとすると後ろから強盗の一人がいきなり叫んだ

(´・ω・`)「兄貴ー!!助けに来てくれたのか!!」

( =○=)「はぁ!?」

そして他の強盗もアッガイに寄り添う

川 ゚ -゚)「兄貴……信じてた……」

( =○=)「え!?え!?」

ミ,,゚Д゚彡「兄貴!頑張れ!」

警官「やっぱり仲間か!!!」

( =○=)「おい!?何だお前等は!?」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:05:53.99 ID:ojjE25dgO
  
ワラワラとアッガイの後ろに隠れる強盗。

( =○=)「お、おい貴様等!何をしている!」

(´・ω・`)「さぁ!警官共!兄貴が相手だ!」

川 ゚ -゚)「さ!兄貴!やっちゃえ!!」

( =○=)「誰が兄貴だ!」

( ^ω^)「アッガイ!前!」


( =○=)「え?」

俺は警官がスモーク弾を投げてきたのをアッガイに教える

( =○=)「おぉ!?」

だが教えてもどうにかなるワケでもなく……

( =○=)「メガ粒子砲!!」

………え?



31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:13:09.14 ID:ojjE25dgO
  
ブォ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!!!!

アッガイが言った瞬間、腹からビームのようなものが発射され、スモーク弾もろとも警官を吹き飛ばしてしまった

( ^ω^)「ちょ……お前…!!!!」

( =○=)「しまった…つい……」

あーー!!!どどどどうすんだよ!!これで強盗の仲間になっちまったじゃねーかぁぁぁ!!

ミ,,゚Д゚彡「す…すげえ……!!」

(´・ω・`)「アンタ………一体!?」

( =○=)「…………」

メガ粒子砲に巻き込まれた警官達はみんな、血だらけになりながら銀行の外に吹き飛ばされていた。

はぁ……何なんだコイツは……。宇宙人かよ……



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:20:42.50 ID:ojjE25dgO
  
(´・ω・`)「とりあえず今の内に裏口から逃げるぞ!」

ミ,,゚Д゚彡「おう!」


( =○=)「俺は……俺は………」

プルプルと震えるアッガイをよそに退却する強盗達


川 ゚ -゚)「ほら!アンタも!!」

( =○=)「は?」

強盗のうちの一人が強引に俺の手を引く

( ^ω^)「ちょ!!」

アッガイの抵抗も空しく強引に手を引かれ、裏口に置いてあった車に連れてこられた

ミ,,゚Д゚彡「おい、そいつも連れて行くのか?」

川 ゚ -゚)「当然!」

( ^ω^)( =○=)「勝手に決めんな!!!」

声がアッガイとハモる。



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:28:35.33 ID:ojjE25dgO
  
(´・ω・`)「確かに………彼の力があれば………!」

川 ゚ -゚)「でしょ!?コイツの力があったら警官なんてちょろいよ」

( =○=)「コイツとは何だ!コイツとは!」

ミ,,゚Д゚彡「ま、確かに助けてくれたしな……」

( =○=)「助けたワケじゃない!」

( ^ω^)「………」

(´・ω・`)「よーし!じゃあ車に乗ってくれ!」

( =○=)「人の話聞けよ!!!」

川 ゚ -゚)「いいから!もうアンタ悪人よ」




( =○=)「え………?」



悪人…………悪人…………悪人…………悪人?



( =○=)「あ、悪人……?俺が?」



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:34:40.96 ID:ojjE25dgO
  
( =○=)「俺が……俺が?」

( ^ω^)「……言いたくないけど、世間的にはお前は極悪人だお……」

ついでに俺もな


( =○=)「――――――――――」

あ、死んだ


ミ,,゚Д゚彡「おい!早く乗れ!」

( ^ω^)「……こうなったらこいつらに着いていくしかないお……!」

( =○=)「……くそ……!それしかないのか…」

アッガイは渋々強盗の車……ジープにのる


(´・ω・`)「よし!アジトへ帰る!」


アジト?何だそりゃ?

( =○=)「アジトだと?」

川 ゚ -゚)「まぁアジトって言うか………」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:40:55.44 ID:ojjE25dgO
  
アッガイを乗せたジープが発車する。

( =○=)「……」


ミ,,゚Д゚彡「しっかし何者だよアンタ?あねビーム何?」

( =○=)「……」

( ^ω^)「あのビーム………メガ粒子砲とか……」

川 ゚ -゚)「え?違う声…?」

( =○=)「お…お前は喋るな!」

俺の声外に聞こえるのかよ!

ミ,,゚Д゚彡「?」

( =○=)「い、いや何でもない。独り言だ!」

………くそ。主導権はアッガイにあるらしい…。

ファンファン……

( ^ω^)「……?」

不意に後ろからサイレンの音がした………まさか……

(´・ω・`)「ち、もうきやがった」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/23(金) 22:48:02.43 ID:ojjE25dgO
  
おいおい……マジかよ……!?

後ろを見ると数十台のパトカーが群れをなして追ってきていた

川 ゚ -゚)「逃げ切れる?」

(´・ω・`)「……余裕……と言いたい所だが厳しいな」

( =○=)「………」

厳しいのかよ!つーか捕まったら俺犯罪者か………?くそ、大学どうしよう……

ミ,,゚Д゚彡「そうだ!アンタ!さっきのビームやってくれよ!」

( =○=)「何だと!?」

川 ゚ -゚)「そーか!その手が!」

( =○=)「お…俺は悪人には手を貸さんぞ!」

( ^ω^)「だからもう悪人なんだお……」

( =○=)「うるさい!」

(´・ω・`)「……?」



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