(;^ω^)ブーンの周りの人間が狂い始めた様です。
- 35:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:13:00.58 ID:DP4wNM2W0
第十五話「Clocktower」
―VIPPERSの隔離室―
ξ。;;)ξ「…ブーン…」
ツンは再び意識を取り戻す事が出来た様だ。
…だがその瞳には涙が浮かんでいる。
…そして、ツンの傍では内藤が寝ていた。
ξ*;;)ξ「…ブーン……ちゃんと布団で寝なさいよ…?
風邪…引いちゃうよ?」
ツンが内藤を見て微笑みながら、頭を撫でてやろうと思ったが
拘束されていて撫でることができない。
…ツンは優しい内藤を撫でて慰めてやりたかった。
ξ*;ー;)ξ「…ばか…こんな所で寝て…
…でも…可愛い寝顔ね…」
- 36:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:13:55.26 ID:DP4wNM2W0
すると…そこへ…。
川 ゚ -゚)「…すまないな、泣いてる所に入ってきて…」
クーがたった一人で隔離室に入ってきた。
その左手には似顔絵が。
ξ。;;)ξ「…誰…?」
- 37:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:14:31.92 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「私は…内藤と同じ仕事場で働いているクーだ
…よろしく頼む」
そう挨拶して、クーはツンの右手を差し伸べた。
拘束されていても握手するぐらいはできるだろう
そう思って、クーは握手する様に手を差し伸べた。
ξ。;;)ξ「…何か用…?
…用が無いのなら帰って…!」
ツンの方は握手をしようともせず
クーを突き放してこの部屋から出て行く様に促した。
今のツンは内藤以外の誰とも話したくない様だ
拘束されていなければ、内藤に抱きついてただろう。
- 38:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:15:02.17 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「…内藤と愛し合いたいか?」
その言葉に、思わずツンはカッとなった
自分を見透かされた様な気がして、腹が立った。
ξ。;;)ξ「なによっ!! 愛し合っちゃ悪い!?
あんたには関係ないでしょ!?」
川 ゚ -゚)「いや、関係はある
何時も内藤と仲良く仕事してきた身だ
だから落ち着いて話を…」
ちゃんと人の話を聞く様に言い聞かせようとしたが
それでも話を聞こうともしない。
クーの言葉を遮る様に、ツンは喚いた。
ξ。;;)ξ「うるさいっ!! あんたなんかの話は聞きたくない…!
…放っておいてよ…今は内藤以外の誰とも話したくないの…」
- 39:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:15:51.18 ID:DP4wNM2W0
だが、それでもクーは自分の話を聞かせようとした
本当にタカラなる人物がツンに毒薬を注入したのか?
そして注入された時、どう言う風に体に異常が出たのか?
クーはツンに問いただした。
川 ゚ -゚)「…これに答えてくれれば、君は助かるかもしれないんだ…
君はもう一度内藤と観覧車に乗ることができる
……だから、頼むから教えてくれ」
…今のクーの話を聞いた途端
ツンにとって、希望の一筋の光が見えた気がした。
…一生懸命涙をこらえて、クーに全てを話すことにした。
- 40:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:17:02.84 ID:DP4wNM2W0
ξ。;;)ξ「…これは…あたしが毒薬注入された時の話ね…」
…VIPショッピングモールの観覧車で…ブーンと待ち合わせしてたの。
…ブーンに告白しようと思って…観覧車で待ち合わせしてて…。
でも…待ってたら変な男の人があたしに毒薬を注入してきたの。
体全身が痛くて…怖くて…苦しくて…意識を失ってしまった。
…そして…気がついたら人々を襲ってた…
その光景を目にして…本当に怖くて…悲しかった。
あたしのせいで人々が死ぬなんて嫌だった、すごく嫌だった。
殺してでも…あたしを止めて欲しかった。
その人たちにも希望があったのに…それを奪ってしまって…
謝っても謝っても謝り足らないと思う…。
- 41:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:18:02.90 ID:DP4wNM2W0
ξ。;;)ξ「…元に戻っても…いくら毒薬のせいとはいえ…
あたしの手で命を奪ってしまったんだから…この罪はずっと消えないと思う…」
元に戻ったら今度こそ内藤に告白できる
…だが、人の命を奪ってしまった自分に悔やんで
ツンにとっての光が消え去ってしまった。
川 ゚ -゚)「…その変な男ってのは
こんな顔か?」
ツンにタカラの似顔絵を見せた。
その似顔絵を見たツンは、さらに泣いてしまった。
その男に狂わされた恐怖を思い出して、怯えてしまったのだろう。
ξ。;;)ξ「そ、それよ…!
この人が…あたしの体に毒薬を…っ!」
- 42:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:19:02.28 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「…すまない…
その時の出来事を思い出させて…」
ツンを余計泣かせてしまった事に反省した。
でもツンからどうしても聞き出さなければならなかった
ツンに毒薬を注入したのが本当にタカラだったのが?
もしタカラじゃなかったら、その時ツンに注入された毒薬を持ってない可能性もあるのだから…。
川 ゚ -゚)「…大丈夫、私がその毒薬を手に入れて…
そして解析して解毒剤を作ってやる
…内藤と一緒に暮らせる様にしてみせるから…!」
- 43:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:20:04.66 ID:DP4wNM2W0
内藤にはツンが居る。
それでも、元々内藤の事が好きだったのだから
内藤の事を悲しませたくない。
内藤が幸せなら、それで良い
そう思ったから、クーはツンを救うために一生懸命になれる。
ξ///)ξ「…うん…あり…がとう…///」
ツンの礼を聞いた後
クーは地下の駐車場までエレベータで降りて行った。
…もうすぐ、決戦が始まる。
ξ*;;)ξ「…あんたの言ってた通り…良い人ね…クーさんって…
…また…眠くなってきちゃったな…おやす…み…」
- 44:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:21:12.60 ID:DP4wNM2W0
そしてクーの愛車、NSXの車内にて。
川 ゚ -゚)「やっぱりタカラが犯人だ
ツンから直接聞いたのだから確かな情報だろう」
どうやら先ほどのツンの話を野田に報告しているらしい。
真剣な眼差しでクーの話を聞いており
野田もツンを救うつもりらしい。
野田の場合は自分のプライドのために…
そしてもうひとつ訳がある。
ミ'イ, ゚д゚)「…俺の…弟が…か…」
- 45:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:22:09.77 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「でも…良いのか? 今まで人々を狂わせる事件を起こした犯人は弟なんだぞ?
…場合によっては抹殺しなければならなくなるかもしれないが…それでも良いのか?」
いくら敵とは言え…野田の弟だ
自分の家族の一人なのだから、大事に思っているだろう。
野田自身どう思っているか分からないが、これはクーなりの優しさ故の問いだ。
そして、その問いに野田は…。
ミ'イ, ゚д゚)「構わない、いくら弟でも…俺の信念が揺らぐことは無い
この事件を止めるために、タカラも止めてやる…!!」
…野田の答えは一つ
VIPPERSに入隊するときに決めた答えは
何があっても塗り替えられる事は無かった。
- 46:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:22:28.29 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「…そうか……
今回は二人で協力して事件を止めて…ツンと内藤のあの二人を助けような?」
ミ'イ, ゚д゚)「…あぁ」
野田はクーのその問いに頷いた。
川 ゚ -゚)「…よし、私の家で…決戦前の準備をしようか…!」
そして、クーの白いNSXが火を噴いて
VIPPERSの駐車場を飛び出して
夜中の町を疾走した。
- 47:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:24:04.27 ID:DP4wNM2W0
−A部隊室−
ギコは一人悩んでいた。
なんとかツンを救う方法は無いのか?
VIPPERSの一員として、真剣に悩んでいた。
野田もクーも急に消えたし…何をすれば良いのか分からなかった。
(,,゚Д゚)「……俺って野田達の上司で有る意味は無いな…
ツンを救うことさえ出来ない…」
- 48:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:24:58.08 ID:DP4wNM2W0
VIPPERSはこの事件を止めて、人々を守るために有る組織だ。
でも自分は何も出来ない。
ツンを救うことさえ出来ない
そして内藤を悲しませてしまった。
…とても歯痒かった。
(,,゚Д゚)「馬鹿だよ俺…どうすりゃ良いんだよゴルァ…
人を救うんじゃないのかよ…」
- 49:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:25:40.27 ID:DP4wNM2W0
部下と共に事件を解決していこうと思ったのに
その部下達をも悲しませてしまった。
そして辛い思いをさせてしまった。
そんな自分は上司失格で最低な人間だ、とギコは自分で思った。
(,,゚Д゚)「…隔離室の様子見に行くか…」
隔離室に行って内藤とツンの謝る
それがギコにとってのせめてもの償いだった。
- 50:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:26:06.97 ID:DP4wNM2W0
そして…。
45階に到着し
隔離室の重い鋼の扉をノックした。
コンコン
(,,゚Д゚)「内藤…話があるんだ、開けてくれないか?」
・ ・ ・ 。
中に内藤が居る筈なのに、返事も何もなかった
寝ているのだろうか?
ギコはもう一回ノックすることにした
(,,゚Д゚)「内藤、話があるんだ、お願いだから開けてくれないか?
…おーい! 内藤〜!!」
- 51:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:26:25.91 ID:DP4wNM2W0
…いくらノックしても返事が無い。
その事を不審に思い、ギコはドアノブに手をかけた。
すると…。
ガチャ…。
…鍵がかかっていなかった。
中には…、ツンただ一人しか居なかった。
(;,゚Д゚)「…内藤…?」
そこに、内藤は居なかった。
- 52:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:27:00.88 ID:DP4wNM2W0
そして…クーの家にて。
川 ゚ -゚)「…綺麗な月だな…」
ミ'イ, ゚д゚)「…あぁ」
野田とクーは、広いベランダで月を眺めていた。
クーの家は結構広い、2階建てで、リビングも広くて、部屋もいくつかあって
庭があって、ベランダも広い。
- 53:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:28:42.62 ID:DP4wNM2W0
…そして、野田がふと思ったことを口にした。
ミ'イ, ゚д゚)「…なぁ、クー
家ん中でぐらいそのコート脱いだら?」
今のところ、家にはクーと野田しか居ない
誰も見てないのだから、夏だし家でぐらいコートを脱いだ方が良いだろう、と野田は思った。
それに、昼じゃないからクーの肌に異常が出るって事もないだろうから。
川 ゚ -゚)「分かった、自分の家でもこの格好じゃなんだからな
それに野田の前だから大丈夫だろう」
野田には既に自分の本当の姿を知らせてある
自分を認めてくれた事もあったし、ここでコートを脱いでも大丈夫だろう。
そう思って、クーは自分の衣類を脱ぎ捨てた。
- 54:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:31:08.61 ID:DP4wNM2W0
そこには…
真っ白な肌、そして真っ白な髪を持つクーの姿が有った。
川 ゚ -゚)「…あぁ、涼しくなった…」
そのクーの瞳は、ルビーの様に輝く赤。
コートと一緒に脱ぎ捨てた帽子には黒い髪のかつらが付いていた
クーは先天性色素欠乏症、所謂アルビノだってバレない様にするために変装していた様だ。
- 55:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:33:45.93 ID:DP4wNM2W0
そして、コートを着る意味は変装以外にもある。
…日の光だ
クーの様にアルビノの人間は、白人よりも紫外線に弱い。
黒人の場合紫外線に強くて、日本人の場合は白人と黒人の中間ぐらい
そしてアルビノは白人の2倍、4倍、10倍、いや…もしかしたら100倍か1000倍弱い可能性もある。
なぜ体毛が白いか、それは体内で色素を作り出す事が出来ないため、体毛も肌も白いと言う事
そして、眼球の虹彩に色が付いてないので、血管が透けて見えて赤い瞳に見えると言う事らしい。
更に、虹彩による光量の調節がし難い為か、視力が落ちやすいらしい。
- 57:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:36:52.40 ID:DP4wNM2W0
川 ゚ -゚)「…こんな姿だから、小中学生時代に苛められたのだろう…
…こんな姿を内藤に見られたら…どう返してくるだろうな…」
ミ'イ, ゚д゚)「…内藤相手なら大丈夫なんじゃね? あいつ結構優しいしな
んでさ? お前…子供の頃身寄りの無いお前を荒巻って人が引き取ってくれたんだろ?
んで小中学生の頃に学ぶべき事は全て学んだらしいじゃないか」
クーの両親は小中学生時代に事故で亡くなってしまって
どうやら親戚に引き取られて育てられたらしい。
川 ゚ -゚)「あぁ、伯父は…こんな醜い姿の私なのに…引き取ってくれたんだ
私にとっては…実の父親の様な存在だったな…
…学校行けば苛められるから、家で勉強していた」
- 58:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:37:55.75 ID:DP4wNM2W0
クーは子供の頃は不登校児だったらしい
じゃあどうやって勉強していたのかと言うと
医者をやっている伯父の荒巻スカルチノフに勉強を教わってたと言う事。
川 ゚ -゚)「…世の者は不登校児を引きこもりだの精神障害者だのそんな扱いをする…
それには困り果てたよ…
…だが伯父は大事に育ててくれた…、私は伯父の温もりで育ったんだ」
なので、荒巻の温もりで育ったクーには医学の知識も入っている。
東大の医学部にも入り、無事卒業を果たした。
…だが、卒業した直後にクーにとっての最大の悲劇が訪れた。
川 ゚ -゚)「…タカラの兄のお前に言ってはならない事かもしれないが…私はタカラを許さない
…タカラのせいで…伯父は…伯父は…っ」
- 59:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:39:13.13 ID:DP4wNM2W0
時は第1話より半年前に遡る。
クーは荒巻に会うために、お祝いの花束とケーキを持って病院へ向かって歩いていた。
何故ならその日は、荒巻の誕生日なのだから。
…だがその日、悲劇が起こった。
病院の近くで狂った者による事件が発生し、荒巻はその事件の犠牲者となってしまった。
- 60:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:39:50.64 ID:DP4wNM2W0
川 。; -;)「伯父ぃ…っ!! 死なないでくれ…っ今まで私を育ててきてくれただろう…!?
誕生日プレゼントも受け取らずに逝くな…っ!! 伯父ぃ…っ!!」
この時ばかりは、クーは無表情で居られなかった
赤い瞳からは涙が大量に溢れ出ていて、荒巻にしがみついていた。
/ ,' 3「あぁ…クーや……わしゃ…クーみたいな…立派な娘と生きられて…良かったと思うんじゃ…」
川 。; -;)「何を言っている…!! 私は…っ…私は…ぁっ…!!」
どんな医者に頼んでも治療する事は不可能なぐらい傷は深かった
医学の知識を持っているクーでも、その現実を認めたくなかった。
/ ,' 3「あぁ…クーや…お前は…幸せに生きるんじゃぞ…」
- 61:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:40:36.95 ID:DP4wNM2W0
必死に「死なないでくれ」と懇願するクーの言葉も虚しく…
クーの胸の中で、荒巻の命が絶えてしまった。
…荒巻の死と言う現実に直面してしまったクーは
街中に居るにもかかわらず、その場でただただ泣き叫んだ。
川 。; -;)「ぅ…っぅ…っ…伯父ぃ…!! 伯父…ぃっ…!
伯父ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
こんな自分を引き取って
自分に温もりを与えてくれた実の親の様な存在が死んでしまって…
とても辛かった。
- 62:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:40:55.32 ID:DP4wNM2W0
そして、それから一ヶ月後
クーは伯父の荒巻の仇を取るために、VIPPERSに入隊した。
荒巻の温もりで育ったクーは頭が良くて、ギコにも野田にも気に入られた。
そして今、明日にはタカラと直面するので
荒巻の仇を取ると言うクーの決意を果たす事が出来るかもしれない。
- 63:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:41:18.36 ID:DP4wNM2W0
ミ'イ, ゚д゚)「いくら俺の弟でも…その話聞くと更に許せなくなってきた
…一緒に仇を取ろうな、クー」
川 ゚ -゚)「あぁ…、ありがとう…」
それは、決戦前のちっぽけな月夜の日の出来事だった。
満月が浮かぶ中、二人は明日の決戦に備えて
寝室に戻って睡眠をとる事にした。
…が、クーの家の傍で…一つの影が潜んでいた。
( :::::::::::)「…」
- 65:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:43:00.37 ID:DP4wNM2W0
−ぃょぅの店−
(=゚ω゚)ノ「…」
ぃょぅは一人ベランダに出て、かつての友人の事を思い浮かべていた。
…荒巻の事を…。
…そう、ぃょぅは荒巻の古くからの知り合いだった
一応ぃょぅは幼い頃のクーをリアルで見た事が有る。
本人曰く、
今、荒巻は天国でクーを見守っているのだろうか?
友人も出来て、少し上機嫌になってきたクーを見てどう思っているのだろうか?
そんな事を考えていた。
(=゚ω゚)ノ「…荒巻…」
- 66:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:43:32.08 ID:DP4wNM2W0
月夜が過ぎ去ろうとしている中
刻々と決戦の時が迫ろうとしていた。
クーと野田の二人組みか、タカラか
勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか?
そして…内藤は…?
- 67:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:43:49.19 ID:DP4wNM2W0
…そして、遂に運命の時がやってきた。
( ^Д^)「…VIPツインタワービルで景色を眺めたい…
…高岡との…思い出の場所…」
タカラにとっての思い出の場所…
それは、VIP町の中でも1番高いビルだ。
屋上から眺める景色は絶景だ
タカラはそこで高岡に告白をした。
…でも人を狂わすのが何故高岡の為なのかは
未だ本人以外知り得ない。
- 68:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:45:10.09 ID:DP4wNM2W0
…そして。
ピーンポーン。
タカラの家のチャイムが鳴った。
今はまだ朝の4時の筈だ
こんな時間に来客なんて明らかにおかしい。
そう思いながらも、タカラは玄関で来客を迎える事にした。
ガチャ…。
- 69:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:45:43.30 ID:DP4wNM2W0
…タカラにとっては久々に見る顔だった。
ミ'イ, ゚д゚)「…よぉ、タカラ」
…いや、自分の所の住所なんて知らせてない筈なのに
何故ここに住んでいる事が分かったのか?
それが今のタカラにとっての唯一の疑問。
他に疑問は無い。
- 70:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:46:20.33 ID:DP4wNM2W0
…自分の兄の事さえもどうでも良い。
自分には高岡しか居ない。
こいつに住所を知られてしまった以上、自分が毒薬を注入する仕事をしていることがバレる恐れも出てくる
ここで自分の兄、野田を殺しておいた方が身のためだろう。
そう思った。
- 71:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:47:22.93 ID:DP4wNM2W0
タカラの下した決断は、野田をVIPツインタワービルの屋上に連れてく事。
そして早朝の誰も居ないツインタワービルで
殺 す 。
自分にとって不必要な者は殺し
モララーを利用できるだけ利用する。
それがタカラの考え。
- 73:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:49:19.98 ID:DP4wNM2W0
やがてツインタワービルに到着し、タカラと野田はエレベータに乗って屋上まで登る事となった。
そして、エレベータの中で静かな尋問が始まった…。
ミ'イ, ゚д゚)「…この糞野郎、嬲り潰すぞ」
野田のその発言に思わず困惑し、そして
見透かされた様な感覚を覚え、思わず
『何が言いたい?』と野田に言い放った。
ミ'イ, ゚д゚)「…例の事件起こしてんの…お前だよな…?」
- 74:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:50:41.84 ID:DP4wNM2W0
( ^Д^)「…あぁそうだよ…俺がやったんよ…全部…」
タカラにとっては別に隠すつもりはなかった
…いや、もう隠すことさえ見えてないのかもしれない。
自分のミスでモララーの組織から追放される
そんな追い込まれた精神状態だから、ただ野田達の様な邪魔者を殺して
高岡を救うことしか頭に無いのだろう。
- 76:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:51:51.92 ID:DP4wNM2W0
…そして一つ問題なのが、何故人を狂わせることで高岡を救うことに繋がるのか?
タカラは、今の自分の全てをありのままに語った。
…ある日自分の愛人のハインリッヒ高岡は、難病に侵されてしまった。
どうにかすれば治す事も出来るが、金が足りない
治療費は5億、常人が出せる金額ではない。
…そして、タカラはネットにて一つのホームページを見つけた。
それこそ、モララーの組織のHP。
- 77:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:52:57.72 ID:DP4wNM2W0
人を狂わせる研究をメインに活動している組織で
その組織のプロジェクトが成功した暁には
モララーの組織に入っている全ての者に大金を渡す。
金額は5億。
…タカラにとってこれほど美味しい話は無かった。
薬を作れるほどの頭脳を持っていないタカラは、街中の人々に毒薬を注入するだけの仕事を受けた
これだけで5億貰えるのなら自分にとってはどうってことない。
高岡の為なら、悪魔に魂を売っても良いと言う事らしい。
- 78:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:55:29.86 ID:Vk55xFQl0
…その事を全て聞いた野田の答えは
こうだ。
ミ'イ, ゚д゚)「…その高岡って奴…お前がそんな仕事をしているなんて聞いたら
さぞかし悲しむだろうな!」
(#^Д^)「五月蠅い黙れ!! 俺は正しい…!! 俺は高岡のためなら何だって出来るんだよ!!
他人の命なんか知ったこっちゃない!!! お前も殺してやる…!!
お前も殺してやる!!!」
タカラがそう叫んでいる中、エレベータの扉が開かれた。
…そしてそこには、白の髪を靡かせながらこっちに向かってくるクーの姿が在った
戦いやすい様に、コートも脱ぎ捨てて居て
クーの赤い瞳には、仇を取ってやると言う決意の炎が燃え上がっていた。
- 79:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:55:45.40 ID:Vk55xFQl0
川 ゚ -゚)「…タカラ…私は…お前を絶対許さない…!!
…伯父の…伯父の仇を取らせてもらう…!!」
いくら他人の事はどうでもいいタカラでも、クーの姿は覚えていた様だ
荒巻の働いていた病院の時も、どこかで見ていたのだから。
( ^Д^)「あぁ、あの時の白子の女か
お前もくどいなぁ、粘着しすぎだよ…
…じゃ、お前ら二人まとめて…」
(#^Д^)「俺が…殺してやるよぉ!!!!!!
うぁああああああああああああああ!!」
- 80:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:56:46.67 ID:Vk55xFQl0
タカラは、か弱い女性を先に倒そうと思ったのだろう
クーの方へと向かって走って行った。
川 ゚ -゚)「…!!」
こちらに襲撃してくるタカラの懐に入り込んで攻撃を回避し
後からハイキックを食らわした。
…が、残念ながら効果は無かったらしい。
そう、タカラは背中に衝撃吸収する特殊な鉄板を入れていて
背後からダメージを与えることはほぼ不可能。
正面から攻撃しないとダメージを与えることは出来ない。
(#^Д^)「馬鹿だねぇこのアマァ!!!」
そして、タカラはクーの腹に向かって回し蹴りを放ったが
クーはそれをジャンプでかわし、それに続いてタカラに踵落としでダメージを与えた。
- 81:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:58:06.50 ID:Vk55xFQl0
…が、踵落としがクリーンヒットしたと思いきや…。
(#^Д^)「…うぉおおおおおおおおお!!」
タカラが自分の肩に来る痛みを堪えて
クーの片足を腕で持ちながらハンマー投げの如く振り回し
そのままクーは投げ飛ばされてしまった。
川;゚ -゚)「くっ…ぐぁっ…!! …っ…!」
幸い、ビルの屋上から落ちることは無かったが
クーの体に大きなダメージが圧し掛かってきてしまった。
- 82:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:58:36.64 ID:Vk55xFQl0
ミ'イ,#゚д゚)「タカラァアアッ!!」
お次は野田だ。
タカラの顔面にパンチを撃ち込んだ後
アッパーを撃ち込み、更に浮かせたところで何かしら攻撃をしかけようとしたが…。
避けられた、
タカラは両手を地面に突き立てて、そのままバック転して攻撃を回避した。
そしてタカラは飛び掛って攻撃しようとしたのだが…
そのまま野田がタカラの攻撃をよけて、そのまま地面に拳を撃ち込む事となってしまった。
…地面には軽くヒビが入り、拳から血が流れていた。
(#^Д^)「ゲェぁぁああああああああああああぁあああああああああ!!!」
- 83:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 21:59:38.33 ID:Vk55xFQl0
タカラが雄叫びを上げる中、立ち上がったクーが無理やりタカラを自分の方に向かせ
攻撃をしかけようとしたが…。
川;> -゚)「うぐっ…ぁあっ…!!」
…やはり無理だった、クーの場合攻撃は出来るけど防御が下手だ
足の骨が折れてしまった。
(#^Д^)「邪魔だね…、何時まで俺にたてつきやがんのかねぇ?
死ねよ、この白子が」
タカラはクーの身体を持ち上げてから地面に叩き付けて…
両足でクーの腹の上に乗って苦しめる技を繰り出した。
川;> -<)「ぁぁああっ!! ぐっ…ぁあああああ!!」
人の身体は何時動くか分からない、それなのにタカラはクーの腹の上に立っている。
かなりのバランス感覚が必要だ。
これはタカラの必殺技、デリジョン。
人体はただでさえ重い、その重さが腹に来るのだから
下手すりゃ内臓が破裂する恐れもある危険な技。
( ^Д^)「m9(^Д^)プギャー、とでも言ってやろうかw
俺に逆らうとこんな目に遭うんだよ…!
…たっぷり嘲笑してやるよ…高岡以外の命なんてどうでも良いんだよこの白子…!!」
- 84:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:01:19.06 ID:Vk55xFQl0
ミ'イ,#゚д゚)「……」
野田はこの光景を見て、怒りに震えていた
こいつには血も涙も無いのか? と思い怒りに震えていた。
…気がつけばタカラに向かって走っていた。
タカラを攻撃するために。
…が、次の瞬間。
( ^Д^)「良いの? お前がここに来れば
この白子を踏み潰そうかな、なんて思ってるんだぜ?
どうします? 俺を殺すか、白子を殺すか」
- 85:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:02:02.97 ID:Vk55xFQl0
…野田はその言葉にピタリと固まってしまった。
自分がタカラに攻撃すれば、クーが死ぬ
だからと言ってタカラに攻撃しなければ、ツンが死ぬ。
どうすれば…。
( ^Д^)「うん、その調子その調子…さてと
次はお前を料理しようかな…!!」
タカラの狂気の矛先は、野田へと移り変わった。
- 86:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:02:58.95 ID:Vk55xFQl0
走っても急には止まれない。
そんなところを突いて、野田はタカラの腹にキックを浴びせてやろうと思ったが…
タカラが途中から回転しながら向かってきたので、鉄板の付いている背中にキックする事となってしまった。
…そして、そのままタカラに足を抱えられ
骨を折られてしまった。
ビキッ…。
ミ'イ,;゚д゚)「う゛ぁあ…っ!!」
- 87:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:03:32.53 ID:Vk55xFQl0
(#^Д^)「ハハッ、お前みたいなゲスな野郎共は皆死ねば良いのさァ!!」
続いて、クーに大ダメージを与えた時の様に
野田の足を掴み、ハンマー投げの様に野田を投げ飛ばした。
そして、野田はクーの方へと飛んでいってしまう
このままじゃ激突する。
何としてでもそれを避けるために、地面に手を突いて無理やり着地した。
その結果、野田の両手の骨が折れてしまった。
ミ'イ,;゚д-)「うぐぁ…っ…!! うぅ…っ…!」
川;゚ -゚)「野田…っ!!」
野田は最初から骨折覚悟の上で無理やり着地するつもりだった
クーをこれ以上に負傷させない為にも。
…そしてクー達二人は、タカラの取り出した物に戦慄を覚えた。
…短剣だ。
二人は足の骨を折ってしまっている
足をまともに動かす事ができないので、避けられる確立は非常に少ない。
- 88:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:04:08.85 ID:Vk55xFQl0
( ^Д^)「ハハっ…wwこれで一箇所にまとめる事が出来たぜ…w
…さてと…まずはそこの白子から殺してやるよ!!
高岡の為にもなぁああっ!!」
そして、タカラが短剣を手にして走り出し
今まさに二人に襲いかかろうとしていた。
(#^Д^)「死ねぇえぇええぇぇぇえええぇぇぇ!!
ゴミ共ォオォオォォォォォォォォオオオオオォオォォォッ!!」
骨折による痛みで、もはや避ける事は不可能となってしまっていた。
クーの命に危険が迫ろうとしている。
川;-_-)「…ここまで…か…っ…」
クーは咄嗟に目を瞑り、死を覚悟した。
仇を取れなかった事による悔やみと、荒巻への懺悔の想いを込めながら…。
- 89:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:04:51.53 ID:Vk55xFQl0
…だが、何時まで経ってもクーの体に痛みが来なかった。
……刺された瞬間から痛みが襲ってくる訳ではない
あとから徐々に刺されたところから痛みが襲ってくる筈だ。
…そう思っていると、痛みによってひねり出された呻き声が聞こえてきた。
「ぅ…っ…ぁぁ…ぐ…っ…」
…自分の声は男の声に聞こえるほどトーンが低かったのか?
クーは一瞬そう思ってしまった。
…恐る恐る目を開けると…そこには…。
ミ'イ,!li゚д゚)「ぐ…ぁ…っ……く………ク…ー……っ………」
- 90:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:05:35.18 ID:Vk55xFQl0
……呻き声をあげている野田の姿が有った。
…自分が刺された筈なのに、何故野田が刺されたのか
クーは一瞬理解できなかった。
ゴリ…ッ…ゴリゴリッ…ゴ…ッ
刃物と骨が擦れあう嫌な音が響き渡り
それと共鳴するかの様に、野田の呻き声も同時に聞こえてきた。
ミ'イ,!li゚д゚)「うぐ……ぁ…っ……ぁ…っぁ…っ…」
そして…。
野田の背中から短剣が抜かれた。
…力無く…クーの体に、野田が倒れこんで来た。
- 91:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:06:14.76 ID:Vk55xFQl0
川;゚ -゚)「…っ!! 野田…! 野田ぁっ!!!」
医学の知識の詰まったクーでさえ、野田の容態が分からなかった
…混乱してしまっているから…瀕死の状態に陥ってしまった野田を見てしまい…混乱しているから…。
( ^Д^)「あ〜あ、白子のお前庇ったんだね、ソイツ
まぁたっぷり抉ってやって背骨にも傷が付いたから
…そいつ、もう体動かす事出来ないだろうなwww」
( ^Д^)「…ハッハッハ…w自業自得だよ…w
俺の高岡を救う邪魔をしたから…自業自得ってヤツだよwwww」
そのタカラの狂気に満ちた笑みに、クーは怒りを覚えた
伯父を殺し…そして野田までもこんな状態にしたタカラが憎かった。
(#^Д^)「…さぁ、お前もバスに乗らせてやるぜ…
黄泉逝きのバスになァ!!!」
- 92:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:07:03.08 ID:Vk55xFQl0
…野田の体をゴミの様に放り投げ、クーを刺しやすい様にして
再びタカラが独特の構えのポーズを取った。
……短気な野田でも…なんだかんだ有っても…戦友だった野田をも亡くし…
結局自分もこいつに命を奪われるのか…。
クーは悔やんで悔やんで…悔やみまくって…
それでも悔やみきれない気持ちになった。
……伯父………野田……
私も…そちらに行ってしまいそうだ…
ごめん…な…。
…クーは涙を流しながら、再び死を覚悟した。
…が、その時。
「野田ぁああぁぁぁぁぁぁ!!! クゥウウゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
- 93:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:07:32.53 ID:Vk55xFQl0
…何時もVIPPERSのA部隊に居て…
そしてツンを一番助けたいと思っていた人物の、緊張感の無い声が響き渡ってきた。
…そして、タカラの動きを後ろから封じて
タカラの背中を何発も殴っている内藤の姿が有った。
(#^ω^)「ク、クーさん!! 野田の…野田の傍に行ってやってくださいお!!
まだ生きてますお!! あそこで這っていますお!!!」
…そう、野田は半身不随になってしまったが、腕は動かせる
薄れてゆく意識の中、その腕だけでクーの元へと這っていこうとしていた。
…もう野田と会話を交わせるのは今回が最後かもしれない
そう思って、クーは野田の方へと駆け寄っていった。
川;゚ -゚)「野田っ…!! 聞こえるか野田っ!? 野田ぁっ!!」
- 94:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:08:23.01 ID:Vk55xFQl0
ミ'イ,!li゚д゚)「…ぁ…ぁぁ……ク…ー……
生き…て……た……か…」
今ならクーの頭脳で野田が助かるか助からないか判断出来た。
…駄目だった
もう助からない状態にまで陥ってしまっていた。
背骨に傷が付き、心臓にまで傷が付いてしまっていた。
そして肺も破られ、呼吸が充分に出来なくなっていた。
…それでも現実を認めたくなかった
まだ野田には生きていてほしかった。
川;゚ -゚)「喋るな!! 喋ったら…傷が…っ!!」
- 95:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:09:03.91 ID:Vk55xFQl0
ミ'イ,!li-д-)「う…っ…せ…ぇ……
お…れが……喋…ろうが……喋ら…ま…いが……
そんなの…ゲホォッ…!! 俺の…勝手…だろ…う…が……ウッ…!! ゲホォォッ!!」
吐血しながらも、野田は一生懸命クーに喋りかけていた
喉から必死に声を絞り出して…語りかけていた。
川 ; -;)「いいから喋るな!! 喋れば傷口が開くだろう!!
だから喋るな!!!」
ミ'イ,!li-д-)「…あの……馬…鹿……な…いと…う……に…伝え…ろ……
……こ…の……仕事……を……
…俺の…隊長……とし…て…の仕事を……引き……継…げ……と……」
…野田は密かに内藤の事を認めていた。
狂った者による事件を止めたい一心でVIPPERSに入ってきて
そして、先ほどクーを救った光景を見てから、確信へと変わった。
ミ'イ,!li-д-)「……あ…いつ……な……ら……
で……き……………る……」
- 97:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:09:53.46 ID:Vk55xFQl0
川 ; -;)「あぁ…!! 分かった…!! だから…これ以上喋らないでくれ…っ…!!
傷口が開いて……治療できなくなるだろう……!!」
ミ'イ,!li-д-)「……d……クス…………な………………」
川。; -;)「…野田…? …野田…っ…返事を……しろ……!!
野田……!! 野田ぁ……っ!! 野田ァアアァァァアアァァァァァァァァァアアアア!!」
- 98:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:10:42.76 ID:Vk55xFQl0
一方、内藤の方は…。
タカラと死闘を繰り広げていてた。
その様子は…先ほどの戦いよりヒートアップしていた。
内藤の方は防御する気が無い様子で、どんどんタカラに突っ込んでいっている
顔面を殴られても痛みを堪えて…堪えて堪えて堪え続け
タカラの腕を捻って地面に叩き落したり…と、内藤はさまざまな技を繰り出す。
(#^ω^)「うぉおおああああああああああ!!」
防御せずにどんどん突っ込んでくる内藤の気迫に思わずタカラは何歩も引いてしまった。
その結果、タカラは圧倒的に不利な状況となってしまった。
(::)Д^#)「ぐっ…ぁああっ…!!」
- 99:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:11:30.18 ID:Vk55xFQl0
タカラを追い詰める内藤はまるで鬼神の様だった。
今の内藤は誰にも止められない。
ツンをあんな目に遭わせ…野田にまで重症を負わせたタカラが許せなかった。
そして、アッパーを繰り出した拍子にタカラのポケットから一本の注射器が飛び出した。
−…これは人を狂わせる毒薬だ…!!−
内藤はそれを逃さず掴み、クーの方へ投げた。
(#^ω^)「クーさん受け取ってくださいお!!」
- 100:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:12:03.57 ID:Vk55xFQl0
体に刺さることなく、クーは注射器を見事にキャッチした。
これで注射器の破損を恐れる事もなく
充分に攻撃できる様になった。
…いや、もう攻撃はあと一回で充分なのかもしれない。
タカラはもう極限まで弱っていた。
(#^ω^)「ツンと野田、そして今まで犠牲になった人々に
謝れええええええええええええええあああああああああああああああ!!!」
…そして、内藤の止めの一撃が繰り出された。
- 101:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:12:35.86 ID:Vk55xFQl0
…自分の愛する高岡は、今どんな気持ちなのだろう?
病に冒されていて…苦しみに耐えているのだろうか?
…自分が付いてやらないと…自分が高岡を救わないと
高岡が死んでしまうんだ…。
…内藤…とか言ったか…。
お前を…お前を末代まで呪ってやる…!!
高岡を救う邪魔をしやがtt…
- 102:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:13:19.16 ID:Vk55xFQl0
…タカラは、思い出の場所、ツインタワービルから落ちて
墜落死した。
…それと同時にニュー速総合病院では
タカラが死んだ時間と同じ時刻に高岡が死んだと言う…。
(。;ω;)「グスッ…ぅ…ぅっ…野田…ぁ…
…お前嫌な奴だったけど…認めてくれたなんて…」
内藤は、野田からの伝言を聞いて涙を流していた。
…内藤にとってはとても儚い命だった。
- 103:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:14:57.49 ID:Vk55xFQl0
川。゚ -゚)「…仇は取ったぞ…伯父…野田…」
クーは空を見ながらそっと呟いた。
…実を言うと、内藤は昨日の時点でクーがアルビノだった事を知った様子。
VIPPERSの隔離室にて、ツンとクーの話しているところを盗み聞きしていた様だ。
そして自分はツンを救いたい、その一心でクーのNSXを尾行して
クーの家の茂みに潜り込んで話を盗み疑義していた様だ。
アルビノでも、内藤はクーを疎外しようとは微塵にも思っていなかった。
- 104:◆74/uug7zMk :2006/06/26(月) 22:15:16.47 ID:Vk55xFQl0
…そして、クーの携帯にギコからの電話がかかってきた。
用件は…言うまでも無いだろう
多分ツンに関する話だ。
川 ゚ -゚)「はい、もしm…」
…クーはギコの述べた言葉を聞いてドッと冷や汗が出た。
内藤も何が起こったのかクーに問い詰めると…
…問い詰めた内藤の顔にも冷や汗がドッと出た…。
(;,゚Д゚)『ツンが…ツンが危篤状態に…!!』
…つまり、もうすぐ死んでしまうと言う事。
第十五話「Clocktower」
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