( ^ω^)ブーンが本屋で働くようです

120 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:03:42.49 ID:QQbEXjNU0
  
【第3話:まだ始まったばかり】

( ^ω^)「ありがとうございましたおー」

(;^ω^)(ふー、どうにか1人でレジできたお。
      でも店長は確か…)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (´・ω・`)「うん。ここは住宅街の近くだからか、土日にたくさんお客さんが来るんだよ。
       今はまだ午前中だからそんなでもないけどね」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(;^ω^)(…って言ってたお。
      つまり、これからもっとお客さんが増えるってことだお!)



121 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:04:45.88 ID:QQbEXjNU0
  
(lli ω )(マズイお、だ、誰かに助けを…
      って誰もいないお! なにゆえ!?)

※1名休憩中、1名児童書コーナー、2名事務所入り口前にいるため(レジから見えない)

(;^ω^)(い、いや落ち着くお、内藤ホライゾン。
      何のためにしぃさんの教えをメモったんだお)

( ^ω^)「この3枚のメモ用紙さえあれば、僕は1人でも平気だお。
      そしてこの内容を暗記できれば完全に無敵だお!
      どれどれ、お客さんが来そうにない今のうちに…」


(;^ω^)「…何て書いたのかサッパリだお。
      しぃさんの早口に追いつくためだったとはいえ、もうちょっと丁寧に書けば良かったお…」



123 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:05:31.58 ID:QQbEXjNU0
  
『いらませ ありした またくだませ いう』

(;^ω^)(これは、確かしぃさんは接客用語とか言ってたお。
      いらっしゃいませ、ありがとうございました、またお越し下さいませって言うんだお。
      …でもこのメモだけ見ると、一体何の復活の呪文だお…?)

『ぶんこ まんが  しんしよ カバーきく ふくろ シールはる』

(;^ω^)(これも思い出せるお。
      文庫本かコミックスか新書かを買ったお客さんには、カバーおかけしますか? って尋ねるんだお。
      それで品物を袋に入れた後、防犯のために袋の口にテープを貼って閉じるんだお)

(;^ω^)(この1枚目までは、しぃさんがいた時に来たお客さんで実践できてたからわかるけど…)



124 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:06:15.76 ID:QQbEXjNU0
  
『りょーしゅしょ ここおす みせハンコおす たたしかき あてな きく』

(lli ω )(ここ押すってどこ押すんだお、僕!)

( ^ω^)(あ、でもレジに領収書って書かれたボタンがあるお。良かったお)

(;^ω^)(…でも、その後が訳わからんお。
      ここはもう後でしぃさんに訊くしかな…)

若い女性「お願いしまーす」

Σ(;^ω^)「あ、い、いらっしゃいませですお!」



125 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:07:42.37 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)「2点で1260円頂戴しますお」

若い女性「1回払いでお願いします」

[; w ]「……カシコマリマシタオ」


(lli ω )(おおお落ち着くお角ばってる場合じゃないお
      ククククレジットカードだお!
      いや、た、確かこれについてもしぃさんが…!)



126 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:08:12.99 ID:QQbEXjNU0
  
(; ω )(あった! 3枚目のメモに…)


『クレカー とおす ねだん しはらい しゅうりょう かみ サイもらう ひかえ
 きんいろ あんしよばん サインなし』


何もかも\( ^ω^)/オワタ



127 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:08:49.70 ID:QQbEXjNU0
  
若い女性「…? あの、どうかしました?」

ハッΣ(;^ω^)「い、いえ、何でもないですお」

(;^ω^)(落ち着くお、何もかもオワテも目の前のお客さんは消えてくれないお)

(;^ω^)(プロの滑らかな手つきを装ってゆっくりカードを受け取りつつ考えるお)



128 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:09:26.45 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)(確かしぃさん、まずはカードを機械に通してって…お、通ったお)

( ^ω^)(画面に「金額?」って出たお。そうか、ここで値段を入力して…
      ん、「支払い回数?」…って…)

( ^ω^)(お、思い出したお! お客さんに「お支払い回数は?」って訊かなくちゃならないんだお!)

( ^ω^)「お客様、お支払い回数は…」

中年女性「ちょっとおにーさん、「山奥」って本はどこにあるの?」

(;^ω^)(空気読めない客キタ━━━━━━━(; ω )━━━━━━━ !!!!!)



129 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:10:01.59 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)「た、ただいまこちらのお客様のお会計中ですので、少々お待ち下さいお」

中年女性「だから「山奥」ってタイトルの本なのよ」

(;^ω^)(アウアウ、言葉が通じないお、困ったお)

中年女性「早くしなさいよ、急いでるんだから!」

若い女性「あ、あの、別に私、後でもいいですよ…?」

中年女性「ほら! 「山奥」っていう本なんだってば!」

(; ω )(アウアウアウアウ)


ξ゚听)ξ「いらっしゃいませー、何かお探しですか?」



130 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:10:32.00 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)「あ、ツンさん…」

中年女性「ああ、「山奥」ってタイトルの本を探してるのよ」

ξ゚听)ξ「やまおく…
     …少々お待ち下さいませー」


( ^ω^)(すごいお、タイトル聞いただけでさっとどこかへ取りに行ったお)

(;^ω^)「(って感心してる場合じゃないお…)
      お客様、お支払い回数はいかがなさいますかお?」

若い女性「…えっと、1回払いで(最初に言ったんだけどな…)」



131 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:10:53.53 ID:QQbEXjNU0
  
ξ゚听)ξ「…お待たせ致しました、こちらの本でよろしいでしょうか?」

中年女性「ああ、そうそう! この表紙よ!
     あ〜あって良かったわぁ、じゃあこれ下さる?」

( ^ω^)「かしこまりましたお、お預かり致しますお。
     (…ん?)」

(;^ω^)(この本、「裏山」ってタイトルだお…)



132 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:11:24.39 ID:QQbEXjNU0
  
中年女性「どうもお世話様〜」

( ^ω^)「ありがとうございましたお、またお越し下さいませお」

ξ゚听)ξ「ありがとうございましたー」

( ^ω^)「ツンさん、どうもすいませんでしたお。助かりましたお」

ξ゚听)ξ「別にアンタのためじゃないわよ。
     休憩終わって来てみたら、お客様が困っていらしたから声を掛けただけ」

( ^ω^)「でも、ありがとうございましたお」

ξ゚听)ξ「…こ、これからもこういう風にフォローすることあるけど、
     それは仕事だからなんだから、勘違いしないでよね」

(;^ω^)「は、はいですお」



133 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:11:41.51 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)「ところで、どうしてあの本だってわかったんですお?」

ξ゚听)ξ「?」

( ^ω^)「タイトルが違ったのに…」

ξ゚听)ξ「ああ、あの本は以前「山奥」ってタイトルでドラマ化されたやつだから。
     原作が「裏山」ってタイトルだって知らずに来る人多いのよ」

( ^ω^)(すごいお…カコイイお。
      僕もいつかツンさんみたいに、出来るひとになりたいお)



134 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:12:11.71 ID:QQbEXjNU0
  
ξ゚听)ξ「さてと、午後からはアタシもレジに入るからね」

( ^ω^)「午後? もうそんな時間ですかお」

ξ゚听)ξ「時計は事務所の入り口の上にあるから、ここからじゃ見えにくいのよね。
     腕時計持っといた方がいいわよ」

( ^ω^)「ありがとうございますお」

ξ゚听)ξ「…あ、アンタが時間に遅れて、アタシに迷惑かけられちゃたまったもんじゃないからよ。
     それよりお昼過ぎたらどんどんお客さん増えてくから、ちゃんと働きなさいよ」



135 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:12:39.94 ID:QQbEXjNU0
  
ξ゚听)ξ「ところで、ここに落ちてる暗号みたいなメモ何?」

(;^ω^)「あ! そ、それは…」

ξ゚听)ξ「『りょーしゅしょ』? 『クレカー』…?
     ん、『ぶんこ まんが カバー』……もしかしてこれ、レジ業務のメモ?」

(;^ω^)(きっと笑われるお…)



136 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:13:26.28 ID:QQbEXjNU0
  
ξ^▽^)ξ「あはははははは」

(lli ω )(本当に笑われたお。
      エロゲなら流れ的に「気にしないで…私が優しく教えてあ・げ・る」とか言ってくれるのにブツクサ)

ξ゚听)ξ「あー笑った笑った。
     道理でさっき、カードでまごついてるなぁと思ったら…。
     自分で解読できないメモ作ってどうすんのよ」

(;^ω^)「す、すいませんお」

ξ゚听)ξ「別に謝ることじゃないけど。
     ま、やってくうちに自然と身に付くから、しばらくそのメモで頑張ってみたら?」

(;^ω^)「でもこのメモじゃ、まだわからないことが…」

ξ゚听)ξ「だったらアタシに聞けばいいじゃない」

( ^ω^)「え?」

ξ゚听)ξ「……」



137 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:13:48.84 ID:QQbEXjNU0
  
ξ////)ξ「か、勘違いしないでよ!?
     アンタが使い物にならないと皆が迷惑するんだから、さっさと1人前になってよね!」

( ^ω^)(…厳しい人に見えたけど、案外楽しい人だお)

「すいませーん」

( ^ω^)「いらっしゃいませですおー」
ξ゚听)ξ「いらっしゃいませぇー」



138 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:14:41.57 ID:QQbEXjNU0
  
(;^ω^)(ふぅ、だいぶ慣れてきたとはいえ、さすがに6時間以上立ちっぱなしは疲れるお)

( ´∀`)「ブーンくん、お疲れ様。
       今日はもう上がっていいそうだよ」

ξ゚听)ξ「そうですね、もう夕方ですから後はアタシ1人でも大丈夫でしょうし」

ξ゚听)ξ「ここは日曜の昼間が最も混むんだけど、逆に夕方はそんなでもないのよ」

( ^ω^)「そうなんですかお。じゃ、お先に失礼しますお」

ξ゚听)ξ「お疲れ様」
( ´∀`)「お疲れー」



139 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:15:16.88 ID:QQbEXjNU0
  
==書店『バー本ハウス』 事務所内==

( ^ω^)「あ、店長、しぃさんも」

(*゚ー゚)「お疲れ様。初日が日曜だなんて大変だったでしょ?」

(;^ω^)「さすがにちょっと疲れましたお」

(´・ω・`)「今日はゆっくり休んでくれ、明日は昼から出てもらうからね」

(*゚ー゚)「店長、早く1か月分のシフト組んで下さいね」

(´・ω・`)「いや、他の仕事がなかなか終わらなくてだね…」

(*゚ー゚)「会議もサボってばかりのくせに何言ってるんですか」

(;^ω^)(サボ…って、大丈夫なのかお…?)



141 :◆BASomtjNvg :2006/05/11(木) 01:15:56.18 ID:QQbEXjNU0
  
( ^ω^)「それじゃ、お先に失礼しますお」

(*゚ー゚)「お疲れ様、ブーンくん」
(´・ω・`)「明日もよろしくね」

==外==

(;^ω^)「足がパンパンだお…自転車漕げるかお?」

( ^ω^)(でも家でゲームしてた時より、何だか頭の中がスッキリしてる気がするお)


( ^ω^)「明日も頑張るお!」

【第3話:糸冬了】



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