( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです

141:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:00:49.48 ID:KmIKyWl40
  
( ゚∀゚)「じゃあまず、ブーンの基本スペックを測らせてもらおうか」

ジョルジュはそう言うと、本棚から1冊の本を取り出した。

( ゚∀゚)「ブーン、お前が覚えている魔法を教えてくれ」

( ^ω^)「ハイスクールで習った『ライト』と『ケア』だけだお」

『ライト』は明かりをともす魔法、『ケア』は軽い傷を治す魔法である。
この2つは、魔法ハイスクールでの必修魔法であった。

( ゚∀゚)「そりゃそうか。モナー、先に頼む」

( ´∀`) 「じゃあブーン、この剣で素振りをするモナ」

モナーは再びどこからともなく長剣を取り出すと、ブーンに手渡した。
材質、大きさ、形状、重さ、全て一般的な剣のようだ。

(;^ω^)(いったいどこから出してるんだお……)



142:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:02:25.16 ID:KmIKyWl40
  
( ^ω^)「ハッ! フッ! ハッ!」

ブン! ブン! ブン! ブン!

( ´∀`) (ん?)

最初は座ってブーンを見ていたモナーだったが、その目が急に険しくなる。
モナーは立ち上がり、異様なふいんき(←なぜかry)でブーンに声をかけた。

(;´∀`) 「おまえ……」

( ^ω^)「え? 何か……」

(;´∀`) 「すごくヘタモナ! 才能がないモナ!」

(#^ω^)「思わせぶりな顔で言うなお!」



145:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:04:17.40 ID:KmIKyWl40
  
結局この後、ブーンは腕立て20回、腹筋30回をやらされた。
実際はその半分ほどしかできなかったのだが。

(;´∀`)「悲しいくらい筋力も持久力もないモナ」

(;^ω^)「ひぃぃえぇ、もうバテバテだお……」

( ゚∀゚)「おう、お疲れ! じゃあ魔法系能力の測定を始めよう」

ジョルジュは本を開いてブーンに見せる。

( ゚∀゚)「この本によると、『ライト』100回での魔導力測定法がある」

(;^ω^)「ひゃ、100回!?」

( ゚∀゚)「そう、100回。じゃあカーテン閉めるからやってみろ」

ジョルジュが窓をさえぎると、室内は薄暗くなった。
ブーンは意識を集中して、指先に魔力を集中させる。

( ^ω^)「『ライト』だお!」

ブーンが呪文を唱えると、ブーンの指先に光がともった。
しかしそれは、ホタルの光と同じくらい弱々しい光だった。

( ゚∀゚)「……ま、まあ、あと99回がんばろう」



149:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:06:33.77 ID:KmIKyWl40
  
カーテンが開かれ、室内に明るさが戻った。
3人はイスに座り、机を囲っている。

(;゚∀゚)「だめだ……魔導力も集中力も平均以下だ」

(;´∀`)「武闘も魔法もダメダメだモナ」

(;^ω^)「なんかすまないお……」

3人の間に重い空気が流れる。

( ゚∀゚)「ん? そういえばブーン、疲れていないのか?」

( ^ω^)「魔法を唱えている間に疲れは取れたお。それよりお腹が減ったお」

( ゚∀゚)「いや、肉体的な疲労じゃなくて……」

( ゚∀゚)(まさか……もしかすると)

ジョルジュの脳裏に閃きが走った。

( ゚∀゚)「『マホトラ』!」



151:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:08:53.67 ID:KmIKyWl40
  
( ^ω^)「おおお? な、何をするんだお?」

ジョルジュがブーンにかけたのは、魔力吸収の魔法だ。
対象の魔力を吸い取り、自分のものとする。

( ゚∀゚)「大丈夫だ、計測の一環さ。『アスピル』!」

次々に魔力吸収の魔法を唱えるジョルジュ。

( ^ω^)「おっおっおっ、なんかこそばゆいお」

しかし、ジョルジュが何度魔法を唱えても、ブーンの魔力は衰えを見せなかった。

( ゚∀゚)(やっぱり、ブーンは魔力の消耗による疲労を感じていない!)

( ´∀`) 「どうしたんだモナ、ジョルジュ?」

さすがに痺れを切らしたように、モナーが尋ねた。
ジョルジュは驚きを隠せない表情をしている。興奮しているようだ。

( ゚∀゚)「間違いない! ブーンの魔力量、すなわちMPは常人の10倍以上だ!」



152:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:10:26.36 ID:KmIKyWl40
  
(;´∀`) 「そ、それは本当かモナ!?」

( ゚∀゚)「それぐらいしか目だった点はないけどな! しかし、これは意外な掘り出し物かもしれん……」

( ^ω^)「あの〜……」

騒ぐ二人の注目が、一斉にブーンに集中した。
一瞬の沈黙。

( ^ω^)「魔導力とかMPって何だお?」

ジョルジュとモナーは、バナナを踏む芸人より華麗にすっころんだ。



155:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:12:52.61 ID:KmIKyWl40
  
(;´∀`) 「お、お前、ハイスクールで習わなかったのかモナ?」

( ^ω^)「そんな大昔のことは忘れてしまったお」

(;゚∀゚)「仕方ない、俺が説明しよう。魔法を使うのに魔力が必要ってことはいいよな?」

ジョルジュは2、3度咳払いをすると、説明を始めた。

( ゚∀゚)「魔導力ってのは魔力を練りだす力のことだ。これが大きいほど魔法の効果が上昇する。
     『ライト』ならより明るく、広い範囲を照らすことができるわけだ。
     MPは内在する魔力の量。これは魔法のスタミナといったところだろう。
     多いほど魔法を多く、長く使うことができる」

( ゚∀゚)「というわけだ、わかったか?」

(;^ω^)「ちんぷんかんぷんだお」

(;゚∀゚)「……」



157:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:15:08.12 ID:KmIKyWl40
  
( ´∀`) 「とにかく、これならブーンも戦力になるかモナ?」

( ゚∀゚)「ああ、鍛えれば上位入賞もありうるかも」

( ^ω^)(戦力? 上位入賞?)

意味が良く分からない単語が、言葉の端々に聞こえた。
しかしブーンは追求しなかった。
既に太陽は大きく傾き、空をオレンジ色に染めている。

( ^ω^)「じゃあそろそろおいとま――」

( ゚∀゚)「早速、新入部員の歓迎会をやろう」

( ^ω^)「ヘ?」

ジョルジュは「生活魔法100選」と書かれた本を取ると、それをブーンに渡した。

( ゚∀゚)「まずは皿洗い魔法『キュキュット』の習得だ! その次は整頓、靴磨き、それと埃はたき魔法を覚えるぞ!」

( ´∀`) 「いやいや、まずは体力をつけさせるモナ。塔の1階から21階までを10往復させるモナ」

(;^ω^)「か、勘弁してくれだおーッ!!」

そうして、歓迎会という名の特訓が行われることになった。
結局ブーンが学生寮に戻ることができたのは、夜もふけた頃だったという。


第3話 おわり



170:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/20(火) 23:24:57.23 ID:KmIKyWl40
  
今回登場した魔法

今回登場した魔法
・ライト……(黒魔法)基本魔法 周囲を照らす。ハイスクールで習得
・ケア……(白魔法)基本魔法 軽い傷を治す。ハイスクールで習得
・マホトラ、アスピル……(黒)相手の魔力を吸収する。 元ネタはドラクエとFF
・キュキュット……(生活)皿洗いを自動で行う。元ネタは食器用洗剤。



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