( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです
- 294:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:01:15.90 ID:Z1Rsgnb50
- ('A`) 「起きろ、ブーン」
(;ーωー)「う〜ん、カーチャン、あと5分……」
('A`) 「……おい、ブーン!」
(;^ω^)「ハッ! …………何だ、ドクオかお」
('A`) 「せっかく起こしてやったのに、その言い草はないだろ」
ブーンはベッドから起き上がった。
VIP魔法学園は全寮制だ。部屋1つに学生3人が割り当てられている。
明け方、ブーンは学生寮に帰ってきた。
そして寮監に叱咤された後、やっと自室で寝ることができたのだ。
(;ーωー)「ぜんぜん寝てないから眠いお……」
(´・ω・`)「それにしても、同じ部屋になってよかったね」
('A`) 「部屋割りに学科は関係なかったみたいだな」
奇しくも、ブーン・ドクオ・ショボンは同じ部屋となっていた。
(;^ω^)「昨日は帰ることができなくて、すまなかったお」
(´・ω・`)「そうそう。昨晩はドクオ君と2人っきりで、寂しい夜を過ごしたよ」
(;'A`) 「何か含みがあるように聞こえるのは、俺の気のせいか?」
- 296:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:03:05.25 ID:Z1Rsgnb50
- 学生寮の食堂は、人ごみに溢れている。
その片隅に、ちょうど朝食を食べ終わったブーンたち3人がいた。
('A`) 「さてブーン、行くか」
( ^ω^)「へ? どこへだお?」
ブーンは必死に記憶をたどるが、特に予定は思い当たらない。
('A`) 「魔法戦士科は、今日の午前中に戦士科と合同授業だ。聞いていないのか?」
(´・ω・`)「ちなみに午後は魔法科との合同授業だよ」
(;^ω^)「把握したお。忙しくなりそうだお」
(´・ω・`)「大掲示板を見ていないのかい? 寮の入り口にあるから見に行こうか」
( ^ω^)「そうするお」
3人は席を立ち、食堂を後にした。
( ^ω^)「そういえばツンはどうしたんだお?」
(´・ω・`)「たぶん、同室の人とご飯食べてると思うよ。親善かな?」
- 297:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:05:04.18 ID:Z1Rsgnb50
- 学生寮の玄関前に、巨大な掲示板があった。
多くのプリントが貼り付けられ、道行く人の注意を引いている。
('A`) 「これが大掲示板。授業内容の変更や課題については、ここに張り出されるらしい」
(´・ω・`)「合同授業についてのプリントは……これだね」
ショボンが指差したプリントを見ると、確かにその旨が書いてあった。
午前中は第1体育館、午後は魔法大教室で講義を行うようだ。
さらによく見ると、戦士科は午後、魔法科は午前が自由時間と記されている。
(;^ω^)「ちょwww魔法戦士科だけ扱いヒドスwww」
('A`) 「諦めろ。じゃあ第1体育館に行くか」
(´・ω・`)「ところでブーン」
ショボンはブーンの肩に手をかけた。
(´・ω・`)「ツンを見かけたら声かけなよ。だいぶ心配してたから」
( ^ω^)「わかったお」
- 298:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:07:01.01 ID:Z1Rsgnb50
- 第1体育館では、戦士科の学生たちが集まっていた。
外見で全員が入るとはとても思えなかったが、余裕で収まってしまった。
空間拡大魔法でもかけてあるのかもしれない。
( ^ω^)「戦士科は何人くらいいるんだお?」
('A`) 「確か80人くらいだ。そのうち半分が短・長剣術専攻らしい」
( ^ω^)「他にはどんな専攻科目があるんだお?」
(;'A`) 「お前マジで何も聞いてないんだな……。まず俺が取っている斧・鎚術専攻。
それに槍・棒術専攻、拳闘術専攻、弓術専攻の全部で5つだ」
( ^ω^)「ほうほう。お、ゴルァ先生が来たお」
学生たちの前に、しぃとジャージ姿のギコが瞬間移動魔法で現れた。
二人は等間隔に生徒たちを整列させた。
( ,,゚Д゚)「よし、お前ら全員いるなゴルァ。今からしぃ先生に剣を送ってもらうから、その剣で素振りをしろゴルァ」
ギコがそう言った直後、ブーンとドクオの手に剣が送られてきた。
何振りかの剣が床に落ちる音が響く。
用意をしていなかった数人の学生が落としたようだ。
(;^ω^)「な、なんとか落とさずにすんだお」
- 299:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:09:00.22 ID:Z1Rsgnb50
- ( ,,゚Д゚)「よし、素振りはじめだゴルァ」
その一声とともに、学生たちは一斉に素振りを始めた。
魔法ハイスクールでは剣術の基礎も教えていたため、全員ある程度サマになっている。
( ,,゚Д゚)「お、今年の新入生は筋が良いゴルァ。ハイスクールもいい仕事してるゴルァ」
ギコは歩きながら、学生の素振りを見て回り始めた。
1人1人の素振りを見て、BだのCだの呟いている。
どうやら素振りの評価をしているらしい。
ギコは逐一、持っているプリントに評価を書き込んでいた。
('A`) (お、こっちに来た……)
- 301:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:11:11.21 ID:Z1Rsgnb50
- ('A`) 「フン! フン! フン!」
( ,,゚Д゚)「お、お前筋がいいゴルァ。専攻科目は何だゴルァ?」
('A`) 「はい、斧・鎚専攻です! 部活は武闘術部重戦士班に決めました!」
( ,,゚Д゚)「おお、ウチの部に入るのかゴルァ。鍛えてやるから覚悟しろゴルァ」
(;'A`) 「は、はい!」
( ,,゚Д゚)「Aだ。精進しろよゴルァ」
(;'A`) 「あ、ありがとうございます!」
('A`) (やったぜ、ギコ先生にほめられた!)
( ,,゚Д゚)「……」
( ^ω^)「……」
( ,,゚Д゚)「…………D」
(;^ω^)「ガーン」
- 302:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:14:04.99 ID:Z1Rsgnb50
- 素振りの後、学生たちは剣技の基礎技術や100m走、持久走などをやらされていた。
多くの学生が、疲れてへばっているのが見える。
キーンコーンカーンコーン
( ,,゚Д゚)「お、もうこんな時間かゴルァ。これにて授業は終わりだゴルァ」
ギコとしぃは瞬間移動魔法で体育館を去った。
(;^ω^)「もうくたくただお……。さっさと食堂に行くお!」
('A`) 「え? ブーンはすぐに魔法科の講義があるんじゃなかったか?」
(;^ω^)「ちょ、昼飯食べる時間がないお!」
('A`) 「知るか。早くしないと欠課になるぞ。相手はあのクー先生だ」
ブーンの脳裏に、学園説明会の記憶が浮かぶ。
(;^ω^)「そ、それはマズイお。ブーン行きまーす!」
ブーンは学生たちの合間を縫って、体育館を飛び出していった。
('A`) 「あいつ、魔法大教室の場所分かってんのか?」
- 305:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:16:14.11 ID:Z1Rsgnb50
- (;^ω^)「な、なんとか間に合ったお……」
ブーンは散々迷いながら、なんとか魔法大教室にたどりついた。
室内を見渡すと、ツンがこちらに向けて手を振っているのが分かった。
ショボンも一緒だ。
ξ゚听)ξ「ブーン! もうこないかと思ったわ」
(´・ω・`)「君は人を心配させるのが趣味なのかい?」
ブーンは謝りながら、ツンの横に座った。
ξ゚听)ξ「いい部活は見つかった?」
( ^ω^)「見つかったお。いい部活だお。……多分」
ξ゚听)ξ「良かった……。あ、先生が来たわ」
クーが、やはり瞬間移動魔法で教壇に姿を現した。
川 ゚ -゚)「では、講義を始める」
- 306:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:18:03.71 ID:Z1Rsgnb50
- クーの話は、ノンストップで2時間以上続いている。
ブーンは、最初の10分で理解を諦めていた。
今は馬の耳に念仏状態である。
どうやらツンとショボンは真剣に聞いているようだ。時折深々と頷いている。
(;^ω^)(暇すぎて死にそうだお……)
川 ゚ -゚)「では、実技に入ろう。起立」
学生が一斉に立ち上がった。気を抜いていたブーンは、一瞬遅れて立ち上がる。
川 ゚ -゚)「今から明かりを消す。諸君らは『ライト』をできるだけ明るく、長く、安定させるよう努力しろ」
( ^ω^)「また『ライト』かお……」
川 ゚ -゚)「では始め」
明かりが消され、暗くなった教室にポツポツと明かりがともる。
ブーンも魔力を集中し、『ライト』を唱えた。
鈍い光が、ブーンの指先から発せられた。
ξ゚听)ξ「『ライト』」
(´・ω・`)「『ライト』」
( ^ω^)(うおっ、まぶしっ! ツンもショボンもすごい明るさだお!)
川 ゚ -゚)「……ん?」
- 308:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:20:00.74 ID:Z1Rsgnb50
- 川 ゚ -゚)「おい、そこのお前」
クーが突然、ブーンたちのほうを指差した。
そのままこちらに近づいてくる。
ξ゚听)ξ「ど、どうしたのかしら?」
(´・ω・`)「わからない。とりあえず大人しくしてよう」
ついにクーは、3人の前にやってきた。
川 ゚ -゚)「お前だよ」
(;^ω^)「ぼ、僕かお?」
川 ゚ -゚)「そうだ。お前……」
(;^ω^)(お、怒られるのかお?)
ξ゚听)ξ(ブ、ブーン……)
(´・ω・`)(大丈夫かな……)
川 ゚ -゚)「……とても安定しているな」
- 310:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:22:22.21 ID:Z1Rsgnb50
- (;^ω^)「……へ?」
川 ゚ -゚)「光がほとんど揺らいでいない」
確かにほとんどの生徒の光は、一定の明るさを保つことができていない。
中には点滅を繰り返している学生すらいる。
ツンやショボンですら、たまに減光を起こしてしまっていた。
それに比べブーンの光は、ほぼ一定の明るさを保持している。
川 ゚ -゚)「ここまで安定させるのはなかなかのものだ。練習したのか?」
(;^ω^)(練習…………あの魔力測定のおかげかお?)
(;^ω^)「は、はい。一応」
川 ゚ -゚)「そうか。あとはもっと明るくできるよう努力しろ」
そう言うとクーは、ブーンたち3人から離れていった。
(;^ω^)(カエルにでもされるかと思ったお……)
ξ゚听)ξ(いつの間にあんなに上手くなったのかしら……)
(´・ω・`)(そんな、僕よりブーンのほうが褒められるなんて……)
川 ゚ -゚)「そこ! まだまだ甘いぞ!」
<ヽ`∀´>「は、はいニダ!」
- 315:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:24:15.66 ID:Z1Rsgnb50
- 川 ゚ -゚)「では、解散。黒魔法専攻の者は、次回までに火球魔法『メラ』と『ハリト』の予習をしてくるように」
クーは大教室の扉を開けて出て行った。
( ^ω^)(あれ、瞬間移動魔法で帰るんじゃないのかお?)
ξ゚听)ξ「すごいじゃない、ブーン。部活で特訓でもしたの?」
(;^ω^)「そ、そういうことだお」
ぞろぞろと学生たちが、魔法大教室を出て行く。
魔法科の学生は、戦士科よりもかなり人数が多そうだ。
( ^ω^)「そういえば、魔法科の人数は何人くらいなんだお?」
(´・ω・`)「全部で120人くらいかな。専攻科目は、黒・白魔法以外には召喚魔法がある。
黒・白魔法専攻がそれぞれ50人くらいだったと思うよ」
ξ゚听)ξ「あ! 私、治癒魔法研の体験入部に行かなきゃ。遅れちゃう!」
(´・ω・`)「僕も失礼するよ。じゃあまた後で、ブーン」
ξ゚听)ξ「またね!」
そうして2人は、人ごみの中に混じっていった。
( ^ω^)「僕も、生活魔法部に顔を出すことにするお」
第4話 おわり
- 316:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/21(水) 23:25:06.19 ID:Z1Rsgnb50
- 今回登場した魔法
・メラ、ハリト……(黒)火球を発生させ、放つ。元ネタはドラクエとWIZ
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