( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです

232:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:00:14.64 ID:lE97Q6130
  
ブーンが、クーの個人授業を受けることになった日から、数日後。

(;^ω^)「ひぃ、ふぅ。何度のぼっても疲れるお」

ブーンは部室棟の階段を上り、生活魔法部の部室を目指していた。
窓から差す朝日が、ブーンの顔を照らす。

( ^ω^)「最近、ドクオとショボンに起こされるから遅刻が減ったお。でも、もっとゆっくり寝たいお」

愚痴をつぶやきながら、ブーンは20階に到着した。
しかしブーンはそこで立ち止まり、前方の扉を注視した。

バコン!

(;^ω^)「来たおっ!」

破裂音とともに、部室の扉がブーン目がけて飛んでくる。
ブーンはなんとかそれを避けると、煙湧き出る部室から這い出てくる人影に話しかけた。

(;^ω^)「今日は何を作ってたんだお?」

(;゚∀゚)「ゲホゲホゲホ! お、ブーンか」



233:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:01:30.92 ID:lE97Q6130
  
煙がおさまると、2人は室内へと入った。
やはり机の上に怪しげな実験装置と、フラスコに入った液体が見える。

( ^ω^)「またジョルジュ先輩が変なもの作ってるお……」

( ゚∀゚)「だから先輩はつけなくていいって。それに今回のはすごいぞ!」

ジョルジュは卓上のフラスコを手に取ると、中の液体を一口飲んだ。

( ^ω^)(なんかマズそうだお)

( ゚∀゚)「……ふふーん。ブーン君、今日は熊さん柄のトランクスだね?」

(;^ω^)「な、なんでそのことを……ハッ!」

( ゚∀゚)「その通り! この薬はフクスケール。服が透けて見える薬だ!」

(;^ω^)「な、なんだってー!?」



234:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:03:13.33 ID:lE97Q6130
  
( ゚∀゚)「こいつをいつぞやのシタギスケールと組み合わせれば最強、無敵!」

(;^ω^)「野郎、なんてことを思いつくんだお…。こいつは……やばい……お」

( ゚∀゚)「これでおっぱい見放題だぜ。さてと、シタギスケールは……あれ?」

薬品棚を探るジョルジュ。しかし、目当ての品は見つからないようだ。

( ´∀`)「おー、みんないるかモナ?」

( ^ω^)「あ、おはようだお」

( ゚∀゚)「おいモナー。この前作ったシタギスケールを知らないか? 確かこの棚に置いたんだけど……」

( ´∀`)「ああ、それならゴミに出しておいたモナ。多分今頃、収集人が来てるモ――」

ジョルジュは光る風を追い越す速さで部室を飛び出し、階段を駆け下りていった。

( ´∀`)「なんだモナ、あいつ?」

(;^ω^)「さあ……?」



235:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:04:34.75 ID:lE97Q6130
  
( ´∀`)「この前の続きを話そうと思うモナ」

( ^ω^)「この前って、大会のことかお?」

( ´∀`)「そうモナ。そろそろ夏季大会に向けて、準備をする必要があるモナ」

モナーは1枚のプリントをブーンに渡した。
そのプリントには、夏季校内武闘大会・学年別個人戦 募集要項――と書かれている。

( ^ω^)「開催日は……あと1ヶ月半ってところかお」

( ´∀`)「それまでに、ブーンにはそこそこ強くなってもらうモナ」

( ^ω^)「どうしてだお? あんまり出たくないお……」

( ´∀`)「よく見るモナ」

言われて、ブーンは再びプリントに目を戻す。

( ^ω^)「えっと、何々? 賞金がでるのかお」

ブーンは更に視線を落としていく。



236:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:06:01.12 ID:lE97Q6130
  
(;^ω^)「1位賞金……50万ケロ!? 2位30万!?」

それは校内イベントの賞金としては、破格の値であった。
その他の上位入賞者にも、高値の賞金が支払われるようだ。

( ´∀`)「この賞金で、一気に借金の返済を狙うモナ」

(;^ω^)「なんでこんな高い賞金が……」

( ´∀`)「いろいろ事情があるモナ。またいつか話すモナ」

(;^ω^)「僕には上位入賞なんて無理だお!」

( ´∀`)「無理かどうかは俺たちが考えるモナ」

モナーはどうしても、ブーンを大会に出させるようだ。

( ´∀`)「ちなみに、1年の部は在学1年目、2年の部は在学2年目の学生しか出られないモナ」

(;^ω^)(兄者先輩や弟者先輩と戦うわけじゃないみたいだお)



237:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:07:31.18 ID:lE97Q6130
  
( ´∀`)「さてと。そのための軍資金稼ぎをお願いするモナ、ブーン」

そう言うとモナーは、もう1枚プリントをブーンに渡した。
今度はアルバイト募集の広告だ。

( ´∀`)「面接無しのバイトを探してきたモナ。時給は安いけどモナ」

( ^ω^)「ふむふむ、購買部の手伝いかお。面白そうだお」

時給650ケロ。確かに安い。

(;^ω^)「って、このバイト今日からだお! しかも今すぐだお!」

( ´∀`)「応援してるモナ」

(;^ω^)「うひぃ」

( ´∀`)「そうそう、時間がないからこれを渡しておくモナ」

部屋を出て行こうとするブーンに、モナーは1枚の紙切れを渡した。

( ^ω^)「何だお、コレ?」

( ´∀`)「寮に帰ったら読むモナ」

( ^ω^)「把握したお」



238:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:09:08.04 ID:lE97Q6130
  
大魔法教室のあるVIP魔法学園1号館。
その1階にブーンのバイト先、第1購買部があった。

( ^ω^)「あ、あれが購買部かお? 店員に声をかけてみるお」

カウンターには、少しおとなしそうな女性が立っている。

( ^ω^)「すみません、バイトの広告を見て来ましたお」

('、`*川「あら、あなたが新しいバイトの方ですか? 確かブーン君」

( ^ω^)「その通りですお。よろしくお願いしますお」

('、`*川「よろしくお願いします。私はペニサス。白魔法専攻の2年です」

ペニサスは奥の扉を開けると、ブーンを招きいれた。

('、`*川「ではまず、この制服を着てください」

( ^ω^)「わかりましたお」



239:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:10:32.37 ID:lE97Q6130
  
制服に着替えたブーンは、ペニサスがいるカウンターへ戻った。

('、`*川「ブーンさん。今日あなたにやって欲しいことは、商品棚の整理です」

( ^ω^)「はいだお」

('、`*川「ゆくゆくはお客様の対応もしてもらいたいのですが、まずは商品の価格や場所を頭に入れてください」

(;^ω^)「大変そうだけどがんばるお」

('、`*川「すみません……人手不足な上、予算もあまりないのです」

( ^ω^)「安心してくださいお。整理整頓は得意ですお」

( ^ω^)(ジョルジュに仕込まれた整頓魔法の出番がきたお! フヒヒヒ)

('、`*川「それは良かった。もうすぐお客様がたくさん来られる時間帯です。がんばりましょう」

( ^ω^)「把握しましたお!」



240:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:12:08.78 ID:lE97Q6130
  
ξ゚听)ξ「あれれ、ブーンじゃない!」

( ^ω^)「お、ツン! いらっしゃいだお」

第1購買部はそれなりに賑わいを見せている。
そんな折に、ツンが現れた。

ξ゚听)ξ「何やってんの? 授業は?」

( ^ω^)「バイトだお。今日は授業がないお」

ξ゚听)ξ「あらそう。大変ね」

ツンはブーンとの挨拶もほどほどに、商品棚を見ている。
しばらくすると、ツンは重いため息をついた。

ξ゚听)ξ「はぁ、ここにもないか……」

( ^ω^)「何かお探しかお?」

ξ゚听)ξ「あー、うん。星辰の首飾りっていうんだけどね。最近女の子の間で人気なの」

( ^ω^)「じゃあ先輩に聞いてみるお!」



241:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:13:42.01 ID:lE97Q6130
  
('、`*川「ふう、一息つけるわね」

カウンターに並んでいた客の列は既になく、購買部は静けさを取り戻そうとしていた。

( ^ω^)「ペニサス先輩、ちょっといいですかお?」

('、`*川「何かしら、ブーン君?」

ブーンは、ツンが欲しがっている物のことを説明した。

('、`*川「星辰の首飾り? ずっと身に着けてると願いが叶うってやつ?」

ξ゚听)ξ「そ、それです!」

('、`*川「うーんと、確か在庫が1つだけあったわ。ちょっと待ってて」

ξ゚听)ξ「本当ですか!?」

ペニサスが店の奥に入る。ほどなくして、彼女はロケットのような物を持って、出てきた。



242:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:15:04.09 ID:lE97Q6130
  
('、`*川「はいこれ。フタを開けて、その中に願い事を書いた紙を入れるの」

ξ゚听)ξ「あ、ありがとうございます! おいくらですか?」

('、`*川「う〜ん。ブーン君のお友達みたいだし、サービスするわ。1500よ」

ツンは代金をケロで支払った。

( ^ω^)「なんて願いを書くんだお?」

ξ゚听)ξ「秘密! じゃあね、ブーン!」

ツンは駆け足で、その場を離れていった。

('、`*川「ブーン君、今の娘はガールフレンド?」

(;^ω^)「えっ!? ち、違うお!」

('、`*川「ふふ、じゃあそういうことにしておいてあげる」

(;^ω^)「だから違うんだお……」



243:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/25(日) 22:16:37.28 ID:lE97Q6130
  
('、`*川「今日のバイトはこれでおしまい。またお願いするわ」

( ^ω^)「お疲れでしたお」

ブーンは私服に着替えると、帰途についた。

( ^ω^)「あ、ショボンだお!」

(´・ω・`)「ブーンじゃないか。今帰りかい?」

( ^ω^)「そうだお。一緒に帰るお」

ブーンはバイトを始めたことを話した。

(´・ω・`)「へえ。そういえば、ブーンが何の部活に入ってるのか聞いてなかったな」

( ^ω^)「生活魔法部だお。ショボンはどこに入ったんだお?」

(´・ω・`)「呪詛・呪術部」

(;^ω^)「……は?」

(´・ω・`)「だから、呪詛・呪術部だよ。呪いをかける魔法を扱う部活さ」

……ショボンには逆らえない。
今後の学生生活に、更なる不安を覚えるブーンであった。

第8話 おわり



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