( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです

829:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:06:10.24 ID:nvlOsWF30
  
第2体育館では、選手たちが激しく争っている。
その中で3人だけが、微動だにせずに固まっていた。
ブーン、ショボン、そしてビロードだ。

(´・ω・`)(さて、どうするか。2対1とはいえ、こちらに剣はない。
       剣がないのはあちらも同じだが……)

(;^ω^)(絶体絶命かお……?)

(´・ω・`)「ビロード君……だっけ? 君と僕たちが戦うことにメリットはあるのかな?
       8人まで勝ち残れるんだし、ここは停戦を……」

( ><)「結局本選でも戦うことになるから、早いか遅いかの違いだけなんです。
      そして僕が負けることはないんです!」

(´・ω・`)(く、交渉も無理か……。何かイレギュラーがあれば……)

その時、ショボンの願いが通じたのか、

選手B「死ねよやぁぁ!」

1人の男が3人に向かって斬りかかった。



832:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:08:07.78 ID:nvlOsWF30
  
( ><)「うるさいんです!」

ビロードが向かってきた男を一蹴する。
男は気絶し、床に倒れ伏した。

(´・ω・`)(本当は温存しておきたかったんだが、仕方ない!)

(´・ω・`)「『スロウ』!」

その隙を突いて、ショボンが魔法を唱えた。
攻撃を終えたばかりのビロードは、その射線上から逃れられない。

(;><)「うっ、何の、魔法、なんです、か!」

(;´・ω・`)(思ったより魔力の消費が激しい! 追撃はきついか)

(;´・ω・`)「今だ! ブーン、攻撃しろ!」

( ^ω^)「お、おお!? 『メラ』だお!」

ブーンは火球魔法を唱えながら、ビロードに向けて突進した。

(;><)「くっ、身体の、動きが、遅いん、です!」



835:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:10:30.44 ID:nvlOsWF30
  
ショボンが唱えたのは、相手の動作を鈍らせる魔法だ。
それでもビロードは、ブーンが放った火球を回避することに成功した。
しかしなお、ブーンは魔力量に任せて魔法を唱え続ける。

(;^ω^)「『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』
       『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』『メラ』!!」

(;><)「くう、ううう、うっ!」

ブーンの狙いはメチャクチャであったが、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。
火球の弾幕にビロードは退却するを得ない。



836:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:11:43.83 ID:nvlOsWF30
  
(;^ω^)「逃がさないお!」

(;´・ω・`)「待つんだ、ブーン! 深追いはよせ」

(;^ω^)「お、おお。大丈夫かお、ショボン」

ショボンはかなりつらそうな調子で、息を荒げている。
先ほどの魔法は、ショボンの魔力をかなり消費したようだ。

(;´・ω・`)「さっきビロードに倒された男の剣を取るんだ、ブーン。
        いつまた敵が来るか分からない」

( ^ω^)「わかったお」

ブーンは床に転がっている剣を取り、倒れている男に近寄ると、

(;^ω^)「ゴメンだお」

男の風船を踏み潰した。



838:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:13:54.65 ID:nvlOsWF30
  
('A`)「大丈夫か、2人とも」

( ^ω^)「ドクオ! あいつはどうしたんだお?」

('A`)「逃げられた。諦め早いな、ちんぽっぽの野郎」

(;^ω^)「ドクオ、ショボンが……」

(;´・ω・`)「いや、僕は大丈夫、問題ない」

そう言うショボンだが、かなり苦しそうだ。
ブーンの肩を借りて立っている。

('A`)「とにかく、あと2、3人だ。またちんぽっぽたちに襲われる前に、さっさと終わらせよう」

( ^ω^)「賛成だお」

('A`)「ショボン、攻撃魔法はいけるか?」

(;´・ω・`)「2、3人分ならなんとか」



840:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:16:25.92 ID:nvlOsWF30
  
('A`)「見ろ。アイツ、追われてる!」

ドクオが指差す先では、必死に3人組から逃げ回る1人の男がいた。

( ^ω^)「あれ? あの逃げてるやつ、どこかで見たような気が……」

選手C「待ちなさい、お前!」

選手D「くそ、いい加減諦めろ!」

<ヽ;`∀´>「待てと言われて待つやつはいないニダー!」

4人がブーンたちの前を通り過ぎていく。

(;^ω^)「ニダーだお!」

(;'A`)「おいおい、アイツ何やってんだ」

(´・ω・`)「いや、これはチャンスだ。逃げてる方と組もう」



842:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:18:04.60 ID:nvlOsWF30
  
('A`)「そうか! ニダーと俺たちが組めば4対3で形勢逆転。
    それに上手くいけば、3人も退場にできる!」

(´・ω・`)「そういうことだ。運良く知り合いのようだしね」

( ^ω^)「ようし! ニダー、こっちに来るんだお!」

<ヽ;`∀´>「あ、あれはブーンニダか? 助けてニダーッ!」

ニダーは方向を変え、ブーンたちの方へと戻ってきた。
上手く3人組も引き連れている。

( ^ω^)「正義の味方、ただいま参上だお! ニダーに助太刀するお!」

('A`)(ニダーが正義とは思えんが)

選手E「何っ! 仲間がいたのか!」

選手D「構わん、弱そうなヤツらだ! 全員リタイアさせてやる!」

3人組がブーンたちに襲い掛かった。

(´・ω・`)「弱そうだと……? ぶちころすぞ」



846:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:20:23.81 ID:nvlOsWF30
  
選手C「くっ、お前たちなんかに負――」

最後の1人が、捨て台詞の途中で風船を割られ、強制転送された。
その瞬間、体育館にホイッスルが鳴り響く。

運営委員「ただいまをもって、Bブロックの予選を終了といたします。
     この場に残っている8人が決勝トーナメント進出者です。おめでとうございます!」

(;^ω^)「か、勝ったお!」

(´・ω・`)「なんとか全員、生き残ったね」

<ヽ`∀´>「ウェーハッハ! ウリにかかればこれくらい楽勝ニダ! ホルホルホル!」

('A`)(こいつ、手のひらを返しやがって……)

勝ち残った選手の中には、ちんぽっぽとビロードの姿も見える。
ビロードの動作は未だにカクカクとしていた。



849:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:22:27.26 ID:nvlOsWF30
  
( ^ω^)「やったお、決勝進出だお!」

生活魔法部室の扉が勢い良く開き、ブーンが飛び込んできた。
開口一番、勝利報告をするブーン。

( ゚∀゚)「おお、本当か! やるじゃねえか!」

( ´∀`)「俺たち2人も、なんとか進出したモナ」

ジョルジュとモナーも、2年の部で決勝トーナメントに駒を進めていた。

( ^ω^)「すごいお! 2人とも意外と強いんだお」

(;゚∀゚)「意外って何だよ。それはこっちのセリフだぜ」

( ´∀`)「明日から決勝が始まるモナ。会場には3人で向かうモナ。
      ブーンに少し説明することがあるモナ」

( ^ω^)「把握したお」



852:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:24:38.16 ID:nvlOsWF30
  
翌日、大闘技場。
大闘技場は、VIP魔法学園でも異彩を放つ施設である。
石畳の闘技場を、ぐるっと観客席が囲んでいる。
その建物の中、商品が陳列された棚の前に、ブーンたち3人がいた。

(;^ω^)「ついに決勝だお、緊張するお」

( ´∀`)「落ち着くモナ、ブーン。今からここの説明をするモナ」

そう言うとモナーは、ブーンにケロ銀貨を手渡した。

( ^ω^)「お金?」

( ゚∀゚)「ここでは運営委員が認可した、装備品やアイテムの貸し出しをしているんだ」

( ´∀`)「武器に関しては支給された剣があるけど、それ以外はここで買う必要があるモナ。
      大会での私物の使用は禁止されているんだモナ」

( ^ω^)「ふむふむ。で、このお金は……?」

( ゚∀゚)「俺たちのバイト代から捻出したんだ。ケロじゃないとここでは買い物ができないんだよ」

( ´∀`)「そして、あいつを見るモナ」



853:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:26:08.05 ID:nvlOsWF30
  
モナーが指差した先では、ニダーが店員と話をしていた。

店員「で、これが超スピードで動けるようになる靴。こっちが、相手の攻撃を自動で防ぐ盾だ」

<ヽ;`∀´>「す、すごすぎるニダ! そんな装備が5000ケロなんて安すぎるニダ! 両方買うニダ!」

店員「毎度ー」

ニダーは店員から装備を受け取ると、満足した顔で立ち去っていった。

(;^ω^)「ちょ、ニダーにあんないい物をとられたお!」

( ゚∀゚)「落ち着け、ありゃフェイクだ」

( ^ω^)「お? フェイク?」

( ´∀`)「あんないい装備が5000なんて安値なわけがないモナ。あの装備は偽者モナ
      あの店員にだまされたんだモナ」

(;^ω^)「ちょwwww犯罪wwwww」

( ゚∀゚)「運営委員がやってるから誰も文句が言えない。つか騙されるほうが悪い。
     で、ああやって騙されたやつの金が賞金に回るんだな」

(;^ω^)「あの高額の賞金の理由はそれかお」



855:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:27:45.02 ID:nvlOsWF30
  
( ´∀`)「だからそこにある魔法を防ぐ鎧なんて怪しさ抜群モナ。
      その金でなるべく高くて安全そうなものを買うといいモナ」

( ^ω^)「把握したお」

ブーンは2人のアドバイスを受けながら、装備を整えた。
レザーアーマーにサークルシールド。まずますの装備である。

( ^ω^)「武器は支給品の剣で十分だお」

( ゚∀゚)「よし、そろそろトーナメントの組み合わせが発表されたころだぜ」

( ´∀`)「そっちに向かうモナ」



856:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:29:03.02 ID:nvlOsWF30
  
3人はその場を離れ、闘技場内にある掲示板へと向かった。
掲示板には大きな組み合わせ表がはられており、
それを見ようと押しかけた人々によって非常に混み合っている。

( ゚∀゚)「おっと、モナーとは決勝まで当たらないようだな」

( ´∀`)「ジョルジュが勝ち上がってこれたらの話モナ」

(#゚∀゚)「……」

( ^ω^)「えーと、僕の初戦の相手は……」

人ごみの中から背伸びをし、ブーンは必死に掲示板を覗く。

(;^ω^)ヽ;`∀´>「あっ! ……あ」

2人の声が重なり、ブーンとニダーは相手が隣にいたことに気づいた。

ブーンの初戦の相手は、ニダーだ。


第12話おわり



859:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/06/29(木) 23:31:34.36 ID:nvlOsWF30
  
今回登場した魔法
・スロウ……(黒)対象の動作を緩慢にする。呪いの一種。元ネタはFF



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