( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです
- 154:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:03:02.16 ID:X8WOAIco0
- ブーンとニダーの戦いに変化があったことは、観客席からでも簡単に分かった。
攻撃を再開するブーンだが、やはりニダーにはかすりもしない。
('A`)「おい、なんでいきなり形勢逆転してるんだ?」
(´・ω・`)「よく分からない……多分、あの装備に何か仕掛けがあったんだろう」
( ゚∀゚)「あれはksk魔法『ヘイスト』の魔法効果だな。
装備が破壊された時に術者に対して発動するよう、効果が封印されていたんだろう」
('A`)「なるほど……って、あんた誰?」
( ゚∀゚)「『誰だ?』って聞きたそうな表情してんで自己紹介させてもらうがよ。
おれぁおっぱい好きのジョルジュ! あの選手、ブーンの部活の先輩さ」
(´・ω・`)「ああ、さっき1回戦敗退していた人だね」
(;゚∀゚)「……ゴホン。
とにかくフェイクのはずが、とんだ掘り出し物だったというわけか。
超スピードは嘘ではなかった……やっかいだぞ」
- 155:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:04:49.06 ID:X8WOAIco0
- <ヽ`∀´>「ニダッ!」
(;^ω^)「ぐっ!」
ニダーの蹴りがブーンを捉えた。ブーンの盾が手を離れ、明後日の方向へ飛んでいく。
ブーンが反撃するも、ニダーは軽くそれをかわした。
ふとブーンがメーターを見ると、既に半分ほど貯まっているのが分かった。
試合終了まで、あと何分なのだろうか。
5分? 3分? 1分? もしかすると、あと10秒もないかもしれない。
(;^ω^)(焦ってはダメだお……なんとか勝機をみつけるお!)
ニダーは笑みを浮かべ、ブーンの前方に立っている。
<ヽ`∀´>「ブーンの剣など、全て避けられるニダ」
( ^ω^)「なら魔法はどうだお! 『ウォータ』!」
ビーチボールほどの大きさと形をした水が、ブーンの前に出現した。
それは形を崩さず、重力に逆らって宙に浮いている。
- 156:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:06:21.72 ID:X8WOAIco0
- ( ^ω^)「いくおっ!」
ブーンが命ずると、その球状の水は放物線を描きながら、ニダー目がけて突撃した。
なかなかのスピードだ。ニダーに命中すれば、少なくとも水圧でひるみはするだろう。
しかし『ウォータ』はやすやすとかわされ、逆にニダーが魔法を詠唱し返してきた。
<ヽ`∀´>「『クリボー召喚』ニダ!」
ニダーの詠唱とともに、数個の小さな魔方陣が展開された。
さらにその魔方陣から、キノコをかたどったかのような生き物が姿を現す。
(;^ω^)「『ウォータ』! 『ウォータ!』」
ブーンが次々に『ウォータ』を唱えた。
ニダーは全ての『ウォータ』を避けたが、巻き込まれた2体のクリボーが「コテッ」という音を出しながら消滅した。
破裂した『ウォータ』により、濡れていく闘技場。
- 157:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:07:45.95 ID:X8WOAIco0
- <ヽ`∀´>「うりゃあっ!」
ニダーがブーンの側面より近づき、けさ斬りを放った。
防ごうとするブーンだが、間に合わない。
しかしニダーの剣はブーンの鎧に命中し、ブーンはダメージを負わなかった。
(;^ω^)「お返し……だおっ!?」
突然反撃の手を止めるブーン。
ブーンの足には、先ほど召喚されたクリボーがかじりついている。
(#^ω^)「このっ!」
ブーンが剣を突き刺すと、クリボーはやはり「コテッ」と効果音を出して消えた。
(;^ω^)「くっ、あっ!?」
ブーンは突然、水まみれの床に膝を落とした。
立ち上がろうとするブーンだが、またすぐに膝をつく。
(;^ω^)「た、立てないお……足が……」
- 160:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:09:17.00 ID:X8WOAIco0
- <ヽ`∀´>「ウェーハッハッハ! どうやら勝負はついたようニダ!」
ぴちゃぴちゃと足音を立てながら、ブーンへと近づいてくるニダー。
その笑みはこれまでの中で、最もハツラツとしていた。
<ヽ`∀´>「覚悟はできたニダ? この前の決着をつけるニダ!」
(;^ω^)(……チャンスは1度)
1歩1歩踏みしめるかのごとく、ニダーが近づいてくる。
<ヽ`∀´>「安心するニダ。すぐに終わらせてやるニダ」
(;^ω^)(不安材料だらけだお……でも、もうこれしか手がないお)
<ヽ`∀´>「じゃあ、最後ニダ」
ニダーは歩きながら、剣を両手で支えて大きく振り上げた。
ブーンとの距離、わずか1m。
- 162:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:11:01.89 ID:X8WOAIco0
- (;^ω^)「『ウォータ』だおッ!」
不意にブーンが魔法を唱えた。水分が凝結し、水のボールを作り出す。
(;^ω^)(できるだけ早く! 少しくらい小さくてもいいお!)
バレーボールほどの水のボールが、ニダーを襲った。
膝をついたまま攻撃してくるとは思わなかったのか、ニダーは振り上げていた剣を防御に回し、
その峰で『ウォータ』を防ぐ。
ニダーの身体が、破裂した『ウォータ』の水を被るのを、ブーンは視界の端で確認した。
(;^ω^)「うおおおおおおおおおおぉぉっ!」
ブーンは叫ぶ。
そして素早く剣を腰に差し、両手を地面についた。
( ^ω^)「『ブリザド』!!」
- 165:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:12:00.76 ID:X8WOAIco0
- <ヽ`∀´>「何っ!?」
ブーンは床に向かって、凍結呪文を唱えた。
それを受け、『ウォータ』で濡れた床が凍っていく。
ブーンが意図的に操作したため、ブーンの周囲だけは凍りついていない。
<ヽ:`∀´>「に、逃げるニダ……なっ!」
今度はニダーが、足に違和感を覚える番だった。
『ブリザド』の直前に『ウォータ』を受け、全身を水で濡らしていたニダーは、
既に足首までが床と共に凍っていた。
ブーンは『ブリザド』を唱え続け、ニダーの身体を足下から凍りつかせていく。
(;^ω^)「やっと……動きを止めたお!」
ニダーの衣服が完全に凍ったことを確認して、ブーンが立ち上がった。
- 169:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:13:57.12 ID:X8WOAIco0
- <ヽ;`∀´>「た、立てないんじゃなかったニダか!?」
( ^ω^)「腕輪の効果を忘れたのかお? ある程度なら、ダメージを吸収するんだお。
油断させるために、立てないフリをさせてもらったお」
<ヽ;`∀´>「ぐっ……こんなの火炎魔法で……!」
( ^ω^)「その前に、決着をつけるお」
魔法を唱えようとしたニダーの喉もとに、ブーンの剣が突きつけられた。
<ヽ;`∀´>「くっ……」
( ^ω^)「さあ、降参するんだお」
- 172:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:15:12.25 ID:X8WOAIco0
- レフェリーのホイッスルが、闘技場に響き渡る。
レフェリー「勝者、ブーン選手!」
レフェリーがその言葉を放った瞬間、押し寄せるような歓声が会場を震わせた。
(;゚∀゚)「うおお! アイツ本当に勝ちやがった!」
学生A「すげえっ! ホントにあれが1年の戦いかよ!」
学生B「しかもあの魔法戦士科だってよ!」
('A`)「……」
(´・ω・`)「これは、なかなか面白い展開になってきたね。
もし勝ち進むことができたら、3回戦で当たるんだろう?
君と、ブーンは」
('A`)「……ああ。油断は、できねぇな」
教授「流石、クー先生が鍛えてるというだけはありますな」
川 ゚ -゚)「いやいや、まだまだですよ」
- 173:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:16:31.09 ID:X8WOAIco0
- 1階ホールへと戻ってきたブーンは、ドクオたち3人に迎えられた。
ブーンは激しく頭や背中を叩かれ、時折誰かに尻をなでられた。
('A`)「お前が膝をついた時は、もうダメかと思ったよ」
( ゚∀゚)「それにしても勝つとはな! このっ!」
(;^ω^)「痛いお、やめてくれお、ジョルジュ」
(´・ω・`)(あ、ホントに先輩だったんだ)
('A`)「もう第2試合が始まってる。それに勝ったほうがブーンの相手だな。
急いで観客席に戻ろう」
4人は駆け足で階段を駆け上り、観客席へのゲートを潜り抜ける。
その瞬間、大音声がブーンたちを襲った。
(;゚∀゚)「な、なんだ、この歓声は!?」
(´・ω・`)「どうやらもう、決着がついたらしいね。あそこに立っているのが、勝者だ」
闘技場に男が1人倒れている。勝者と思しきもう1人は、倒れている男を見下ろしていた。
立っている男の顔に、ブーンは見覚えがある。
ブーンは静かに、その男の名をつぶやいた。
(;^ω^)「モララー」
第14話 おわり
- 176:1 ◆cSlzYPtEdU :2006/07/02(日) 23:19:38.13 ID:X8WOAIco0
- 今回登場した魔法
・ヘイスト……(白)対象の動作をkskさせる。元ネタはFF
・ブリザド……(黒)対象を凍らせて攻撃。元ネタはFF
・クリボー召喚……(召喚)マリ○ワールドから一度は誰もがやられたアイツを召喚。
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