( ^ω^)ブーンが剣と魔法の学園に入学したようです
- 9:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:09:42.93 ID:RlsasHOM0
- 1回戦が全て終了し、今は昼休み。
ブーンは闘技場内の食堂にいた。
( ^ω^)「次の相手はモララーかお……」
ブーンは一人で昼食をとりながら、アンニュイな気分になっていた。
私立アンニュイ学園。hydeは156cm。
('A`)「よお」
( ^ω^)「あ、ドクオ」
ドクオはブーンの向かいに座った。手には日替わり定食。
( ^ω^)「2回戦進出おめでとうだお」
('A`)「あんがと。まぁ、次の相手が問題なんだがよ」
( ^ω^)「ちんぽっぽかお……」
('A`)「ああ、予選の時の決着をつけるぜ」
- 11:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:11:18.41 ID:RlsasHOM0
- ('A`)「それよりもさ、お前は大丈夫なのか?」
(;^ω^)「……正直戦いたくないお」
ブーンはモララーのことを仔細にドクオに語った。
同じ魔法戦士科であり、共に剣をとった仲間であるということを。
('A`)「はあ、分かってねえな」
( ^ω^)「え?」
('A`)「戦士だったらよ、たとえ仲間でも剣を向け合ってみたくなるのさ。
ましてや公然と戦える武闘会なんだからよ、なおさらだ」
( ^ω^)「そうなのかお?」
('A`)「ああ。まあじっちゃんの受け売りだがな」
そう言うとドクオは、猛烈なスピードで定食を食べ始めた。
( ^ω^)「わかったお。モララーとは全力で戦うお!」
- 12:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:12:21.40 ID:RlsasHOM0
- 昼休みが終わり、午後の部が開始された。
ブーン・ドクオ・ショボン・ジョルジュの4人は、観客席で試合を眺めている。
闘技場ではちょうど、モナーが対戦相手を降参させ、3回戦への進出を決めたところであった。
( ^ω^)「お、モナーが勝ったお!」
( ゚∀゚)「おっしゃ! ちょっと席を外すぜ」
( ^ω^)「モナーのところに行くのかお?」
( ゚∀゚)「いや、トトカルチョの配当を受け取りに」
(;^ω^)「……」
(´・ω・`)「それよりも、ブーンは次の試合だよ」
(;^ω^)「う、緊張するお」
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「分かってるお、ドクオ。行ってくるお!」
ブーンは両手を広げて走りながら、その場を後にした。
- 13:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:13:17.75 ID:RlsasHOM0
- ( ^ω^)「おいすー」
( ・∀・)「あ、ブーン! 来たっすね」
選手集合場所の第1ロビーには、既にモララーの姿があった。
支給品の剣は持っているが、鎧などは身に着けておらず、布の服を着ているだけである。
よく見ると、なぜか左腕の袖が破けていた。肩から先がむき出しになっている。
( ^ω^)「袖が破けてるお」
( ・∀・)「あ、これは気にしないでくれっす。
それよりも正々堂々戦うっす! 手加減はしないっすよ!」
( ^ω^)「それはこっちのセリフだお! お互い全力を尽くすお!」
2人は固い握手を交わした。
( ^ω^)(やっぱりドクオの言うとおりだお。正々堂々戦うお!)
運営委員「ブーン選手とモララー選手ですね? では試合が始まります」
- 14:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:14:21.34 ID:RlsasHOM0
- ブーンとモララーは闘技場に上がった。観客の声援は、今だ衰えを知らない。
司会「選手を紹介します。魔法戦士科、ブーン選手! 同じく魔法戦士科、モララー選手!」
司会が2人の名前を述べると、更に声援の大きさが増した。
同じ学科、しかも魔法戦士科ということが、話題になっているのだろうか。
(;^ω^)(けおされたらダメだお。胸を張るお!
モララーも正々堂々と戦うって言ってたお!)
ブーンはモララーに向けて剣と盾を構えた。
しかしモララーはただ剣を持っているだけで、構えようとはしない。
ただいつもの笑みを浮かべているだけである。
司会「1年の部、2回戦第1試合を始めます!」
- 15:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:15:17.96 ID:RlsasHOM0
- ( ・∀・)「1回戦は左腕だけだったっすけど、今回は本気でいくっす。
運営委員から購入したコイツの力を見るがいいっす!」
開始直後、モララーはそう言うと、ズボンのポケットから何かを取り出した。
( ^ω^)(何だお、アレ……注射器?)
( ・∀・)「数え切れない食材・薬物を精密なバランスで配合し、
特殊な味付けを施して煮込むこと七日七晩!! 」
( ^ω^)「おお?」
( ・∀・)「血液や尿からは決して検出されずなおかつ全ての薬物の効果も数倍…
血管から注入(たべ)ることでさらに数倍!! 」
モララーはそこまで言い切ると、注射器を自分の腕に突き刺した。
そして中の液体を注入(たべ)ていく。
(;^ω^)「おおお?」
( ・∀・)「これが…長年にわたる研究の結果たどりついた…
俺の究極の料理!!(説明書より引用)」
見る見るうちにモララーの筋肉が隆起し、その姿は大男へと変化した。
(#・∀・)「ドーピングコンソメスープだ…」
- 16:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:16:30.87 ID:RlsasHOM0
- (;^ω^)「ちょwwwおまwwwwどこが正々堂々wwwwwww」
(#・∀・)「さあブーン、オイラが迫るのを止められるかな…?」
モララーは剣を放り投げると、ブーンに向かって走り出した。
そのスピードは、もはや常人のそれとはかけ離れている。
(#・∀・)「…フゥ〜〜…フゥ〜〜…」
( ^ω^)(速い、速いおッ!)
(#・∀・)「……クワッ」
モララーの拳が上段から振り下ろされた。
ブーンは咄嗟に横へと跳びこんだ。その勢いのまま前転し、態勢を立て直す。
ゴシカァン!!
振り向くと、元いた場所の石畳が、モララーの拳に打ち砕かれていた。
- 18:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:17:38.88 ID:RlsasHOM0
- (;'A`)「……なんだよアレ」
(;゚∀゚)「魔法薬の一種か? 肉体強化魔法かも」
(´・ω・`)「とにかく、あれは一撃でもくらったらアウトだね」
( ´∀`)「これまたクセのある相手だモナ。ブーンも苦労するモナ」
その声に3人が振り向く。
ブーンが座っていた席に、いつの間にかモナーの姿があった。
( ゚∀゚)「おお、モナー! あ、こいつがさっき話したモナーだ」
( ´∀`)「よろしくモナ」
('A`)「ブーンの友人のドクオです」
(´・ω・`)「同じくショボンです。試合見てました」
( ゚∀゚)「そうそう、3回戦進出よくやった!」
( ´∀`)「誰かさんみたいに1回戦敗退なんてヘマはやらないモナ」
(;゚∀゚)「……」
(´・ω・`)「あ、モララー君がまたしかけるよ!」
- 19:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:18:32.87 ID:RlsasHOM0
- (;^ω^)(逃げてばかりじゃダメだお、反撃しなきゃ)
ブーンは剣を構えなおし、モララーを迎え撃つ態勢を整えた。
そんな中、猛烈なスピードでモララーが迫る。
(;^ω^)「や、やっぱり怖いおー!」
ブーンは悲鳴を上げながらも、迫る豪腕をかいくぐる。
そしてモララーの脇を通り抜けざまに、剣を脇腹へと叩きつけた。
( ^ω^)(硬い感触……やっぱり物理攻撃は聞きそうにないお)
(#・∀・)「やるっすね、ブーン!」
( ^ω^)(いくら攻撃が強力だといっても、モララーは体術においては初心者だお)
モララーの蹴りがブーンを襲った。
しかしブーンは軌道を読み、しゃがんでそれをかわす。
( ^ω^)(そこをつけば、勝機はあるお!)
- 21:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:19:39.54 ID:RlsasHOM0
- ( ^ω^)「うおおおッ!」
ブーンは盾をモララーに投げつけ、すぐさま斬りかかった。
モララーが盾を跳ね除ける。だが一瞬ブーンを見失ったために、斬撃をもろにくらってしまった。
(#・∀・)「全然効かないっすよ!」
しかしモララーはそれを意に介さない様子で、拳を振りかぶった。
ブーンは巧みにそれを避けて退き下がる。
(#・∀・)「くっ……ん?」
その時モララーは、ブーンの左手の異変に気づいた。
ブーンの左手に魔力が集まり、どんどん強力になっているのである。
(#・∀・)(魔力を溜めてるっすか!?)
(;^ω^)(げ、気づかれたっぽいお)
- 23:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:20:40.52 ID:RlsasHOM0
- (#・∀・)「させないっす!」
モララーはブーン目がけて駆け出した。
それを見たブーンも慌てて逃げ出す。
実況「普段は静かなる男! 身長160〜250cm!
モララー選手が雄叫びをあげてブーン選手へ突進するゥ!
1年の部、2回戦第1試合! 勝利で飾れるかァ――ッ!」
(#・∀・)「おりゃあっ!」
(;゚ω゚)「うおっ!」
実況「おおーっと! つかまったァ――ッ!! モララー選手がブーン選手にタックル!
そのまま2人とも場外へ突っ込んだ――!」
- 24:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:21:36.83 ID:RlsasHOM0
- ('A`)「両者場外か!」
(´・ω・`)「確か場外の場合、10カウント以内に戻らないと失格だね」
( ´∀`)「それ以前に、タックルでブーンが死んでないかどうかが心配モナ」
倒れていたモララーが立ち上がった。ブーンは倒れたままだ。
しかしまだ、レフェリーの勝利宣告はない。
('A`)「まだメーターが溜まりきったわけじゃないようだな」
( ゚∀゚)「あいつ……そうか」
( ´∀`)「どうしたモナ?」
モララーが闘技場に戻った。
その時点でのカウントは4。
( ゚∀゚)「ブーンの野郎、わざと場外に出やがったな」
- 25:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:22:35.82 ID:RlsasHOM0
- レフェリー「5! 6!」
レフェリーが容赦なくカウントを刻んでいく。
ブーンは倒れこんだまま、微動だにしようとしない。
(#・∀・)(このままブーンが戻らなければオイラの勝ちッス。あと4秒!)
レフェリー「7! 8!」
(; ω )「これで何秒か、ゆっくり魔力を溜められたお」
ブーンはぼそりとつぶやき、素早く立ち上がった。
振り向いてモララーを確認し、闘技場へと跳び上がる。
(#・∀・)「なっ!?」
レフェリー「ナイ……!」
とっさにモララーがブーン目がけて正拳を繰り出す。
が、ブーンが左手を向ける方が圧倒的に速かった。
- 26:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:23:40.96 ID:RlsasHOM0
- (;^ω^)「『サンダガ』ァッ!」
その一声と共にブーンの左手から豪雷が放たれた。
(#・∀・)「ぐおっ!」
ブーンの魔法はモララーに直撃し、その巨体を吹き飛ばす。
モララーは受身もろくに取れず、闘技場に大の字で倒れこんだ。
(#・∀・)「がっ、ぐ!」
(;^ω^)「はぁはぁ」
(#・∀・)「ぶ、ブーン……」
(;^ω^)「な、何だお?」
(#・∀・)「か……完敗っすよ」
その瞬間、モララーの腕輪のメーターが溜まりきった。
レフェリー「勝者、ブーン選手!」
- 27:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:24:35.58 ID:RlsasHOM0
- (´・ω・`)「『サンダガ』だって!? そんな高等魔法、1年が覚えられるはずが……」
('A`)「仕込んだのはあんたたちか」
( ´∀`)「その通りモナ。他の戦闘用魔法は無視して、ひたすらあれだけを特訓させたモナ」
( ゚∀゚)「メモを渡して、自主練習までさせたかいがあったぜ」
(´・ω・`)「そうだとしても、まだ本格的に魔法を習って数ヶ月の僕らに、
『サンダガ』を唱えられるような魔力量があるはずがない!」
( ゚∀゚)「あーはっはっは! それが大丈夫なんだなー!」
(´・ω・`)「ぶちころすぞ」
(;゚∀゚)「すみません、調子こき過ぎました」
- 28:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:25:40.65 ID:RlsasHOM0
- ジョルジュはブーンの能力についてかみ砕いて話した。
( ゚∀゚)「……というわけで、ブーンは常人を遥かにしのぐ魔力を持っているのでした。おしまい」
('A`)「なるほどな、そういうわけか」
(´・ω・`)「とはいえ魔導力が足りなくて一気に魔力を引き出せないから、
時間をかけて魔力を溜める必要があったわけだね」
( ゚∀゚)「その通り。まあブーンの頭じゃ、『サンダガ』を覚えるので精一杯だったけどな」
- 29:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:26:38.46 ID:RlsasHOM0
- ('A`)「さて、次は俺の番だな」
(´・ω・`)「がんばりたまえ、ドクオ君。ブーンと戦うんだろう?」
('A`)「ああ、行ってくるぜ」
ドクオは2本の手斧と鎧を身につけ、席を立った。
( ´∀`)(あれ? あの鎧、どこかで見たような……)
(;^ω^)「ふい〜、疲れたおー!」
(´・ω・`)「あ、ブーン君。お疲れ様」
( ´∀`)「……気のせいかモナ」
第15話 おわり
- 30:1 ◆cSlzYPtEdU 2006/07/26(水) 01:27:02.60 ID:RlsasHOM0
- 今回登場した魔法
・サンダガ……(黒)最大級の雷撃で攻撃。元ネタはFF
戻る/第16話