('A`)ドクオが一歩踏み出したようです

47 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/13(月) 21:37:28.34 ID:UOcx81Fu0
/ ,' 3 「うむ、よし、ちょっときみの話を聞いてみようか」

荒巻は予想外に優しい笑みを浮かべ、ドクオの方を振り返った。
一瞬ドクオは予想外の反応に肩透かしを食らったが、すぐに笑顔を浮かべた

('A`)「は、はい!」

ドクオは自分がどうして不登校になったか、タイムマシンというものを媒介にして科学の奥深さと絶妙さにどれほど感銘を受けたかを語った。

/ ,' 3 「ふむふむ、よく分かったよ。君の熱意、確かに受け取った。私も応えられるように手を打ってみよう。」

('A`)「あ!ありがとうございます!!ありがとうございます!!!!1111」

( ^ω^)「よかったおw」

ドクオは一体「応える」というのがどういう事か分からなかったが、ただひたすら荒巻に感謝を述べて、内藤の家を後にした。



103 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 14:45:40.18 ID:/4RBDfqN0
( ^ω^)「で、どうだお?彼は」

/ ,' 3 「うむ、普通に言えば正直話にならないな」

(;^ω^)「え!?」

/ ,' 3 「そりゃあそうだろう、今の研究員といえば大学院を経て、きっちりと勉強してきている優秀なメンバーで固められているんだから。」

(;^ω^)「で…でも…、さっき応えるって言ったお?」

/ ,' 3 「おいおい、早まるなよ」

荒巻は煙草の灰を灰皿に落とすと、静かに煙を吐いて言った。

/ ,' 3 「もちろん応えるつもりだ、なぜなら最近の学者という奴らには学があっても熱意が足らんのでな。彼が持つ熱意は尋常じゃない。
学は無くても熱意が役に立つときがきっと来る」

(;^ω^)「僕が言うのも主張が二転三転しているようだけど…、高校数学も出来ない人が実際に科学の発展に何が出来るお?
しかもドクオくんはタイムマシンと言っているお、今まで何人もの天才がサジを投げた事か…。僕でもわかるくらい難題だお」

/ ,' 3 「それなんだ」

/ ,' 3 「俺だって彼の熱意には応えたい。だからと言って内藤の言うように研究室に来させても邪魔になるだけだろう。」



104 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 15:05:40.61 ID:/4RBDfqN0
(;^ω^) 「じゃ…じゃあどうするつもりだお?」

/ ,' 3 「それがすぐに思いつかんのだよ。少し考える時間が欲しくてね。」

( ^ω^)「…ふむぅ、ドクオくんの熱意だけは買うというわけだお…」

/ ,' 3 「そうだな、彼の長所は熱意だ。それを上手く活用する方法を考えれれば、科学者という夢の実現の助けになるかもしれん」

( ^ω^)「…普通に大学合格を待つと言うような発想は無いのかお?」

/ ,' 3 「今、彼は30だ。そしてあの学力…。30になって大学合格は無理な話ではないが、あのような生活を送ってきた彼では正直きついだろう。」

荒巻は煙草を灰皿に押し込み、ビールを飲みながら言った。

/ ,' 3 「脳味噌ってのは蜘蛛の巣が出来るもんなんだ。普通の生活を送っていたのならまだしも、彼のような生活をしているとなると…なぁ。」

夢に直結し好きな教科である、理科ならまだしも、受験にだけ必要な教科をやるのは少々難があるのではないか。荒巻はそう考えていたのだ。



107 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 15:26:11.84 ID:/4RBDfqN0
( ^ω^)「そうかお…。確かに荒巻の物理講演を見に行ったり、理科に対しては並々ならない意欲があるみたいだお。
でも、他はあまり頑張っているようには…」

/ ,' 3 「ちょっと待て、俺の講演に来てたのか!?」

( ^ω^) 「え?僕が前に貰ったチケットはドクオくん用だったお」

/ ,' 3 「そうだったのか、それについての話を聞いておけばよかったな」

( ^ω^) 「また会うかお?」

/ ,' 3 「うむ、早めに場を作ってくれると助かる」

( ^ω^)「じゃあドクオくんにも話をしておくお」



116 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 16:58:13.63 ID:/4RBDfqN0
ドクオは家に着くと、シャワーを浴び布団にもぐりこんだ。

('A`*)「一体、荒巻さんは何をしてくれるんだろうなぁ…。引き篭もり、やめて本当に良かった…。」

引き篭もりを辞めて以来、かなり順調な自分の人生にドクオは至極満足していた。

  翌朝

('A`)「おはようございまーす」

( ^ω^)「おはようだお、あ、荒巻がドクオくんにまた会いたいって話してたけど、いつがいいかお?」

('A`)「え?いや、俺はいつでも…」

( ^ω^)「そうかお、じゃあまた今日うちに来てくれるかお?講演の話をしたいって言ってたお」

('A`;)「こ…講演ですか」

( ^ω^)「何か問題あるかお?」

('A`)「あ、いえ…」

('A`)「ちょっと講演は分からなかったから…」

( ^ω^)「そんなことは荒巻だってきっと分かってるお、気にせず来るお」

('A`)「はぁ」



117 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 17:20:10.93 ID:/4RBDfqN0
('A`)「荒巻さん、どうもこんばんわ」

その夜、ドクオは内藤の家に再び訪れた。

/ ,' 3 「やぁこんばんわ、悪いね、何度も」

('A`)「や、とんでもないです。今日は講演についてという風に聞いていましたので、ノートも持ってきてみたんですが…」

/ ,' 3 「ほう!ノートも見せてくれるのか。それじゃあ先に見せてもらおうかな。どれどれ…」

荒巻はノートを見て驚いた。完璧に整理され、要点がまとめられているノートは全く理解できない人間のそれではなかったのだ。

/ ,' 3 「きみ・・・これは…」

( ^ω^)「どうしたお?荒巻?」

/ ,' 3 「…」



119 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 17:27:43.50 ID:/4RBDfqN0
/ ,' 3 「これは…清書でもしたのか?」

('A`)「は?い・・・いえ、講演場で書いたものですけど…」

/ ,' 3 「着目すべきものを正確にとらえ、まとめかたも素晴らしい、イラストも大変分かりやすく理解を助けるものになってる。」

('A`)「そ…そうですか?きっと荒巻先生の説明が良かったんですよ」

ドクオは照れながらそういった。

/ ,' 3 「そ、そうか?俺が良かったのかwwww」

('A`)「そ、そうですよ、俺なんかがそこまで素晴らしいノート書けるわけ無いじゃないですか。」

/ ,' 3 「あ!そうかそうか、俺がすごいのか!wwww」

(#^ω^)ビキビキ



126 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 17:40:31.83 ID:/4RBDfqN0
/ ,' 3 「ゴ…ゴホン!それは冗談として、ドクオくん、君の物理における勘はすごいものがある。
もしこれが量子物理を無知な人が書いたといえば学者達は飛び上がるだろう。」

('A`*)「マ…マジですか!?」

/ ,' 3 「確認するが、君は量子物理には全く無知なんだよね?例えばシュレーディンガーを知っているか?」

('A`;)「え?しゅれぃたいがー?」

/ ,' 3 。o(むむう、この糞発音ミスは紛い無き初心者!)

荒巻はいつものように煙草に火をつけながらノートをパラパラと捲ると一言つぶやいた。

/ ,' 3 「考えが変わったな…」

( ^ω^)「お?」

/ ,' 3 「ドクオくん、明日俺の研究室に来なさい。」



132 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 17:49:28.16 ID:/4RBDfqN0
エエエエエエエエエエエエエエェエェ('A`)エエエエエエエエエエエエエェエエェ!!!!!!!!!????

( ^ω^)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!??」


Σ/ ,' 3 ビクッ

/ ,' 3 「ただ、率直に言って今の君はお荷物になりかねん。いや、間違いなくなるだろう」

荒巻は厳しい目をして言った。

/ ,' 3 「正式に大学を経ていないものを試験もなしに研究室にいれるわけにはいかん、よって雑用係として来て貰う。
基本的に実験器具の整理掃除や、書類整理、掃除などだ」

(;^ω^)「荒巻…それは…」

/ ,' 3 「分かっている。だが、そのまま研究員に入れると何を言われるか分からないからな。俺もドクオくんも。」



133 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 17:54:54.90 ID:/4RBDfqN0
/ ,' 3 「君のような人間は正直言って大学入試を乗り切れんだろうと思う。直接現場で感じ、覚え、そうやっていった方が君のためだと判断した。」

('A`)「は…はい!」

/ ,' 3 「その代わり、理科だけでいいが、必死に勉強するんだ。そのうち俺に力を認めさせたら、なんとか正式に研究員してやる」

/ ,' 3 「…余計な書物を読むなよ。現状証明されている現象は全て理解しろ。先入観を入れずにな」

( ^ω^)(…荒巻、まだあの夢を見てるんだお…。ドクオくんに自分の夢を…)

('A`)「わかりました!ありがとうございます!!ありがとうございます!俺がんばります!」

(;A;)「ううぅ…ぐすっぐす…」

(;^ω^)「アッー!まぁた泣きやがったおコイツ!!」



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