('A`)ドクオが一歩踏み出したようです

135 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 18:01:02.57 ID:/4RBDfqN0
ドクオは涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、内藤の家を出ようとした。

/ ,' 3 「念をおすぞ。絶対に余計な先入観を入れるなよ。今現在確実なものだけを100%理解しろ。予測されている事象などは絶対覚えるな」

('A`)「は…はぁ」

ドクオは最後の荒巻の言葉、表情に疑問を感じながらも夜道を走っていった。

( ^ω^)「荒巻、お前まだあの夢追っかけてたんだお。」

/ ,' 3 「…まぁな」

/ ,' 3 「…助教授には連絡を入れておかんとなぁ。ちょっと電話させてくれ。」

荒巻は携帯電話を取り出すと、ショボーン助教授に電話した。
数分言い合ったあと、電話はいきなり切られたようだ。

/ ,' 3 「すまん内藤、少し騒がしくなるかも知れん」

( ^ω^)「お?」



137 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 18:06:12.75 ID:/4RBDfqN0
勢いよく玄関のドアが開いた。

(´・ω・`)「このバカ教授!お邪魔します!!!!」

Σ(;^ω^)ビクッ「おおっ…おお!」

/ ,' 3 「おお、来たか。」

(´・ω・`)「夜分遅くにすみません!ぶちころすぞ!」

/ ,' 3 「まぁ落ち着けよ」

(´・ω・`)「素人を研究室に入れるとか菜に考えてるんだ!」

/ ,' 3 「そんなことでそこまで怒るなよ、また毛が抜けるぞ」

(´・ω・`)「うるせぇ!この問題教授がぁああ!!!」



140 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/14(火) 18:11:38.07 ID:/4RBDfqN0
/ ,' 3 「まぁ、待てよ、彼の才能には非凡なものがある」

(´・ω・`)「非凡ならなんでもしていいのか!イチローだったらスリーバント失敗でも許してくれるってか!?」

/ ,' 3 「いいんじゃねー?」

(;^ω^)「あ…荒巻、ダメだお、めちゃくちゃアウトだおww」

/ ,' 3 「…なぁ、ショボーンよ、ファラデーの話聞いたことあるか?」

(´・ω・`)「あぁ!?」

/ ,' 3 「ファラデーがデービーに発掘されてから、一体どれほど物理学と化学の発展に貢献したか語りつくせるか?」

(´・ω・`)「…できねぇよ、ファラデーは誰もが認める19世紀最高の科学者だ。」

/ ,' 3 「そのファラデーの幼少期の話、聞いたことあるかって言ってるんだよ。」



157:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 19:47:37.85 ID:/4RBDfqN0
/ ,' 3 「ファラデーは製本所で奉公しながら、色々な本をむさぼるように読み漁り、講演会でデービーに見初められた」

荒巻は窓の外を見ながら、煙草を口に運んだ。

(´・ω・`)「ああ」

/ ,' 3 「口減らしの為に製本所にいたファラデーは全く学がなかったのにも関わらず、師であるデービーを越える発見を山ほどした。
そしてデービーに『私の最大の発見はファラデーである』とまで言わしめたんだ」

ショボーンは荒巻が何を言わんとするかをなんとなく察したが、黙って話を聞いていた。

(´・ω・`)「…」

/ ,' 3 「なぁ、ショボーン。俺は…、デービーになろうと思う。」



167:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 20:11:51.88 ID:/4RBDfqN0
(´・ω・`)「…馬鹿な」

ぽそりと、ショボーンは言った

(´・ω・`)「そしたらお前、小学生でも連れてきたらいいじゃねぇか、学は十二分に無いぞ?血迷うのもいい加減にしろ。
そんなことをしたら学生からの突き上げも酷い。他の研究室から何を言われるか分からない。」

(´・ω・`)「そんなことをしてうまくいく保障はないんだぞ…」

/ ,' 3 「分かってるさ、だから雑用係なんだ。」

(´・ω・`)「…好きにしろ」

/ ,' 3 「彼の才能…、垣間見えたものは凄いものがあるぞ。それが見せ掛けか、
まだまだ氷山の一角だったのかは、これから彼が証明してくれる」

(´・ω・`)「…まったく、かなわねぇやつだぜ。頑固なんだからよ」



169:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 20:25:07.37 ID:/4RBDfqN0
(´・ω・`)「ただし、俺は関与しねぇからな。基本的に」

/ ,' 3 「ふふ、後になって関わりたくなっても知らないぞ」

( ^ω^)。o(とりあえず喧嘩にならなくて良かったお)



178:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 21:38:10.33 ID:u3NNlZhb0
('A`)「俺が…この俺が北大の研究室に…」

ドクオは落ち着かないまま布団に潜り込んでいた。

('A`*)「服は…何着ていったらいいのかな?Tシャツとか?いや、スーツかな…」

なかなか寝付けぬ夜は過ぎていった…。


('A`;)「ここが…北大…。大きいな。研究室ってどこだろう?」

うろうろして余計に道が分からない。
すっかり迷ってしまったドクオのケータイが鳴った。

( ^ω^)「ドクオくん?どこにいるのかお?」

('A`)「あ、内藤さん…、ちょっと広くてどこかよく分からないです…」



183:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 22:02:42.55 ID:u3NNlZhb0
( ^ω^)「うーん、どっか入り口近くにあったら外に出て待ってるお。信号のとこに住所書いてあるからそれ見て教えてお」

('A`)「はぁ…」

( ^ω^)「とりあえず待ってるお、今日は僕が案内を頼まれてるお」

数十分後、ドクオと内藤は二人で研究室に現れた。

/ ,' 3 「あぁ、よく来たね。紹介するよ、今日から俺の手伝い…まぁ雑用係だね。みんなのお手伝いしてくれるドクオくんだ」

('A`)「えっ!あ…ド…ドクオ…です。」

(=゚ω゚)ノ 「大学院生のモニュです」
(´∀`)「モナーです」
(゚Д゚)「講師のギコです」
(*゚ー゚)「しぃです」

('A`)「よ・・・よろしく」

/ ,' 3 「あと一人、講師がいるんですがね。おーい、ちょっとおいで、新しくお手伝いさん来たから」



189:1 ◆kcxtiIaUlc : 2006/03/14(火) 22:14:48.68 ID:u3NNlZhb0

ξ゚听)ξ「はいはい?なにかしら?」

('A`)「つ…ツン!!?ツンじゃないか!?」

ξ゚听)ξ「え…?ドクオ?ドクオくん!?」

/ ,' 3 「ん?なんだ、知り合いだったのか?」

ξ゚听)ξ「え…ええ、小中の頃の…同級生で…。」

('A`)「…つ…ツン…」

(*゚ー゚)「…あらまぁ、すごい偶然ねぇ」

(´∀`)「で、ドクオさんはどうしたの?こんな時期に。お手伝いさんのでも募集してたっけかな…?」

('A`;)「あ…、いや…」

/ ,' 3 「ドクオくんは俺の知り合いでね、物理学に興味があるらしくて、ちょっと見学を兼ねてお手伝いに来てもらったんだよ」



199名前: 1 ◆kcxtiIaUlc 投稿日: 2006/03/14(火) 22:47:36.83 ID:u3NNlZhb0
/ ,' 3 「助教授にショボーンという人もいるんだがね。今日はちょっと忙しいみたいで、今はいないんだ。」

('A`)「は…はぁ…」

ξ゚听)ξ「…」

荒巻の質問は右から左に抜け、ドクオの視界にはツンしか写っていなかった。
最後に会って、早15年。ツンはすっかり大人の女になっていた。道ですれ違えば振り返るほどの美人である。

その日のことはよく覚えていない、渡される書類やレポート類の整理に追われ、
環境に適応するだけで精一杯で、更にツンが気になって仕方なかったからだ。。
ツンもまた、ドクオが気になって仕方が無かったようであるが。

研究室に人がまばらになってきた時、ツンがドクオに近づいてきた。

ξ゚听)ξ「…ドクオくん…」

('A`)「あっ、ツ…ツン…ちゃん」

ξ゚听)ξ「くすっ、ちゃんだなんて、もう小学生じゃないんだからw」

('A`)「そ…そうか。じゃあツンさん…かな」



265 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/15(水) 11:55:08.98 ID:T0s4rnCC0
ξ゚听)ξ「ふふ、他人行儀ね」

('A`)「あ…いや…、だってあんまり久しぶりだし…な」

ツンは少し寂しそうに目を落としたが、すぐにまた明るい声で言った

ξ゚听)ξ「夢、諦めてなかったんだね!」

('A`)「! …覚えてたんだ」

ξ゚听)ξ「忘れるわけないじゃない、私がなんでここにいると思ってるの?」

('A`)「…え?」

ξ゚听)ξ「私はまだ、講師だから自分自身の研究っていうのはそこまで出来ないんだけど、こっそりやってるのよ。…タイムマシン」

('A`)「!!」



267 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/15(水) 12:01:06.59 ID:T0s4rnCC0
('A`)「ツ、ツン…さん ホントに?」

ξ///)ξ「小学校の頃に私の夢が変わったのは…ドクオくんのせいなんだからね、
…そのドクオくんが諦めてたら一発ぶん殴っちゃおうと思ってたんだから」

('A`)「…ツン…」

ξ*゚听)ξ「あ!久しぶりに名前で呼んでくれた!」

ツンは明るくそう言うと満面の笑みを浮かべた。
久しぶりに見た心の底からのツンの笑顔にドクオの胸はなんともいえない気持ちで満たされた。

('A`*)「あ…、いや、ごめ…」

ξ///)ξ「え!?あ…いや…、…わ、私だって別に名前で呼んでくれたのが嬉しかったわけじゃないんだからね!?
ちょっと…懐かしくて…、…う…嬉しかった…のカナ?」

('A`*)「…」



272 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/15(水) 12:10:50.63 ID:T0s4rnCC0
(*゚ー゚)「おやおやー?なーんか良い雰囲気だなぁー?」

(´∀`)「ドクオさんとツンさん、そういう関係だったんですかー。へぇー」

/ ,' 3 「おやおや…、若いもんはいいねぇ。ドクオくんも隅に置けないもんだ。ツンくんほどの美女を…」


ξ*゚听)ξ('A`*) 「アッーーーーーーーーー!!!!!」

ξ*@僉)ξ「ちょ!な、なな何言ってんのよ!しぃちゃんまで一緒に!やや止めてよ!」

('A`*)「ああぁあ……」

(*゚ー゚)「あはは、おもしろーい」

(´∀`)「そんな焦るなんて余計ぁゃιぃですねwwww」



273 :1 ◆kcxtiIaUlc :2006/03/15(水) 12:15:24.45 ID:T0s4rnCC0
/ ,' 3 「ツンくんほどの美女を…ツンくんを…」

荒巻がボソボソと真剣な目で言い続けていたが、誰にも気付かれずスルーされた

(´∀`)「それじゃあ、お邪魔虫は消えますかね、俺も論文書きたいし帰りまーす」

(*゚ー゚)「それじゃあ私もー」

ξ゚听)ξ('A`)「…」



('A`)「えーっと…なんだっけ…」

ξ゚听)ξ「え!?いや、私もタイムマシンを…だった…かな?」

('A`)「あ…あぁ…。…そうか…」

ξ゚听)ξ「ドクオくん…荒巻教授からお手伝いって聞いたけど…どういう事なの…?」



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