('A`)ドクオが一歩踏み出したようです 第二部

857:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 02:02:16.56 ID:tzC2fl6v0
(*゚ω゚)ノ 「ち…、違いますよ!怖いなぁ、もう!」

(*´・ω・`*)「あ、違うの、じゃあいいんだよ、もう俺はツンちゃんなの!ツンちゃん!」

(*゚ω゚)ノ 「でも、なんかあのドクオとかいうヤロー、ツンさんと仲良いっすよね」

(*´・ω・`*) 「ドクオは引き篭もって女いねーから、ドクオなんだよなぁ!?女いたらドクオじゃねーよなぁ!なぁ!!?」

(*゚ω゚)ノ 「…いえ、ちょっと意味が分かりかねますが」

(*´・ω・`*)「ツンちゃんなの!俺の心のマドンナはツンちゃんなの!宮沢りえちゃんよりツンちゃんの方が好きなくらいなの!」

(*゚ω゚)ノ 「酷いッスね、悪酔いは勘弁してくださいよ?
…で、あのドクオとかいうヤツですけど…」

(*´・ω・`*)「んぁっ…?」



861:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 02:14:53.51 ID:tzC2fl6v0
(=゚ω゚)ノ 「失礼ながら、話は色々聞いちゃったんですよ、アイツのこと」

ショボーンはまだ酒で腑抜けた目をしている

(´・ω・`)「ん、そう。まぁ俺は反対したんだけどねー、アイツのことは。」

(=゚ω゚)ノ 「…辞めさせられないんですか?」

(´・ω・`)「そうだな、正直入った以上どうでもいいかと思ってたが、
このままの状況が続けばツンちゃんの秘密の花園がドクオに蹂躙される危険を孕んでいるしな…」

ショボーンはそう言って、焼き鳥を口に運ぶとムグムグと考え始めた。

(´・ω・`)「難しいだろうなぁ、俺は立場的にもそこまでの権限ないし、荒巻もなんだかんだでこの道じゃ結構名が通ってる。
あんまり強く言っても、あいつの発言力は強いからなぁ。例えこんな小さな事でも」

(=゚ω゚)ノ 「…荒巻教授の失脚ってのはどうですか?」



130:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 23:09:49.75 ID:wMbNLcUC0
(´・ω・`)「教授の…失脚!?」

ショボーンの目が途端に鋭くなった。

(´・ω・`)「お前…本気で言ってるのか?」

(=゚ω゚)ノ 「…わりあい」

(´・ω・`)「わりあい…って、おま…」

(=゚ω゚)ノ 「今のままではダメですけどね」

(´・ω・`)「…荒巻教授の失脚は、お前の経歴にも汚点を残すから…か。
お前、案外腹黒いのな…。」

(=゚ω゚)ノ 「…」

…ショボーンはジョッキをぐいと口に運ぶ。なんともいえない沈黙のなかで、モニュはじとっとした目でショボーンを見据えている。
その目はどこか病んでいる様な、何かを渇望しているような目だった。



135:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 23:23:33.57 ID:wMbNLcUC0
(´・ω・`)「…今日はこの辺で帰ろうか。おごるよ。」

ショボーンは伝票を持って席を立ち上がったが、モニュはそれを遮るように言った。

(=゚ω゚)ノ 「…お返事、聞いてませんよ。ツンさんを自分のものにしたいんでしょ?」

(´・ω・`)「バカか、荒巻には何の恨みもねぇんだよ。振り回されちゃいるが、恩もある。
お前も少し頭を冷やせ。なんでドクオが邪魔なのかは大体想像がつくがな…。」

(=゚ω゚)ノ 「邪魔なんすよ!なんであんな糞ニートが俺より上にいるんですか!?なんで俺は今まで必死にやってきたんすか!?
俺が今までやってきたことはなんだったんだよ!?」

モニュが声を荒げる。向かいの座敷の客が驚いて覗きこんでくるほどの声量だ。
ハッとしたように咳払いをし、モニュは座りなおす。酷い形相のままだ。

(´・ω・`)「…俺が知るかよ、ドクオがいつお前より上に行ったのかも…な。忘れんな、アイツはただの手伝いでお前は院生だ。」

そう言ってショボーンは俯くモニュの脇を通りすぎてレジに向かっていった。

(=゚ω゚)ノ 「…ただの手伝いが…、なんで教授にチヤホヤされてんだよ…」



144:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 23:55:00.09 ID:wMbNLcUC0
所変わって、ここはドクオのアパート。


('A`)「ハフッハフッ!ツンのカレーマジでうめぇwwww」

ξ゚听)ξ「そ…そう?そんなにおいしそうに食べられると、さすがに…嬉しいわね」

('A`)「玉葱うめぇwwwww」

ξ゚听)ξ「あぁ、それは飴色になるまで炒めたからね、やっぱりネギ系はじっくり炒めたら美味しいもの」

('A`)「分かる!焼肉とかしても玉葱はじっくり焼きたいよな〜、って、もうずっと焼肉なんて食ってないけど」

ξ゚听)ξ「そうよね!、途中で他の人に持ってかれると『あぁ〜、まだなのにぃー!』って!
焼肉はドクオくんが教授に認められたら、お祝いに食べにいけばいいんじゃないかな?」

('A`)「え!?ツン奢ってくれるの!!?」

ξ゚听)ξ「…はぁ?まったく…、レディにお金出させる気?甲斐性のない男ねぇ〜…」

('A`)


コツコツ…
廊下に静かに足音が響く。ショボーンが帰ってきたのだ。

(´・ω・`)「全く…能天気だなドクオは、モニュのこと気付いてんのか?ていうか筒抜け、まじぶち殺すぞ」



145:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/21(火) 23:55:49.14 ID:wMbNLcUC0

(´・ω・`)「ツンもなんで中入ってんだよ、カレー置いたら帰れよ、むしろ俺の布団の中入れよ」



157:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/22(水) 00:50:44.19 ID:ObMMCvHA0
翌朝、新聞配達を終えたドクオはいつものように研究室に来た。

('A`)「おはようございます、今日もよろしくおねがいします」

(*゚ー゚)(´∀`)(゚Д゚)「おっ、ドクオさんおはようございまーす」

ドクオはすっかり研究室に打ち解けていた。
ただ一人、モニュを除いては勉強熱心でよく手伝ってくれる気の良いお手伝いさん、とてもいい人。そう思われていた。

(´・ω・`)「ドクオくん、おはよう、ちょっといいかい?」

('A`)「はい?」

(´・ω・`)「あとで教授室に」

('A`)「は…はぁ…」



165:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/22(水) 01:09:56.78 ID:ObMMCvHA0
('A`)「し…失礼します」

ガチャリと教授室のドアが開く。
ドクオもすっかり多少の人目に晒される状況にも慣れたが、教授室と言うのはなんだか緊張する。
小学校の時に職員室に入るときの微妙な緊張感を思い起こさせる。

(´・ω・`)「おう、よく来たな。今は荒巻いないし、まぁ肩の力抜きな」

('A`)「は…はぁ」

今思えば、助教授と一対一で話す機会はなかったかもしれない。
なんだか緊張する、わざわざ人目を避けて言うようなこととは一体なんなんだろう。

(´・ω・`)「ちょっと奥に来い」

('A`)「…は?」

コソコソ(´・ω・`)「いいか、…これはお前のためを思って言うんだが…、モニュには気をつけろよ。アイツは危険だ」

('A`)「!」



174:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/22(水) 01:24:29.21 ID:ObMMCvHA0
教授室の奥からひそひそと話し声が聞こえてくる。

(´・ω・`)「いいか、モニュはお前の鬱陶しく思ってる、今はまだいいけど、何されるかわからんぞ」

('A`)「…知ってます」

(´・ω・`)「あいつはくそみそy…は?」

('A`)「会って2日で気ぃ失うほどぶん殴られましたから…、って、くそみそ!?」

(´・ω・`)「…そうか、すまなかったな、どこかからお前の事が漏れたみたいだ。」

('A`;)「ね、くそみそって何!?くそみそって何!?」

(´・ω・`)「分かってるみたいだから深く言う必要はないが…、お前の思っているよりモニュは二回りは危険だと思っておけ」

('A`:)「くそみそ趣味!?ねぇ!ちょっと!!」

(´・ω・`)「それじゃあな、お前も大変だろうが、それがお前の選んだ道だ。あと、今度ツンのカレー食わせろよな」

('A`)「ちょwwwなぜ知ってるwwwwwそれよりくそみそはどうなった!!」



179:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/22(水) 01:48:23.65 ID:ObMMCvHA0
すっきりしないままドクオが研究室に戻ると、みんなが論文を読みながらウンウンと唸っている。

('A`)「…どうかしたんですか?」

(´∀`;)「あ、ドクオさん…、いやぁ、難しいんすよ。この論文」
(*゚ー゚)「アメリカのK大学から届いた新しい理論の論文なんだけどね、ちょっと難しくて…」
(゚Д゚)「この理論が正しいなら、色々新しい分野への道が開けそうなんだがなゴルァ」
(=゚ω゚)ノ 「…量子物理学そのものが理論ばかりの究極の机上の空論という話もありますからね、
ひとつでも理論を正確に証明することは大変有益であると考えます。」

/ ,' 3 「ちょうどいい、ドクオくんも一緒に考えてみてはくれんかね?日本語に訳してあるものだから読めるだろう」

(=゚ω゚)ノ 「…教授、その必要はないかと思いますが。たかが手伝いに我々と同じ仕事をさせると言うのは、いささか不愉快です。」

(´・ω・`;)「……」
('A`;)「……」

/ ,' 3 「ん?そうかね?こういうのは案外色眼鏡で見ない素人の方がいいかもしれないぞ?ささ、ドクオくん、来なさい来なさい。」

ショボーンから状況を聞いていない荒巻はあっけらかんと言い放った。
それもそうだ、言えるわけがない。自分の弟子と言える立場の人間が、師の失脚を少なからず望んでいるなどとは。



337:ドS ◆DOS.18R.Tg : 2006/03/23(木) 01:05:12.34 ID:cr/vEAn/0
('A`;)「は…はぁ」

ドクオが渋々席に座ると、モニュは冷ややかな視線を浴びせた。
お前などここにいる資格はない、早く消えてなくなってしまえ。
モニュの言わんとしていることはドクオに簡単に伝わった。

('A`;)「…」

居心地が悪い。酷く悪い。
論文の文字に目を走らせるも、心ここにあらずだ。

(´・ω・`;)「…」
(´・ω・`;)「…おい荒巻、教授室に郵便が届いてたみたいだぞ」

/ ,' 3 「…んー…、あとで」

荒巻も論文に熱中していて、ショボーンの言葉の裏は読まれなかった。



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