( ^ω^)がリングに帰ってきたようです

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:00:55.97 ID:PW0lKHBXO
  
ノ・ω・`(#「ベルトとったどーッッッ!」

真四角のリングの上で叫ぶ新チャンピオン。

記者「ショボン選手…いえ、チャンピオン、今のお気持ちは?」
(´・ω・`)「最高です!これもセコンドのシャキン兄さんやジム人達のおかげですよ!」
記者「見事VIPの頂点、VIPPERとなったわけですが、今後の予定は?」
m9(´・ω・`)「いつ、いかなる場所、誰の挑戦でも受ける!」

テレビの中でチャンピオンは叫ぶ。テレビの前には人影1つ。

( ^ω^)「ショボン…すごいお。
       それに比べて俺は…」


( ^ω^)がリングに帰ってきたようです

第1話 約束再び

2日後

ボロアパートの中、男は一人鬱になる。彼の名はブーン、元ボクサーだ。

( ´ω`)「もう俺はダメなんだお…ショボンは頑張ったのに、俺は…」
( ´ω`)「そういえばジョルジュに誘われてたお…そろそろ行くかお…」

頼りなさげなドアを開け、粗末なジーンズとTシャツで夜の町へと出かける。



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:04:26.47 ID:PW0lKHBXO
  
行き着いた店のネオンがきらめく。

「VIP STAR」

カランコロン…

ドアの鐘が鳴る、入って来た人影はブーン。

( ゚∀゚)「お?ブーンじゃないか、久しぶりだなぁ。」
( ^ω^)「ジョルジュ、久しぶりだお。」
( ゚∀゚)「なぁ…テレビ見たか?」
( ^ω^)「見たお!ショボンはすごいお!」
( ゚∀゚)「俺は決めた…もう1度あの舞台に戻る…」
(;^ω^)「戻る…って、VIPの世界にかお?」
( ゚∀゚)「ああ…それでブーン、お前も戻ってこないか?」
(;^ω^)「そんな!無謀だお!
       僕も君もあんな怪我して―――」
( ゚∀゚)「お前はあんなに頑張ったショボンを見て血が滾らないのか?
     俺達の中で1番弱かったショボン、あいつはもう俺達より強くなっちまった。」

―――そう、ブーンとジョルジュ、そしてショボンはジムの同期だった。
しかし、ジョルジュは試合中に顎を割られ、ブーンは膝を壊した。
それが原因でVIPをやめ、荒巻ジムをやめ、何もかもをやめ、今に至る―――



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:05:30.69 ID:PW0lKHBXO
  
(;^ω^)「でも、怪我はどうするんだお?
       僕達はこの先ずっと爆弾を抱えてい―――」
(#゚∀゚)「バカヤロウ!」
( ゚∀゚)「なぁ内藤…怪我なんてもう3年前の話だ、治ってるに決まってる。」
( ゚∀゚)「俺達がまだ治ってないのは―――」

ジョルジュは親指を自分の胸に当てる。

( ゚∀゚)「―――ハートだ。」

ブーンはあれから自室に戻り、モヤモヤとした物を抱えて過ごし続けた。
ジョルジュはその後新たなジムの門を叩きに行くと言っていた。

( ´ω`)「ジョルジュは強いお、でも僕はもう―――       そういえば…」

何かを思い出したように、布団を押し入れから出し、天井裏からダンボール箱を引っ張り出した。

( ^ω^)「懐かしいお…」

それはまだブーンが現役だったころ、VIPのリングで戦っていたころの物だった。

( ^ω^)「僕のグローブ…お?」

グローブに何かが書いてある。

( ^ω^)「これは―――?」

( ^ω^)「えっと…ガ…ン…バ…レ…ブ…ー…ン…」
( ゜ω゜)「これは!!!デレ!!!」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:05:57.12 ID:PW0lKHBXO
  
〜〜3年と2ヶ月前〜〜

#)^ω^)「やったお!俺は勝ったお〜!」
( ゚∀゚)「おめでとうブーン!」
(´・ω・`)「ブーンは頑張ったよね。」
/ ,' 3「ほっほっほ、うちの新人三連星がこれで見事デビュー戦初勝利を納めたのぅ。」
(;゚∀゚)「やめてくださいよ会長、そんな踏み台にされそうな名前は。」
/ ,' 3「ほっほっほ、スマンスマン。およ?デレは?」
(´・ω・`)「あそこですよ。」
( ^ω^)「デレ…僕勝ったお!」
ξ///)ξ「おめでとうブーン!あの…よかったらグローブ貸してくれないかな…?」
( ^ω^)「?…いいお!ほい!」

キュッキュッキューッ

ツンが黒いマジックでブーンのグローブに文字を書く。

( ^ω^)「何書いてるんだお?」
ξ///)ξ「内藤がこれからも頑張れるようオマジナイを書いたの!」

デレは荒巻会長の孫娘の18歳の女の娘だった。
荒巻ジム内唯一の紅一点であるデレを、22歳の( ^ω^)( ゚∀゚)(´・ω・`)は皆好いていた。



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:06:25.73 ID:PW0lKHBXO
  
ξ゚ー゚)ξ「次も無事リングから帰ってきてね!」

チュ☆

ブーンの頬にやらかい(なぜか変換ry感触がする。

(*^ω^)「うは! み な ぎ っ て き た お !」
( ゚∀゚)「いいなーいいなー!俺の時は何もなかったぞー!」
(´・ω・`)「僕の時もだよ…ブーン、ぶち殺すぞ…!!」
( ^ω^)「ちょwwwおまwww時に落ち着けおwww」
/ ,' 3「ほっほっほ、若いってええのぅ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

( ´ω`)「僕は次戦で敗北して膝を壊したお…
       その後のアレも相重なって荒巻ジムも逃げるようにやめてしまったお…」
( ´ω`)「デレは…今の僕を見たらどう思うんだろうかお…」

ブーンが2戦目で敗北した次の週、デレが死んだ。
交通事故だった。
葬儀を終えてもまだデレがいなくなったという実感がなかった。
そして荒巻ジムをやめた。
ジョルジュも、ブーンと同じく2戦目にして怪我を負っていた、そしてこの出来事を機にやめた。
ショボンはジムに残った。

(´・ω・`)「デレさんがいなくなって沈んだ雰囲気(なぜか変換できた)のこのジムの再建を手伝うよ。」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/30(金) 06:06:53.09 ID:PW0lKHBXO
  
ショボンはそれから連戦連勝だった、ニュー速王者にあっと言う間に登り詰め、そして最近の…VIP王者…VIPPERとなった。

( ´ω`)「デレ…約束、まだ僕は守れてないおね…」
( ^ω^)「VIPPERになるって約束を…!!!」
( ^ω^)「デレ…ちょっと僕は寄り道しちゃったようだお…
       VIPPERになったら…」
( ;ω;)「VIPPERになったら…デレに会いに行くから待っててお…!!!」
( ;ω;)「だからちょっとの間待っててくれお!」

ボロアパートの中で泣き声が聞こえる、だがただの泣き声じゃなかった…
それは決意した男の雄叫びにも聞こえた…


第1話 終



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