( ^ω^)ブーンが伝説のポケモンを探しに行くようです

2: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:14:11.48 ID:LxfuaLxE0
  
ブーンのレポート

みつけたかず:4
つかまえたかず:1


( ^ω^) ブーン

【(,,゚Д゚)】 LV12 ヒノアラシ:ギコ ♂
わざ:たいあたり、にらみつける、えんまく 、ひのこ
状態:ふつう

【( ゚∋゚)】 LV8 ホーホー:クックル ♂
わざ:たいあたり、なきごえ、みやぶる
状態:ふつう



3: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:14:51.47 ID:LxfuaLxE0
  
内藤出発前日の朝、ウツギ研究所にて

ウツギ研究所に来客が一人あった。
少年は、名を弟者といった。

(´<_` )「時に博士、用事とは何だ」
(-@∀@)「ああ、君に頼みたいことがあってね」

(´<_` )「頼みごと、とは?」
(-@∀@)「30番道路にポケモンじいさんって知り合いがいるんだけど、
    よく新発見をした、とか珍しいものを見つけた、って大騒ぎするんだよ」
(-@∀@)「それでね、さっき『今度こそ大発見ですぞ』ってメールがきたんだ」

(´<_` )「つまりそれを取りに行ってくれ、ということか」
(-@∀@)「そうなんだ、もちろん報酬としてこのポケモンをあげるよ。
     どうだい?悪い話じゃないと思うんだけど」

ウツギ博士の手には見慣れた形のボール。弟者は覗き込む。
(´<_` )「……ワニノコか」
(-@∀@)「確か弟者君はもうポケモン持っていたよね。デルビルだったっけ。
もう1匹ヒノアラシがいるんだけどそれだとタイプが被るから」
(´<_` )「なるほど、試しに出してみてもいいか?」
(-@∀@)「うん、いいよ。おとなしい子だから」



4: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:15:31.70 ID:LxfuaLxE0
  
―――ぼんっ

< ´゚W゚>「……」
どことなく視線が定まっていない。

しかし視線が定まってくると辺りを見回し始める。
そして視界の中に弟者を認めると、

< ´゚W゚>「はじめまして、新しいご主人様」
ぴょこん、と身長の割に大きな頭を下げる。

(´<_` )「……よろしくな」
しかし弟者はこのとき、背中を何か薄ら寒いものが走るのを感じた。



5: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:16:18.01 ID:LxfuaLxE0
  
弟者にはポケモンに最初から好かれた経験など一度もなかった。

小さい頃には家で飼っていたデルビルに良く噛まれた。今でもその痕が残っている。
成長してからそのデルビルを使って野生ポケモンとバトルしても、
なかなか言うことを聞いてくれない。
それになぜか野生ポケモンが他の人の倍は襲い掛かってきた。
そんな環境で培われた感覚が警告していたのかもしれない。

(-@∀@)「僕の電話番号も教えておくから、何かあったら電話してね」

しかしその警告はただの勘違いだと思うことにした弟者は、そのまま研究所を後にする。



6: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:16:57.64 ID:LxfuaLxE0
  
(´<_` )「なあ……」
29番道路に入って、会話を試みる。

【< ´゚W゚>】「2つ、忠告します」
氷のように冷たい、宣言にも似た言葉。

(´<_`;)「え?」

【< ´゚W゚>】「1つ、私をトレーナー戦以外で人前に出さないでください」

【< ´゚W゚>】「2つ、バトルの時以外は話しかけないでください。以上です」

弟者は凍りついた。
今までもこれ以上ないほどポケモンに嫌われていた。
しかしここまで酷い言葉をぶつけられるとは思いもしていなかった。

こんな言葉をぶつけられるくらいなら、噛まれたり引っかかれた方がまだましだ。



7: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:17:56.87 ID:LxfuaLxE0
  
(´<_`;)「それってどういう……」

【< ´゚W゚>】「1つ目を破った場合はあなたに攻撃を加えます。
       それからバトルの時以外に話しかけても返事はしません」
有無を言わせない口調だった。
そしてそれ以降何度話しかけても、ワニノコは反応を返さなかった。


草むらに入る。早速野生のコラッタが飛び掛ってくる。
取り出したボールはワニノコ。

ぼんっという破裂音とともにワニノコが飛び出す。

(´<_` )「えっと……とりあえず ひっかく」
ワニノコの一撃が決まる。あっさりとコラッタは倒れる。
そしてそのままワニノコはボールに戻る。

命令以外の会話のない、重苦しい空気のままヨシノタウンに到着。
途中野生ポケモンに出会った数は10数回。これでもまだ少ないほうだ。



9: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:18:40.76 ID:LxfuaLxE0
  
ポケモンセンターで回復した後、目的地の30番道路へ向かう。
キャタピーなどのむしポケモンが出現するようになったので、デルビルで蹴散らす。

U ゚ _・゚U「ご主人様……大丈夫ですか?」

(´<_` )「……割とヘビーだ」
昔こそ言う事を聞いてくれなかったが、今はかなり慣れてくれている。

U #゚ _・゚U「新入りのくせに……」

(´<_` )「よせ」

U ゚ _・゚U「すみません……」

すこしまずい。デルビルまでかなりいらついている。
こんな調子でポケモンマスターを目指せるのか、不安になる。



10: ◆HIDEBJzPlA :2006/09/03(日) 23:19:25.55 ID:LxfuaLxE0
  
だけど、前向きに考えるしかない。

少し昔のことを思い出す。デルビルがまだ慣れてくれていなかった、あの頃のことだ。
あの時は絶対に慣れてくれるわけがないと思っていた。

しかし、今はどうだ? 慣れてくれているじゃないか。
だからこのワニノコも、いつかは―――

U ゚ _・゚U「ご主人様、あの家じゃないですか?」

考え事をしていると遠くの景色に対する注意が散漫になる。
おそらくあれががポケモンじいさんの家だ。
あとは発見とやらを受け取って、持って帰るだけだ。

どうせぐだぐだ考えても何もできはしないのだ。
ならば難しく考えずに前向きに進んでやろう、そして夢を叶えるのだ。
そんなことを思いながら、弟者は呼び鈴を鳴らした。






     4話終わり



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