( ^ω^)ブーンが伝説のポケモンを探しに行くようです
- 2: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/12(火) 23:57:16.40 ID:7e/bUVQn0
- ブーンのレポート
みつけたかず:5
つかまえたかず:2
( ^ω^) ブーン
【(,,゚Д゚)】 LV12 ヒノアラシ:ギコ ♂
わざ:たいあたり、にらみつける、えんまく 、ひのこ
状態:ふつう
【( ゚∋゚)】 LV8 ホーホー:クックル ♂
わざ:たいあたり、なきごえ、みやぶる
状態:ふつう
- 3: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/12(火) 23:57:56.43 ID:7e/bUVQn0
雨の直前の湿った匂いが鼻を刺激する。
遺跡とコガネ・エンジュの分かれ道。
コガネ側の道から男が不機嫌そうに向かってくる。
<メ#丶`∀´>「……」
( ^ω^)「どうかしたんですかお?」
<メ#丶`∀´>「コガネにいけないニダ」
(;^ω^)「はあ?なんでですかお?」
まさに寝耳に水だった。
<メ#丶`∀´>「木ニダ。なぜか木が道の真ん中にあって通れないニダ。
とにかくここは通れないから引き返した方がいいニダ」
そう言うと男はキキョウ方面へと歩いていった。
( ^ω^)「木……かお」
- 5: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/12(火) 23:59:01.71 ID:7e/bUVQn0
忠告を無視してそのまま進むと、そこにはたしかに木があった。
しかし大きさは僕の二倍か三倍そこそこで、両側には人が通れるぐらいの隙間はあった。
(,,゚Д゚)「何だ?これなら通れるじゃねえか」
しかし先ほどの男の言葉が気になったのでゆっくりと木の左側から回り込む。
回り込んで、そのまま―――
( ^ω^)「あれ?」
何かおかしい。今僕は確かに左側から回りこんでいるはずだ。
なのに、なんで木が僕の正面にあるのだ?
(,,゚Д゚)「……」
右側から回り込もうとする。しかし木はなぜか常に僕の正面にある。
(*^ω^)「何だ、動く木かお。珍しいおwww」
(*,゚Д゚)「そうだな、珍しいなwww」
【( ゚∋゚)】「……」
- 6: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/12(火) 23:59:41.38 ID:7e/bUVQn0
( ^ω^)「さて、どうするかお」
ひとしきり笑った後、真面目に考える。
(,,゚Д゚)「とりあえず燃やしてみるか」
( ^ω^)「よしギコ、ひのこだお」
ギコの ひのこ!
(;,゚Д゚)「……え?」
木は、火がつくどころか焼け焦げすらできなかった。
(;^ω^)「なんでだお?」
【( ゚∋゚)】「……」
(,,゚Д゚)「オラァ!」
ギコの たいあたり!
しかし木にたいあたりをしても意味はなく、葉が少し揺れただけだった。
(;^ω^)「ギコ!大丈夫かお」
(,,゚Д゚)「……だいじょぶ、平気」
- 8: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:00:41.80 ID:3rjxoLE70
困ったことになった。たいあたりは冗談にしても、燃えない木など聞いたことがない。
これは遠回りになっても、ヒワダを回ってコガネに行ったほうがいいのだろうか。
しかし最近ヒワダは物騒だという。
ロケット団が復活したという噂もあるからできる限り避けたい。
その時ホルダーのボールがカタカタ揺れる。クックルだ。
【( ゚∋゚)】「……」
クックルが外に出たそうにしているのでそうしてやる。
( ^ω^)「クックルじゃどうにもならないおwww」
しかしクックルはそんな言葉を聞いてなどおらず、空から目の前の木を眺め回す。
そして狙いを定めて、木の枝に体当たりを食らわせた。
- 9: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:01:25.24 ID:3rjxoLE70
???「んー、ん―――」
どこか、上のほうから声が聞こえた。
(;^ω^)「な、なんだお?」
(,,゚Д゚)「あぶねえ!」
ギコの たいあたり!
僕はあっさりと吹き飛ばされて、僕がそれまでいた場所には巨大な木の枝が投げ槍のように突き刺さっていた。
( ^ω^)「ゲホッ!す、すまないお」
(,,゚Д゚)「こいつは……」
そこにあったのは―――いや、居たのは紛れもなくポケモンだった。
三メートル超のポケモン。それだけでも脅威だが、こいつには何が効くのか分からない。
おまけにクックルの攻撃にキレたようで、完膚なきまでに敵意を向けている。
- 11: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:02:36.16 ID:3rjxoLE70
???の けたぐり!
(;,゚Д゚)「ぐっ……」
ギコはかろうじてかわす。
ギコの ひのこ!
ひのこは幹の部分に当たるが、効果は薄いようだ。
クックルの たいあたり!
しかしこれは、クックルのほうがダメージを受けたようで、飛行が不安定になる。
まるでそれを狙っていたかのように、その木は追撃をかけてきた。
???の いわおとし!
一発、命中。クックルが墜落する。ダメージはかなりひどいようで、そのまま動かない。
しかし木のようなポケモンはそれだけでは満足しないようだ。
???のけたぐり!
倒れているクックルに、さらに攻撃を加えてきやがった。
だが攻撃の開始が遅かったのが幸いし、命中直前に僕はクックルをボールに戻せた。
- 12: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:03:17.30 ID:3rjxoLE70
(;^ω^)「まずいお……」
この時点で手詰まり。ギコの攻撃は効かない。クックルも動けない。
だから確立は半々でも、逃げるしかない。
( ^ω^)「ギコ!えんまくだお!」
ギコの えんまく!
煙に乗じて後ろを振り向く。が、相手は三メートル超もあるのだ。
だからえんまくが効力を果たしていなかったのも当然とも言えた。
ヤツは正確にこっちを向いて、いわおとしの体勢になっている。
- 13: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:03:57.59 ID:3rjxoLE70
―――今だ!
誰に聞かせるでもなく呟くと、振り向いて重心を低くし、木のようなポケモンへと全力で走った。
ギコは動きを止めたが、1秒もたたないうちについてくる。
ヤツは、こうくると思ってはいなかったのか、体勢が崩れている。
賭けは、成功した。
僕達は脇をすり抜けるとそのままコガネ方面への道を駆けていく。
ちょうどその時雷が鳴った。だが今はそれどころじゃない。
雨が降り出してもそのまま走り続け、建物が見えてくる頃には後ろに何も居なかった。
- 14: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:04:48.07 ID:3rjxoLE70
(;^ω^)「危なかったお」
(;,゚Д゚)「なんだったんだ、あいつは」
( ^ω^)「何なのかわからないけど、やばいやつだってことはわかったお」
【(メメメ゚∋゚)】「……あいつたぶん岩タイプ」
( ^ω^)「岩?木にしか見えないのに岩なのかお」
(,,゚Д゚)「それなら火が効かない理由も分かるが……」
(;^ω^)「! そんなことよりクックル大丈夫かお!」
【(メメメ゚∋゚)】「大丈夫。これぐらいアフリカではよくあること」
( ^ω^)「よかったお。でも早くポケモンセンターに行かないと……」
(,,゚Д゚)「でももうキキョウには戻れないぜ?」
- 15: 第6話 ◆HIDEBJzPlA :2006/09/13(水) 00:05:53.02 ID:3rjxoLE70
( ^ω^)「このままコガネに行けばいいお。たぶんもうちょっと歩けば着くお」
(,,゚Д゚)「そうなのか?」
( ^ω^)「本当だお。それじゃあ行くお」
雨が降っているからか、トレーナーも野生ポケモンもいない。
だからコガネまで滞りなくあっさり行くことができた。
しかし僕の心には何かわだかまりのようなものが残った。
それが何なのかわからないまま、僕達はコガネシティに到着した。
6話終わり
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