( ^ω^)ブーンが高校野球で1番を目指すようです

  
――第六話「ブーン達が酷い目にあっているようです」


ブーン達、一年生がチームに入って一月が過ぎた。
VIP高野球部員は学校の校庭ではなく市民球場で練習を行っている。
故に野球用のエナメルバッグこそ毎日もってはいるが生徒達からの
野球部の印象は薄い。
しかし、それも二、三年生だけの話。
ブーン達一年生にバットやスパイクを入れるエナメルバッグは必要ない。
必要なものは「体操服」だけであった。
























―――市民球場―――

( ;^ω^)「197、198、199、ラストぉ!!」

(;'A`)「どりゃあ!!!」

ブーン達は入学してから毎日単調な基礎トレーニング、
それもハンパな量ではない、強豪校でもここまではやらない、
殆ど虐待に近いようなトレーニングを課せられていた。




















(;´・ω・`)「・・・今・・・何セット目だろうか?・・・・」

(;=゜ω゜)ノ「多分・・・6セット目だよう・・・」

幸い、今の所脱落者は出ていない。
奇跡的に、負けず嫌いが一年生には揃っていた。
しかし、中にはトレーニングをこなす事も出来ない者もいた。

(;-_-)「もう・・・腹筋上がらない・・・欝だ・・・」

無理も無い。スポーツ経験のあるものでさえギリギリのトレーニング。
中学時代は帰宅部だったヒッキーには過酷すぎた。




























( ;^ω^)「ヒッキー昨日晩御飯食べたかお・・・?」

(;-_-)「頑張って食べた・・・ざるそば・・・ちょっとだけ・・・欝だ・・・」

食事など喉を通るわけが無い。スポーツマンは体と同時に内臓を鍛える必要がある。
内臓は一朝一夕で強くはならない。体を鍛えるのと同じだ。
運動すると食事が出来ない、食事が出来ないと運動が出来ない、この繰り返しに陥る。
スポーツ経験の無い者には、これが一番辛い。

































( ;^ω^)「ブーンも昨日は吐きそうになったお、でも気合で流し込んだお、
    ヒッキーも頑張るお!・・・」

(;-_-)「ありがとう・・・欝だ・・・」

(;・∀・)「ほら、マイナス志向出てるぞ!!どうせなら明るく行こうぜ!!
    毎日やったら腹筋ボコボコだぞ?テンション上がるだろ?」

(;-_-)「うん・・・欝だ・・・」

一度、雰囲気が暗くなってしまってはなかなか明るくはならない。
明るく冗談を言うモララーの声が虚しく聞こえる。



























( ゚∀゚)「おいこら一年さぼるなー!!インターバル90秒!!
    やるきのねーチームが嫌いなんだろ!!アヒャヒャヒャ!!」

二年のジョルジュが一年生達を罵った。
ベンチに座りながら、自分は木陰でスポーツドリンクを飲んでいた。

(#'A`)「あのやろうふざけやがって!!!」

( ;^ω^)「ちょwwwwwドクオ駄目だお!!!」

すかさずブーンがたしなめた。

(#'A`)「チクショウ・・・」

何故、一年生達がこんな目にあっているのか、
事の発端は一月前のことだった―――


























======================================

('A`)「嫌いなものは――
             やる気の無いVIP高野球部みたいなチームです。」


その瞬間不穏な空気、ドクオは上級生全員から睨まれていた――

( ^ω^)(ちょwwwwwwwwwwwwwドクオ―――

























( ゚∀゚)「・・・おいおい・・・今のは聞き捨てならねーなぁ、
    VIPシニアの四番様よぉ!!!!」

( ^Д^)「プギャ・・・笑い事では済まされんぞ。」

阿部「いいのかいホイホイそんなこと言っちまって。
   俺は一年でも容赦しないような男だぜ?」

竹原「なにがじゃ」

次々に声を荒げる上級生達。
彼らは立ち上がり、ドクオの元へ詰め寄った。



























一触即発、まさにそう呼ぶにふさわしい雰囲気。

(#'A`)「やる気の無いお前らみたいなのが嫌いだっつったんだよ
   カス共が。」

(#゚∀゚)「上級生にタメ口とは・・・VIPシニアじゃ敬語も
    教えてねーのか?クソガキが!!!!!!」

竹原「なにがじゃ」

(#'A`)「上級生といえど、最低限の礼儀ってもんがあるだろ・・・
   そんなこともわからない奴らに何が敬語だ!!!!!」






















いつ取っ組み合いの喧嘩が始まってもおかしくない、殺伐とした雰囲気。
その時、ずっと黙っていたフサギコが声を上げた。

ミ,,・Д・彡「ということは・・・自分はやる気があるんだよね?・・・
       じゃあさ・・・」

そういって立ち上がり、球場のセンター方向の山を指差す。

ミ,,・Д・彡「あのVIP山の上まで行って帰ってきてよ・・・
       やる気があったら、そのぐらい出来るよね・・・」

一瞬、ドクオの顔が青ざめる。冗談だろ?片道15キロはあるぜ?
それも山道だぞ・・・?


























ミ,,・Д・彡「山頂にスタンプカードがあるからそれにスタンプを押して
       帰ってきてよ・・・出来るよね・・・やる気・・・あるから」

無理だ、一瞬そう思った。しかし、ドクオも引き下がれない。
半ばヤケクソになって返事をした。

(#'A`)「・・・ああ!!やってやるよ!!お前らみたいな根性なしとはわけが
    違うからな!!」

そういって、ドクオは軽く柔軟体操を始めた。




























( ;^ω^)(ちょwwwwwドクオといえど流石に無理があるお!!)

しかし、何も言えなかった。完全に空気に飲まれてしまっていた。

ミ,,・Д・彡「あと・・・一年生全員・・・この無礼者と連帯責任ね・・・
       やる気があるなら・・・行ってきてよ・・・
       行かなかったら・・・やる気がないとみなして―――

                       入部は認めない・・・」




















全員の顔が青ざめた。しかし、行くしか無くなってしまった。

(#'A`)「行くぞお前ら!!今のうちにスジ、伸ばしとけ!!!!」

ドクオが気勢をあげた、仕方なく従う一年生達。
そして―――

ミ,,・Д・彡「行ってらっしゃい・・・」

地獄の行軍が始まった




















―――午後一時から走り始めて現在五時、まだ脱落者は出ていない。 
一年生達は山の頂上まで到着していた。

(;'A`)「みんな・・・変な事に巻き込んじまってすまない・・・」

(;´・ω・`)「あれは仕方がないよ、僕だってすこしカチンと来てたさ・・・」

(;・∀・)「同じく・・・」

スタンプカードを押し終えて、山頂で遅れているヒッキーとブーンを待った。
ブーンはヒッキーとペースを合わせて励ましながら走っているようだ。




















程なくして、ブーン達が到着した。

( ;^ω^)「ハァ・・・ハァ・・・お待たせだお・・・」

(;-_-)「ヒー・・・ヒー・・・」

途端、ヒッキーはその場に倒れこんだ。
皆がヒッキーの元に駆け寄った。



















(;'A`)「おいおい・・・大丈夫か?」

(;´・ω・`)「ヒッキー君、だっけか。未経験者の君には過酷過ぎるだろう・・・
       ここで止めても誰も文句は言わないよ・・・。みんなそう思ってる。」

(;-_-)「野球・・・やりたい・・・頑張る・・・欝だ・・・」

ヒッキーの疲労が限界を超えている事は誰の目にも明らかであった。




























( ;^ω^)「ブーンはヒッキーのペースに合わせて山を降りるお。
    皆先に行っててくれお・・・。」

時刻は6時、もう空は暗くなっていた。時間的にもそろそろ出発したい。

(;'A`)「・・・わかった。頑張れよ、ヒッキー!!一緒に野球をしよう!!」

(;-_-)「うん・・ありがとう・・・頑張る・・・欝だ・・・」

そういって、ブーンとヒッキー以外の四人は山を下り始めた。


























現在夜の11時、ブーン達はあと少しで学校という所まで来ていた。
帰りは下りだった分、少し早く走る事が出来た。

( ;^ω^)「あと少しだお・・・!!ヒッキーすごいお!!・・・よく頑張ったお!!」

(;-_-)「ありがとう・・・先輩にこれみせて・・・びっくりさせたい・・・欝だ・・・」

そう言うヒッキーの手にはスタンプカードが握られていた。ヒッキーが死ぬ気で手に入れた
努力の結晶だ。









( ;^ω^)「ドクオ達はもう着いてると思うお・・・!!先輩達、きっとびっくりしてるお!!」

(;-_-)「うん・・・楽しみ・・・欝だ・・・」

( ;^ω^)「あと五十メートルだお・・・!!最後のふんばりだお・・・!!」

(;-_-)「ゴール・・・ゴール・・・ゴール・・・欝だ・・・」

そして、ブーン達はゴールの市民球場に到着した。
しかし、先に到着していた皆の様子がなにやらおかしかった。













(;'A`)「・・・チクショウ・・・。」

(;=゜ω゜)ノ「これは・・・あんまりだよう・・・」

金網に手をかけてうなだれるドクオ達の姿があった。

( ;^ω^)「おまたせだお・・・どうしたお・・・」

(;'A`)「・・・ブーン、ヒッキー・・・グラウンドの中をみろ・・・」















そういって、グラウンドを指差すドクオ。
グラウンドに目を向けたとき、自分達の受けた屈辱に気がついた。

( ゚ ω゚)「おっ・・・・・・・」

(;-_-)「・・・・・最高に、欝だ・・・・・・」

人っ子一人いないグラウンド、金網には張り紙があった。


「何本気で走っちゃてんの?スポ根乙wwwwwwwwwwwwwww
―――ジョルジュ」

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その日以来、一年生の扱いは酷いものであった。
そして、今日も虐待ともとれる基礎トレーニングの繰り返しで一日が終わった。

―――ロッカールーム―――
現在夜の八時、上級生が全員ロッカーを去るまで一年生は中に立ち入る事を
許されなかった。練習はとっくに終わっている。
しかし、嫌がらせのように毎晩遅くまで上級生達は談笑してから帰路に着くのであった。

(;'A`)「・・・。」

(;=゜ω゜)ノ「・・・。」

誰も声を発する事は無い。普通だったら部活が終わってひと段落の時間、自然と
顔が緩んでくるものだ。














そんな中、ドクオが沈黙を破り、呟いた―――

(#'A`)「・・・もう我慢できねぇ。」

怒りに満ちた声で呟いた。

(#´・ω・`)「・・・そうだね。・・・このままでは気がすまないよね。」

次々に賛同する一年生達。皆、怒りに満ちていた。










少しの沈黙の後、ブーンが切り出した。

( ;^ω^)「・・・僕にいい案があるお・・・外に上級生がいるかもしれないから
    みな集まって小さな声で話して欲しいお・・・。」

そういって、皆が円になって集まった。

( ;^ω^)「ヒソヒソ・・・まず、この新聞の切り抜きを見るお・・・」

そういってブーンが皆に見せた切り抜きは、驚くべき内容の記事であった。

皆「こっ・・・これは――――



――第六話「ブーン達が酷い目にあっているようです」完



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