( ^ω^)ブーンが高校野球で1番を目指すようです

5: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:30:18.79 ID:/XNlT2lg0
  
―――第七話「ブーン達がクーデターを起こすようです」―――


秘密の会議から一月が経った、季節は六月、春季大会も終わり、もうすぐ夏の大会の抽選会である。

―――VIP高校一年二組  教室―――


ξ゚听)ξ「・・・」

昼休みも終わってこれから午後の授業。

ξ゚听)ξ「・・・アイツ、体調悪いって言ってたけど大丈夫かしら・・・」

ブーンは「体調が悪い」と言って、午後の授業を早退していた。
普通では考えられない量の昼食をとっていたにも関わらずだ。
(しかし、ブーンにとっては当たり前の量である)

ξ///)ξ「かっ、勘違いしないでよね!!別に心配なんてしてないんだから!!」

誰に向かって言っているのやら。



6: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:31:09.57 ID:/XNlT2lg0
  
そして午後の授業も終わり、終業時間――

―――VIP高校 二年一組教室―――

( ゚∀゚)「・・・練習行くぞフサギコ。」

ミ,,・Д・彡「おっけ・・・」

口には出さないものの、めんどくさそうに部活に行く準備をして教室を出る二人。
傍目に「いっその事練習なんて行かなければいいのに」と感じてしまうほど彼らはめんどくさそうだった。
ただの練習嫌いではない、生気のようなものが明らかに欠落していた。



8: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:32:19.97 ID:/XNlT2lg0
  
―――市民球場―――



市民球場に到着した二人、そこで最初に目に入ってきたものは――

ミ,,・Д・彡「こいつら・・・」

( #゚∀゚)「・・・舐めやがって・・・」

白い練習用ユニフォームを着て――

('A`)「次外野ノック行くぞ!!ボールセカンド!!深い場所からの時はショート
   セカンド中継忘れるなよ!!」

( ^ω^) 「おk!!さー来いおー!!」

上級生である自分達に許可も取らず、勝手にグラウンドを使用する一年生達であった。



11: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:33:30.08 ID:/XNlT2lg0
  
その後、続々と上級生達がグラウンドにやってくる。そしてグラウンドの中を見て状況を把握する。
舐めたマネをしてくれた新入り達への怒りをあらわにしながら、ジョルジュが最初にグラウンドへと
足を進めた。


( #゚∀゚)「こらああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
     クソガキどもなにやってんじゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ジョルジュの怒号がグラウンドにこだまする、しかし一年生達はいたって冷静だった。
少しの間をおいて、ドクオが声を出した。

('A`)「見りゃーわかるでしょ先輩、野球の練習をしてるんですよ。
                         僕達、野球部員ですから。」



12: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:33:56.92 ID:/XNlT2lg0
  
( #゚∀゚)「お前ら一年は基礎トレだ!!!!!!!!!!!!!!!!!
     上級生の俺達と同じような練習が出来ると思うな!!!!!!!!!!!!!!」


正論だ、事実、殆どの高校の野球部では一年生の前半の間はこれからの過酷な練習に耐えうる
体力を養うため、ランニングや腕立て伏せなどの基礎トレーニング中心のメニューを与えられる。

('A`)「基礎トレねぇ・・・あれが基礎トレだって・・・?
    スポーツ未経験の奴もいるんだ。あんなモンただの嫌がらせじゃねーか。」

(´・ω・`)「僕達は野球がしたいからここにきたんだ、すまない。
      その過程で必要な筋力や体力を養うトレーニングは喜んで行おう。
       しかし、嫌がらせは遠慮しておきたい。」



13: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:34:38.40 ID:/XNlT2lg0
  
(=゜ω゜)ノ「そういうわりには、先輩達全然真剣に練習してる気配がないよう。
       こんな練習だったら基礎トレなんてする必要ないよう。」

( #゚∀゚)「お前ら舐めた口聞きやがって・・・
                  ・・・すこし教育しないといけないようだな。」

そういうとジョルジュは指を鳴らしながらいように詰め寄った。
いようも「さすがにヤバイ・・・」と思った。その時、いままで黙っていたブーンが声を出した。



14: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:35:43.50 ID:/XNlT2lg0
  
( ^ω^) 「先輩達、きっと野球ヘタクソだお。
      あんな練習で三年間やってきたんじゃ、ブーン達の方が上かもしれないお。」

言いすぎだ――その言葉にはジョルジュだけでなく、グラウンドの外にいた他の上級生達も反応した。

(#^Д^)「お前ら・・・舐めすぎだろ・・・」

竹原「なにがじゃ」

(;´∀`)「ぼ、暴力は駄目モナ!!落ち着くモナ!!」

キャプテンのモナーが皆を落ち着かせようとするが、まったく無意味だった。

( ^ω^) 「舐めてなんかいないお、本当の事を言っただけだお、
      そこまで言うなら――             ブーン達と試合して勝ってみせるお。



16: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:37:49.18 ID:/XNlT2lg0
  
( ^ω^) 「ブーン達は六人しかいなから、中学三年生のシニアの後輩に助っ人を頼んだお。
      中三、高一と高校二、三年生。ヘタクソの先輩達には十分なハンデだお。」


国分「ブーン先輩に試合の助っ人に来てくれって言われた時、どう思った?」

田中「・・・」

佐藤「・・・」

(ほんとはイケナイことなんだぜ?これ。
  でも、イケナイこととわかっていても感じちゃう・・・くやしい・・・ビクビクッ!!)



17: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:39:18.28 ID:/XNlT2lg0
  
上級生達が少しだけざわめく、そんなくだらない事付き合ってられるか――
誰かが喋ろうとしたとき――

ミ,,・Д・彡「いいんじゃない?・・・面白そうだし・・・」

皆、怪訝そうな顔をした。

( ^Д^)「お前、本気か?」

ミ,,・Д・彡「本気・・・相手は・・・中三と一年・・・
       あんなこと言われて・・・黙ってられない・・・ただし―――」

ミ,,・Д・彡「気性の荒いメンツだ・・・そこまで言って・・・負けたとき
       ・・・わかってるよね?・・・」

( ^ω^) 「わかってるお。負けたときはどんな罰でも受け入れるお。
      そのかわり、ブーン達が勝ったらまともな練習をさせてもらうお。」



18: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:40:00.41 ID:/XNlT2lg0
  
ミ,,・Д・彡「いいだろう・・・試合・・・三十分後に始める・・・
       その間・・・アップ・・・すればいい・・・」

( ^ω^) 「わかったお。」

そういって、ギコ達上級生はロッカールームへと向かう。
グラウンドには一年生達だけが残された。

(;^ω^) 「・・・うは・・・テラビビッタおwwwwwwwwwwwwwwwww
      でも・・・作戦成功だお!!」

(;´・ω・`)「・・・さすがにここまで上手くいったのは奇跡だね。」

作戦―――事の始まりは再び一月前に遡る―――



19: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:40:50.59 ID:/XNlT2lg0
  
======================================

一月前の夜の事、ブーン達一年生はロッカールームで秘密の会議を行っていた。

( ;^ω^)「ヒソヒソ・・・まず、この新聞の切り抜きを見るお・・・」

そういってブーンが皆に見せた切り抜きは、驚くべき内容の記事であった。

皆「こっ・・・これは――――



20: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:42:04.06 ID:/XNlT2lg0
  
(高校野球)練習中の死亡事故  今年に入って三件目


○月×日午後、VIP県立VIP高校野球部にて打撃の練習中、
打撃投手をしていたVIP高一年生、ビコーズさんの頭部に
打球が直撃し、病院に搬送されたものの意識不明のまま息を
引き取った。当時ビコーズさんは練習中、打撃投手に着用が
義務付けられているヘッドギアを着用しておらず管理不行き届き
としてVIP高は記者会見にて野球部顧問○○氏の辞任を発表した。
同じような事故が相次ぐ中、高野連の早急な対応が待たれる。



22: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:42:42.63 ID:/XNlT2lg0
  
一同、言葉を失い、沈黙が流れた――

(;'A`)「・・・・・・」

(;-_-)「・・・欝だ」

(;´・ω・`)「・・・この日付けってさ・・・去年だよね?」

(;=゜ω゜)ノ「と、いうことは・・・」

( ;^ω^)「今の上級生は、この時現場に居合わせたって事だお・・・」



23: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:43:25.11 ID:/XNlT2lg0
  
( ;^ω^)「ブーンのとうちゃんいわく、この事件の前はVIP高は
    公立校の中では県下最強、私立ともいい試合するチームだったらしいお。
    でも、去年の夏の大会で一回戦負けした後、秋の大会もさっぱりだったらしいお。」

皆、言葉が見つからない。皆がなかなか言葉に出来なかった事をショボンが口にした。

(´・ω・`)「そっか・・・今も苦しんでるんだね・・・先輩達・・・」



24: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:43:55.35 ID:/XNlT2lg0
  
(´・ω・`)「どうしたらいいのか・・・わからないんだね・・・
      ビコーズさんの事・・・忘れられないんだね・・・」

( ^ω^)「・・・なんとかする必要があると思うお・・・ブーン達の為にも
    ・・・先輩達の為にも。」

(;'A`)「・・・でも、あの先輩達だぞ?俺達が何か言った所ではね返されるに決まってる・・・」

少しの沈黙の後――

( ^ω^)「・・・野球しか・・・無いお」



25: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:44:43.39 ID:/XNlT2lg0
  
( ^ω^)「正直、野球をやった所でどうなるかなんてわからないお。
    でも、ブーンは野球しか思いつかないお。」

(´・ω・`)「ばかげてる・・・君はなんて野球バカなんだ・・・
       でも・・・君が言ったとおり、いい案だ」

(=゜ω゜)ノ「俺も賛成だよう・・・とにかくやってみるしかないよう」

(;・∀・)「でも・・・俺、野球したことないぜ?ヒッキーだってそうだ。
     入部してから一度もボールに触れてない、かといってこのグラウンドで
     練習するわけにもいかない、gdgdになったら・・・意味無いぜ?」

(;-_-)「・・・欝だ」



26: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:45:50.03 ID:/XNlT2lg0
  
皆が諦めかけた、その時―――

('A`)「練習する場所・・・アテがあるぜ。なあブーン?」

そういわれてキョトンとするブーン、しかしすぐに気がついた。

( ^ω^)「そうだお!!あそこがあるお!!ナイスだおドクオ!!
    そうと決まれば即行動だお!!みんな一度家に帰って道具をとってくるお!!」

そう言って、ブーンはロッカールームを飛び出した。



27: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:46:32.13 ID:/XNlT2lg0
  
その後、どういう事かはわからないが皆一度家に帰ってグラブやスパイク、ユニフォームを持って
市民球場に集まりブーンの言う「あそこ」へと向かった。

到着した時、皆は驚きの声を上げることになる。

(´・ω・`)「これは・・・!!」

(;・∀・)「すげぇ・・・!!」

ブーン達が案内した場所、そこはVIPシニア専用球場だった。



29: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:47:37.89 ID:/XNlT2lg0
  
夜でも昼のように明るいナイター設備、150キロまで出せる最新型のバッティングマシーン、
雨の日でも練習できる室内型ブルペン。
どれもこれも他の皆が見たことも無いような設備であった。
VIPリトルシニア野球協会会長、荒巻スカルチノフ。日本有数の大富豪である。
そんな彼が道楽として運営しているVIPシニア、その資金力、金銭感覚は凡人には想像も出来ないものである。

超名門中学野球チーム、VIPシニア。その強さの秘密は高校野球の名門校にもひけをとらない
この施設の数々であった。



30: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:48:26.58 ID:/XNlT2lg0
  
VIPシニアの練習が終わるのは毎日、夜9時と規則で決まっていた。
ブーン達一年生が野球部の練習から開放されるのが夜の8時、ロッカーの鍵を閉めて
自宅に道具を取りに帰って夕食を食べ、専用球場に向かったら丁度シニアの練習が終わる時間だった。

( ^ω^)「野球部の方が終わってから毎日、ここで3時間位練習できるお!!
    荒巻さんと監督にはさっき電話して許可をもらったお!!」

(=゜ω゜)ノ「これでなんとかなるかもしれないよう!!」

その日から、ブーン達一年生の夜の特訓が始まった。



31: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:49:23.71 ID:/XNlT2lg0
  
とはいうものの、昼間の虐待に近い基礎トレの後に本格的な野球の練習。
その過酷さは想像を絶した。しかし、皆野球に飢えていた。部活の練習を終えた後、
前のような沈黙は無く皆希望に満ちた顔をしていた。野球が楽しい、皆そう感じていた。

ブーン達の事情を知っていたVIPシニア監督も週に何度か練習に顔をだしてくれた。
そして、野球経験の無いモララーやヒッキーに指導をしてくれた。
チームが一流なら指導者も一流、固定観念の無い二人は一流の指導もあってか
驚くべきスピードで上達していった。



32: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:49:59.24 ID:/XNlT2lg0
  
そして時は流れ六月、専用球場での練習を終えブーン達はトンボ掛け(グラウンド整備)を行っていた。

('A`)「・・・そろそろ、やるか?」

(´・ω・`)「そうだね、僕もそろそろかな、と思っていたよ。」

練習開始から一月、初心者二人のプレーもだいぶ様になっていた。これなら、野球になる。
先週の日曜日にはVIPシニア三年生との練習試合もした。そして、ゲームとして
成立するレベルまで来ていた。


(ほんとはイケナイことなんだぜ?これ。
  でも、イケナイこととわかっていt(ry)



33: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:50:59.84 ID:/XNlT2lg0
  
(-_-)「・・・欝だ・・・でも、やれる気がする!」

( ・∀・)「やっと俺のスーパープレイがみせれるな。」

初心者の二人にこの自信がついている。期は熟した、といったところだろう。

( ^ω^)「じゃあ、明日は前に話した挑発作戦でいくお。」

(=゜ω゜)ノ「・・・ちょっと心配だけどやってみるよう」

そして、グラウンドの電源を落とし、ブーン達は家路についた―――


======================================



35: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:51:57.19 ID:/XNlT2lg0
  
―――ふたたび市民球場―――

('A`)「守備、打順は昨日決めた通りでいくぞ!・・・じゃあ、気合入れとくか」

(; ^ω^)「えっ!?・・・あれ、今日もやるのかお?・・・正直はずかしいお。」

(*'A`)「し、仕方ないだろ!!VIP高って言うのも変だし・・・」

(´・ω・`)「いいんじゃないかい?・・・ボソボソファイターズ・・・」

(*'A`)「と、とにかく気合だ気合!!集まって円陣組めオマエラ!!」



36: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:52:30.04 ID:/XNlT2lg0
  
―――行くぞー(オイッス!!)
       オイ!!(オイ!!)オイ!!(オイ!!)オイ!!(オイ!!)
         

             ドクオファイターズ!!!!(ドクオファイターズ!!!!)
         


                          絶対勝つぞ!!!!(オー!!!!)―――



37: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:53:07.35 ID:/XNlT2lg0
  
(*'A`)「・・・よし、お前ら今日もいい気合だぞ!!・・・。」

(´・ω・`)(ドクオファイターズ・・・プゲラ・・・)



ミ,,・Д・彡(なに・・・あの掛け声・・・)

こうして、俺達一年生のはじめての本気の試合が始まったんだ―――



39: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:53:39.32 ID:/XNlT2lg0
  
上級生チームVS下級生チーム(ドクオファイターズ)

VIP市民球場

観衆          0人
天候           晴れ
試合開始時刻      16:00

審判   球審・・・小山   一塁・・・武藤  
     二塁・・・矢部   三塁・・・久保田(VIPシニアの皆さん)



40: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:54:27.48 ID:/XNlT2lg0
  
スターティングラインナップ


上級生チーム

1番  レフト         竹原      (3年
2番  セカンド        フサギコ    (2年
3番  キャッチャー      モナー     (3年
4番  ショート        ジョルジュ   (2年
5番  サード         中西      (3年
6番  ファースト       阿部      (2年
7番  ライト         村田      (2年
8番  センター        酒井      (3年
9番  ピッチャー       プギャー    (3年


控え
兄者



41: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/07(月) 02:54:56.12 ID:/XNlT2lg0
  
下級生チーム

1番  センター      モララー     (1年
2番  セカンド      国分       (中三
3番  キャッチャー    ショボン     (1年
4番  ピッチャー     ドクオ      (1年
5番  ライト       ブーン      (1年
6番  ファースト     いよう      (1年
7番  サード       佐藤       (中三
8番  レフト       ヒッキー     (1年
9番  ショート      田中       (中三


控え 





―――第七話「ブーン達がクーデターを起こすようです」完



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