( ^ω^)ブーンが高校野球で1番を目指すようです

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 03:36:15.50 ID:VDW7G3Tv0
―――第九話「ブーン達の攻撃が始まるようです」―――


一回の表、下級生チーム奇跡の無失点、ベンチの空気は必然的に盛り上がった。
いい雰囲気でその裏、一年生チームの攻撃が始まる―――

一年生チーム、一番はモララー、気合十分で打席に向かった。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 03:36:50.87 ID:VDW7G3Tv0
( ・∀・)「お願いしやーす!!」

モララーの挨拶がグラウンドに響いた後、
一球目、ピッチャーはプギャー

( ^Д^)(一球目は様子見・・・いや、相手は野球始めて二ヶ月そこらか。
      カウントを稼ぎでいくかな・・・)

スパン!!
なんの変哲も無い、ストレート130前後のボール。コースも内角に甘く入った。
しかし―――

( ・∀・)(ちょwwwwwwww速ええバロスwwwwwwwwww)



7: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:37:32.91 ID:VDW7G3Tv0
(´・ω・`)「・・・130位だね、打てない球じゃない・・・」

('A`) 「ああ・・・しかし、今頃モララーは面食らってるだろうな」

今日まで一月、毎晩練習も行ってきた。当然最新型のバッティングマシーンで
打ち込みも行ってきた、しかし―――

('A`) 「マシン打撃だけじゃ感覚が掴めなかったか・・・」



8: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:38:07.64 ID:VDW7G3Tv0
当然だ、バッティングマシーンは速度は出せる。しかし、人間には敵わない。
そうでなければ打撃投手など必要ない。
その差は沢山あるが、今モララーが感じている事―――

(´・ω・`)「・・・体感速度の違いだね。」

最初に感じる差、それは指先に集約された体重、神経、
強烈に掛けれれたバックスピンからくる「ノビ」であった。



9: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:38:35.37 ID:VDW7G3Tv0
地球上にある重力の存在、いわずもがな偉大な力である。
こいつは全ての物体を地面に縛りつけようとしてくる。
当然、野球のボールもそうだ。地面に落ちようとしながら
ホームベースへ飛んでゆく。その過程でそれに応じて球速も落ちていく。



10: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:39:13.33 ID:VDW7G3Tv0
「初速」と「終速」の話をしよう。
一般的にプロ野球などのスピードガンで表示される球速というのは
投手の指から離れた瞬間「初速」を測定している事が多い。
その瞬間からボールは減速を始める。
そして、最終的にキャッチャーミットにボールが収まる瞬間
この時点の速度を「終速」と呼ぶ。
幾ら良い投手、松坂だろうがランディジョンソンだろうが
初速から終速までの間五キロから十キロぐらいは速度が落ちている。
その差が限りなく少ないボール。それは打者の目からの体感速度を高める
要因の一つになる。その体感速度の速い玉、それを一般的に
「ノビのあるボール」と呼ぶ事が多い。



11: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:39:53.11 ID:VDW7G3Tv0
人間、それも鍛え上げられた投手のボールならその程度で済むだろう。
しかし、バッティングマシーンではそうはいかない。
この初速と終速の差はさらに伸びる事になる。
(調べた事無いからよく知らないけど、マシンの時は15キロ位は速度が落ちてるんじゃね?感覚的に。)


投手経験者の不在、そのせいで下級生チームの打撃練習は必然的に
バッティングマシーンに頼らざるをえなかった。
そして、その最大の弱点「ノビ」がモララーを襲った――



12: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:41:08.88 ID:VDW7G3Tv0
そして二球目―――

( ・∀・)(あわわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)

バシン!!

またしてもコースは甘い、しかしモララーは手が出せない。



14: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:41:46.46 ID:VDW7G3Tv0
カウントはツーストライク、ノーボール。
簡単に追い込まれてしまった。

( ^Д^)(楽勝プギャーwwwwwwwwwwwこの調子で・・・ん?・・・)

キャッチャーのモナーのサインを見て拍子抜けするプギャー。

( ´∀`)(最後はお前の最高の玉で確実に仕留めるモナ)

バカな、と一度サインに首をふるプギャー。しかしモナーは―――

( ´∀`)(甘く見るなモナ、サインは変えないモナ)

( ^Д^)(ちっ・・・わーったよ!!)

渋々、首を縦にふった。



15: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:42:09.02 ID:VDW7G3Tv0
( ・∀・)(見逃しの三振だけは駄目だ、バットは降るぞ。)
そして三球目―――

その豪快なフォームからは考えられない遅いボール

( ・∀・)(おわwwwタイミングがwwww)

大きく縦に割れるカーブが来た。ストレートのタイミングで
バットを振ってしまったモララー、前につんのめりながら―――

バシイ!!

審判「ストライク!!バッターアウト!!」

相手の思う壺どおり、三振に仕留められてしまった。



16: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:42:53.46 ID:VDW7G3Tv0
ベンチに戻り、口を開くモララー

( ・∀・)「・・・150キロは出てますぜアニキ。」

(´・ω・`)「はいはいワロスワロス」

その後の二番国分―――

国分(ちょwwwwwニダーさん並wwwwwwwww)

ストレートで差し込まれてセカンドゴロ、
これが中三と高三の違いだ、無理も無い。



17: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:43:23.61 ID:VDW7G3Tv0
(´・ω・`)(未経験組と助っ人組にはちと厳しいか・・・これは3から6番の経験者組で
      決めるしかないようだね。)

(´・ω・`)「打てない球じゃないよ、まあ僕の打撃を見ていてくれ。」

そして―――

カキン!!

打球は高く舞い上がり―――

審判「アウト!!」

サードのグラブに収まった。



18: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:43:54.70 ID:VDW7G3Tv0
(´・ω・`)「すまんこ。」

('A`) 「はいはいワロスワロス」

あっさり手を出して一回裏、下級生チームも無得点に終わった。

そして二回の表、二年生チーム一番の強打者である
ジョルジュを打席に迎える。



20: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:44:33.98 ID:VDW7G3Tv0
( ゚∀゚)「確実にホームランだな」

打席に入り、自信満々にそう言い放つジョルジュ。
ここでイラっとして言い返してはいけない、ショボンは
冷静にスルーした。

(´・ω・`)(この人も打ち合わせどうりだ。
            ・・・ちょっとビビっちゃうけど、お願いします)

うなずくドクオ。



21: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:45:19.53 ID:VDW7G3Tv0
そして第一球――

インハイに甘く入ったボールは―――

( ゚∀゚)(もらった)

レフト、ヒッキーの遥か頭の上を通って――――

( ゚∀゚)「完璧!!」

ネット上段、ホームランゾーンに突き刺さった。



22: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:45:51.27 ID:VDW7G3Tv0
(-_-)「・・・欝だ・・・」

呆然として見送ったヒッキー、内野では内野手全員がマウンドに集まった。

(;´・ω・`)「やっちゃったね・・・でも切り替えて次の打者だ。しっかり行こう。」

(;'A`) 「・・・あぁ・・・」

マウンド上、ドクオは打たれたショックからか明らかに覇気が無い。



23: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:46:22.58 ID:VDW7G3Tv0
その後、全員で一度深呼吸をしてから守備位置に戻った。

(=゜ω゜)ノ(たのむよう・・・ドクオ・・・)

(=゜ω゜)ノ「気合いれていくよう!!」

一度だけ声を出しておいた。



24: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:46:59.39 ID:VDW7G3Tv0
その後、一度だけランナーを出したものの後続の
中西、阿部、村田、酒井となんとも影の薄いメンバーの四人で
上級生チームを抑えてベンチに戻る、
一回の裏の元気は無く、皆座り込んでしまった。
「元々、勝てる相手じゃなかった」そんな雰囲気が立ち込めている。
ジョルジュの一発、それはあまりにも実力差を感じてしまった。



25: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:47:27.91 ID:VDW7G3Tv0
その後、下級生チームはフォアボールで何度かランナーを出すものの
後続が続かず、四回の裏ツーアウトまで試合が進んだ。
その間も上級生チームはコンスタントに得点を重ねる。
得点差は3−0、ジワジワと差が離れていく―――



27: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:49:04.48 ID:VDW7G3Tv0
「これは駄目かもわからんね・・・」
誰も口にはしないものの、皆思っていた。
ツーアウトランナー一塁の場面、

その時―――


カキン!!

ドクオの打球―――

(;´∀`)「モナ!!」

先ほどのリプレイのように―――

阿部「うほっ!!!!」

レフトのホームランゾーンに突き刺さった。



28: 作者 ◆9G12fmecqU :2007/05/10(木) 03:49:34.51 ID:VDW7G3Tv0
上級生チーム達のベンチに先ほどまでの楽観ムードは無く、皆真剣な顔つきに変わった。

一方、下級生チーム。先ほどまでの重い雰囲気は無く、「やれる!!!」という雰囲気がたちこめた。
ホームべース上、唖然とするドクオを皆で祝福している。




ただ一人を除いて―――


(;´・ω・`)(これは・・・最悪のパターンの悪寒・・・オワタかもしらん・・・)

四回裏ワンナウト

上級生チーム3−2下級生チーム

―――第九話「ブーン達の攻撃が始まるようです」完



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