( ^ω^)ブーンが甲子園を目指すようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 22:58:27.52 ID:r+L4nyrBO
- 夏のVIP県大会
136校、約2500人の球児達がたった一つの甲子園の椅子に座らんと、激戦を繰り広げていた。
大会2日目、いよいよVIP学園の一回戦、対メンヘル高校との試合である。
初回の守備に付きながらブーンは試合前のショボンの言葉を思い出していた。
(´・ω・`)「前はあんなに大勝したんだから勝ってもらわないとね。」
(´・ω・`)「だから今日はペナルティーを与える。」
( ^ω^)「ペナルティー?」
(´・ω・`)「うん、投手の場合は失点と被安打と与死四球を、野手の場合は失策と三振を足す。」
( ^ω^)「それをどうするんですかお?」
(´・ω・`)「それは後のお・た・の・し・み、ふふふ」
( ^ω^)(これは集中しないといけないお)
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 23:10:50.74 ID:r+L4nyrBO
- (主審)「プレイボール!!」
( ・∀・)(さぁ思いっきり来い!!)
シュッ ズドン!!
(主審)「ストライクワン!!」
( ・∀・)「ナイスピッチ!!」
今日のブーンの調子は並だったがメンヘル高校レベルでは相手にもならなかった。
ほとんどランナーを出さずにスコアボードにゼロを並べて行く。
一方打撃は……
( ・∀・)「もらった!!」
カキーン …… スッ
「うわぉぉぉ!!ホームランだ!!」
「ナイバッチモララー!!」
四番モララーを中心に確実に得点を重ねて行く。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 23:16:38.88 ID:r+L4nyrBO
- そして……
( ^ω^)シュッ ズドン!!
(主審)「ストライク!!バッターアウト!!ゲームセット!!!!」
「よっしゃぁぁ!!ナイスピッチ!!」
(主審)「11対0でVIP学園の勝ち!!礼!!」
「シタッ!!」
「シタッ!!」
見事5回コールドで勝利を治めたVIP学園。
この勝利はメンヘル高校レベルでは試金石にもならないことを証明した。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 23:29:20.72 ID:r+L4nyrBO
- 試合後
(´・ω・`)「とりあえずはナイスゲーム。」
(´・ω・`)「それじゃあお昼にしようか」
昼食を食べ始めるブーン達。
(´・ω・`)「食べながら聞いてほしい。」
(´・ω・`)「試合前に僕が言った様に計算して、それに5を掛けてくれ。」
(´・ω・`)「その数だけ球場周りをランニングだ。」
( ^ω^)(それなら余裕だお)
(´・ω・`)「それからさっきの数に80を掛けてくれ。その数だけ腹筋・腕立て・背筋だ。
( ^ω^)(ちょwwwwwwそれはきついお)
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/10(木) 23:39:52.52 ID:r+L4nyrBO
- (´・ω・`)「それじゃあ僕はニー速とラウンジ商業の試合を見てくるから。じゃあね」
そういうとショボンは球場内へ向かって歩き出した。
その後ろに数人の選手がついていった。
( ^ω^)「兄者、どうしたんだお?」
( ´_ゝ`)「いや、俺達は今日エラーも三振もしてないからな、監督と試合を見ようと……」
(´・ω・`)「誰が試合を見ろと言ったんだい?連体責任だよ。」
( ´_ゝ`)「そ、そんな……」
結局ブーン達はランニング25周、筋トレ各400回づつを行なうことになった。
ブーン達のペナルティーが始まった頃、ニー速高校対ラウンジ商業の試合が始まった
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 21:30:18.50 ID:yEnh4vLmO
- ニー速高校対ラウンジ商業高校の試合開始から約二時間後
ブーン達のペナルティーは終わりを迎えようとしていた。
( ^ω^)「ハァハァ……398っ!!399っ!!っ……ラストっ!!」
腹筋が終わると同時に倒れこむ選手達。
( ´_ゝ`)「ハァハァ……やっと終わった…」
それから仰向けに寝転がっていた選手達だがしばらくするとぞろぞろ歩き出した。
( ^ω^)「ちょっ、みんなどこに行くんだお?」
( ・∀・)「どこにって……球場に試合を見に行くんだよ。」
_
( ゚∀゚)「勝った方と二回戦だからな」
( ^ω^)「みんな……もうちょい休もうお」
ブーンの声は届かず選手達はみんな球場に入って行った
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 21:43:56.14 ID:yEnh4vLmO
- 一人取り残されたブーン。
( ^ω^)「みんなタフ過ぎだお……」
それからしばらくぼーっとしていたが、
( ^ω^)「一人でいてもつまんないお」
と、重い腰を上げた。
( ^ω^)「疲れたお……帰ったらエロゲして寝るお」
そんなことを言いながら球場に向かう途中何度か歓声があがっていた。
( ^ω^)(そろそろ試合終わるのかお)
そんなことを考えながら球場に続く階段を上る。
上った階段から一番近い入口に歩いていくと
( ・∀・)「おいブーン大変だ。ラウンジが負けてる。しかも完封されかけだ」
モララーが慌てた感じで話して来る。
ブーンは0が並んだスコアボードからマウンドへと目を移す。
長身で痩せ形、左投、球児にしては長い髪。
そしてやる気を感じさせないそのフォーム。
( ^ω^)「ドクオ……」
ブーンはかつての親友で、現在のライバルの名を呼んだ。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 21:57:13.72 ID:yEnh4vLmO
- ブーンが球場につく2時間前
初回のニー速高校の攻撃を三人で抑えたラウンジ商業ベンチ
「さすが1年、手応えねぇwwww」
「さっさとコールドにして帰ろうぜwwww」
Bシードの自信なのか、はたまた相手が新設校だから舐めてるのか、ラウンジ商業ベンチには楽勝ムードが漂っていた。
「おっ、ピッチャー左だぜ」
一人がそう言うと全員がマウンドに目を向けた。
マウンドでは背の高い左ピッチャーが足場を慣らしていた。
('A`)「そんじゃ行くぞ〜。あーダリィ」
良く言えばゆったりとした、普通に言えばやる気を感じさせないフォーム。
そこから繰り出されたボールはゆっくりとヒッキーのミットに収まった。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 22:07:06.47 ID:yEnh4vLmO
- ぽすんという小さな音がなった。
数秒沈黙するラウンジ商業ナイン
「おい、今のが真っ直ぐか?wwww」
「伸びないどころか垂れてんじゃねぇかwwww」
この時点で彼らは勝利を確信した。
それは油断だったかもしれない
(ラ商@)「お願いします!!」
ラウンジ商業の一番打者が左打席に入る。
ドクオの初球
すっぽ抜けた様なボールが内角へ
(ラ商@)「うぉっ危ね!!」
バッターは大きくのけぞる。
しかしボールは大きな弧を描き低めギリギリへ
(主審)「ストライクワン!!」
(ラ商@)(な、なんつー変化だ……スローカーブか?)
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 22:19:33.65 ID:yEnh4vLmO
- 二球目もスローカーブ、外角低めへ
ツーストライク
(ラ商@)(追い込まれた……このカーブは打てない、真っ直ぐに絞るか)
三球目、内角高めの真っ直ぐ
ラウンジ商業の一番打者からすると狙い通りの球
しかし、100km/h中程の球に振り遅れる。
ボールはバットに擦りもせずミットへ
(主審)「ストライク!!バッターアウト!!」
(ラ商@)(あの球、何か変だな?)
この時感じた違和感が最後まで尾を引くことになる。
続く2、3番も倒れ、スリーアウト
二回の表ニー速高校の攻撃は四番のヒッキーから
(ラ商投)「1年坊に俺の球が打てるかな?」
初球内角へ130km後半の真っ直ぐ
しかし球が高かった。( -_-)「甘いね……はぁ……」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 22:31:52.37 ID:yEnh4vLmO
- フルスイングした打球は風に乗りレフトスタンド最前列へ
( -_-)「1年に打たれて悔しい?……はぁ」
(ラ商投)「ば、ばかな……」
その後も追加点を重ね、リードを広げる。
一方ドクオは時々ランナーを出すものの、得点を許さない。
そのまま3−0で9回を迎えた。
そして9回の裏のラウンジ商業の攻撃もツーアウトツーストライクワンボール
ドクオはサインにうなずくとアルプススタンドに顔を向けた。
それもブーンの方向だ
( ・∀・)「?今こっち見た?」
( ^ω^)「ドクオ……」
初回から変わらないやる気を感じさせないフォーム。
そこから放たれたボールは
揺れた
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 22:41:54.59 ID:yEnh4vLmO
- (ラ商G)(何だこの球……でも手を出さなきゃ)
ドクオの内角低めへのボール
それを打ちに行ったバットは無情にも空を切る。
(主審)「ストライクバッターアウト!!ゲームセット!!」
3大会連続ベスト8、Bシード校ラウンジ商業高校
彼らの夏が……終わった。
「何だあの球!?」
「揺れて落ちたぞ!!」
( ^ω^)「……ナックルボールですお」
「ナックル?巨人の前田が投げる奴か!!」
最後の一球に投げたボール。
それはVIP学園の選手達に強烈な印象を与えた
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 22:51:15.00 ID:yEnh4vLmO
- (´・ω・`)「そろそろ引き上げるよ。」
ショボンの一言で選手達は荷物をまとめる。
しかし頭の中ではニー速高校のことが頭から離れなかった
ショボンから指示された場所に向かう途中、ラウンジ商業の選手達が球場を後にしていた。
ラウンジ商業の選手達は皆放心している様子で、涙を流すことも出来ないようだった。
_
( ゚∀゚)「あいつら可哀想に……負けるとは思わなかったんだろうな」
( ・∀・)「あんまり馬鹿にするなよ、明日は我が身かもしれないぜ」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/12(土) 23:04:45.02 ID:yEnh4vLmO
- モララーの言う通りニー速高校に勝てる可能性は不明である。
(´・ω・`)「次の試合は5日後だ。新設校同士負けるわけにはいかないよ。」
「うぉい!!!!」
(´・ω・`)「それじゃあ今日はしっかり休んでね。また明日」
「さようなら!!」
VIP県大会は波乱の一回戦となった
新設校が両校共に初戦突破。
そして二回戦で激突する。
( ^ω^)「ドクオ……負けないお」
夏の太陽は球児達を赤く―――紅く照らす。
夏はまだまだ熱い
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