( ^ω^)ブーンが伝説になるようです

2: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:18:52.42 ID:arRAl+D60
第6話 扉


―1―

( ^ω^)「さーて。装備も一新したし、いよいよナジミの塔へ行くお!」

ξ゚听)ξ「そーね」

彼らはレーベの村の南にある森の入り口に立っていた。
森は村から近く、徒歩10分くらいの距離である。
村の宿で一晩寝たので元気一杯だ。

(;^ω^)「ところで、上のステータス表でなんか僕だけレベルが低いのは気のせいかお?」

ξ゚听)ξ「しょうがないじゃない。アンタ、レベル上がるの遅いんですもの」

(;^ω^)「それもそうかお…」

ξ゚听)ξ「それにしても、何でアリアハンよりレーベのほうがいい装備売ってんのよ」

(´・ω・`)「そういうシステムなんだからしょうがないですよ」

ξ゚听)ξ「アンタにゃ聞いてないわよ!」

(´・ω・`)「ヒドス」

ξ゚听)ξ「さあ、とっとと行くわよ!!」



3: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:20:49.24 ID:arRAl+D60

彼らは森の中を進んだ。
しばらくすると木々が薄れ、やがて開けた場所に出る。
そこには鉄格子がはまった廃墟と、傍らに階段があった。

( ^ω^)「お?あんなところに鉄格子があるお」

ξ゚听)ξ「あらホント」

(´・ω・`)「でも、木の扉以外を開けるには鍵が要りますからね…」

( ^ω^)「そんなことないお!僕の力で何とかしてみせるお!!フンッフンッ」


トビラには カギが かかっている!


ξ゚听)ξ「はいはい、バカやってないでさっさと行くわよ」

(;^ω^)「あうあう」

ブーンはツンに引きずられて階段を下りていった。



4: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:22:19.91 ID:arRAl+D60


―2―

−ナジミの塔内部−

(´・ω・`)「ふう…。さすがに塔の中だけあって敵の出現率が高いですね…」

本当にその通りだ。
大アリクイや一角ウサギなど、アリアハンの近くでは見かけない魔物が大挙して襲ってくる。
最初の階段を降りた側に途中に赤くて大きな扉があったが、やはり開かなかった。

ξ゚听)ξ「まったくよ。どこかで休めるトコないかしら」

ツンが一人ごちる。
そんなボヤキを塔が聞き入れただろうのか。
1階の西階段を降りたところで、宿屋らしき部屋を見つけてしまった。

( ^ω^)「お?こんなトコに宿屋さんがあるお」

ξ゚▽゚)ξ「ラッキー。今日はここで休みましょ」

(´・ω・`)(いやいや、何でこんなところに宿屋があるのか疑問に持とうよ)

ショボンが一人この部屋の存在に訝しがるが、結局その疑問は解消されることはなかった。



5: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:23:41.41 ID:arRAl+D60

宿屋「おお しばらくぶりのお客さんだ! うれしいなあ」

部屋に入ってきた彼らを見て、主人らしき人物ががそんな喜びの声をあげた。

(;^ω^)「そりゃ、こんなとこでやってれば客なんてこないお…」

宿屋「一晩6Gですがいかがですか?」

ブーンのつぶやきを無視して主人が誘う。
意外と安い。そんなんでやってけるのだろうか?

宿屋「いやぁ、意外と来るときは来るんですよ?来ないときは来ないけど」

翌日ブーンが彼に聞いたところによると、主人はそう答えた。
それじゃあ意味ないじゃないか、と思ったが黙っておくことにした。

( ^ω^)「もちろんお願いするお!」

ともかく、そんなに安いのであれば泊まらない手はない。
彼らは喜んでお世話になることに決めた。



6: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:24:26.82 ID:arRAl+D60

宿屋「ありがとうございます!!」



8: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:25:22.44 ID:arRAl+D60

そして翌日。
主人にお礼を言うと、彼らは塔の攻略を再開した。

ξ゚听)ξ「さて、一気に攻略するわよー!!うりゃりゃりゃりゃりゃりゃー!!!!」

(´・ω・`)「ツンさん、張り切ってるなぁ…」

元気一杯にモンスター達を『蹂躙』するツンを見て、ショボンが溜息混じりにつぶやく。

( ^ω^)「一晩ぐっすりだったからだお。おかげで僕達は楽だお」

(´・ω・`)「ですね。でも、ツンさんって魔法使いですよね?本来あんな力ないはずですけど」

( ^ω^)「まあ、彼女は特別だお」

(´・ω・`)「それもそうですね」

ξ゚听)ξ「ほらー!何やってんの!!さっさと来なさい!!」

魔法使い談義をしている彼らを振り返って、ツンが叫ぶ。
どうやら気づいてないようだった。

( ^ω^)「「はーい(だお)」」(´・ω・`)

そう答えて、二人は顔を見合わせるとクスリと笑い合った。



9: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:26:34.69 ID:arRAl+D60


―3―

それから

ξ゚听)ξ「どっせい!!」

( ^ω^)「ツーン!あそこに階段があるおー」

ξ゚听)ξ「OK、行くわよ」

3人が階段を上ると、そこは今までとは一風変わった部屋だった。
赤じゅうたんが引かれ、本棚がある。
生活感にあふれていた。そして…



10: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:29:01.05 ID:arRAl+D60

( ^ω^)「お?あそこにおじいさんがいるお。話しかけてみるお」

ξ゚听)ξ「気をつけなさいよね。別に心配してるわけじゃないけど」

( ^ω^)「わかってるお。あのー、ごめんくださいお」

老人「…………」

( ^ω^)「? ごめんくださーいだお!!」

/ ,' 3 「ふがっ!?」

ブーンが大声を出すと老人が飛び起きた。
どうやら老人は居眠りをしていたようであった。
彼はキョロキョロと辺りを見回してブーンたちを見つけると、声をかけてかけてきた。



11: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:30:13.40 ID:arRAl+D60

/ ,' 3 「よくぞ来た、ブーンよ」

(;^ω^)(何で僕の名前しってるんだお?)

/ ,' 3 「なぜワシがお主の名を知っておるのか不思議なようじゃな」

(;^ω^)(また心読まれたお…)

/ ,' 3 「ワシとお主の父親は旧知の仲での。お主のことは赤ん坊のころから知っておるのじゃ。
    お主のオシメを変えたこともあるんじゃぞ」

( ^ω^)「そうだったんですかお」

/ ,' 3 「ウム。それで、お主が来たら渡してくれとオルテガ殿から預かったものがある。これじゃ」

そう言って老人はブーンに鍵を手渡した。
その鍵は木でできており、先端から長短様々なピンが何本か飛び出ている。



12: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:31:45.38 ID:arRAl+D60

( ^ω^)「これはもしかして…」

/ ,' 3 「そう、盗賊の鍵じゃ!!」


     ブーンは 盗賊の鍵を 受け取った!


/ ,' 3 「それを使ってレーベに住むワシの弟に会うがよい。
   そやつがお主達を新たなる冒険の地へと導いてくれるじゃろう」

( ^ω^)「ありがとうございますお」



14: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:33:52.24 ID:arRAl+D60

/ ,' 3 「ああ、そうじゃ。一つ注意しておこう」

( ^ω^)「何ですお?」

3人が階段へ向かおうとすると、老人が呼び止めた。
首だけ捻って老人を見やる。

/ ,' 3 「この世界にはそなたの性格を変えてしまうほど影響力のある本が存在する。
もしそのような本を見つけたら気をつけて読むことじゃな」

( ^ω^)「わかりましたお。重ね重ね感謝ですお」

/ ,' 3 「ウム。ではさらばじゃ、勇者ブーンとその仲間達よ」

( ^ω^)「さよならですお」

こうしてブーン達は見事盗賊の鍵を手にし、老人の元を後にしたのであった。



15: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:34:51.26 ID:arRAl+D60


―4―

―再びレーベの村―

( ,'3 )「そうか。兄がそんなことを…」

ここは村の北西にある一軒家。
さっそく盗賊の鍵を使って中に入ると、なにやら不思議な液体が煮え立っているカマがあった。
その階に人はいない。彼らは2回へと上った。
すると、ナジミの塔にいた老人そっくりのおじいさんが椅子に座っているのが見えた。
話を聞くとどうやら、弟さんらしい。
彼はブーンたちが上ってきたのを見つけて驚いた様子だったが、盗賊の鍵を見せると納得してくれた。

( ,'3 )「よろしい、この魔法の玉を持っていきなさい」

彼が懐から取り出したのは、なにやら淡く輝く玉だ。
ちょうど手のひら大である。



16: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:36:12.96 ID:arRAl+D60


     ブーンは魔法の玉を受け取った!


( ,'3 )「その玉を使えば旅の扉への封印が解けるはずじゃ。気をつけて行くのじゃぞ」

( ^ω^)「本当にありがとうございますお。お兄さんにもよろしくお伝えくださいですお」

( ,'3 )「ウム。海の向こうの国々ではアリアハンからの勇者を待ち望んでいるはずじゃ。
     ぜひとも彼らの助けになってやって欲しいのじゃ」

( ^ω^)「わかってますお。僕らはそのために行くのですお」

( ,'3 )「そうじゃったのう。では、さらばじゃ」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「「「さよーならー(ですお)!!」」」(´・ω・` )



17: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:37:46.42 ID:arRAl+D60


―5―

―いざないの洞窟付近の山脈―

ξ゚听)ξ「今回はなかなかのハイペースね」

( ^ω^)「アリアハンで大分章を喰ったからだお。それに書くこともあまりないお」

(´・ω・`)「作者の都合か…」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwそれをゆーなおwwwwww」

本当に申し訳ない。



18: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:39:07.62 ID:arRAl+D60

ξ゚听)ξ「それにしても、この棘のムチって便利ね。
     わざわざギラを使わなくてもグループ攻撃できるんですもの」

実を言えば彼らは夕べ一旦アリアハンに戻り、レーベや塔で見つけたメダルをおじさんに預けていたのだ。
全部で5枚だったので、棘のムチをもらうことができた。

ξ゚听)ξ「まぁ、ギラの方が攻撃力高いんだけどね。あれってMP5も使うのよね」

ギラは炎の呪文で、敵1グループに約20のダメージを与えることができる。
棘のムチは左から順にダメージが下がっていくのだ。どっちが特かは使う人しだいだろう。
ちなみに作者は、あまりMPを使いたくない人である。

(;^ω^)「聞いてないお」

サーセン



19: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:39:48.88 ID:arRAl+D60


―いざないの洞窟―

彼らは、高い山に囲まれた森に来ていた。
さっき寄った祠の老人によれば、この森の中の湖の近くにいざないの洞窟があるはずである。

湖はあっさりと見つかった。
どうやらそんなに大きな森ではなかったらしい。
湖の側にある階段を下りると、老人がいた。

老人「ここはいざないいの洞窟じゃ。じゃが階段は石k」

ξ゚听)ξ「ここで魔法の玉の出番ってわけね」

老人を無視してツンがずずい、と前に出る。

老人(…最後まで言わせて欲しかったぞい。まったく近頃の若いもんはブツブツ…)

ξ゚听)ξ「いっくわよー」

ツンはぐるぐると魔法の玉を持った腕を回す。
言葉を途中で遮られた老人が文句を言うのもかまわわない様子だ。

ξ゚听)ξせいっ!」

ツンは魔法の玉を石壁に投げつけた。



20: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:41:13.31 ID:arRAl+D60



( ^ω^)「キャッチだ。とうっ」



ξ;゚听)ξ「「ちょwwwwwおまwwwwwww」」(´・ω・`;)


     どっぐぉぉおおん!!


当然、玉の爆発ははブーンを巻き込んだ。

……爆発?

そういえば、どこかで魔法の玉は爆弾のようなもの、と聞いたような気がする。



21: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:43:07.56 ID:arRAl+D60

ξ゚听)ξ「やっりぃw」

(#)ω(#)「前がみえねぇ」

ツンが嬉しそうに言うと、煙の中からブーンが出てきた。
両頬が腫れている以外は特に問題なさそうだ。

ξ゚听)ξ「自業自得よ、バカ」

(#)ω(#)「いやー、投げたらキャッチしなくちゃいけない気がしてだおね?」

(´・ω・`)「あそこに宝箱がありますよ。中身は…あ!!」

ブーンをスルーしてショボンが宝箱に駆け寄る。
宝箱をあけると、中から世界地図のようなものが出てきた。
蓋の裏になにやら文字が刻まれている。


『アリアハンより旅立つものへ。
 この地図を与えん!
 汝の旅立ちに栄光あれ!』


( ^ω^)「与えん?くれないのかお?」

(;´・ω・`)「与えよう!ってことですよ」

(;^ω^)「おっおっお」



22: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:44:06.18 ID:arRAl+D60

そんなお約束を交わす二人をジト目で見つつ、ツンが地図を取り出してブーンに手渡す。


     ブーンは不思議な地図を手に入れた!


(´・ω・`)「あ、すごい!僕達が今まで行ったところと現在地が一目でわかりますよ!!」

( ^ω^)「こりゃ便利なものを見つけたお。今後の冒険に役立てるお」

ξ゚听)ξ「なにやってんのよ。ほら、さっさと行くわよ」

( ^ω^)「わかったお。今行くお」

(;^ω^)(ツンはせっかちだお…)



23: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:45:32.52 ID:arRAl+D60


―6―

それからしばらく、洞窟を歩いた。
洞窟はところどころ床が抜けていた。

穴の向こうに下り階段が見える。


目の前の階段へたどり着くためには随分遠回りをしなければならなかった。

ようやく洞窟の最奥と思しきところまでたどり着く。
扉が3つある。さて、どれに入ろうか。



25: ◆PcO9DmzREo ::2007/05/30(水) 21:46:53.27 ID:arRAl+D60

( ^ω^)「ブーンが決めるお!」

ξ゚听)ξ「大丈夫なの?」

( ^ω^)「大丈夫だお!これでも、勘は鋭い方なんだお!!」

ξ゚听)ξ「ふーん。じゃあ、どっちに行く?」

( ^ω^)「左だお!!」

(;´・ω・`)(大丈夫かなぁ…)

彼らは自分たちから見て左のほうに進んだ。
10mほど歩くと壁が見えてくる。
行き止まりであった。

ξ#゚听)ξ「……」

(´・ω・`)「……」

(;^ω^)「……」

ξ#゚听)ξ「あんたの勘に頼ったアタシがバカだったわ」

(;^ω^)「スマンコ」



26: ◆PcO9DmzREo :2007/05/30(水) 21:48:35.39 ID:arRAl+D60


―7―

ξ゚听)ξ「どーやらこれが旅の扉みたいね」

(´・ω・`)「うわあ…。渦巻いてるよ」

今度は一番右を選んだ。選択したのはツンである。
どうやら正解だったようで、彼らは無事に旅の扉に着いた。
当然だが、彼らの中に今まで旅の扉を見た者はいない。
生まれて始めてみる青と白の渦巻きは、神秘性さえをも持ち合わせていた。

(#)ω^)「おっかないお…」

(;´・ω・`)「……」

ξ゚听)ξ「よしっ」

( ^ω^)「お?」

ツンが決意したように言う。
ブーンはツンの横顔を見やった。



27: ◆PcO9DmzREo :2007/05/30(水) 21:49:52.83 ID:arRAl+D60

ξ゚听)ξ「ブーン、アンタが飛び込みなさい」

(;^ω^)「ちょwwwww何でだお?」

ξ゚听)ξ「決まってるでしょ。実験よ。
     アンタが無事だったら後からアタシ達も行くから」

( ^ω^)「ヒドス」

ξ゚听)ξ「あ゛!?文句あんの?あたしに無駄足させたのは誰?」

(;^ω^)「いやいやいや、ないお!喜んで行かせて、いや、逝かせていただきますお!!」



28: ◆PcO9DmzREo :2007/05/30(水) 21:53:11.36 ID:arRAl+D60
(;;^ω^)「……」

ξ゚听)ξ「どうしたのよ」

( ^ω^)「ええーい、ままよ!!」

ブーンは旅の扉に飛び込んだ!!

(;◎ω◎)「目が回るお!気持ち悪いお!オエップ」

落下と回転が合わさってとてもじゃないが耐えられない。
何とか吐かないようにするだけで精一杯だ。
しばらくそんな状態が続いたが、やがて不意に速度が弱まり視界も良好になってくる。
トン、と足が地に着く音と感触がした。

( ^ω^)「お…。着いたのかお?」

よかった。もう少し長かったら吐くところだった。
とりあえず、ツンたちを呼ぼうか。


第1章 ―新たなる門出― 完


                                  TO BE CONTINUED…



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