( ゚д゚ )は今日もシャイなようです

119: ◆TQjPQr3kiI :03/15(木) 00:35 3R+MUlMXO

…………あれから幾月経ったのだろう……





夕陽に染められた教室でミルナは教室に掛けられたカレンダーを見る


( ゚д゚ )「あぁ…もう四か月になるのか…」
俺は今VIPとして活動している

しかし四か月前俺達がここに連れて来られてからまだ誰もこの世界に来ていない

どうやら皆真面目に授業を受けてるってことかな……一人ミルナは苦笑する


誰も来てないのに何を活動するのかって?俺も最初疑問に思ったよ、しかしその疑問はすぐ解消された……




( ゚д゚ )は今日もシャイなようです 第二部



120: 名無しさん :03/15(木) 01:10 3R+MUlMXO

―四か月前

「アンダーグランドの世界へようこそ!拒否権はねー!w」


( ゚д゚ )「アンダーグランド?」

ジョルジュ「こっち見んなwww」

ギコ「この世界の名前だ」

ジョルジュ「最も意味は知らねーがなw」


( ゚д゚ )「…………」
というよりもそんなことは問題じゃない、今さっき……奴は、ジョルジュとか呼ばれる奴は仲間を皆殺しにした

どうも感覚が麻痺していたみたいだが今更俺の中に彿々と怒りが沸いて来た



122: 名無しさん :03/15(木) 01:30 3R+MUlMXO

( ゚д゚ )「ナイフ!」

俺はそう叫び右手を振り上げた




……何も出ない

ジョルジュ「あひゃひゃひゃひゃww、もう戦闘終了だから投影は無理だぜぃwww」

( ゚д゚ )「黙れてめえぇぇ!!!」

怒りに任せ俺はジョルジュに殴りかかる


ジョルジュ「あひゃひゃ、当たるかw」

ジョルジュはそれを軽く躱して足を突き出す

俺はその足に引っ掛かり顔からもろに転んでしまった

( ゚д゚ )「……う…うぅぅ……」

鼻を直に打ったズキズキする痛み、皆に何もしてやれなかった己の無力さ、そして目の前にいるカタキにも何も出来ない悔しさ……

そんなものが入り交じった感情の中、ミルナは泣くことしか出来なかった



123: 名無しさん :03/15(木) 01:43 3R+MUlMXO

ギコ「……泣いてる暇はねえぞゴルァ」

……猫顔の男、ギコだったか……が己の傷を手当てしながら言ったギコ「これから奴が来る」

奴?アラマキか?いやもうそんなものどうでもいいよ正直……俺は鼻をさすりながら体を流し台にもたれこませた

( ゚д゚ )「……俺はこれからどうなるんだ?」

ジョルジュ「それも皆あいつが教えてくれんぜーw」

あいつ…アラマキか……?もう何でもいいから早くしてくれ
つーかお前は喋るな死ね、氏ねじゃなく死ね

なんてことを口に出さず考えていると不意にドアが開いた



128: 名無しさん :03/16(金) 00:14 ps7db+ANO

不意にドアが開きアラマキかと思ったら、入って来たのはアラマキに比べ断然若々しいパッと見は気の弱そうな青年だった

???「やあ、君が新しく入ったVIPモナね、僕はモナー。ここのVIPを統括している者モナ、君の名前は?」

( ゚д゚ )「…ポカーン」

……人が友人亡くして落ち込んでいるところにいきなり凄い勢いで自己紹介とはどういう了見だこいつ、塚語尾にモナってなんだよ糞が、と燻っていた怒りが変なところからまたわき出て来た

モナー「まあ言いたいこともあるだろうが、まずは自己紹介を頼むモナ」

………そういえばこいつ…VIPを統括、とか言った…?

逆らわない方が良さそうだ、ミルナはそう判断した

( ゚д゚ )「ミルナ……」

モナー「うん、まあこっちを見るなと言いたいがまあよろしく頼むモナ」

モナー「君にはこれからここで生きていくための訓練をしてもらうモナ、今からその説明をするモナ」

結構な速度で捲し立てられ口を挟む余裕が無い



129: 名無しさん :03/16(金) 00:42 ps7db+ANO

そしてふっとショボや皆の死体を一瞥し

モナー「汚いし腐ると困るモナね」

と呟き指をパチンと鳴らした

次の瞬間皆の死体や血が消えていた。それだけではない、ショボとギコの戦闘により荒れていた調理室もいつか家庭科の実習で見た時のように綺麗になっている

( ゚д゚ )「な……!?」

モナー「さあ綺麗になったことだし説明を始めるモナ」

ジョルジュ「手短に頼むぜモナーさんよ〜」

お前はまだ居たのか、いやそんなことは最早どうでもいい
俺はモナーに突っ掛かった

( ゚д゚ )「お、おい皆は何処に行ったんだよ!?だいたいこの世界はどうなってるんだよ!?訳がわかんねえよ!!」


モナー「うるさいモナー……今から説め( ゚д゚ )「ふざけんな!だいたい授業中寝てただけでなんでこんな目に遭わなきゃいけないんだよ!返せよ!皆を返せよ!」

ギコ・ジョルジュ「ヤバい……」

ギコとジョルジュはじりじりと後退りしていく

言い過ぎたらマズいだろ、頭の中でそんな声が聞こえたがもう我慢の限界だった、

( ゚д゚ )「だいたい授業中に寝んのはあいつの授業が糞つまんねえせいじゃねえか!しかもVIPになるってことはあれか!?俺もまた次に来た生徒を殺せってことかよ!?冗談じゃねえぞ!!」

ドゴォ!!

もはやキャラが崩壊してまでのミルナの魂の叫びは鉄拳により強制的に止められた



130: 名無しさん :03/16(金) 01:07 ps7db+ANO

いきなり思い切り殴られ吹っ飛ぶミルナかなりビビりながらモナーを見るとモナーが吠えた

モナー「さっきから調子に乗ってんじゃねえよこのビチグソがモナー!!今貴様に在る選択肢は三つモナ!一つはこのまま俺の話を聞く、二つ目はこのまま消されるか!または自殺するかだモナ!」

消されるのと死ぬのってどう違うんだ……などと思いながらミルナは考えた……もしかしたらこのまま消されて皆の元に逝く方が楽なんじゃないか?どうせ長生きしたいと思ってなかったし……そんな厨二病気味で安易な考えがミルナの頭をよぎる

しかしミルナは皆の死を思い出す

いきなり轢き殺されたアイサ、俺を庇って死んだバンタ、俺達を救おうとして殺されてしまったショボにキリト、その他数名……

俺は……皆のためにもこんなとこで死ねない……!

生きて生きてジョルジュを……いや!アラマキを倒してやる!ミルナの眼に火が宿った



134: 携帯で更新がここまで面倒とはな :03/26(月) 01:23 obMBJYJOO

モナー「説明していいモナ?」

( ゚д゚ )「………コクリ」

モナー「分かってるとは思うがまずここは現実じゃないモナ」

モナー「ここはマスターが作り出したプログラムの世界」

……プログラム?そんな馬鹿な……いやしかしそれなら投影なんか出来るのも納得がいくか…というかマスターって誰だよ

( ゚д゚ )「……マスター?」
聞いてみた

ギコ「アラマキのことだ」
ギコが補足する

モナー「ここでは全てがデータ……詞とも言うモナ」

モナー「そして僕はここの管理者だモナ。だからこの空間は有る程度は僕が支配してるモナ」

……朝倉乙……心の中でミルナは呟いた

火が付いたと言ってもまだまだ心は温まらないようだ



141: らにやにd◆TQjPQr3kiI :04/24(火) 01:12 byU3R0ZxO

モナー「このプログラムの世界で君にしてもらうこと、それは……」

モナー「戦争だ」

( ゚д゚ )「mjd?」

モナー「とはいえ昨日まで極普通の高校生だったお前がまともに戦えるとは思ってないモナ、だからまず一週間訓練をしてもらうモナ」

( ゚д゚ )「拒否権は……あるわけないか」

モナー「当然だモナ」


あぁ……なんでこんな面倒なことに?

アラマキを倒してやるとは思ったがまさかこんなことになるとは思いもしなかった、というか何も考えていなかったわけだが



142: 名無しさん :04/24(火) 01:31 byU3R0ZxO

モナー「まあ今日は疲れてるだろうから訓練は明日にするモナ」

( ゚д゚ )「ちょっと待て、衣食住はどうするんだ?」

モナー「あぁそうだったモナ、VIPが住む場所、それはこの学校モナ」

おいおい何処で何食って寝りゃいいんだよ……

モナー「VIPの住人には一人一つの部屋が与えられるモナ、ギコは調理室、ジョルジュは(ry「それは言っちゃ駄目だぜモナーさんよ」

いきなりジョルジュが割り込んで来たので聞こえなかった、そういえばショボもジョルジュは何処にいるかわからないって言ってたっけ……
モナー「分かったモナ、話の腰を折らないで欲しいモナ」

モナー「とにかく何処か一つ教室を選べモナ」

( ゚д゚ )「いや……個室とか無理なの?」

モナー「学校に個室なんて(ほとんど)ネーヨ」

( ゚д゚ )「鬱だ」



143: 名無しさん :04/24(火) 01:55 byU3R0ZxO

それにしても何が悲しくて一人で教室に住まにゃならんのか、つかどうやって寝るかまだ聞いてないぞ、まさか机並べて寝ろとか言うんじゃないだろうな……
なんて考えていたら足が溝に(ry



モナー「まあ、時間帯によってはいろいろ投影出来るから寝る時は布団かベッドでも投影すればいいモナ」

( ゚д゚ )「そういうこと……」

モナー「とりあえずさっさと部屋を決めろモナ」

( ゚д゚ )「……俺のクラスの教室……2−Eがいい」

モナー「把握したモナ、これより2−Eはミルナのテリトリーだモナ」

( ゚д゚ )「テリトリー?」
ああ、さっきから分からないことだらけだ

ジョルジュ「言葉の通りだよ、要するに自分の土地みたいなもんだな。……そんなことよりモナーさんよ、そろそろ戻ってもいいかい?」
ジョルジュがウンザリしたように問う

モナー「そうモナね……まあ続きはまた明日にでもするモナ、今日は解散モナ」

そう言ってモナーは出て行った

( ゚д゚ )「随分とアバウトだな」

一応突っ込んでおく

ジョルジュ「あ〜あ今回もたくさん殺しちまったから疲れたぜ、しかしギコダメージ受けてるとかダセェw」

ギコ「貴様のせいだろうが、しかし今回は俺も疲れた……」
ギコはそのまま調理室の奥に引っ込んでいった

そして俺はケラケラと笑いながら出ていくジョルジュを睨み付け必ず奴を殺してやると心の中で誓った



146: 名無しさん :05/04(金) 01:21 MK4Sy5acO

( ゚д゚ )「・・・・・」


誰も居ない教室に着くとミルナはおもむろに自分の席に座り込んだ

そして、今朝のようにデロドーンと机に突っ伏し、五分と経たないうちに眠りについた

これが夢であることを願いながら、起きたら家であることを願いながら……



155: ◆TQjPQr3kiI :05/28(月) 01:47 sElCCcEUO

( ゚д゚)「夢じゃない……」

有り得ない現実を目の前に突きつけられ暫し絶望する、別にこんな状況の自分の不幸さに酔ってなどいないぞ


ふと机を見るとビシャビシャになっている
ヨダレかと思ったがどうも泣いていたようだ、目が腫れぼったい感じがする


うはwwwこの歳で情けねwww

と思いつつ顔を洗うため洗面所に向かう

普通朝起きたら息子も一緒に起きつつトイレにも行きたくなるが何故か尿意は無かった

顔を洗うと妙にスッキリとした気分になった
そう、これはまるで元旦に新しいパンツに履き替えた感じ……

と、突然後ろから声が聞こえた



156: 名無しさん :05/28(月) 01:53 sElCCcEUO

( ゚∀゚)「よう、よく眠れたか?www」

( ゚д゚)「……お陰さまで(朝からテンション高え…うぜ…)」


( ゚∀゚)「まあ、今日は初めての戦闘になるんだろうからお友達の分まで頑張れやwww」

あぁ……恐らくこいつと和解出来る日は無いな、と思いつつミルナは無言でその場を立ち去った


( ゚∀゚)「……ガッカリさせてくれるなよ……」

ジョルジュはミルナの背を見送りつつボソリと呟いた



157: 名無しさん :06/09(土) 00:43 3oUEHiq9O

教室に戻るとモナーが教卓の前に立っていた

( ゚д゚)「…何やってんだ?」

(´∀`)「いきなりで悪いがさっそく訓練モナ」

( ゚д゚ )「ほぇ?」

あぁそういえばんなこと言ってたな……

ミルナの頭に昨日の出来事が反芻される

( ゚д゚ )「戦争って言ってたけど正直ピンと来ないわけだが」

(´∀`)「ゆとり乙」

(#゚д゚)「ゆとりとか言うな」



158: 名無しさん :06/09(土) 01:35 3oUEHiq9O

(´∀`)「まあ実践あるのみモナ、まず君は自分の武器だがモナ」
(´∀`)「わかっていると思うがVIPの住人は自分専用の武器が投影出来るモナ」

( ゚д゚)「もしかして自分で決めれるのか?」

自分で決めれるならバズーカとかマシンガンとかか?戦争っぽいし
その短絡的な思考から生まれた選択肢はあっという間に消えた

(´∀`)「いや、見たことがあるもの限定モナ、しかも最終的にはマスターの独断と偏見で決めるモナ」

あー…、そういえばそういうことをクーが言ってたっけな

(´∀`)「クー姉妹の日本刀やジョルジュのニューナンブは親が居合道経験者や警察官で見たことがあったみたいで本人に似合うから、と気分で決めたそうだモナ」

(´∀`)「武器と言っても色々だモナ、ナイトーは車だったしショボなんて靴だモナ、中にはハリセンなんて奴もいたモナ」

なるほど、だからショボは武器を投影しなかったのか……

(´∀`)「そしてこれ重要、自分専用に設定された物を投影するとそのスキルが大幅にアップするモナ」

( ゚д゚)「どういうことだ?」

(´∀`)「つまり日本刀なら剣道スキル、銃ならその銃の扱い方に車は普通免許モナ」

いや最後おかしくね?いやおかしくないのか?わからないわからないわからない……



160: ◆TQjPQr3kiI :06/16(土) 01:30 26YvkO6UO

( ゚д゚)「さて、武器か……」

見たことがあるもので選べ、と急に言われても正直困る
どうせなら昨日のうちに言えよこの野郎
などと思ったが俺は大人だ、口には出さないでおこう

少し考えてミルナは答えた

( ゚д゚)「……ナイフがいいな」

自分は刀や剣、ましてや銃など見たこともない
となるとやはりこれが一番なのかもしれない。昨日もある程度扱えた気がするし

(´∀`)「ナイフか……まあそれはそれでいいかもしれないモナ」

(´∀`)「じゃあ登録するからさっそく出してみるモナ」

( ゚д゚)「テラハヤスwww」

(´∀`)「早よしろモナ」

掌を開いてナイフ!と口に出すとミルナの手にバイオハザードに出てきそうな厚手のナイフが現れた
……昨日のと違う?だいたい俺こんなの触ったことも見たこともないような……

(´∀`)「コンバットナイフとはなかなか運がいいモナね」

ミルナは不思議そうにコンバットナ(ryを握り眺めながら呟く

( ゚д゚)「こんなもんゲームでしか見たことないな……」

するとモナーは驚く答えを返した

(´∀`)「それはバイオ1のコンバッ(ryがモデルモナ」

( ゚д゚)「……ゲームで見たことあるやつもいいのか?」

(´∀`)「まあなモナ」

( ゚д゚)「shit my god」

それならシカゴタイプライターにすりゃよかったぜ……ゆとりとか言うな、俺は1からやっている



161: 名無しさん :06/16(土) 01:45 26YvkO6UO

(´∀`)「ゲームとかで見たと言ってももしふざけたもんなら出せん、いや出させんから安心汁モナ」

何だ、少し安心する
まあちょっと考えりゃ分かることなのだがまあ何もかもが規格外な状況なので勘弁してやってくれ

そんなことよりずっと気になっていた疑問を遂に口に出す

( ゚д゚)「なあ……戦うって何となんだ?まさかショボみたいにまたアラマキに送られてきた奴等と戦えとか言うんじゃないだろうな?」

(´∀`)「それもあるが……まあそれはまだモナそれより少し待てモナ」

モナーは手をミルナのナイフに向けた
そして音も合図もなくモナーは言った

(´∀`)「これでそのナイフはお前……ミルナ専用モナ、使ってる間にそのうちスキルは通常の3倍で増えるモナ」

( ゚д゚)「シャア乙」

(´∀`)「うっさいモナ、じゃあ早速実地訓練モナ」

そう言い放ってモナーはもう片方の手をミルナに向けた

( ゚д゚)「早い、早いよwwwwww」

(´∀`)「ある程度はギコに教えて貰え、そして一つ忠告だモナ」

( つ∀`)「死ぬなモナ」

あぁ、んな無茶な……

と文句を言う間もなく視界が崩れ、ミルナの意識は情報の渦に巻き込まれた



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