( ^ω^)とξ゚听)ξが微妙な関係らしいです
- 30: ◆Qr4qH2Xi1M :07/31(月) 03:26 P4sLB/E3O
━━━━━━━━━━
日差しが気持ち良い。空気は肌寒いが、これだけ太陽の光を浴びてしまうと、背中が少し汗ばんでしまうのがわかる。
ξ゚听)ξoO(それにしても…)
私はさりげなく周囲に視線をやって、気まずさを感じてまた前をまっすぐ見た。
ξ゚听)ξoO(カップル大杉…)
日曜の昼間、しかも場所はこの小さな町でも最も栄えている駅前だからしょうがないといえばそうなのだが。
ξ#゚听)ξoO(死ねばいいのに…うぜぇ…コンビニの近藤さん全てこっそり針で穴開けとこうかな…)
最近下ネタが多くなった。
自覚症状はある。
ξ#゚听)ξoO(こんな下品な考えがとっさに出るようになったのもあいつらのせいだ…くそ…)
ξ゚听)ξあれ…?
お目当ての店はもうすぐそこだった。
その店の前を行ったり来たり、たまに立ち止まっては中を覗きこんでる不審な男がいた。
それは『あいつら』のうちの一人…
ξ゚听)ξドクオ!
Σ(;'A`)
(((((((;'A`)
ξ゚听)ξ逃げてどーする。何やってんのこんなところで。
(;'A`)うっ…あ、まぁな…俺も二十歳を過ぎようとしてるし、そろそろお洒落に目覚めようというか目覚めたふりをしようというかふじこふじこ…
ξ;゚听)ξなんでまた急に。
(;'A`)え、いや、別に特に大きな理由はないけど
ξ゚听)ξ大体、この店女モノばっかりよ。
(;;'A`)ゔぇっ…
ξ;゚听)ξどういう方向のお洒落にチャレンジするつもりなの
('A`)ウツダシノウ
- 32: ◆Qr4qH2Xi1M :07/31(月) 15:16 P4sLB/E3O
とりあえず私達は喫茶店へと場所を移すことにした。
服を買いたいという気持ちもあったが、所詮なかば無理矢理作った予定、突然変更になったところで特に問題は無い。
それにカップルだらけの町を一人で歩いていれば、自ずと誰かと会話したいと思うものだ。
━━━━━━━━━━
( 'A`)おい、いいのか?
ξ゚听)ξえ、何が?
( 'A`)ツンは買い物をしにきたんじゃないのか?
ξ゚听)ξあぁ…別に構わないわ。急ぎの用でもないし。
( 'A`)そうか。
心なしか、ドクオは緊張してるように見えた。
いや、ただ私と話すのが退屈なだけかもしれない。
いずれにしても彼はやけにそわそわしていて、視線は忙しく泳いでいる。
ξ;゚听)ξちょっと落ち着いたらどうなの。なんか見てる私までそわそわしちゃうじゃない。
(;'A`)だってしょうがないだろ。休日の昼間は家でエロゲやってるのがセオリーなんだからよ。それがどうしたわけかおにゃの子と二人で喫茶店にいるなんて。おかしな話だ
ξ゚听)ξ…私じゃ不満?
(;;;'A`)いやいやいやそんなこと言ってないだろ。むしろ俺にはもったいないくらいでふじこふじこ
ξ///)ξあ、そ。ならもっと嬉しそうにしなさいよ。せっかくお茶してあげてるんだからねっ。
>もったいない
思いがけない言葉が妙に気恥ずかしかった。
なのに私の返事は、イマイチ素直になりきれていないものだった。
(*'A`)嬉しそうに…
( '-`)
( '∀`)
ξ゚听)ξ笑顔、引きつってるわよ
- 33: ◆Qr4qH2Xi1M :08/01(火) 04:20 SRMqKdzwO
思えば、なんだかんだで私とドクオが二人で行動することは少なくない。
理由はもちろん、しぃとブーンの二人につい余計な気を遣ってしまうからだ。
二人が付き合うまでの間は、私もドクオもブーンを援護するつもりで、四人でいるときにわざとタイミングを合わせてドクオと二人でその場を抜け出すことの方が多かった。
しかし付き合うようになってからは事情が違ってしまった。
私達が意図的に抜け出すのではなく、空気を読んだ結果抜け出さざるを得ないのだ。
そういう点で考えると、あの二人が付き合うことによって私をとりまく環境は随分と変わってしまったのではなかろうか。
ドクオはそこのところ、どう感じているのか。
少し、気になる。
ξ゚听)ξあんたさ。
( 'A`)あ?
私はさりげなく探ることにした。
ξ゚听)ξ私とよく一緒に行動すること、最近多いじゃない?
( 'A`)あぁ、まあな。しょうがなくね?あの二人の邪魔はできねーよ
ξ゚听)ξだよね。なんか懐かしいな、四人で一緒だった頃が。ま、懐かしいといってもまだ三ヶ月かそこらだけど
( 'A`)変わったよな、俺ら。この三ヶ月の間に劇的に
ξ゚听)ξあんたは急に寂しくなったりしないの?
( 'A`)え?
ドクオは腕を組んでひとしきり考えたあと、あっけらかんとした顔で答えた。
( 'A`)そんなこと考えたこともねーや。今までも俺基本的に一人でいる時間が少なかったし、むしろあんなにつるむこと自体が俺にとっちゃ異常さ
ξ゚听)ξそう…
ドクオらしい、あっさりとした返事だと思った。
あっさりとしてる分、少し、物足りなさを感じたのも事実。
( 'A`)なに?もしやツンは寂しいのか?
ξ゚听)ξえ…
返事に詰まった。
寂しい、のかな…
- 34: ◆Qr4qH2Xi1M :08/01(火) 04:57 SRMqKdzwO
ξ゚听)ξしょうがない…かもね。やっぱりあの二人のことに関わらず、交遊関係って、いつまで続くかわからないもの
( 'A`)あーそれは俺も思う。いずれなくなることの方が多いかもな
ξ゚听)ξそうそう。希薄になるのが早いか遅いかの違いじゃないかな
( 'A`)だな。まとめ乙
>早いか遅いかの違い
( ^ω^)ツンはずっと友達だお
自分の言った言葉が、昨日のブーンとの電話をフラッシュバックさせた。
私と彼は、友達。
気持が叶わないなら、せめてその関係をできるだけ長く繋ぎ止めてくれる、何かが、欲しい。
( 'A`)ツンはさ
ξ゚听)ξん?
ドクオの呼び掛けに私の思考は中断された。
( 'A`)あのー、そのー、なんだー、いわゆる好きな人とか彼氏とかはいないのか?
ξ///)ξそれ、昨日もツンに聞かれたわよ。
いっそ誰かにこの気持を打ち明けようか、楽になれるかな。
一瞬、そんな考えが浮かんだが即座に打ち消した。
打ち明けることによって、私の周囲の人間関係がまた変わってしまう気がしたから。
ξ゚听)ξ無いわね、一切。しぃもあんたもなんで同じこと聞くのよ
( 'A`)無いのか。。まぁしぃちゃんはしょうがないだろ。ほら、今のあの子見るからに頭の中が恋愛一色だしな
ξ゚听)ξあー…すごい納得。あんたはどうしてよ
(;'A`)え゙っ。いや。俺はそのなんだあの…
わかりやすいリアクションだ。
なんだか楽しくなってきた私は追い討ちをかける。
ξ゚听)ξ好きな人、できたんでしょ
(;;;'A`)
ξ゚听)ξほら、白状しなさい
(;'A`)…
(∩'A`)あーあーきこえなーい
ξ゚听)ξおまwwww
大方、お洒落に目覚めたのもそのせいだろう。
季節は春、私の周りも春だらけ。
オイテカレタワタシ。
- 35: ◆Qr4qH2Xi1M :08/01(火) 05:10 SRMqKdzwO
その後も私達はくだらない話で盛り上がった。
気付くと、今朝の憂鬱な夢も、しぃとブーンへの複雑な気持ちも消えていた。
ドクオに会えてよかった、と、心の隅でこっそり思った。
( 'A`)じゃー俺はそろそろ帰るわ。腹減ったし
ξ゚听)ξあれ?服買わなくていいの?好きな子にみせるためにwwww
(;'A`)おま!違うわ。あの店に寄ったのはそうじゃなくて…
ξ゚听)ξじゃあ何よ
( 'A`)うー…説明がめんどくさい。まぁいいや。じゃあまた明日学校でな
ξ゚听)ξはーい、バイバイ。
ドクオがあの店に寄った理由がわからない。
なんだか不完全燃焼だった気もするが、彼があそこに来たおかげで思いがけず楽しい時間を過ごせたので気にしないことにする。
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帰りのバスを駅で待っているときのことだった。
ξ#゚听)ξoO(あ、そういえばドクオの奴、コーヒー代私に払わせやがった)
などとどうでもいいことを考えていると、道路を挟んだ向かいの駅の入り口で、見覚えのある二人がいるのに気付いた。
ξ゚听)ξoO(あれは…しぃ?一緒にいるのは…)
当然、ブーンだと思ったが、よく目をこらしたところ、それが意外な人物であることに気付き、あっと声を漏らしてしまった。
ξ゚听)ξoO(ギコ君!?)
- 42: ◆Qr4qH2Xi1M :08/03(木) 08:15 PcjmHntGO
(*゚ー゚)今更…何も聞きたくないよ
(,,゚Д゚)頼む…誤解を解きたいだけなんだ…少しでいいから聞いてくれないか…?
柱┃听)ξ…
盗み聞きなんてするつもりじゃなかった。
ただ気になって近付いていたらいつの間にかこんな体勢になってただけ。
ホ、ホントだからね!!
別に野次馬根性が出たとかそういうんじゃないんだからっ!
(*゚ー゚)嫌だ…誤解を解いてどうするっていうの?もう私達は終わったはずでしょ…。
(,,゚Д゚)あぁ、確かに終わったよ。いや、俺が終わらせたんだな…ただお前にだけは誤解されたままでいたくないんだ。頼む…
(*゚ー゚)…。
柱┃听)ξ…
思った通り、あまり穏やかな空気ではないようだ。
誤解って…どういうこと…?
(,,゚Д゚)…あの時お前が見た女はな、つーって子なんだけど…
(*゚ー゚)嫌だ!!聞きたくない!!私帰る!
- 43: ◆Qr4qH2Xi1M :08/03(木) 08:16 PcjmHntGO
(,,゚Д゚)しぃ、待ってくれ!!しぃ!!
(,,゚Д゚)くそ…ッ!!
柱┃听)ξ…
しぃは話を最後まで聞かずに、さっさと改札を通ってしまった。
ギコ君の肩が、震えていた。
どういうつもりなの…?
何を考えてるのかしら…。
( ゚д゚ )…
柱┃听)ξはっ…
( ゚д゚ )ちょっと二三聞きたいことがあるのでそこの交番まで来てもらおうか。さっきから何を覗いてるんだね
ξ ゚д゚ )ξ
( ゚д゚ )…こっち見るな…
━━━━━━━━━━
ξ#゚听)ξなんで私が職質受けなきゃいけないのよっ!!
あのあと交番であることないこと聞かれ、家に着いたころには夜の七時をまわろうとしていた。
ξ#゚听)ξ大体、どこをどうみたら私が駅前によく出る変質者に見えるわけ!?ホント失礼な奴。こっちゃ花の大学生だバーロー!
昼の洗濯物を取り込みながら、私はぶつくさと文句を垂れていた。
- 45: ◆Qr4qH2Xi1M :08/04(金) 18:48 4NL2ko6rO
洗濯物を取り込み終えて、部屋で一息つき先程の変な警官への怒りがおさまると、次に私の頭に浮かんだことはやはりギコ君としぃのことだった。
彼は誤解をときたいと言っていた。
あの二人の別れの経緯は、勿論しぃから聞いている。
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(*゚ー゚)アポ無しで家に行ったらびっくりするかな…ギコ君
彼女はその日、約束はないものの当時付き合っていたギコの家へと向かっていた。
(*゚ー゚)彼に部屋に連れて行ってもらうときはいつも片付いてるけど、今日はどうかな…散らかってたら掃除してあげよw
幾度となく彼の住むアパートに招待されており、五回目に部屋に入った時に彼女は合鍵を渡されたという。
その日、彼女は初めてその鍵を使おうとしていた。
(*゚ー゚)あはっ、着いた。確か774号室だったよねー
彼女は慣れた足取りで彼の部屋へ向かう。
エレベーターから降り、長い廊下を少し緊張気味に歩いていると…
ガチャン…
部屋までの距離はわずか数メートル、見間違うことはない、確かに彼の部屋の扉が開くのが見えた。
(*゚ー゚)あれ…?ギコ君かな…
(???)じゃーねギコ、また来るから
明らかに
女の声
声の主はしぃの存在に気付き、振り返った。
(*゚∀゚)ん…?
(*゚ー゚)え…
最悪な瞬間だった。
彼の部屋から出てきたのは、実年齢より幼く見られがちなしぃよりも遥かに大人びた、少し派手な女性だった。
(*゚∀゚)あはっ、もしやギコの彼女さんかなー?
その女性は、ケラケラと笑うようにしぃに話しかけた。
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