( ^ω^)とξ゚听)ξが微妙な関係らしいです

  
159: ◆Qr4qH2Xi1M :09/24(日) 03:33 i5rRt7Z1O
  

━━━━━━━━━━

私達は一人一袋、コンビニで買ったグミを持って駅前の公園のベンチに腰かけた。
私はチェリー味を買ったのだが、彼女はというとなぜか発売中止にならないイカ風味カルピス味を買った。
この人の底の深さと恥じらいのなさを感じた。


(*゚∀゚)そう……ツンさんは大学生なの。


ξ゚听)ξえぇ、ここからバスで15分の、シベリア大学です。


ξ゚听)ξつーさんは?お仕事とかしてるんですか?


コンビニから公園に歩くまでに私たちはどちらからともなく名を名乗り、こうして知り合ったの何かの縁だろうと少し話をすることにしたのだった。


(*゚∀゚)私は…まぁフリーターかな。ホント、その日暮の生活。こんな暮らしだと、大学生活ってのもやっぱり憧れるなぁ


つーさんは少し遠い目をして言った。


(*゚∀゚)もっと勉強しとけばよかったかもね。ツンさん、大学は楽しい?


ξ゚听)ξそうですね…私はそれなりに楽しんでる方だと思います。ただ、ああいう自由な空間を楽しいものにするか、それとも同じことの繰り返しのつまらない毎日を過ごすかは本人しだいだと思いますよ


なんとなく私は生真面目に答えてみた。
楽しいか、と聞かれたら確かに私は楽しいと思う。
それでも今日は寝坊して休んでるわけだし、実際今の私には微妙な人間関係のしがらみに捕われないで毎日の生計を建てるのに大変なフリーターのつーさんの方が、よっぽど楽に見えた(もちろんそんなことは口には出せないが。)
そう考えると、今の自分はどちらかというと後者に当てはまる気がした。


(*゚∀゚)あは。ツンさんは真面目な人ね。


つーさんは短く笑うと、右手に持ったイカ風味カルピス味のグミの袋から一つ取りだし、軽い手付きで口に放り込む。


(*゚∀゚)私の元カレがね…今ツンさんと同じ、シベリア大学に通ってるの


ξ゚听)ξへー、名前はなんていうんですか?知り合いかもしれませんよ


つーさんの発言になんとなくそうは言ってみたものの、シベリア大学はいわゆるマンモス校なので、まさか偶然出会った女性の元カレが私の知り合いだなんてことはほぼありえないと踏んでいた。



  
160: ◆Qr4qH2Xi1M :09/24(日) 03:55 i5rRt7Z1O
  

(*゚∀゚)まっさかー。彼から聞いてるわ、大学ってのは高校とは違って凄い大きいから、例え卒業まで毎日真面目に通っても、知り合いになる人は限られてるって


ケラケラと笑うようにつーさんは正論を言うと、今度は少し昔を懐かしむように話を続けた。


(*゚∀゚)私の元カレね、ホントだらしない人だった。部屋はいつも汚いし高校の頃ほとんど勉強しなかったせいで浪人しちゃってたし、夏休みなんかは勉強そっちのけでバイトばっかりしてて。


(*゚∀゚)でも…恋愛だけは真面目な人だった。彼とはバイト先で出会ってね……自分で言うのもアレだけど、一目惚れだって言ってた。


彼女の口調には、私が口を挟めない不思議なものがあった。
ただ思い出を語るにも、事実を淡々と言うだけの人と、思い出してはそのときの感情が豊かに現れる人といるが、彼女は明らかに後者だ。
私はいつの間にか彼女の話に惹かれていた。


(*゚∀゚)猛烈なアプローチを受けてね。。私は初め興味は無かったの。まぁ、私のために必死になってくれてる人がいるっていう事実は凄く心地の良いものだったけど。


(*゚∀゚)今思うと、結構ひどいことしちゃってたなー…あの頃は。わざと気持ちに気付いてないフリして彼の反応を見てみたり、メール返すのを敢えて遅くしたり。


そこまで言うと、彼女は少しうつ向き一呼吸して、また続ける。


(*゚∀゚)少しテングになってたのね。求めてもないのに愛をくれる人が側にいたということに。


ξ゚听)ξでも…


彼女がその元カレにしていた仕打を聞いてるうちに少し疑問の湧いた私は、ちょっとだけ口を挟むことにした。


ξ゚听)ξ最終的に付き合ったということは少なからずつーさんもその方に惹かれたわけですよね。根負けしたんですか?



根負けかぁ……
彼女は小さく溢して、少しはにかんで見せた。



  
162: ◆Qr4qH2Xi1M :09/24(日) 04:16 i5rRt7Z1O
  

(*゚∀゚)あれは、三回目に夕食に誘われた時だったかな……それまではなんとなく断ってたんだけど、その日はいつもより意地悪な気分だったの。私はあの人の誘いを承諾したフリをして、約束の時刻に一時間も遅れて行ったの。そしたらその日は夕立が凄くてね……しかも運悪く待ち合わせ場所はここみたいな公園で、近くに雨宿りができるようなところはなかったの


(*゚∀゚)まさか待ってないだろうとは思ってた。それでも嫌な予感がして私は電話してみた。約束の時刻はもうずっと過ぎてるのに、電話をしてみたの。そしたら震える声で『来るときにタオル持ってきて。待ってるよ』って私に言うの。遅れたことを咎めないで。


凄い…なんて一途な人だろう。
普段から振り回されてて、挙げ句やっと取りつけたデートの約束にも遅刻されて、更にびしょ濡れにまでなってるのに、それでも尚まだ待ち続けるなんて……
無駄にプライドが高く素直になれない私だったら、きっと振り回されてる時点でリタイアしてただろう。


(*゚∀゚)走ったわ、私。ミュールで足の甲が擦れて痛かったし凄い走りにくかったけど、それでも走ったわ。洗い立てのバスタオルを抱えて。はたからみたら異様な光景だったと思う。いい歳の女がタオルを持って走ってるなんて……でも私にはそんなこと関係なかった。早くあの人のもとに行かなきゃ、って。その一心



もう一度下を向き、また前を見るつーさん。


(*゚∀゚)あの時にはもう、私も惚れてたわね…



戻る