( ^ω^)ブーンはバランスゲームに参加するようです。

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:08:45.72 ID:WfZEZ26C0
act.01

ブーンはバスに揺られながら首を窓にもたれかかり、ぼんやりとさっきの不審者のいって
いた事を考えていた。
『厨二病乙。』っと思いたいのだが、しかしこれから行く所が奇しくもゲームが行われる
という場所も同じなのだ。
それに加えて開設してから一ヵ月しか経っていないというのに、ある条件を満たした大人
は子供の国へ連れていかれ帰ってこない。という都市伝説が早くも出来上がっていた。
どちらかというとカルトを信じる方の僕としては、それだけでかなり欝になった。

( ´ω`)「絶対、今しょぼくれた顔してるお。」

ブーンの乗るバスの前を黒いぬこが横切り、三羽のカラスがバスの上を飛び、挙げ句には
靴ひもが千切れるという。
これはどう見ても不吉フラグ、どうもありがとうございました。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:12:02.64 ID:WfZEZ26C0
彼は気を紛らわそうとバスの中を見回した、すると斜め前の席で、(,,゚Д゚)と(*゚ー゚)が 何やら険しい面構えをして携帯の画面をじっと睨み付けていた。
彼は興味深そうに二人の様子を伺っていると、手首に着いている時計に目がいった。

彼とは色違いではあるものの、二人の手首に着いている時計のデザインは全く同じもの
だった。

その時

誰かを〜ここへ誘いなさい〜♪

彼の携帯の着信音が、鳴った。

表示されたアドレスは全く知らない人から、悪戯メールだと思った、しかし、どんな内容
なのか気になりwktkしながら画面を開いた。



17: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/06/25(月) 21:13:40.90 ID:WfZEZ26C0
from:ander_BG@vip.ms.ksms
subject:バランスゲーム参加資格書
貴はこのゲームへ参加する権利を得た事を記します。
まず最初に、拒否権は存在しません。
拒否した場合には、貴の腕時計の特殊機能が作動し、毒が体内に注入されます、それから
ものの一分と待たず死に至ります。
尚、成分は死体解剖が行われる頃には、成分は拡散し消滅をしているため証拠は、一切残
りません。

では、よくよく考えの上での会場へのご到着をお待ちしております。

彼もまた、先程の二人と同様に画面を見たまま固まるしかなかった。
開いてしまった事を後悔していた。
先程の不審者の言っていた事が半信半疑が確信に変わってしまったから。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:16:10.73 ID:WfZEZ26C0
十一時五十分

「終点VIPランド中央入口前、終点VIPランド中央入口前お降りの際には荷物をお忘れなら
ないよう確認してから、手元足元注意してお降り下さい。
またのご利用をお待ちしております。」

バスの扉が開くと同時に、さっきの二人はゆっくりと出入口に恐る恐る外を見回している
と後ろから

(#゚;;-゚)「あんたら、邪魔。退く。」

片言で言葉を話す女性が声が聞こえたので慌てて、二人はバスを降りたのだった。
そのやりとりが終わった事を確認してから、彼も三人に続いてバスを降りた。
乗客全員がバスから降りた事の確認と忘れ物がないかどうか、最後に小さなほうきで奥か
ら順に掃いて、乗客の乗り降りする場所から掃いたゴミを捨てた。
再び運転席に着くと脇にある操作盤をいじり、電工掲示板の表示を終点VIP駅に変え再び
発車した。
出てからしばらく真っすぐ行くとそのバスは、交差点を右折して、姿が見えなくなった。
彼はそうなるまで見送りながら、途方に暮れるかのように、これはもう笑うしかない時に
浮かぶあの奇妙な笑みが交じったような表情で立ち尽くすしていた。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:18:04.27 ID:WfZEZ26C0
実際はたったの数分の間なのだが、彼には凄い長い時間、降りたままの状態のままたって
いた気がした。

そして彼は考えていた、これからどうすればかと。

やがて導き出した答えは

( ω )(行くしかないお…行ってクリアして、そんで警察に通報してやるお。)

ポケットから素早く携帯を取り出す、そしてメール機能を開いた

to:ドクオ
subject:今日はすまんこ
カーチャンに今日最も重大な夕飯の雑用を頼まれたお。
他のメンバーとたの

手の動きがそこで完全に止まった、というよりは震えていた、彼自身の耳には自分の心臓
は破裂するんじゃないかってくらいに、音が大きく聞こえいた。

( ゚ω゚)(ハァ、ハァハァ)



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:19:17.48 ID:WfZEZ26C0
いつの間にか彼の息は荒くなっていた。
なんとか、その上がった息を彼は落ち着かせようとしていたようなんだけど。
その時、彼は何を考えていたのか文章を全部消して一から書き直し始めた。
目の前には勝手に動く手が一語一句しっかりと考えながら、相手に思いが伝わるように、
またあまり心配をかけないように工夫をしながら、書き進めていく。
粗方出来上がると、念のため二・三回読み直して中身を確認した、これなら大丈夫だと頭
は思ったようだった。
深呼吸をゆっくりと一回して、静かに送信ボタンを押していた。

人は架空かもしれないのに、連続して不安や恐怖が起こるかもしれない事を連想させるよ
うな出来事が続くと、精神的圧迫感から睡眠をとるか、自己感覚をずらすかして苦しみを
軽減させようとする傾向があるらしいです。

震え続ける手で、携帯を再びポケットにしまう。

真っ赤な傘



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:20:27.03 ID:WfZEZ26C0
(::、:::*川「ようこそ、アンダーVIPへ。
説明会場へは、これよりこの赤の案内人がご案内させていただきます。
よろしいですね?
ギコ様、しぃ様、ブーン様、そしてでぃ様。」

不審者はバス停で突然消えた時と同様に突然、僕らの前に再び姿を見せた。

でぃと呼ばれた人物は物凄い形相で赤の案内人を睨み付け

(#゚;;-゚)「案内人、会いたかった、殺す」

片言ではあるが物騒で、その頃は素人もいいところの僕でさえ、わかる程に強大な殺気を
放っていた。

その手には、女性には似付かわしくない大きな鞄。
ジッパーをおもむろに開けると中から東急ハンズで売っているような、大きさの斧を取り
出した。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:22:12.53 ID:WfZEZ26C0
一方、斧という名の凶器に狙われている案内人は、開いていた傘を閉じ、そのまま刀を引
き抜くような構えになった

その時

『そんな事しちゃって…いいのかな?いいのかな?』

僕らの持つ腕時計から可愛らしく、澄んだ女の子っぽい声が、その声が聞こえるや否や赤
の案内人の肩がびくっと震わせた。

傘の真っ黒な柄と焦げ茶色の持つところの隙間から少し見えていた銀色の何かを静かに収
める。
それから、不審者はワンテンポ間を置いてから、上品にほほ笑み優雅に一礼し、優しさと
冷たさの交じった声で、ただ業務的に陳謝の言葉を陳べた。

(::、:::*川「これは大変失礼致しました。
改めてご案内をさせていただきます。」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:23:56.07 ID:WfZEZ26C0
そのやりとりを見ていた、彼はその場で呆然とまぬけ面で立ち尽くし、しぃとギコと呼ば
れた二人は蒼白な表情でカタカタと口が鳴らしながら、互いに抱き締めあっていた。

恐怖からか感覚が麻痺したからか、ブーンとギコは薄ら笑いを浮かべたっていた。しぃは
プツリと糸が切れたかのようにギコにもたれかかり気をうしなったみたいです。
指示を聞きやっと四人は歩き始めたのだった。

(゚ー゚#,,)「フン、業務的な態度、変わらない。」
でぃと呼ばれた人は、不服そうな返事をしながらも歩きだし

(゚Д゚,,)「お、おう。行くぞ、しぃ。」

声は震えていたがしっかりとしぃと呼ばれた人の手を握り、ふらふらとした歩調で歩きだ
した。

(;ー;*)「うん、うん、ギコ。」

しぃと呼ばれた人は、ギコさんの手を強く握り返し何度も何度も、頷くばかりだった。
しぃさんはギコさんに手を引かれながら歩き始めた。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:27:54.84 ID:WfZEZ26C0
( ^ω^)「は、はい、ありがとうございますお。」

(;^ω^)(これはダメかもわからんおね。)

北門を通り過ぎ見えてきたもの、いつからそこにあるのかわからないくらいに錆付いた、
関係者以外立入禁止と看板があった。



その向こうに廃墟にしか見えない洋館があった。


赤の案内人と名乗った人に従いその中に僕らは入っていったのだった。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/06/25(月) 21:28:56.84 ID:WfZEZ26C0
Act.01
















                                              fin.



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