( ^ω^)ブーンはバランスゲームに参加するようです。

2: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:00:37
act.02
彼らは赤の管理人に連れられ外見からは廃墟としか思えないような洋館の中へと入って
いった。

そこは白く少し大きめなホールがあり、その両脇に赤と青の通路が見えた。
そのホールには十名弱の人が集まっていた。
彼はその辺を見回して、そばに手頃な大きさの家具がある事に気がついた。
服が汚れるのは少々嫌だったが座わる事にしたようだ。



3: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:01:03

今おかれている状況を頭の中で整理を始める。

・カーチャンのお茶目さん事件(カーチャン命名)
・不審者と確定メールキター(゜∀゜)ー!!
・やたらとスゲー説明会場だお!

朝から……ついてない。
忌々しいくらいについていない。

今日の出来事を思い出しさらに欝になった彼は座っていた場所から立ち上がる。
壁まで移動をすると両手でもたれかかり俯く。
それからブツブツとかなりマイナスな事を呟きだした。

これはしばらく止まる様子はないので案内人たちの説明が始まるまでの間、他の人物を見
に行く事にします。



4: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:01:31

今から三十分前―――
とある男の子は能天気に
(::A::)「タヌっキえもん〜♪タヌっキえもん〜♪
ほにゃららっぱ、ほにゃららっぱ、タヌキえもん〜♪」
例の歌を口ずさんでいた。

空は快晴。
雲一つない青空が広がっている、しかし気温は相当暑かった。
そんな中彼は陽気歌い自転車を漕ぎながら、一ヶ月前に家から十分の場所に新設された
VIPランドへと向かっていた。
しかし遊園地とは一人で行っても全然楽しくないので複数の友人に誘いのメールを出した
ところ、三人から行くという返事があった。

ギリギリジンジン♪
生活費〜がぎりぎりだ♪

あ、携帯が鳴った。

彼は器用にも漕ぎながら腰のポケットから厨ニ病色の携帯を取り出し画面を開いた。



5: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:02:05
from:ブーン
subject:行けなくなった、すまんお。
本文:急遽、親戚の用事で三・四日家を留守にすると思うお。
ちなみに、缶詰め生活になるからメールしても返信できねーからよろすくおー。
じゃあ、ばいぶー!!!

メール機能をを閉じた時、目の前にあの青の管理人が俺の前に現れた。
そいつの出した条件を呑む代わり俺の方の提案も呑んで貰った。
その上で今この場所にいる。

彼の思考が現在へと追いついた時

会場に大きく軋んだ音が響き渡る。

彼は音のする方へと視線を向ける。



6: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:02:32
参加者達を案内する際に使われた入口が閉まっていくところだった。
それを聞きその様を見て、怯える者、慌てる者、ため息を吐く者、静かに見守る者など多
種多様な瞳を扉へ向けていた。
大きな音を立てて閉まりきる音がするのと、ホールの両脇の通路のうち右側から赤の案内
人が左側からは青の案内人がそれぞれ入ってくる音が聞こえて来たのは同時だった。

左右対称に優雅にお辞儀をすると、パーティーやなんかで必ずある初まりの言葉をリズム
良く、いやどこか歌うように。

('、`*川「ようこそ、バランスゲームの説明会場へ」
川Д川「これより主から挨拶とゲーム説明があります。」

('、`*川「どうぞ寛いで、お聞きください。」川Д川



7: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:02:57

二人が再び頭を下げるのと同時にどこからともなく声が流れてきた。

『初めまして…あれれ〜?お久しぶりの子もいるよ〜?

ゲームが始まったら色々大変だと思うけど、頑張ってね〜。
うん、長い挨拶は嫌だと思うからこれでおしまい。』

声の主は適当に済ましてしまうと、このゲームにおいて最も要といえるルールについて話
始める。

『んーと、次は〜ルールの説明だね。(カサカサ)
その1、各フロアにいるそれぞれの狩人さんの嗜好に合わせてルールが一つ増える。
その2、ルールを守って各フロアに存在する特定条件を満たせたらクリア。
その3、他のチームに遭遇して起きた出来事は一切こっちは責任を持たない。
その4、各フロアへ侵入できる回数は三回だよ。』

声の主はそれから三秒くらい間を空けて

『理解、は…できたみたいだね〜。
それじゃ〜赤と青、皆に一つずつ武器を選択させてあげて。』

二人の案内人が赤と青のスイッチを同時に押すと、白いホールの中央が円形に開いた。
そこに様々な種類の武器詰め込まれた黒い箱がせり上がってくる。
完全に出てくると、一人だけ足を踏み出し



8: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:03:22
(#;;゚‐゚)「うち、いらん?いる?」

その人が静かに問うと、案内人の片割れが手のひらほどの真っ赤なトランシーバーを赤と
黒が基調のゴスロリ服のポケットから取り出す。
すぐ様、でぃさんの質問した事を聞いているようだ。

やがて一分ほど経った頃に話にキリがついたのか、ふたたびこっちを向いた。

('、`*川「主の許可がおりましたので、どうぞ。」

答えを聞くとでぃさんは静かに頷いて、またそっぽを向いてしまった。

ちなみにどうでもいい話だが、ブーンの趣味はいい意味での人間観察。
決して幼女ウォッチングやストーカーと言った類ではなく、ただ道行く人の職業は何かと
かそういった事を想像するのが好きなのである。
そういうわけで彼はしっかりと観察するような目で見ていた。
それはあまりに些細な変化だった案内人の口の端が微かに、本当に微かだか釣り上がった
ように見えた。



9: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:03:40
楽しんでいるお……?

そもそもこいつらは頭がおかしい、どうかしている。

じゃなきゃ、こんな事はしないお?

いや、できない。



早く、早く出なければ





ただ、純粋にそう思った。

文句を言おうと口を開きかけた時、



10: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:04:06
(@Σ@;)「ちょwwwwふざけんなwwww」

外見からはDQNな人間がじたんだを踏むように足をばたばたさせて文句を口にした。

青の管理人の持つ青いアサルトライフルの銃口が彼の方を向いた



そして



11: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:04:33
花瓶が落ちて割れたような音と頭から真っ赤な血と灰色の脳みそが噴水となって排出され
たのは、ほぼ同時だった。

その場にいる案内人と参加者の一部を除く全員が地面へとへたりこむか、その場に立ち尽
くしていた。
しかし僕にはまるで映画かなんかの一場面を映し出されている感じだった、あぁ先輩の時
と同じ感じだ。

(#;;゚‐゚)「相変わらず。(ボソリ)」
彼女は参加者の中で冷静に一言呟いた。

川Д川「メールでお届けした通り、貴方方に拒否権は存在しないと言うことを忘れないよ
うにお願いします。」

青の案内人は自分の武器を後ろの壁にもたれかけさせながら順番に武器を選ぶように告げ
る。
先程までひそひそと話していた者もさきほどのあまりに無造作に殺人を行うのを見せられ
た。
その恐怖からか放心しているのかわからない瞳でその様子を見て黙った。
もちろん微妙に感覚のピントがズレてしまっているブーンも空気を読んで静かにした。
他より若干余裕のあった彼はそのまま周囲を見回す。

すると本棚にもたれ掛かっている川 ゚ -゚)に気がついた。

あれは―――



12: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:05:09

あれはクー先輩、彼が好きで憧れだった人。
半年前の冬休みに突然失踪してしまった人。

( ^ω^)はそろり、そろりと彼女に近づいていく、

( ^ω^)「クー先輩、お、おいすー。」

普通に話そうと声を出すが、挨拶さえも震え上手く声として出せなかった。

それに対し何事もなかったかのように、

川 ゚ -゚)「あぁ久し振りだな、ブーン。」

振り向いたその瞳は、最後のあの日とは違い少しくすんだ色をしていた。
そのままの姿勢で顔をブーンに向ける。

さらに言葉を続けて

川 ゚ -゚)「ここにいるということは、お前もこのゲームの参加者なんだな…。」

前半は失踪以前のままの口調で、後半は表情に微妙な影を落としていた。
しかし彼は動揺と混乱、懐かしさ、悔しさ、嬉しさといった様々な気持ちが入り混じり、
それに気づけるだけの余裕がなかった。



13: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:05:53
( ^ω^)「そ、そうなんですお。
ところで先輩はこの半年の間何をして過ごしていたんですかお?」

クーは一旦目を閉じ考えるような動作をする。

川 ゚ -゚)「…ホームレス、かな。」

その唇からは予想外な言葉が発せられた。
確かに服装はボロボロだし痩せていたからちゃんとした物を食べているのか心配だった
が、まさかホームレスになっているとは思っていなかった。

その時

先輩の向こう側からよく知っている顔が近づいてくる事に気がついた。

(´・ω・`)「ブーンじゃないか。」

しょぼくれた顔をしているのがショボン。

('A`)「っで、脇にいる女とはどんな間柄なんだ?w」

無礼きわまりない事を平気で言ってのける不健康そうな奴はドクオ。

(;^ω^)「べ、別にお前らが期待している様な関係じゃねーお。」

その発言が余計に煽りを大きくさせた。
その煽りの最中にブーン、クー、ショボン、ドクオの順に赤の案内人に呼ばれ、各々に武
器を選んだ。

やがて最後の一人が武器を選び終えて、その黒い箱から離れると



14: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:06:19
渡辺『これで皆は、武器は決定なのかな〜?』

少し間を開けてその場にいる参加者の意思を確認しているようだ。

渡辺『アトラクションは全部で十種類、とりあえずこのホールの色は白いから私のルール
追加いくよ、全種類のアトラクションを一度は通ること!以上。』

二人の案内人に最初の扉を開けるのに必要な鍵が渡された。
チームを組んだ者はチームで、単独の者は単独で持たされた鍵と同じ番号の扉へと入って
いった。
これから地獄が待っている事も知らずに。



15: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:06:41






                             act.02 Fin



16: 三毛猫 ◆m.91kOntYQ :2007/08/17(金) 21:07:57
今のところわかっているキャラと武器の一覧
( ^ω^)→スワット
川 ゚ -゚)→P90(プロジェクト90)
('A`)→M93F(ミリタリー1995なんちゃら)
(´・ω・`)→B11(ベレッタ11)
(#;;゚‐゚)→大斧(西洋式斧Lサイズ)
川д川→青いアサルトライフル
('、`*川→???
(,,゚Д゚)→???
( *゚ー゚)→???



act.03 予告
最初の部屋で待っていたのは、火の海の迷路。

走れば酸欠、止まれば焼身体。

生きる術はいち早く次のアトラクションへ脱出する以外にないだろ…常考。
しかし追加されたルールにより無理を強いられるブーン達、彼等は全員無事に脱出なる
か!?



戻るAct.03