( ^ω^)はミュージカルをするようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:00:53.01 ID:MqBbVWvyO
三曲目・ショボン
(´・ω・`)(……深刻な事態になったもんだ)
ショボンは部下達と共に深夜の港にいた。
取引き相手である中国人マフィアを待っていたのだ。
今夜の取り扱う商品はヘロインだった。
(´・ω・`)(今ならごまかせるか?
……いや、しかしどうやって……?)
ヘロインは日本でそれほどポピュラーなドラックではない。
なので、ショボン達は商売としては初めて扱う品物だった。
そのせいで些か緊張もしていた。
(´・ω・`)(冷静になるんだ……落ち着け……)
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:02:15.74 ID:MqBbVWvyO
ショボンの上役――つまり組長――は荒巻という男だ。
彼は脱法ドラックに飽きた不良共が新たに供給されるヘロインを見たら、
舌舐めずりをしながら飛び付くに違いないと確信していた。
(´・ω・`)(問題は量だな。子犬ぐらいあるぞ?)
流行というのは便乗するのではなく、派生させた者が一番儲かる。
常日頃からそう考えていた荒巻は、自分の思い付きに垂涎した。
彼の期待に答えるためにも、
ショボンは今夜の取引きを絶対に成功させなくてはならなかった。
(´・ω・`)(時間が起てばおのずと臭うだろう。手を打つなら早い)
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:05:43.14 ID:MqBbVWvyO
だがショボンは重大なミスを犯してしまった。
取り返しのつかないほどの大失態だ。
(´・ω・`)(……しかし……どうすれば……?)
ショボンは大量の糞をもらしていたのだ。
おもらしなんて可愛い言い訳が全く通用しないぐらい、
ダイナミックに脱糞してしまっていた。
―――――
ショボンは荒巻の恐ろしさを誰よりも知っている。
伊達に長年彼の下で働いていない。
二日程前にもその逆鱗に触れた者がいた。
ある芸能プロダクションの社長だ。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:08:48.94 ID:MqBbVWvyO
荒巻はその社長にみかじめ料だの守り料だのを払えと因縁をつけ、
無茶な屁理屈で金を絞り取ろうとしたのだが、
彼は取り合わずに一笑に付した。
しかしそれが不味かった。
その結果、社長は拉致されて酷い目にあったのだ。
体中にバターを塗られて野犬と戦わせられたり、
全裸で車の上に縛られつけられて町内一周されたり、
趣味でこっそりと書いていた官能小説を田舎の母親に朗読させられたり、
と様々な目にだ。
一昼夜に渡り筆舌に為がたい責苦を受けた社長は、
根をあげて莫大な現金を荒巻に払うことを決めた。
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:09:42.50 ID:MqBbVWvyO
昨日、自分が社長の所へ金を受取り行った時、
彼は死人の様な顔つきになっていたものだ。
荒巻組長。
実に恐ろしい男だ。
もし、今夜の取引きがこの糞のせいでご破算になったら、
今度は自分が制裁される番だ。
それだけは、なんとしてでも避けなくてはならなかった。
―――――
(´・ω・`)(三十を越えて漏らしてしまうとは、俺もまだまだキッズだな)
(´・ω・`)(……さて、それよりこの場をどう乗り切るか、だ……)
ショボンは必死に頭を回転させ、打開策を考えた。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:12:18.56 ID:MqBbVWvyO
(´・ω・`)(……まずは状況の把握だ)
幸か不幸か、もらした大便はブリーフパンツのお陰で
足元へと落下することはなかった。
自らが産み出した汚物はラクダのコブのように
パンツをこんもりと盛り上げている。
いまこの場には自分を含め、三人いる。
さすがに後ろの部下二人はこの糞に気付いているだろう。
(´・ω・`)(なんせ不自然にズボンが膨らんでいるからな)
必死に考える。
どうやってこの逆境を切り抜けるべきか。
(´・ω・`)(ドジっ娘風に切り出すか?)
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:14:44.74 ID:MqBbVWvyO
―――――
(*´・ω・`*)『てへっ!うんち漏らしちゃったぁ!』
(部A`ゝ´)『やだなぁ!ショボンさんったら!』
(部B`ゝ´)『コラコラ!ここは大事な取引き現場ですよ!』
(´・ω・`)(部A`ゝ´)(部B`ゝ´)『あはははは!』
―――――
(´・ω・`)(これは無いな)
(´・ω・`)(泣き落としってのは?)
―――――
(´;ω;`)『すまん、脱糞してしまった。我慢出来なかったんだ』
(部A`ゝ´)『……気にせんといてください』
(部B`ゝ´)『そうっすよ!それより椅子取りゲームでもしましょうよ!』
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:16:08.27 ID:MqBbVWvyO
(´・ω・`)『ばっかやろ〜!今やったら俺が不利じゃねぇか〜っ!』
(´・ω・`)(部A`ゝ´)(部B`ゝ´)『あはははは!』
―――――
(´・ω・`)(展開に無理があるな)
(´・ω・`)(じゃあ、意表をついて逆ギレはどうだ?)
―――――
(#´・ω・)『テメーらのせいでクソ漏らしたじゃねぇかぁぁぁっ!!』
(部A`ゝ´)『えっ!?』
(部B`ゝ´)『ひっ!ひい!』
(#´・ω・`)『ぶち殺すぞボケ共がぁぁぁぁっ!!』
―――――
(´・ω・`)(……ん?待てよ……)
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:17:42.27 ID:MqBbVWvyO
ショボンは辺りを見渡した。
自分達が早めに着いたので、取引き相手の上海マフィア達はまだ来ていない。
(´・ω・`)(……今なら皆殺しに出来るかもな)
銃を取り出し、二人を撃つ。
それから、急いでこの場を離れ、
死体を見付けて驚くであろう上海マフィアも死角から撃ち殺す。
そしてドラックと金を回収し、
荒巻には、中国人達がいきなり襲ってきたので返り討ちにした、
と説明すればいい。
(´・ω・`)(……)
ショボンは上着の内側に手を入れながら後ろを振り向いた。
( `ハ´)「お待たせアルよ〜!」
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:19:47.77 ID:MqBbVWvyO
そこには取引き相手の上海マフィアが三人いた。
(部A`ゝ´)「うおっ!いつの間に!?全然気付かなかった!!」
(部B`ゝ´)「だから急に振り返ったんすか。鋭いっすね、ショボンさん!」
(;´・ω・`)(もう来やがったのか!?)
上海マフィアは焦るショボンを見て目付きが鋭くなった。
( `ハ´)「……その手は何アルか?銃でも取り出す気アルか?」
(部A`ゝ´)「テメーらが黙って近付くからだろうが!」
(部B`ゝ´)「撃たれなくて運が良かったな!」
(´・ω・`)(クソ!相手が多すぎる!これじゃ殺し切れん!)
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:22:21.01 ID:MqBbVWvyO
( `ハ´)「わざわざ来た私たちに、これは無礼ではないアルか?」
(部A`ゝ´)「うっせーぞ馬鹿!どっちが無礼なんだよ!」
[壱・八・]「我的老師、侮辱駄目!謝罪要求!!」
(部B`ゝ´)「何言ってるか分からんねーぞ!!この餃子野郎!」
[弍・八・]「腐日本人!寿司的愚者!漫画馬鹿!!」
(;´・ω・`)(どうする?どうすればいい!?)
(# `ハ´)「いい加減その手を下ろすアルヨ!!
それともこの場で戦争開始アルか!?」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:23:48.20 ID:MqBbVWvyO
(´・ω・`)「……落ち着けよ。
別にあんたらを撃つつもりなんかなかったんだ」
( `ハ´)「……ゆっくり手を下ろすアルよ」
ショボンは何も持っていないことを相手に見えるように、
掌を広げて上着から手を抜いた。
( `ハ´)「そう、それで良いアル」
(´・ω・`)(………)
( `ハ´)「……次は」
(;´・ω・`)(っ!?)
( `ハ´)「その尻の辺りに隠したものを出してもらうアルヨ」
(´・ω・`)「……なんのことだ?」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:24:36.47 ID:MqBbVWvyO
( `ハ´)「クックックッ……さっきお前が後ろに向いてた時、
ズボンが膨らんでたのが見えたアルヨ?」
(;´・ω・)(……こっ、この野郎………)
(´・ω・`)「膨らみ?何を言っているんだ?」
(# `ハ´)「水掛け論は嫌いアルヨ!早く出すヨロシ!」
もう誤魔化しはきかない。
だが素直に糞を取り出したら、人として終りを告げられる。
(´・ω・`)(……仕方ないな)
(# `ハ´)「早くするアルヨ!!殺されたいアルカ!?」
(´・ω・`)「お断りだ」
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:25:36.35 ID:MqBbVWvyO
(# `ハ´)「死にたいアルか!?なぜ出さないアルか!?」
(´・ω・`)「なぜならこれは……」
(´・ω・`)「ダイナマイトだからさ!!」
(;`ハ´)「!?」
[壱・八・]「!?」
[弍・八・]「!?」
(部A`ゝ´)(マジでっ!?)
(部B`ゝ´)(うんこかと思ってた)
(;`ハ´)「どっ…どういうことアルカッ!!?」
(´・ω・`)「……こんなこともあろうかと思ってな……用意しておいたんだ」
(´・ω・`)(こんなことってなんだろう?)
(;`ハ´)「……じゃ、じゃあ、早く出すアルヨ……」
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:28:17.00 ID:MqBbVWvyO
(´・ω・`)「だからお断りだと言ってるじゃねえか」
(;`ハ´)「………なぜアルカ?」
(´・ω・`)(……えーとっ)
(´・ω・`)「このダイナマイトはな、高性能の最新式でよ、
下手に扱うとすぐに爆発しちまうんだ」
(;`ハ´)「……」
(´・ω・`)「だから不用意にこいつを取り出そうとすると……ドカンといくぜ?」
(;`ハ´)「………」
(*´・ω・`)(うおおおおっ!なんとかなったぁぁぁぁぁっ!
俺って天才じゃぁぁぁぁぁんっ!!)
( `ハ´)「……ん?」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:30:13.00 ID:MqBbVWvyO
(´・ω・`)「?」
( `ハ´)「この辺、なんか臭くないアルカ?」
(;´・ω・`)(!!!?)
ショボンは反射的に、だが恐ろしく素早く拳銃を取り出した。
[壱・八・]「!!」
[弍・八・]「!?」
自分達のボスに銃を向けられた上海マフィア達も、慌てて銃を抜く。
それを見たショボンの部下達も銃を取り出した。
(# `ハ´)「何をしているか分かってるアルカ!!」
(#´・ω・`)「テメーが舐めたこと吐かすからだろうが!!」
(# `ハ´)「ちょっと臭いって言っただけアルヨ!!」
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:31:11.89 ID:MqBbVWvyO
(#´・ω・`)「臭いってなんだ!!
どこにうんこがあるっつーんだよ!?答えろ!!」
(# `ハ´)「うんこなんて一言も言ってないアル!!
文句があるなら自分の耳に言うアルヨ!!」
[壱・八・]「銃下向!最速!」
(部A`ゝ´)「黙れよラーメンマン!口が臭ぇ!!」
[弍・八・]「完全殺害!覚悟!!」
(部B`ゝ´)「テメーらの死体は棺桶じゃなくて岡持ちで送ってやるよ!
出前だな、出前!!」
怒声をあげながらお互いに銃を向け合う六人。
まさに一触即発の状態だった。
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