( ^ω^)はミュージカルをするようです
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:43:28.19 ID:MqBbVWvyO
(#´・ω・`)「いいや!言ったね!うんこの匂いがするってほざいたね!!」
(# `ハ´)「だから言ってないって言ってんだろうがボケ!アル!」
( ^ω^)「あの……ちょっと……」
[壱・八・]「謝罪要求!沈黙要求!!完全殺害良?絶対殺害本気!!」
(部A`ゝ´)「マジ息してんじゃねぇよっ!そんなに止めて欲しいのか!?」
( ^ω^)「……喧嘩はいけませんお……」
[弍・八・]「根暗民族!自宅籠城民族!童貞集団!二次元夢中!不快!!」
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:45:22.35 ID:MqBbVWvyO
(部B`ゝ´)「そうだ!今テメーらのせいでマグロが減ってるらしいじゃねぇかっ!」
(部B`ゝ´)「ぶっ殺してやるから餌になれ!増やせ!!」
( ^ω^)「もしもーし」
(#´・ω・`)「あーあ!分かりました分かりました!!
出せばいいんでしょ、出せば!!」
(# `ハ´)「出すって脳味噌アルカ!?
初めから空なんだから恥じかくだけアルヨ!!」
(#´・ω・`)「脳味噌だぁ!?味噌は味噌でも……」
ショボンは手をズボンに突っ込んだ。
(#´・ω・`)「糞味噌じゃあ!!!」
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:49:22.23 ID:MqBbVWvyO
自分の大便を取り出したショボンは、勢いよく相手の顔に叩き付けた。
( `ハ※)「………」
[壱・八・]「………」
[弍・八・]「………」
(部A`ゝ´)「………」
(部B`ゝ´)(やっぱうんこだったんだ)
(#´・ω・`)「ざまぁみろ!!バーカ!!!」
大笑いしながら辺りを跳び回るショボン。
上海マフィアのボスの顔には大量の糞がこびりついていた。
( `ハ※ )「……雄…」
(# ゚ハ※ )「呉雄雄雄雄雄雄雄雄雄!!!」
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:51:30.55 ID:MqBbVWvyO
怒りで顔をマグマの様に赤く染めながら、
ショボンに引き金を引こうとするマフィアのボス。
(# ゜ハ※ )「雄亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜!!!」
だがその瞬間、手は掴まれた。
指を押さえ付けられ、引き金は引かれなかった。
( ^ω^)「………」
(# ゜ハ※ )「何者!!?邪魔者殺害!絶対殺害!!」
ボスの手を掴んでいたのは、柔和な表情をした青年だった。
(´・ω・`)(……誰だこいつ?
つーかいつから居た?)
ショボンの疑問はその場にいた全員が同じように思っていた。
( ^ω^)「……喧嘩は駄目ですお」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:52:25.44 ID:MqBbVWvyO
(部A`ゝ´)「なんなんだテメーは!?ぶっ殺すぞ!!」
[壱・八・]「消失要求!早急!!」
(# ゚ハ※ )「手解放!!殺害実行!?絶対本気!!」
(´・ω・`)(……ん?……なんか見たことある気が………)
改めて青年の顔を見ると、確かに見覚えがあった。
つい最近、どこかで見たはずだ。
( ^ω^)「……僕は昨日、暴力をふるってしまいましたお」
( ^ω^)「その浅はかな行動のせいで今は凄く後悔していますお」
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:54:23.51 ID:MqBbVWvyO
( ^ω^)「怒りに身を任せて相手を傷つけると、
その傷必ず自分に返ってきますお」
(´・ω・`)(あっ!こいつ!)
( ^ω^)「だから喧嘩は駄目ですお。
それにきっと僕らは、仲良くなれるはずなんですお」
(´・ω・`)(昨日、芸能プロダクションで無茶したやつじゃ……!?)
(部B`ゝ´)「はあ?何言ってんの?」
[弍・八・]「我困惑」
( ^ω^)「踊ろうお♪ブンブブーン♪」
唐突に歌い出した青年は
マフィアのボスの手を握ぎり、腰を抱き、ステップを踏み始めた。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:56:04.27 ID:MqBbVWvyO
(;`ハ※)「?」
( ^ω^)「歌おうお♪ブンブブーン♪」
(;´・ω・)「………?」
( ^ω^)「笑おうお♪ブンブブーン♪」
その場でくるりと回されるボス。
バランスを崩し倒れそうになるが、青年がそれを支えた。
(# `ハ※)「なにす――」
( ^ω^)「み・ん・な・で」
( ^ω^)「仲良くしようお♪」
( ^ω^)「ブブン♪ブーン♪」
そこで突然、銃を構えていたはずのショボンの部下がタップダンスを踊り出した。
辺りには靴から鳴る、カッカッカカッカッという音が響いた。
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/06(金) 23:57:38.86 ID:MqBbVWvyO
(;´・ω・`)「……おい、なにやってんだ?」
(部B`ゝ´)「でも〜僕らは〜♪敵対して〜る〜♪」
(;´・ω・`)「!?」
(部A`ゝ´)「そうだよ〜無理だよ〜♪仲良くするなんて〜♪」
(;´・ω・`)「??」
( ^ω^)「そんなこと言わずに踊っちゃお♪肩を組んで歌っちゃお♪」
[壱・八・]「上手く〜いかない〜♪そんなアイディア〜♪」
(;´・ω・`)「っ!!?」
[弍・八・]「土台〜僕らは〜♪分かりあえっこない〜♪」
(;´・ω・`)(こいつら日本語喋れたの!?つーか、なんで歌ってんの??)
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:07:15.98 ID:B64nJNxSO
( `ハ※)「な・ぜ・な・ら」
(;´・ω・`)「っ!!!??」
青年から離れたボスは自分の部下達の元へ行った。
( `ハ※)「今は喧嘩の真っ最中♪現代社会の合戦中♪」
三人で横に並び、同じ振り付けの踊りをする上海マフィア達。
( `ハ※)「俺らマジなギャングだし♪退いたら格好がつかない死♪」
いつの間にかショボンの部下達も一列に並び、
マフィア達に対するように踊っていた。
(部A`ゝ´)「そのぼざく口♪黙るどのみち♪」
(部B`ゝ´)「ケリをつけねぇのは男の恥♪殺る気満々本気のマジ♪」
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:09:07.93 ID:B64nJNxSO
(;´・ω・`)(……なんだよこいつらは……)
( ^ω^)「だったら踊りで決めようお♪リズムとダンスでファイトしお♪」
青年は両手を広げて回り出した。
( ^ω^)「ブンブブーン♪ブンブンブーン♪」
再び、カッカッカカッカッという音が鳴る。
ショボンの部下がタップダンスを踊っていたのだ。
( `八※)「ブンブブーン♪ブンブンブーン♪」
大きく一度、足を振り上げてから飛び上がるボス。
(部A`ゝ´)「ブンブブーン♪ブンブンブーン♪」
胸を張り、手を頭上で交差させて地面を膝で滑るショボンの部下。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:10:56.05 ID:B64nJNxSO
(*゚ー゚)「ブンブブーン♪ブンブンブーン♪」
そこにイカを振り回しながらヘッド・スライディングしてくる女子高生。
(´・ω・`)「まーた変なの来やがった」
海の沖では鯨がシオを吹いていた。
鯨「ブシュー」
( ^ω^)「踊ろうお♪」
(部A`ゝ´)「ブンブブーン♪」
( ^ω^)「歌おうお♪」
[壱・八・]「ブンブブーン♪」
( ^ω^)「笑おうお♪」
(*゚ー゚)「ブンブブーン♪」
( `ハ※)「み・ん・な・で」
全員「仲良くしようお♪」
彼等や彼女は、
日中の垣根を越えて踊りあっていた。
声を張り上げ歌いあっていた。
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:14:27.97 ID:B64nJNxSO
微笑みながら両手を広げて走る青年。
イカとタンゴを踊る少女。
そして上空へ拳銃を発砲するヤクザとマフィア達。
(;´・ω・`)(おいおい、撃つなよな……)
リズムをとる様に浮き沈みする鯨。
鳴き声をあげながら低空飛行するカモメ。
拍手の音の様な水しぶきをあげる鰯達。
(´・ω・`)(………)
自分はいま何をしているのだろうか?
今夜は重要な取引のはずだった。
だが、糞を漏らして台無しにした。
それを必死でフォローをしていたはずだ。
でもなぜか周りの奴らは歌っている。
- 58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:16:30.87 ID:B64nJNxSO
切った張ったのこの稼業。
今更ながら思うが、実は向いていないのかもしれない。
(´・ω・`)「……足洗うか」
ただの思い付きを口に出す。
すると、その考えが思ったより悪くない気がした。
楽しそうに騒ぐ連中を見る。
少女の抱くイカが墨を吐き、彼女の顔は黒くなった。
イカ「ブシュー」
( ^ω^)「踊ろうお♪」
(部B`ゝ´)「ブンブブーン♪」
中国人達が持ってきたアタッシュケースを開ける。
( ^ω^)「歌おうお♪」
[弍・八・]「ブンブブーン♪」
中に入っていた白い粉を取り出す。
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:18:09.18 ID:B64nJNxSO
( ^ω^)「笑おうお♪」
(*゚ー゚)「ブンブブーン♪」
粉を包んでいた袋を破く。
( `ハ※)「み・ん・な・で」
全員「仲良くしようお♪」
( ^ω^)「ブブン♪ブーン♪」
ショボンはヘロインを空に撒いた。
惜し気もなくぶち撒けた。
―――――
翌日。
ショボンは商店街を歩いていた。
手には金のつまったアタッシュケースがある。
(´・ω・`)(これで新生活の幕開けだな)
昨夜は自分達が用意した現金をこっそり盗んで逃げてきた。
その場を離れる自分を咎める者は一人もいなかった。
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:19:40.06 ID:B64nJNxSO
なぜか宙を舞うヘロインにも、
誰一人として気に止めなかったように見えた。
恐らく、踊りに夢中だったのだろう。
(´・ω・`)(妙な夜だったな……俺自身も含めてよ)
なぜヘロインをぶち撒けてしまったか?
その理由はいくらでもある。
後戻り出来ない様にするため。
ヤクザを辞める自分へのケジメ。
こき使われた荒巻への当て付け。
しかし一番大きな動機はその場の勢いだったんだろうな、
とショボンは思った。
やりたくなったから、ついやってしまったのだ。
爽快感があったから、それで全てはOKな気がした。
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:21:14.53 ID:B64nJNxSO
(´・ω・`)(偽造パスポートも密航船も手配したし……
やり残したことはないな)
ショボンの足取りは軽い。
これから訪れるであろう、命がけの逃亡生活にも、
なぜか期待感を持つと同時に楽観視をしてしまっていた。
きっと楽しいことが待っているんじゃないかと、気楽に考えていたのだ。
ふと、空を見上げる。
そこには澄みきった青さがある。
それは夏の色だ。
立ち止まってぼんやりと晴天を眺めながめていると、
遠くから歌が聞こえてきた。
街の住人達が隊列を組み、歌い、踊りながら歩いていた。
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:23:09.63 ID:B64nJNxSO
(´・ω・`)(……きっとあいつだな)
ショボンは口許が綻ぶのを自覚した。
あいつに違いない。
その隊列の先頭には、案の定、昨夜の青年がいた。
それ見たことか。
周りの人間は楽器や仕事道具などを持ち寄り、音を鳴らし始める。
中には魚を持ち出した女の子もいた。
昨夜は乗り遅れたが、今度こそは自分もと思い、懐から拳銃を取り出す。
- 69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 00:24:29.85 ID:B64nJNxSO
(´・ω・`)「俺の門出の祝砲と、あんたへの感謝の礼砲を兼ねて」
高く広がる空に向け、ショボンは引き金を引いた。
旱高い銃声は辺りに響き、そのまま音楽に紛れて消えていった。
三曲目・完。
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