( ^ω^)が艦長になったようです

  
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/24(日) 18:52:19.70 ID:+rxJ5zev0
  
Chapter 16

('A`)「総員、戦闘配置!」

戦闘配置の鐘と共に男達は素早く所定の場所についた。砲手は大砲の後ろで待機し、海兵隊員がカトラス刀を腰に携え、マスケット銃を肩に下げている。
もう、あの忌々しいガレー船との距離は4分の1マイルほどに縮まっている。その時、ガレー船から硝煙が上がった。

川 ゚ -゚)「長砲か…」

ガレー船の放った砲弾はウィニー号の右舷、40m程先の海面に音を立てて落下した。
あのガレー船には舷側砲こそ積んでいないが、船首に重砲を1門、船尾に迎撃砲を1門積んでいるようだった。
ガレー船に接近するまでの間、ウィニー号はあの砲の砲撃を受け続けることになる。



  
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/24(日) 18:53:33.19 ID:+rxJ5zev0
  
ロワーデッキの後部では本格的な戦闘が始まる前に、主計長が必死に部屋に散乱した香水のビンをや書類を棚に押し込んでいた。

ξ゚听)ξ「きゃっ」

艦に衝撃が走ると同時に、テーブルの上にあった香水が明細書にシミを作り、強いにおいを発する。
ガレー船から放たれた砲弾の1つが運悪くウィニー号の上甲板に直撃し、ロワーデッキまで穴を開けた。
大した損傷には至らなかったが、数人の船員が軍医の世話になる事になった。

( ^ω^)「掌砲長、砲撃用意だぉ!」
(=゚ω゚)ノ「わかったょぅ!」
(=゚ω゚)ノ「全砲固縛解除、水平維持、砲口栓外せ。鎖弾装填、砲を押し出せぇ〜! 慎重に狙いを定めるんだょぅ!」

ガレー船との間が刻一刻と縮まる。

( ^ω^)「取舵20度だぉ」
川 ゚ -゚)「取舵20度」

航海長が復唱するとウィニー号は左へゆっくりと旋回し、その舷側カロネード砲列をガレー船に向ける。

( ゜ω゜)「右舷砲列、順次射撃開始だぉ!」



  
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/24(日) 18:55:31.26 ID:+rxJ5zev0
  
激しい轟音と共に、右舷は完全に硝煙に包まれ、何も見えなくなる。火薬の臭いが鼻をつく。
視界がはっきりした時、ブーンはウィニー号が放った鎖弾がガレー船の帆布をボロボロに裂いた事を確認する。
しかしガレー船は舷側から櫂を出すと、猛烈なスピードで漕ぎ始めた。その様相はまるでムカデのようだった。

( ^ω^)「これはキメェwwww」

ガレー船は混乱し、必死に逃げ延びようとしている。船員が必死に漕ぐ姿が裸眼で確認できる程に近づいた。

( ^ω^)「掌砲長、今度は葡萄弾だぉ」
(=゚ω゚)ノ「わかったょぅ」

スポンジ棒の焼けるような音と共に、素早く葡萄弾を詰め込んでいく。
そして全砲が押し出されると再び、ウィニー号の右舷は硝煙で視界が利かなくなる。
ガレー船は葡萄弾の縦射を浴び、必死に漕いでいた船員の多くがただの肉塊に成り下った。

( ^ω^)「さっさと拿捕るぉ」

ボロボロに破れた帆布は機能こそしていたが、完全に風をこぼしている。
そして櫂にも限界が近づいてきたようだ。ブーンは海兵隊員を艦の前部に集合させた。
ブーンは本艦の指揮はドクオに任せ、自分はあのガレー船へ乗り込む気でいた。
拿捕してポートマオンへの土産にするのだ。

( ^ω^)「面舵35度だぉ!」

ウィニー号が右に旋回し、ガレー船を真後ろから追う形になる。ガレー船の迎撃砲はウィニー号のメントップからの狙撃によって完全に無力化されていた。
敵の船員がシミターを持って待ち構えている。



  
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/24(日) 18:57:06.28 ID:+rxJ5zev0
  
( ^ω^)「斬り込み!接舷だぉ!」

ウィニー号は速度を緩めずに海賊船に向かって波を裂いていった。
しかし、そのまま全速力でガレー船の船尾に衝突し、その船首についたラムによってガレー船に大きな穴を開けてしまった。

( ;^ω^)「これは失態だぉwwww」

ウィニー号がガレー船の船尾に開けた穴から大量の海水が流入し、船首が大空に向けられる。

( ;^ω^)「斬り込み中止! 裏帆を打たせて船を止めるんだぉ!」

沈んでゆくガレー船の船体がウィニー号の船底を擦る。

(´・ω・`)「ねぇ、ドックン…」
('A`)「…?」
(*´・ω・`*)「ドックンも僕のラムを受け止めてみないかい?」
(*'A`)「アッー!」



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