( ^ω^)ブーンは麻雀の世界に生きるようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 21:55:32.12 ID:8+oQ3z7z0


【第五話:予選、その一】


 7月上旬のとある日曜。
 まだ梅雨も明けていないというのに、予選が開催されるこの日は雲一つ無い晴天であった。

(;^ω^)「暑いお…」

 にじみ出る汗を拭いながら、じりじりと照りつける太陽に
 「そんなに頑張らなくていいお」と思いつつ。
 ブーンはメンバーとの待ち合わせ場所であるニューソク駅の改札口を出た。

( ^ω^)「さすがに早く着き過ぎたかお」

 13時集合だというのに、本来は時間にルーズな彼がその30分も前に到着したのは、
 きっと緊張しているからだろう。

 前夜は熟睡することが出来なかった。
 遠足の前日に子供が眠れなくなるのと同じく、その高揚感で寝付けなかったのだ。
 そして眠りも浅いまま朝9時には起きてしまい、
 勇み足気味にここへ向かって来たというわけだ。

 だが、早くついた所でジャン研の仲間がいるわけもない。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 21:59:02.33 ID:8+oQ3z7z0


 仕方が無いからタバコでも吸うかお、と駅に隣接する喫茶店へ歩いて行き、
 中に入ってゆっくりと席に着くブーン。
 注文したアイスコーヒーを受け取ると、
 外の景色を眺めながらラッキーストライクに火をつけた。

 休日の昼時ということもあって、都内でも有数の繁華街であるニューソクの駅前を
 大勢の人々が行き交っていた。
 視線を上にやると、都会の象徴とも言うべき高層ビル群も見える。

 ふう、と煙を吐きながら、ブーンはぼんやりと考え事を始めた。

( ^ω^)y━~~。oO(この数か月は、本当にあっと言う間だったお…。
           春にサークルを立ち上げて、頑張って人を集めて。
           定例会やセット(※)を繰り返してきて、もう初めての公式戦だお…)

 今までを軽く振り返りながら、トンとタバコを灰皿へ置く。


※セット…身内4人で雀荘に行き、麻雀を打つこと



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:02:08.61 ID:8+oQ3z7z0


( ^ω^)。oO(それにしても、デビュー戦…緊張するお…。
        でもそれはきっと、みんな同じだお。
        だからこそ会長の僕がしっかりしなきゃいけないんだおね…)

 試合直前なのにも関わらず、自分の事ではなくリーダーとして皆の事を考えるのが、
 ブーンなりの優しさなのだろう。
 実際こういった一面があるからこそ、表だって言葉に出さないものの
 会員達は彼を慕っているのである。

( ^ω^)。oO(1人でも多くこの予選を突破出来ますように…)

 そんな祈りを込めながら、吸い終えて短くなったタバコを灰皿へこすりつけた。
 そうこうしているうちに、ふと集合時間5分前になった事に気づく。

( ^ω^)「いけないいけない、またツンにどやされるとこだったお…」

 そう呟くとブーンは慌てて席を立ち、
 てくてくと待ち合わせ場所の“ニューソクDEやる夫象”前へ向かった。

 それは反対方向の改札前にある“やらない夫象”と一対になっており、
 大型駅であるニューソクの定番待ち合わせスポットなのである。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:09:57.13 ID:8+oQ3z7z0


 ブーンが時間ギリギリにやる夫像の前へ到着すると、そこには既にメンバー全員が揃っていた。

( ^ω^)「おお…遅刻者ゼロかお、感心感心」

ξ゚听)ξ「ようやく来たわね…アンタが遅刻しないで安心したわ」

(# ^ω^)「ぼっ、僕は30分前から到着してたお!
       会長の僕がこの一大イベントに遅れるわけないお!」

ξ#゚听)ξ「今までテストに何回も遅れて来た人間が何偉そうに言ってんの!?
        アンタが遅刻する可能性はコーラを飲んだ時にゲップが出るくらい高いのよ!」

('A`)「はいはい、夫婦ゲンカはそれまでだ。暑いからさっさと会場に向かうぞー」

 ブーンとツンの軽い漫才を遮り、仕切るドクオ。

('A`)「ジョルジュのバイトしてる雀荘の支店が会場だったな、じゃあここから案内を頼んだ」

( ゚∀゚)「おう、まかせとけっ」

 こんなやりとりをしつつ、一同は会場へ向かった。
 道中でコンビニに寄り道しつつ、7・8分ほど歩いた場所でジョルジュは足を止める。

( ゚∀゚)「ここだ」

 そこには雀荘の看板の上に「麻雀頂上戦・東京ブロック予選会場」と書かれたポスターが貼ってあった。
 頂上戦は本戦になればホテルのワンフロアを貸し切って行われるが、
 予選は大きめの一般雀荘を貸し切って開催されるのである。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:13:33.37 ID:8+oQ3z7z0


 恐る恐るといった感じで店内に入る一同。
 そこは、30卓はあろうかという広い会場だった。

( ^ω^)「おお…」

 ガヤガヤと参加者の雑談で賑わっている会場内を見渡すと、
 もう既に全卓の3分の2は埋まっていた。

 よくよく見てみると、様々な年代、様々な種類の人間がいた。
 ピシっとスーツを着こなす者、髪を染めた今風の若者、少し腰の曲がった老人など。

 また、男性だけでなく女性の姿もチラホラとだが見える。
 キャバ嬢風の女性もいれば、OL風の女性もいた。
 全体を眺めてみると、20代から還暦過ぎの年代までといった具合で、実に幅広い。

 色んな人が出るものなんだなぁとブーンが感心していると、

川 ゚ -゚) 「あそこに受付があるぞ」

 クーにそう言われ、我に返った。

( ^ω^)「よし!じゃあ皆、受付を済ませるおー」

 そう声を掛け、揃って選手登録を終えるジャン研の面々。
 すると、

ミセ*゚ー゚)リ「では空いている卓に座ってお待ちくださーい」

 そう受付の女性に言われたので、一同は空いていた卓へと並んで腰を掛けた。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:17:57.60 ID:8+oQ3z7z0
 まだ締切時間まで間があるので、皆卓について談笑をしている。
 そんな中、ショボンが普段よりも眉毛をさらに垂れさせながら呟いた。

(;´・ω・`)「も、もうすぐですね…。ちょっと緊張してきました…」

(;><)「手が震えてきたんです…!」

( ゚∀゚)「そう固くなるなって。いつもと同じように麻雀を打てばいいんだよ」

 そう言いながらジョルジュはパシっと2人の背中を叩く。
 こいつの能天気さは是非とも見習いたいものである。

(;^ω^)「そそそうだおジョルジュの言うとと通りだお。
      おおお茶でも飲んで少しおちつつけお」

( ´_ゝ`)「こんなところでお膣を突いたら出禁になるだろうjk」

(´<_` ) 「てか、お前が一番緊張しているように見えるが」

 ブーンが声に反応して振り向くと、流石兄弟を始めとするラウンジ大麻雀部の面々がいた。

( ^ω^)「流石兄弟…さん!」

 彼らも10人ほどの集団で、揃って大学のイメージカラーである
 蛍光ブルーのウィンドブレーカーを着ている。
 よく見てみると、"Lounge University Mahjong Club"と書かれていた。

( ^ω^)(おお…揃いのブレーカーとかちょっと憧れるお…!)

( ゚∀゚)(何コイツらwwwダッセwwwパネェwwwww)



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:21:16.00 ID:8+oQ3z7z0
 噴きだしそうになるのをどうにかこらえながら、ジョルジュが口を開いた。

( ゚∀゚)「オタクらがラウンジ大の麻雀部さんかい?
      なにやら部長さんらにウチの会長がお世話になったそうで」

( ´_ゝ`)「君はVIP大の赤髪くんだな。ブログで見たよ、
      品性の欠片も無い身なりのクセにそちらのエースなんだってね」

( ゚∀゚)「オタクらこそセンスの悪いブレーカーをお揃いにしちゃって…
      どういう神経してるんスカ?」

 ジョルジュと弟者がそう言い合いながら火花を散らしていると、
 ラウンジ大麻雀部の中で最も背の低い男が割って入ってきた。

(-@∀@)「ヘッ、なんだか弱そうな連中ばっかでヤンスねえ。
      先輩、こんな奴ら放って奥に行きましょうぜ」

(# ゚∀゚)「あんだとこのチビ…!」

 ジョルジュが一瞬激昂するも、ブーンが片手を出して制止する。

(´<_` )「こらアサピー。事実でもそれを口に出しては無礼というものだろう」

 メガネをクイと動かしながら明らかに失礼な言葉を向けてきたのは、
 どうやらアサピーという名前らしい。
 VIP大の人間に敵意を向けてくるのはこの先輩にしてこの後輩ありと言ったところか。

( ´_ゝ`)「そんじゃまあ、同卓したらお手柔らかに頼むよ、VIP大の皆さん」

 と、言いたい事だけ口にして、彼らは会場の奥へと固まって歩いていった。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:25:26.56 ID:8+oQ3z7z0


ξ#゚听)ξ「何アイツら…すんごいムカつくんですけど!!」

(# ゚∀゚)「ああ…久しぶりに…キレちまったよ…」

川 ゚ -゚) 「少し落ち着け、イライラしても良い事無いぞ。これも連中の心理作戦かもしれん」

( ^ω^)「クーの言う通りだお。それに、ムカついたなら麻雀で返してやればいいんだお」

('A`)「けど…アイツら、場慣れしてる感じがしたぜ」

( ^ω^)「雰囲気に飲まれたら負けだお。僕らは僕ららしくしていればいいんだお!」

 だが、そう言うブーンも内心では少なからず苛立ちを覚えていた。

( ^ω^)。oO(それでもまだ冷静でいられるのは、朝にゆっくりコーヒーを飲めたからかお…?)

 早起きは三文の徳とはまさしくこの事か。
 なんて思いながら、ブーンは皆に声を掛けた。

( ^ω^)「それじゃもうすぐ始まるけど…デビュー戦だからとか気にしないで、
       例え負けても悔いの残る一打は残さないよう、思う存分僕らの麻雀を打つんだお!!」

('A`)( ゚∀゚)ξ゚听)ξ川 ゚ -゚) (´・ω・`)(*‘ω‘ *)( ><)(-_-) 「応ッ!!」

ミセ*゚ー゚)リ「ちょ、会場内では大声出さないでくださいっ!」

(;^ω^)「す、すみませんお…」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:33:34.63 ID:8+oQ3z7z0


 そんなやりとりがありつつ。間もなくして定刻になると、
 マイクを通して女性の声が会場内に響き渡った。

ミセ*゚ー゚)リ「それでは皆さーん、お待たせいたしました!
      ただ今より、麻雀頂上戦・東京ブロック予選の開会式を開始いたします!
      本日は私、“全日本プロ麻雀リーグ”所属・二段のミセリが
      司会を務めさせていただきます。よろしくお願いしますねっ☆」

 ワーワー

   パチパチパチ

ミセ*゚ー゚)リ「コホン。えー、それではまず本日のシステムから説明しますね。
      本日の参加は108名ですが、皆さんにはまず3半荘戦っていただきまして、
      その上位16名が決勝卓に進出となります。決勝は4卓で行うわけですが、
      そこで半荘1回勝負、トップを取った方が見事予選通過となり、
      本戦出場の権利を手にすることが出来るのでっす☆」

 身振り手振りを交えて少し大袈裟に説明するミセリを見ながら、メンバーは小声で話す。

川 ゚ -゚) 「つまり通過率は108分の4ということか…」ヒソヒソ

(;^ω^)「なかなか狭き門だおね…」ヒソヒソ

( ゚∀゚)「なァに、まずはベスト16に残ればいいんだよ。気難しく考えるなって」ヒソヒソ



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:39:43.99 ID:8+oQ3z7z0


ミセ*゚ー゚)リ「ルールはクイタン後付け、一発裏ドラはアリ、赤ドラはナシの東南戦でっす!
      2万5千点持ちの3万点返しで、順位ウマは1万点−2万点。
      ダブロンはナシ、途中流局、流し満貫、オープンリーチもありませーん!
      なお、トビ終了もありません。点棒が無くなったらトップ目の方から借りてくださいね!
      また、本日は1半荘を60分の時間打ち切り制度とさせていただきまぁす☆

('A`)「となると、北家を引いたら展開次第で親が2回来ない可能性があるわけか…」ヒソヒソ

ξ゚听)ξ「そこらへんも運次第ってわけね…」ヒソヒソ

(-_-)「それにしてもこの司会の人、プロっぽくないというか、ノリが軽いですね…」ヒソヒソ

( ゚∀゚)「麻雀プロにも色んなのがいるんだよ…」ヒソヒソ

 そんな風に言われているとは露知らず、ミセリは続けた。

ミセ*゚ー゚)リ「それでは、受付の際に渡した用紙に1回戦の卓番号が書いてありますのでぇ、
      皆さん移動してくださいっ!
      移動が済んだら、東南西北の掴み取りで場決め、
      それからサイコロの一度振りで親決めまでやっちゃってくださいね☆」

 ミセリがそう促すと、会場にいる人間が一斉に立ち上がり、
 ワイワイと各々の卓へ向かい歩き出した。

( ^ω^)「僕は15卓かお…っと」

 ブーンが目当ての卓を見つけ歩いていくと、
 ラウンジ大のアサピーとやらが先に座って対戦相手を待っていた。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:44:49.71 ID:8+oQ3z7z0


(-@∀@)「おや、これはこれは…」

 そう言いながらヘヘッと笑い、アサピーはメガネをクイと上に上げた。
 コイツの言動はいちいち鼻につくな。
 そんな風に思うももちろん口にせず、どうもと軽く会釈だけしてブーンは席に座った。

 それから間もなく4人揃ったので、場決めを始める。

 引いたのは、東。

 東を引いた人間は好きな場所を選べるのだが、
 動くのも面倒なので「ここでいいですお」と今座っている場所を仮東とした。

 それからブーンは、親決めのサイコロを振る。
 出た目は8。
 上家が起家となった。

( ^ω^)。oO(僕は南家スタートか…となるとどんなに展開が遅くても親は2回出来るだろうから、
        まずまずかお…)

 そう考えていると、周りのザワつきが収まった。
 ヨソの卓も準備を終えたのだろう。
 皆一様にミセリの方向に顔を向け、開始の合図を待っている。

ミセ*゚ー゚)リ「皆さんよろしいですね?それでは…予選第1回戦、始めてくださいっ!」

 ミセリがそう言い終えると四方から「よろしくお願いします」という声が聞こえ、
 カラカラと回るサイコロの音が一斉に轟いた。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:47:59.19 ID:8+oQ3z7z0


 対局が始まるといささか緊張も解けたか、ブーンは普段通りの手付きで牌山に手を伸ばす。
 そんな彼の公式戦最初の配牌は、悪いものではなかった。

( ^ω^)配牌:67m24468p34578s北 ドラ3m

 うまく仕上がればタンピン三色まで見える。
 そこに、第1ツモでドラそばの4m、第2ツモでタンヤオが確定する6sを持ってきた。
 これで早くもイーシャンテンだ。

( ^ω^)。oO(順調…)

 だが、ここで思わぬ動きが入る。

(-@∀@)「9pポン、中ポン」

 対面のアサピーが、序盤から早くも動いて出てきた。

( ^ω^)。oO(東パツ早々に9pから食って出てくるとは…。ホンイツかトイトイか、
         はたまたドラ2以上かお?)

 そうブーンは予測するも、捨て牌からは手役が見えて来なかった。

 結局最後までもつれ流局、ブーンは有効牌を喰い流されテンパイ止まり。
 そして、同時にテンパイと言って開かれたアサピーの手牌を確認し、ブーンは唖然とする。

(-@∀@):89m678p44s ポン中中中 ポン999p

( ^ω^)。oO(ドラも無い安手!?コイツ…ただの出るポン見るチー野郎かお)



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:51:38.58 ID:8+oQ3z7z0


 アサピーの雀風は、仕掛け多用の空中戦麻雀、いわゆる全局参加型だった。
 東2局もポンだチーだと場を自由に荒らし、テンパイ料をさらっていった。

( ^ω^)。oO(うっとおしい野郎だお…ならば)

 中盤戦となる南1局、7巡目。
 相変わらず仕掛けて出てくるアサピーに対し、ブーンは奇手を放った。

( ^ω^):345567m3444p468s ツモ6p ドラ3m

 ここからあえて打4sとし、カラ切り(※)を繰り返した後に6pを引き込み、
 3p切りリーチと出る。5sを引いた場合のロスを顧みない、いわゆる先切り引っかけだ。

 アサピーのように安手でもグイグイと仕掛けて出るタイプの雀風は、
 相手からリーチと来られたらベタオリを開始する打ち手が多い。
 ブーンはそれを知っており、このリーチに出たのである。
 流石に4sを宣言牌にしたら7sは警戒されるので、先に切っておいたというわけだ。

 そして狙い通り、リーチを掛けられオリ始めるアサピー。
 そんな彼から手詰まって7sが出てくるのに、時間は掛からなかった。

( ^ω^)「ロン、メンタンドラ1…裏1で、8000だお」

(-@∀@)「ギャフン!」


※カラ切り…ツモって来た牌と同じ牌を手の内から切ること



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 22:55:08.16 ID:8+oQ3z7z0


 満貫の失点をしてしまったアサピーは、
 その後は急に借りてきた猫の様におとなしくなった。
 赤ドラの無いこのルールでは、仕掛けて出ても
 手役が絡まない限り高打点にはならないからだ。
 リーチしてツモりに行く戦法に切り変えたのだろう。

( ^ω^)。oO(だが…もう遅いお)

( ^ω^)「チー、ポン、ロン、1000点」

( ^ω^): 34556m88p ロン7m ドラ中 ポン222p チー324s

 逆に、ブーンはもう高打点は必要無い。
 仕掛けて軽快に場を捌くだけ。

 アサピーは逆転の手を作りに行くも、それを毎回ブーンに蹴られてしまう形となった。

(#-@∀@)。oO(クソッ!クソッ!こんな豚野郎に!!)

 そして、このまま最後までブーンのペースで進み、第1回戦は幕を閉じた。

( ^ω^)「初戦トップ、好調な滑り出しだおー!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 23:00:00.56 ID:8+oQ3z7z0


 1回戦が終わり、休憩時間。
 ブーン達はジョルジュ以外の全員が非喫煙者も含めて喫煙所に集合し、初戦について語り合っていた。

(* ><)「ヒッキー君と同卓したんですが、国士をツモったんです!今日は絶好調なんです!」

(*‘ω‘ *)「凄いっぽ!」

(;-_-)「満貫打ち込んだ後にそれを親カブリして、いきなり箱ラス(※)しちゃいました…」

ξ#゚听)ξ「私も4着!ラウンジ大のヤツと同じ卓だったんだけど…キィー!悔しい!!」

川;゚ -゚)「ま、まだこれからだ。諦めたらそこで試合終了だよ(残り全部連勝しないと厳しいがな…)」

('A`)y━~~「そういうクーはどうだったんだ?」

川 ゚ -゚)「2着で、プラス7ポイント程度だ。ドクオは?」

('A`)y━~~「俺も無難に2着…ほんと、俺らもこれからだな」

 ドクオがそう返したところで、会場内で最も遅く対局を終えたジョルジュが
 後ろから声を掛けてきた。


※箱ラス…持ち点が無くなるほど大きく負け越した4着のこと



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/09/06(日) 23:07:47.59 ID:8+oQ3z7z0


( ゚∀゚)y━「なんだなんだ、随分と景気悪い話してんなァ」

 そう言いながら、マルボロを口にくわえてライターの火をあてた。
 話を聞くと、ジョルジュが猛連チャンをしたため南2局にして60分が経過し、
 強制終了になったらしい。
 それで8万点を超える大トップを取ったのだとか。

 同じトップでもブーンのそれとは倍以上ポイントの差が開いている(ブーンは+45程度)。
 叩ける時にどれだけ叩くか。
 こういった大会では、そんな能力も試されているのである。

( ゚∀゚)y━~~「もうプラス90くらいだから、残りあと2回、
         大きくヘコまなきゃとりあえずベスト16は行けそうだな」

(;´・ω・`)「パねえ…」

 余裕シャクシャクといった表情のジョルジュに向けてショボンが感嘆の声を漏らすと同時、
 次の卓へ移動する指示のアナウンスが聞こえた。

( ^ω^)「じゃあみんなも、ジョルジュを見習って大きく点数を稼ぐんだお!」

ブーンがそう声を掛けると一同は目を合わせて頷き、各々の卓へ向かった。



続く。



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