( ^ω^)が崩壊する世界を救うようです
- 4: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 20:59:03.02 ID:VqNtoH7g0
- 第一章「落日の世界」
「ふぁぁーあだお」
突堤に寝っ転がって空を仰ぐ。かもめが、気持ち良さそうに風に乗って遊んでいる
( ^ω^)「僕も鳥さんみたいに空をスイスイ飛びたいおー」
目を閉じて、太陽の暖かさを感じる
( ^ω^)「最高だお。ビバ世界」
僕の名前は内藤ホライゾン。これと言って特技も特徴も無い普通の16歳だ
将来の夢とかやりたい事なんて物も無く、ただのんびりと暮らしている
今まではこんな自分でも「まぁいいや」で済ましてきたんだけど、最近は色々考える様になってきた
かと言って何をしたらいいかは分からないけど…
- 5: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:00:43.58 ID:VqNtoH7g0
- 「ふぁぁぁっ」
もう一度あくびをしてゴロリと寝返りをうつ
「こら、何やってんのよ。」
(;^ω^)「こ・・・この声は・・・」
恐る恐る起き上がって後ろを振り向く。だけどすぐに僕は振り向いた事を後悔した
ゴゴゴゴゴξ#゚听)ξゴゴゴゴゴ
ツンだ
そこには鬼神の如く顔を赤らめ僕を睨む少女が立っていた
- 6: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:02:54.74 ID:VqNtoH7g0
ξ#゚听)ξ「また学校さぼったわね。いい加減にしなさいよ、内藤君。」
この子はツン。僕と同じ学校の生徒でクラスメイトで風紀委員を自ら引き受ける変わり者である
正直な話、僕はこの子が苦手だ。顔は怒らなきゃまぁまぁ・・・ってか可愛い
だけどテンポが合わないと言うか波長が合わないと言うか
(;^ω^)「ごめんだおー。もう戻るお・・・」
ξ#゚听)ξ「当たり前じゃないっ!!もうッ、先生にたっぷり怒られなさいよ!」
(;^ω^)「それはやだお・・・」
ξ#゚听)ξ「イヤだ、じゃないわよッ」
僕は半ばツンに引きずられる形で僕は学校へと歩き出した
空はもう陽が傾きかけていた
- 7: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:08:38.09 ID:VqNtoH7g0
- 「〜だからね。分かった?じゃあもう今日は帰っていいから・・・」
(;^ω^)「はい。じゃあ失礼しますお」
先生にこってり絞られてフラフラになりながら教室のドアに向かう
窓の外はもう真っ暗だ
???
ドアの窓に一瞬人影が映った。教室の時計を見るともう19時を回っている
( ^ω^)「誰だお」
ガラガラ
ξ゚听)ξ「あら、偶然ね」
ドアの外には何故か、ツンが一人佇んでいた
- 10: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:11:53.51 ID:VqNtoH7g0
ξ////)ξ「べ・・別に内藤君待ってたとかじゃ無いんだからっ!たまたま忘れ物して取りに来ただけなんだからね!」
(;^ω^)「そうかお・・・そりゃ大変ですお。じゃ僕はこれで・・・」
そそくさと帰ろうとする僕をツンが呼び止める
ξ#゚−゚)ξ「ちょっと!こんな夜遅くに女の子一人で帰すつもり?信じらんない!」
まぁ…それもそうかな。危ないし一緒に帰るか…
(;^ω^)「じゃ・・・じゃあ一緒に帰りましょうですお」
ξ゚听)ξ「当然よ。さ、行きましょ!」
僕とツンはそそくさと靴を履き替えると学校を後にした
- 11: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:14:12.50 ID:VqNtoH7g0
- 外はもう真っ暗で街燈が無ければ殆んど見えない状態だ
ツンを一人で帰さなくてよかったな、そんな事を考えていた時だった
ξ゚听)ξ「内藤君って海好きなの?いつもあの突堤にいるけど」
かなり興味津々と言う顔だ。これはこれで可愛いな…
一拍おいて返事を返す
( ^ω^)「んー海の外に出たい、って気持ちがあるからかもしれないお」
ξ゚听)ξ「海の外・・・海の向こうって事?」
( ^ω^)「そうだお。僕のお父さんは冒険家だったんだお!きっとその血が僕にも流れてるんだお」
ξ゚听)ξ「へぇ〜、かっこいいじゃん。男の子って感じ!で、お父さんは今どこに行ってるの?」
( ^ω^)「お父さんはもう10年くらい帰って来てないお。生きてるかも謎だお」
- 13: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:15:55.88 ID:VqNtoH7g0
- 僕は笑顔で軽く答えた。お父さんが居ないなんて今更だし顔も殆んど覚えてない
だから別に悲しいなどの感情は浮かんでこないんだ
だけどそれを聞いてツンの笑顔が歪んだ
ξ゚−゚)ξ「ごめんなさい・・・悲しい事聞いちゃって・・・」
( ^ω^)「気にしなくていいお!それより、いつも僕があの突堤に居ることなんで知ってるんだお?」
僕がそう言うとツンは立ち止まった
ξ////)ξ「・・み・・から」
( ^ω^)「ん?聞こえないお」
ξ////)ξ「み、見てたからって言ってるでしょ!!!!!」
- 15: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:19:34.90 ID:VqNtoH7g0
- 見て宝?身手高良?満て田空・・・
見 て た か ら !
(*^ω^)「ぼ・・僕を見てたのかお」
びっくりした。まさかツンが僕を気にしてたなんて…
嫌われてると思ってた。いつも怒ってばっかりだし、こんな可愛い子が僕なんかを気にしてくれるなんて思ってなかった
きっと今なら何が起こっても驚かないだろう
ξ////)ξ「うん。でね・・・私も内藤君の事ブーンって呼んでいい?」
ツンは顔を真っ赤にしてうつむいている
(*^ω^)「いいお!これかr」
瞬間、地面が揺れた
- 18: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:23:40.34 ID:VqNtoH7g0
- 激しく木々が騒ぐ。地面には亀裂が走り街燈の明かりが消えかかって…
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッオ
空が咆哮しているかのような轟音
ビキビキヴィビゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオッォォォォオ
地面が鳴いているかのような地響き
街燈が倒れ、電信柱が電線を引きちぎり焦げ臭い匂いを撒き散らす
- 19: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:25:54.08 ID:VqNtoH7g0
町の方角からは明かりが消え島は闇に包まれた
ξ;゚听)ξ「きゃああああああああああああ」
(;^ω^)「おっおっおっ!!!!!ツン!!」
何が起こったのか分からない。僕は辺りを見回すが暗くて分かり辛い
(;^ω^)「地震かお!?」
まだ揺れは収まらずに、道路が四方に割れ地面が顔を覗かせる
この地割れに落ちたらひとたまりも無いだろう
ξ;゚听)ξ「ぶーん・・ブーン!!!!!!!」
(;^ω^)「うおおっぉぉぉぉぉぉぉ!!ツン!!もうちょっとだお!!!」
ツンの手を掴もうと思いっきり手を伸ばした。ツンも僕に手を伸ばす
「ブーン!」
- 26: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:30:35.87 ID:VqNtoH7g0
- でもその手はツンには届かなかった
(;^ω^)「ツン!!ツーn!!!!」
僕がツンに手を伸ばしたその刹那
空がばらばらと壊れて落ちてきた
- 27: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/22(金) 21:32:02.16 ID:VqNtoH7g0
この表現は正しいのか、でも空は落ちてきたんだ
まるでジェンガを壊したように。パズルを崩したように
真っ黒な塊が周囲を包み込み僕はツンを見失った
ツン… ツン…
僕の体を真っ黒な空の破片が包み込む
体が重い
重い
重
僕の意識はそこで途切れた
第一章 「落日の世界」完
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