( ^ω^)が崩壊する世界を救うようです
- 2: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:49:57.20 ID:dNQ7F4R/0
- 第二章「生き抜く術は」
……ん
…ーん
ぶーん
ブーン!!
ガバッ
(;^ω^)「ツン!!!!!!もっと手を伸ばすんだお!!! って・・・あれ?」
気が付くと僕は自分のベッドに座り込んでいた
夢だった…のか?夢にしちゃタチが悪いお
まぁツンが僕の事ブーンって呼んだり好意がありそうだったり…夢じゃなきゃありえないお
- 3: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:50:49.61 ID:dNQ7F4R/0
( ^ω^)「ふぅ。」
一息ついて時計を見た
まだ4時半だ
(;^ω^)「悪夢にうなされて早起きなんて笑えないお」
僕はとりあえず喉を潤す為に冷蔵庫に向かう
頭がガンガンするな… 体も重い…
ガチャリ
冷蔵庫を開けて麦茶をコップに注ぐ
( ^ω^)「ぷはっ!美味いお!」
ふと後ろから気配がした
( ^ω^)「カーチャン?」
- 4: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:52:00.59 ID:dNQ7F4R/0
振り向くとそこにはカーチャンが立っていた
J( 'ー`)し「やけに早起きねぇ・・・」
(;^ω^)「ちょっとイヤな夢見ちゃって、目が覚めたんだお」
「嫌な夢?」
「嫌な夢って?」
「どどんな夢sjぢさじょfほいdhふぁ」
(;^ω^)「かかかカーチャン!!どうしたんだお!!」
J( 'ー`)し「どうもしないいいいいいいいいいわわあdさjhだい」
カーチャンの様子がおかしい。目は虚ろで、焦点が合ってない
- 6: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:54:20.95 ID:dNQ7F4R/0
- (;^ω^)「びょ・・・病院に行くお!!かーちゃん!!」
僕がそう言った瞬間カーチャンは台所の包丁を手に取り襲いかかってきた
J( ゜ー゜)し「ぶぶぶぶーんんんn気にし死し死死死ないでででえででええ」
(;^ω^)「やめ・・・やめるんだおっ!!」
僕はカーチャンの包丁をかわしながら玄関へと走る
鍵を開け、ドアを開いた
ガチャリ
外の景色は、いつもの見慣れた庭や隣家では無くって…
真っ暗だった。何も無い。玄関から先に足場があるかも分からない程の闇
- 7: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:55:21.28 ID:dNQ7F4R/0
(;^ω^)「これは・・・どういう事だお」
そうこう考えてる間にもカーチャンは襲ってくる
J( ゜Α゜)し「ウボォアー」
カーチャンが包丁を振りかぶる
出刃包丁がギラリと光った気がした
(;^ω^)「もう・・・だめだおっ」
僕は思い切って、玄関から先の闇の中に飛び込んだんだ
遠ざかっていく玄関とカーチャンが見える…
深く…深く…
- 9: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:56:25.57 ID:dNQ7F4R/0
落ちてるのか昇ってるのか
浮いてるのか沈んでるのか
真っ暗だお…
「あれは・・・夢じゃ無かったのかお?」
「カーチャン・・・」
「ツン・・・」
- 11: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:57:31.04 ID:dNQ7F4R/0
『……』
どこかから声が聞こえる。気のせいかお?
『夢なんかじゃないぞ』
「!?誰だお??」
『誰でもあるし誰でもないかな』
「答えになってないお」
『まだ答えはいらないさ。いつか俺の所まで来るだろうしな』
「ここはどこですかお」
『お前が見たがってた場所さ』
- 12: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:58:32.79 ID:dNQ7F4R/0
- 『海の向こうの向こう。世界のはざまだ』
こんな闇の中が海の向こうだって?
あんなに蒼く澄んだ海や真っ紅に燃える空の向こうがこんな闇なのかお??
「・・・なんで僕はここにいるんですお」
『お前のいた世界以外の世界、系結世界との調和が崩れたからだ』
『っと、時間がねぇみたいだ。悪いがここまでだな』
「ちょ・・ちょっと待つお!」
「ツンは・・・カーチャンは・・・ あの町はどうなったんだお!!」
『・・・じゃあな、お前には力がある。がんばんな』
- 14: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 21:59:51.11 ID:dNQ7F4R/0
ちょっと待てお!!何も答えになってないお!!!
僕の世界は… 調和とか知らないお!!
待てお!!待てお!!!
(#^ω^)「待てお!!!」
手に草の感触が当たっている。眠ってたのか?
気が付くと僕は暗い森の中に寝転んでいた。暗い…けど僅かに月明かりが当たっているのが見える
( ^ω^)「今度も夢かお?」
立ち上がろうとした時、腰の辺りに違和感を感じた
ガチャッと金属の音が鳴る
( ^ω^)「これは・・なんだお」
僕の腰には、銀色に鈍く光るウォレットチェーンの様な物がぶら下がっていた
- 15: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:00:49.38 ID:dNQ7F4R/0
(;^ω^)「こんな物付けた覚えないお・・・」
思わずそのチェーンに触れた瞬間、チェーンが形を変えた
真っ暗な森の中にわずかに差し込む月明かりに照らされた「それ」は
紛れも無く一振りの見事な刀だった
薄く鍛え上げられた刀身に月明かりが反射して時々金色に輝く
- 17: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:01:39.75 ID:dNQ7F4R/0
僕はその刀に見惚れていた
手に馴染む… まるで昔から持っていた宝物のようだ
ボーっと刀に目を奪われていたその時、闇を裂くように咆哮が森に響いた
ワォォォォォォォォォン
獣の遠吠え。それもかなり威嚇的な感じがする
- 19: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:02:49.38 ID:dNQ7F4R/0
ワォォォォォン
ワォォォォォォォン
1頭だけじゃ無い、何匹かで動き回ってるんだろうか
狼は群れで行動するって言うけど…
(;^ω^)「もしかして狼かお。見つかったら食べられちゃうお」
僕はその場を離れようと歩き出した
方向も分からず月明かりを頼りに道を探す
( ^ω^)「お腹減ったお・・・」
思えば、ツンが迎えに着てから今までまともに何も食べてない
さっきのんだ麦茶がやけに美味く感じたのもそのせいだろう
- 20: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:03:43.68 ID:dNQ7F4R/0
(;^ω^)「お腹と背中がピッタンコしそうだお。どこかにコンビニは無いのかお」
ん?なんか匂うお…
焼肉みたいな… 美味そうな匂い…
( ^ω^)「イイ匂いだお・・・」
僕は匂いのする方へと歩き出した
ここは何所なんだろう
ツンは何所にいったんだろう、無事なんだろうか?
僕が無事なんだからツンもきっと無事だろうな。僕よりしっかりしてるしね
そんな事を考えながら歩いてると前方に明かりが見えた。思わず木陰に隠れる
( ^ω^)「焚き火だお。誰かいるのかお?」
恐る恐る覗き込んだ先には、串に刺さった魚や肉が焼かれていた
( ^ω^)「お肉だお!!」
- 21: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:04:44.55 ID:dNQ7F4R/0
思わず焚き火に近寄る
パチパチと肉が焼ける音、魚の脂が少し焦げた匂いが食欲をそそる
少しだけなら……食べちゃっていいお?
(;^ω^)「ってだめだめ!!」
でも美味そうだお… 食べたい…
心の葛藤をしていた時だった
- 23: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:06:04.96 ID:dNQ7F4R/0
すぐそばで獣の鳴き声が響いた
ワォォォォォォォォン
(;^ω^)「おっおっおっ!!」
思わず刀を握り締める。でも僕は剣道もフェンシングも経験は一切無い…
襲われたらまず助からないだろう
「お前、ナニモンだ?」
- 24: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:06:54.38 ID:dNQ7F4R/0
木陰から出てきたのは、少し細身の自分と同い年位だろうか?
銀髪の少年だった
('A`)「お前・・・俺のメシ食おうとしてたのか?」
険しい顔で睨んでくる
ここはちゃんと否定しとかなきゃ、ヤバそうだお…
(;^ω^)「お腹は減ってるんだけど、食べてないお!人様の食事に手はつけないお」
銀髪の少年は僕の手に握られた刀に目をやる
('A`)「その割にゃやる気満々って感じだな。まーいいや。ちょっと食前運動でもすっかな」
(;^ω^)「ちょ・・・ちがっ」
少年は聞く耳も持たずに、遠吠えをあげた
- 25: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:07:45.59 ID:dNQ7F4R/0
('A`)「ワォォォォォォォォォン」
(;^ω^)「さ・・さっきの遠吠えはコイツかお」
('A`)「さっさと来いよな・・・ったく」
少年の背後の森から、ただならぬ気配を感じる……
('A`)「ヴァン、カタフ!」
- 26: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:08:49.67 ID:dNQ7F4R/0
その声に呼応して二頭の、金色の狼が茂みから出てきた
(;^ω^)「えええぇぇぇぇ!それは無いお!」
どうやらこの少年は、この二頭の狼を操れるようだ
しかし金色の狼って… 動物園でも図鑑でも見たことないお
ミ゚ω゚彡「ウゥゥゥゥゥゥゥ」
ミ゚д゚彡「ガルルルルルルゥゥゥゥッ」
威嚇するかのように、僕の周りをグルグルと回る
- 28: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:09:58.00 ID:dNQ7F4R/0
('A`)「食いちぎれ!!」
その声に反応して二頭の金狼は飛び掛ってきた
(;^ω^)「どうとでもなれおっ!」
僕は覚悟を決めて、震える手で刀を構えた
第二章 「生き抜く術は」 完
戻る/次のページへ