( ^ω^)が崩壊する世界を救うようです

  
31: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:12:22.28 ID:dNQ7F4R/0
  
第三章 「月明かりの狼」


今、目の前で月明かりに照らされる金色の狼が僕を襲おうとしている

こんなの初めての体験だお…


(;^ω^)「さぁさぁ!来いお!」


足が震えて今にも尻餅をつきそうだお… 




    「怖いお・・・」



  
34: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:14:42.52 ID:dNQ7F4R/0
  

二頭の狼が自分に向かって飛び掛ってくる、怖くない人がいるのかお




なんでこんな… 





一頭が、目の前に飛び掛る

(;^ω^)「!!」


自分の背丈くらいはあるであろう狼は、思いっきり左の爪で縦に薙いだ



  
36: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:17:09.53 ID:dNQ7F4R/0
  
ミ゚д゚彡「ガウルルルッ!!」






ぽたり…  ぽたり…

月明かりに照らされて、紅く染まった金狼の手が妖しく光る

その手をペロリと舐めると、また僕の周りをグルグルと歩く


 避け切れなかった



どうやら金狼の爪が僕の左手を服ごとエグったようだ


(;^ω^)「めちゃくちゃ痛いおっ!!」


思わずへたり込む



痛い… 半端じゃなく痛い



  
38: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:19:56.86 ID:dNQ7F4R/0
  

そこにもう一頭が覆いかぶさってきた





ミ゚ω゚彡「ウウウゥゥゥゥゥッ!」

激しく爪を立てて、覆いかぶさってきた


右手の刀で受け止めた、が左手に激痛が走る






しかし金色の毛並みも少しだが、横一文字に赤く染まっていく



  
39: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:21:16.45 ID:dNQ7F4R/0
  

ミ#゚ω゚彡「ガウガウアガウァァァァ!!」


思わぬ反撃で興奮したのか、犬歯を剥き出して威嚇してくる


僕の目の前、10p程の所でガチガチと牙の音を鳴らして…





重い… 片手じゃ支えきれないお…








(;´ω`)「もう・・・だめだお」



  
40: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:24:39.63 ID:dNQ7F4R/0
  

力を抜こうとしたその瞬間、




木々の合間からこもれ出た月夜の優しいイエロー


少しづつだが、刀身が光を纏う



(;^ω^)「おっおっおっ!?」

なんだろう・・・この光




金色の蛍みたいな淡い光…



  
42: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:28:07.25 ID:dNQ7F4R/0
ゆらゆらと揺らめいたかと思ったら、その光は矢の如き速度で二頭の狼へと向かっていった

その光が二頭に当たったと同時に、激しい衝撃が森に響く


目に砂が入ったお・・・

(;^ω^)「げほっ。げほっ・・・」


土煙が上がり一層視界が利かない


(;^ω^)「どうなったんだお?」



僕は恐る恐る目を凝らして、辺りを見回す


ミ゚ω゚彡「ぐぅぅぅぅ・・・」


ミ゚д゚彡「バ・・・ウゥ」




二頭の狼は、10メートル程先へ吹き飛ばされていた



  
43: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:29:07.03 ID:dNQ7F4R/0
  

(;^ω^)「なんだかよく分からないけど、助かったお。いっつ・・・」

左手を激痛が走る



血が出てるが、それ程深い傷でもない


痛みは強いが意識が無くなるほどではないな




どうやらさっきは気が動転して、深手かと勘違いしたようだ



  
45: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:30:44.87 ID:dNQ7F4R/0
  

(;^ω^)「じゃ、じゃあ・・・これで失礼しますお」

小さく呟いて後ろ習えをした…が



   「ま て よ」




やっぱり無理ですか…


('A`) 「こんだけ暴れといて逃げるなんてないよなぁ、なぁ?!」


かなり怒ってらっしゃる…







っていうか元々言いがかりで襲われた訳で……



  
46: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:32:40.19 ID:dNQ7F4R/0
  

でもこのままじゃ…  

一応どうすれば許してもらえるか聞いてみるお………




(;^ω^)「・・・じゃあどうすれば、許してくれるんですお?」




少年は怒りに震えた声と、真っ赤な顔で答えた


('A`#) 「お前が俺の兄弟にした事を数倍にして返したら、だ。まぁそれまで生きてたらの話だけどな」





銀髪の少年は両手を天にかざし、大きく息を吸い込む



  
47: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:35:32.48 ID:dNQ7F4R/0
  
その瞬間少年の髪が逆立つ。月明かりに銀の髪が美しく、妖しくなびく



('A`) 「グォッ・・・グゥゥウ」





あれ?なんだか体つきがガッチリしてきてない?





('A`) 「グルルルルルッ・・・」






なんだか全身毛が生えてきてるようなんですが…



  
48: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:39:47.10 ID:dNQ7F4R/0
  


('A`) 「ガァ・・・ァァァァァッ」


もう原型は無いです、犬歯も異常に発達してますね







('A`) 「フゥゥゥゥ・・・待たせたな、わりぃ」


これはどう見ても狼男です





こ・・こんなの見たこと無いお。っていうか実際にこんな生き物いるのかお、反則だお!



勝てるわけがないじゃないですかお!!



  
49: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:45:07.45 ID:dNQ7F4R/0
  
(;^ω^)「あの・・・逃げちゃだめでしょうか」

銀色の毛に覆われた狼男は上顎と下顎をポキポキと鳴らしながら言葉を発する


('∀`) 「逃げられるならどうぞ」




全身銀毛に覆われた190pはあるだろう狼男

いくらなんでも、狼相手に逃げ切るほどの自信は無いお


逃げられないなら…       




ただやられるだけになる位なら






   戦うしかないお



  
50: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/25(月) 22:47:00.29 ID:dNQ7F4R/0
  

(#^ω^)「やってやるお!お前のペットみたいにコテンパンにノシてやるお!!」



ワォォゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン





それを聞いた銀色の狼は、ニヤリと笑うと月へと遠吠えをあげた


まるで自分の勝利を月に誓うように



月明かりに照らされた銀の狼




第三章 「月明かりの狼」 完



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