( ^ω^)が崩壊する世界を救うようです
- 29: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:30:05.97 ID:NKn9JBIK0
- 第六章 「独りきりの狼」
(*゚ー゚)「言いにくいけど・・・今のままじゃきっと帰れないと思う」
な…なんだってえええええええ!!
(;^ω^)「どどどどどういうことですかお!?」
帰れない!?じゃあカーチャンは… 島の皆とはもう会えないのかお??
ツンを助けて一緒に学生ライフをエンジョイする予定なんだお!!
帰らなきゃならないんだお!!!!!
動揺する僕をよそ目に、落ち着いた声でしいは答えた
(*゚ー゚)「落ち着いて。今のままじゃ、よ。」
- 31: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:33:38.10 ID:NKn9JBIK0
一呼吸して話し始める
(*゚ー゚)「この世界でもつい数日前からおかしな事が起こり始めてるの」
(;^ω^)「空が崩れてきたりかお?」
(*゚ー゚)「んー、そこまでじゃないけどね」
(*゚ー゚)「世界とか闇だのを売り物にした集団が出てきたの」
小屋の中でブーンはしぃの話を静かに、ゆっくりと聞いていた
- 32: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:36:20.96 ID:NKn9JBIK0
('A`)・・・
俺は、炎の中で独り立っている
あぁ・・・
またこの夢か
もう見飽きたよ。
いい加減火、消えてくれねーかな
- 33: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:37:11.66 ID:NKn9JBIK0
「独狼−ドクオ−」
俺はシルバーウルフの中でも高い身分の家で育った
これと言って不自由した事も無かったし、何より俺たちは誇り高い一族だ。悠然と生き憮然と死ぬ、
それが俺たち一族のルールで理だった
俺には兄弟がいた
ミ゚ω゚彡カタフとミ゚д゚彡ヴァンだ
こいつらは人化する力は生まれ持ってはなく、突然変異で毛並みが金色だったせいかよく虐められた
その度、俺が虐めた奴ら叩きのめしてやったっけ…
- 35: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:38:36.75 ID:NKn9JBIK0
親父はカタフとヴァンをうざったがってた。お袋は恥だ恥だと言って最低限以外外に出そうとはしなかった
そんな両親が、俺は嫌いだった
そんな俺の気持ちを分かってくれる友達がいた
モナーだ
あいつだけは俺の兄弟を馬鹿にしなかった。家族を馬鹿にしなかったんだ
俺はあいつを信じてたし、アイツもきっと俺を信じてくれてると… 思ってたのは俺だけだったのかな
- 36: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:40:29.04 ID:NKn9JBIK0
( ´∀`)「ドクオー。ちょっと三つ先の山までハーブ取ってきてくれないかモナ?」
('A`)「あー?マンドクセ」
( ´∀`)「行ってくれたら・・・ クーちゃんとの仲取り持ってあげるモナ♪」
('∀`*)「お・・・俺とアイツはそんな仲じゃ・・・ そういや用事あったわ。行ってきてやるよ」
( ´∀`)「顔が赤いモナー??風邪かモナー??」
('A`#)「うっせ!行ってくっから。じゃあな!!」
クー… 俺が初めて好きになった女の子……
あれ以来会う事も無くなったが… 今でもきっと気にはなっている
どういう気になりようかは・・・・・・
最早自分でも分からないけどな
- 38: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:43:11.68 ID:NKn9JBIK0
あの日、今から2ヶ月前から全てが狂った
その日は銀狼族の祭でさ、イイ月が浮いて皆浮かれて月見酒だのなんだので大騒ぎだった
なにやらモナーが重大発表があるとかで広場にでっけー鉄の箱を運んでたな
('A`)「どうせ花火かなんかだろーなぁ。派手好きな奴だぜ」
最近モナーは女でも出来たのか、コソコソと一人で出かける事が増えていた
こいつも彼女持ちになるのかねぇ
俺はモナーを横目にボーっと考え事をしてた
- 39: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:44:20.07 ID:NKn9JBIK0
その日、ヴァンとカタフはお袋達が離れの小屋に閉じ込めていた
土産持って来てやるって言った時のあいつらの顔… 可哀相だったぜ
祭も中盤に差し掛かった頃だった。俺はヴァンとカタフもこっそり連れてきてやろうと思ったんだ
急いで祭を抜け出して離れに向かう
('A`*)「はぁはぁ・・・あいつら喜ぶだろうな・・・」
早く!早く!!
あいつらの喜ぶ顔が見たい
見えた、あそこだ
- 40: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:45:29.51 ID:NKn9JBIK0
小屋の扉のつっかえ棒を取り外す
('A`*)「おいヴァン!カタf」
扉を開けた俺の耳を爆音が切裂く
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオゴゴゴオゴゴ
激しい爆発音、森の焼ける匂い
- 41: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:46:41.97 ID:NKn9JBIK0
俺の背中に熱風がかかる
('A`;)「森の方が燃えてる・・・」
('A`#)「村が燃えちまう!!」
扉からヴァンとカタフも飛び出してくる
ミ゚д゚彡「グルルルルルル」
ミ゚ω゚彡「クウゥゥゥゥゥゥ」
('A`#)「あぁ・・・お前らは他の村の皆に火事を知らせてくれ!!」
- 42: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:47:47.21 ID:NKn9JBIK0
「俺は村に行って皆を助けてくる!」
はぁ はぁ はぁ
息切れがする
間に合ってくれよ
あんな親でも親父とお袋なんだ
モナー… クー… 村の皆・・・・・
('A`#)「もっと動きやがれ俺の脚!!」
ようやく村に辿り着いた俺が見たのは・・・
- 43: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:51:34.53 ID:NKn9JBIK0
轟々と燃え盛る炎
その炎は生き物のように、村を飲み込んでゆく
誰一人生きてはいないだろう火の海
あぁ・・・ そこにいたのか
隣のおっさん・・・ 何そんなトコで寝てんだ?風邪ひいちまうぜ、こんだけあったかけりゃ平気か
向かいのオバちゃん・・・ オバちゃん暑がりなのにそんな中に居ちゃ汗っかきだって旦那にまた笑われちまうよ
あんまり好きじゃなかった村長のおっさん
いつも優しく接してくれた薬屋のお姉さん
やたらと遊んでとせがんできたガキ共・・・
皆死んでた
火は収まりそうも無く、森の木々にまで延焼を始めていた
('A`#)「モナー!!クー!!!」
- 44: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:52:53.38 ID:NKn9JBIK0
俺は意識を取り戻して、二人を探す
が、居ない。なんでだ!こんな時に限って!!
最悪の想像をする
('A`#)「馬鹿か俺は!!」
思わず自分の顔を殴る
その時だった
『お前は昔から馬鹿だモナ』
- 46: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:54:18.20 ID:NKn9JBIK0
モナーがニヤニヤと笑いながら村を包む炎を眺めていた
( ´∀`)「さすがに良く燃えるモナね。祭だからってアルコールとか火薬が満載だモナ♪」
コイツ・・・何言ってんだ?
( ´∀`)「ドクオも見るモナ、すっごい綺麗だモナー。広場に置いたのは正解だったモナ!!」
モナーは子供みたいにはしゃいでいた
('A`)「テメェ・・・まさか・・・」
( ´∀`)「クーがいないんじゃなかったモナ?いいのかモナ?」
- 48: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:56:59.32 ID:NKn9JBIK0
そうだ!クーts
('A`;)「うげ・・・ほッ」
モナーの拳が俺のみぞおちにクリーンヒットした
喉が焼ける様だ・・・ 声が 出 ない
モナーは俺をサッカーボールの様に蹴り飛ばす
( ´∀`)「悪運が強いのかクーは生きてるモナ。まぁ、この景色を見たら自殺するかもしれないけどモナね」
モナーは笑いながら歩いていく
( ´∀`)「クーにも僕を憎むように言ってて欲しいモナ。お前もせいぜい僕を憎んで憎んで憎みまくるんだモナ」
憎 い?
ともだ ち だと おもts
ま ちや が れ
まて よ
モ ナ ー
モナアアアアァァァァァァァァー!!!!
- 50: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/26(火) 23:58:11.69 ID:NKn9JBIK0
次に気が付いた時には、もうモナーは居なかった
俺は焼け跡を一人歩く
そこにはクーが呆然と立っていた
「クー」
川 ゚ -゚)「ド・・・クオ か」
- 52: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:01:20.44 ID:6peZF7F40
目が真っ赤だ、頬も腫れている。何時間も泣いたのだろう
川 ゚ -゚)「これは・・・なんなんだ?」
川 ゚ -゚)「・・・一体誰がやったんだ」
川 ;-;)「答えてくれよドクオ!!!!!」
クーらしくない。八つ当たりのように俺に言葉を吐きかける
綺麗な顔が涙で歪んでいる
俺はクーを抱きしめようとした
いや、本当は俺が抱きしめて欲しかったのかもしれない
しかしその前に質問を投げかけられて、俺は閉口する
川 ;-;)「なぁドクオ・・・ 誰がやったか知ってるのか?」
- 54: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:08:52.76 ID:6peZF7F40
- 返事はしなかった
俺自身、モナーがやったなんて信じたくねぇんだ
('A`)「・・・」
俺は黙ってた
そんな俺をクーが睨みつける
川 ゚ -゚)「お前 か?」
川#゚ -゚)「お前じゃないとしても、隠すなら同じ事だ!!」
川#;-;)「お前が母さんを!父さんを!!皆を殺したんだ!!!」
クーは正気の目じゃ無かった。俺は・・・
川#゚ -゚)「私はお前を許さない 絶対に 許さない」
俺は何の弁解もせずにその場を去った
行くあても無くフラフラと
糸の切れた人形の様に
「俺には仲間なんていないんだ」
月は相変わらず、綺麗にぽっかりと浮かんでいた
- 59: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:11:49.67 ID:6peZF7F40
小屋の中で、ランプの灯りがこうこうと輝く
オイルランプだろうか?炎がゆらゆらと揺らめいている
(*゚ー゚)「教えてあげるわ」
ソレはたった数人の集まりだった
一人の教祖に、とり憑かれたような信者が数人
その教祖はどうやらおかしな力が使えるらしいの
空間がどうの世界の調和がこうのって勧誘してたわ
(;^ω^)「(空間?調和??)」
これはちょっと怪しいお
あの夢で話した男もそんな事言ってた様な・・・・・・
- 60: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:14:03.27 ID:6peZF7F40
そうなの、似てるでしょ?さっき話した時私もそう思った
一日。また一日と経つ内にソレは大きなコミューンへと変貌していった
今では多くの人達が階級を問わずに、その教団に入団している。との事だった
(;^ω^)「宗教くらい別に普通じゃないですかお?何を信じるかは自由だお」
僕の返事を聞いてしいは声を荒げた
(#゚ー゚)「多くの人達が仕事もしないで子供もほったらかしなの!そんなの普通じゃないっ!!」
するとしいはぽろぽろと泣き出した
(* −)「わたしのおじいちゃんも・・・いなくなっちゃったの。多分あそこに・・・」
- 61: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:15:56.75 ID:6peZF7F40
な… 泣かしてしまったお
どうすればいいんだお…
おじいちゃんが居なくなったなんて、知らなかったんだお……
何か力になってあげられれば・・・
(#^ω^)「ドクオとしいさん、僕の三人で説得しに行くお!!」
ワオォォォォォォォォォン
ワオオオオォオォン
小屋の外から狼達が戻ってきたようだ
上手く扉を開けて入ってきた
- 62: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 00:17:16.78 ID:6peZF7F40
- ミ゚д゚彡「クゥゥゥゥゥ」
ミ゚ω゚彡「きゅーんきゅーん」
狼達の視線の先から声がした
『やめといたほうがいいぞ』
('A`)「あそこは俺が何度も調べに行ったけど、中にすら入れなかった場所だぜ」
(#゚ー゚)「ドクオだって私が止めても行くじゃないっ!今度は私も行くからね!!絶対だから!!」
( ^ω^)「おじいちゃんの意思が知りたいお。僕も手伝えるなら手伝うお!」
『馬鹿ばっかだな』
ドクオがクスッと笑った気がした
第六章 「独りきりの狼」 完
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