( ^ω^)が崩壊する世界を救うようです

  
3: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:15:35.62 ID:6peZF7F40
  
第七章 「灰色外套」




(*゚ー゚)「あ、あとドクオの事も話さなきゃね」

( ^ω^)「それはあんまり興味無いお」

('A`)「しぃ。そんな白豚に話す必要なんてねぇぞ」

(*゚ー゚)「すーぐ喧嘩しちゃうんだから・・・。じゃあ私との関係だけでもいいでしょ?」



しぃはそう言って立ち上がる


そそくさと部屋の奥から、何かを取り出してきた



  
5: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:18:21.71 ID:6peZF7F40
  

それは小さな肖像画だった


【 (*゚ー゚) ('A`) / ,' 3 】

そこにはしぃさんと、ドクオ。右端に初老のおじいさんが描かれている



(*゚ー゚)「右がさっき話したおじいちゃん。ドクオ達が家も無くてフラフラしてる所を連れてきたのも、おじいちゃんなの」



穏やかそうな人だお・・・

絵の中の老人は優しい笑みを浮かべていた



('A`)「別に頼んだ訳じゃねーからな!じじいが勝手に引きずって来たんだ」



  
6: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:19:18.26 ID:6peZF7F40
  

ミ゚д゚彡ヴァンはそれに従うがミ゚ω゚彡カタフは部屋の隅で丸くなっていた



 ふふっ



しぃが思わずにやける


(*゚ー゚)「アイツ・・・素直じゃないんだから。」



  
9: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:21:50.15 ID:6peZF7F40
  

その後僕は軽くドクオの話を教えてもらった


森の中で三人、寄り添って眠っていた所をおじいさんが見つけたんだって。

初めは言葉も通じないのか?って位暴れたらしい

言葉は通じないわ、襲い掛かってくるわで手を焼いたみたいだお


おじいさんを食い殺そうとしたんだけど、返り討ちにあって大怪我させられた。(僕にやられた時と同じだ)


ドクオは決して弱い訳じゃ無い。おじいさんが昔、剣聖と呼ばれるほどの剣の達人だったらしい


しぃさんがやたら的確に傷の処置が出来るのはおじいさんの影響なんだ、って笑ってた





(*゚ー゚)「私ね、おじいちゃんしか家族いないの。だからもしあそこにいるのなら、取り返したい」



  
3: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:15:35.62 ID:6peZF7F40
  
第七章 「灰色外套」




(*゚ー゚)「あ、あとドクオの事も話さなきゃね」

( ^ω^)「それはあんまり興味無いお」

('A`)「しぃ。そんな白豚に話す必要なんてねぇぞ」

(*゚ー゚)「すーぐ喧嘩しちゃうんだから・・・。じゃあ私との関係だけでもいいでしょ?」



しぃはそう言って立ち上がる


そそくさと部屋の奥から、何かを取り出してきた



  
5: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:18:21.71 ID:6peZF7F40
  

それは小さな肖像画だった


【 (*゚ー゚) ('A`) / ,' 3 】

そこにはしぃさんと、ドクオ。右端に初老のおじいさんが描かれている



(*゚ー゚)「右がさっき話したおじいちゃん。ドクオ達が家も無くてフラフラしてる所を連れてきたのも、おじいちゃんなの」



穏やかそうな人だお・・・

絵の中の老人は優しい笑みを浮かべていた



('A`)「別に頼んだ訳じゃねーからな!じじいが勝手に引きずって来たんだ」



  
6: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:19:18.26 ID:6peZF7F40
  

ミ゚д゚彡ヴァンはそれに従うがミ゚ω゚彡カタフは部屋の隅で丸くなっていた



 ふふっ



しぃが思わずにやける


(*゚ー゚)「アイツ・・・素直じゃないんだから。」



  
9: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:21:50.15 ID:6peZF7F40
  

その後僕は軽くドクオの話を教えてもらった


森の中で三人、寄り添って眠っていた所をおじいさんが見つけたんだって。

初めは言葉も通じないのか?って位暴れたらしい

言葉は通じないわ、襲い掛かってくるわで手を焼いたみたいだお


おじいさんを食い殺そうとしたんだけど、返り討ちにあって大怪我させられた。(僕にやられた時と同じだ)


ドクオは決して弱い訳じゃ無い。おじいさんが昔、剣聖と呼ばれるほどの剣の達人だったらしい


しぃさんがやたら的確に傷の処置が出来るのはおじいさんの影響なんだ、って笑ってた





(*゚ー゚)「私ね、おじいちゃんしか家族いないの。だからもしあそこにいるのなら、取り返したい」



  
11: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:23:18.47 ID:6peZF7F40
  


 強い意志が目に宿っていた


僕もかーちゃんしかいない、父ちゃんは顔も覚えてないお

女手一つで僕を育ててくれたかーちゃん・・・

もしも居なくなっちゃったら、きっと僕もしぃさんの様に探し回るんだろうな



( ^ω^)「一緒に・・・」

( ^ω^)「絶対に三人でおじいさんを連れて帰るお!!」

(*゚ー゚)「うん・・・ うん・・・・ ありがとぅ」




しぃさんの目にはまた、涙が滲んでいた



  
12: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:25:44.22 ID:6peZF7F40
  

風が頬を撫でる

木々の柔らかい香りが鼻をかすめていく

小屋から少し離れた所にヴァンと一緒に座り込んだ


('A`)「なんだかよぉ・・・」


俺はしぃがあの白豚に俺の事をどれだけ話してるのか気になっていた


モナーの事はじじいにもしぃにも話しちゃいない

だけど、俺とじじいの出会いを話されたりしてたら・・・と思うと気が気じゃ無いぜ・・・・・・



あの後帰る場所を無くした俺は、兄弟三人で盗賊まがいの事をしてなんとか生きていた



  
13: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:30:18.65 ID:6peZF7F40
  

ガキとは言え銀狼族の端くれ、そこらの人間に負ける訳も無い



商人の一行を探しては、金品を奪っていた

そんな生活も、数週間が過ぎた頃だ


じじいが俺達の前に現れたのは・・・



/ ,' 3「ほっほ、こんな子供が最近話題の盗賊団か。世も末よの」


久々に大きな収穫があったから、久しぶりにゆっくり寝てたんだが・・・




目を覚ますと俺の前に、よぼよぼのじじいが立ってる



  
15: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:31:49.12 ID:6peZF7F40
  

('A`;)「なんだぁ!?じじい!!」



俺は驚いた。ヴァン、カタフは俺の横でスヤスヤと眠りこけている

俺達の耳は人間の数十倍、気配だって読むことが出来る

その俺達が、こんな近くまで接近されていたのに気が付かなかっただなんて・・・



/ ,' 3「ちと曇ってきたのぅ・・・ 月が見えんわぃ」



('A`)「・・・!普通のじじいじゃねぇな、ヴァン!カタフ!!」



  
17: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:33:09.03 ID:6peZF7F40
  

その声に反応して二頭も目を覚ます


ミ゚д゚彡「ウゥゥゥゥ」

ミ゚ω゚彡「ぐぅぅぅぅぅ」


/ ,' 3「金狼とは懐かしいわぃ」


じじいは、少しずつ近寄る

それに比例して、ヴァンとカタフが後ずさりする




怯えてる?こんなヨボヨボのじじいにか?



  
18: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:34:15.68 ID:6peZF7F40
  


 ここは俺が様子見すっか



('A`)「お前ら手、出すな。俺が行く」

まずは威嚇からだな・・・


俺は地面を思いっきり蹴り上げた

土煙が舞う



/ ,' 3「目眩ましか、よぅやりおる」



 貰った!




俺はじじいの背後に回り込み、飛び掛った



  
20: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:36:35.38 ID:6peZF7F40
  

('A`)「あれ?」

 じじいの姿が  消えた


次の瞬間、俺は地面に寝っころがってた

空の月は、曇って全く見えなくなっている


/ ,' 3「攻めようとするから、体が堅くなるんじゃよ」




俺が後ろから襲い掛かろうとした瞬間、じじいは俺の手を掴んでいた


/ ,' 3「ふんっ」

そのまま地面に叩きつけられた、のか?だが・・・




  痛くねぇ・・・



  
21: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:38:00.60 ID:6peZF7F40
  

('A`)「じじい・・・ 何しやがった!!」

熱くなる俺に、じじいがぽりぽりと頭を掻きながら答えた


/ ,' 3「自尊心を傷つけてしまったかね?怪我をさせないように・・・と思ったんじゃが」


その後も何度も俺はじじいに組みかかった

でも傷一つ付けることは出来なかったんだ




俺にも怪我が無くて、アイツらもどうしたらいいか困ってたな・・・


もう何回目だろう、俺は地面に転がった

('A`#)「ハァッ・・・ ハァ・・・ じじい・・・」



もう立てねぇ・・・ やられる、本気でそう思った



  
23: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:39:44.87 ID:6peZF7F40
  

 でも、じじいはとどめはささなかった



/ ,' 3「少年、うちにこんか?」

('A`)「・・・なんだって? 誰が行くかよ・・・」

/ ,' 3「そうと決まれば今まで迷惑かけた人達に頭下げんとなぁ」

('A`#)「誰も行くなんて言ってな・・・」


そのままじじいは俺を、ここまでひきずる

ミ゚д゚彡「ワォン!」

ミ゚ω゚彡「きゅーん!!」



心なしか、ヴァンもカタフも少し嬉しそうだった



  
24: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:41:16.92 ID:6peZF7F40
  

 俺も       実は少し嬉しかったんだ

あの事件以来、自分から俺達に近づく奴は居なかったから・・・・・・




('∀`)「まぁそれからが地獄だったんだけどな」

俺は横に居るヴァンを撫でてやる

ミ゚д゚彡「クゥン・・・」


じじい・・・ しぃを置いて何所に行っちまったんだ


('∀`)「そろそろ戻るか」


俺が立ち上がった時、


真っ黒な渦が現れ、それは少しずつ大きくなっていく


目の前に灰色のコートを身に纏い、フードを目深に被った奴が現れた



  
26: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:42:52.35 ID:6peZF7F40
  

('A`;) 「なんだ・・・テメェ。そういう遊び、流行ってんのか?」



今の今まで誰も居なかった、なんだコイツ・・・



俺が考えてる間に、ヴァンがそのフード野郎に飛び掛った

相手は思わずのけぞった、が



ヴァンの動きを見極めて、片手で首を掴む



  
29: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:44:38.79 ID:6peZF7F40
  

ミ゚д゚彡「グ・・・ウッ・・・・・」


金色の体が中に浮く





『馬鹿犬風情が僕に近寄るなモナ』


こいつ

コイツは


コイツはまさか・・・・・・




『人化も出来ない落ちこぼれは死ねモナ』



  
30: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:45:58.29 ID:6peZF7F40
  

右手で腰のナイフを抜こうとするが

俺はそれより早く奴の顔面に拳を打ち込んだ


('A`#)「モナアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!」



数m吹っ飛んだフードの男は布越しでも分かる程、怒りで顔が歪んでいる



ヴァンが開放され、俺は手で体を撫でた     


良かった、大丈夫だな。特に目立った傷は無い




立ち上がった男のフードがはらりと捲れた



  
31: 雪ザク ◆ytYUKiZacc :2006/09/27(水) 22:47:39.83 ID:6peZF7F40
  
コイツ・・・

まさか…・・・




な ん で だ ?







/ ,' 3「お年寄り相手に不意打ちは酷く無いかモナ?ドクオ」


('A`;)「じ・・・・じじい」



俺が見たのはモナーじゃなく、あの行方不明になっていた   糞じじいだった





第七章 「灰色外套」 完



戻る次のページへ