( ^Д^)と(*゚∀゚)は魔界のならず者のようです

301: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:04 NH1Hd9OiO

第九話 『魔戦士達の集結』


現時点では、まだ城内に戦火は広がっていない。
城下で戦闘中の者達からしてみれば酷い話だが、城内の防衛に回っている連中には割と暇な奴が多かった。

( ^Д^)「おお、無事だったか!」
(#゚;;-゚)「…この通り無事そのものですが、何か?」
( ^Д^)「何もクソもねえよ。はっきり言わせてもらうと、よかった!」

彼等もまた例外ではない。
のーと共に巨獣シラネーヨを倒したタカラは城内にて、でぃと落ち合っていた。
何時もと変わらぬでぃの姿を確認し、彼もまた何時もと変わらぬ口調で言葉を交わす。



302: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:07 NH1Hd9OiO

(#゚;;-゚)「…そういえば、軍師さんが」
( ^Д^)「あ? 軍師さんがどうかしたのか?」
(#゚;;-゚)「…いや、何か暗殺者にやられたって言ってた」
(;^Д^)「な、何だって!? …それは一体――」
(#゚;;-゚)「あの部屋…」

近くにある部屋を指し示す。
それとほぼ同時に

(;^Д^)「う、嘘だッ!?
     軍師ともあろう者が、そんな簡単に倒されるなんてことは許されるはずがねえ!」

血相を変えて扉へ向かおうとするタカラを、でぃは宥める。

(#゚;;-゚)「…いやいや、やられたといってもちょっと傷を負っただけで今は休んでるから。話はちゃんと最後まで聞こうね」
( ^Д^)「…何だ、ビビらせるなよ」

そうはいっても、敵の攻撃を受けたとなるとやはり少し心配だ。
どうせ今は暇なので、タカラとでぃは彼女の元へ赴くことにした。



303: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:13 NH1Hd9OiO

爪゚ー゚)「む、どうやら無事に帰還したようだな」
( ^Д^)「何だ、普通に元気そうじゃねえか」

部屋にいたじぃはベッドに座り寄りかかっていたものの、多少動作がぎこちないだけでそれ程痛手は受けていない様子だ。

爪゚ー゚)「何を言う、これでも痺れに耐えるのは結構大変だったんだぞ。
     もっとも、城の治療係のお陰で今は大方回復してはいるが」
( ^Д^)「治療係…そんな奴この城にいたっけ?」

聞き慣れぬ言葉に首を傾げるタカラ。

(#゚;;-゚)「…つい最近そういうの構成されたよ」
爪゚ー゚)「と言っても総員は二匹だ。
     だからといって見くびるな、彼等は怪我の治療から解毒まで幅広くやってくれるのだから。
     因みに、料理係なんてのも先日構成された」
( ^Д^)「おいおい…
     しかし、すげえ働き者だな。どんな奴?」
爪゚ー゚)「ああ、それは―――」

言いかけたそのとき、再び部屋の扉が開いた。



304: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:14 NH1Hd9OiO

現れたのは―――


('(゚∀゚∩「おまちどうさま!」

瓶を抱えた小柄な生物。
敬礼らしき動作の後、じぃの元へと駆け寄る。

( ^Д^)「…あれ、こいつどっかで見たことあったような…」
(#゚;;-゚)「?」

対し、じぃは瓶を受け取りながら

爪゚ー゚)「この子がその治療係でな。現世のごく限られた地域にのみ生息しているという―――」
(;^Д^)「あーっ、そうかあいつか!
     つーか大体何で奴がここに…また幽霊か!?」
爪;゚ー゚)「いや待て、まず落ち着け」
('(゚∀゚∩「……」



305: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:19 NH1Hd9OiO

人間の半分程の身長しかない、可愛らしい生物。
彼等は通称「なおるよ」と呼ばれている。

そして人間の言葉を話すが、しかし魔物でもないこの不思議な存在をタカラは知っていた。

爪゚ー゚)「彼等は何故か、現世のごく一部の雪国にしか生息していない。
     余談だが、彼等に最も適応している地は私の墓があるはずの雪で覆われた島らしい」
( ^Д^)「成る程、つまりこいつらは沢山いるんだな」
爪゚ー゚)「大量発生しているという程でもないが、かなり古くから集団或いは少数での生息が確認されている…らしい。
     恐らくお前が現世で出会ったというのは、この子達とは別のなおるよだったのだろう」

言いながら、受け取った瓶の中身を飲み干す。
どうやら解毒剤の類らしく、色からしてとても苦そうだ。

( ^Д^)「そういえば確かに様子というかふいんき(なぜかry が昔の奴等と少し違うな」
(#゚;;-゚)「(…可愛い)」



306: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:25 NH1Hd9OiO

だが、現在目の前にいる『なおるよ』は何故魔界の、しかもこの城に居着いているのか。
これについてもじぃに訊ねてみたところ、なおるよ達は人間と同様に、現世のどこかにある魔界に繋がった扉から転がり込んできた、という説が有力らしい。
タカラもじぃも、現世から魔界への片道電車といえる、この扉の所在は知らなかったのである。

爪゚ー゚)「住処の近くに扉があったとは考えにくいが…まあその辺りは何かしら深い理由があるのだろう」
( ^Д^)「結構いい加減だな…ところで、俺の勘だとこいつには―――」

言い終わる前に、新たな影が現れる。

∩゚∀゚)')「そのとおり!」
('(゚∀゚∩「ぼくたちは、ふたりぐみだよ!」
( ^Д^)「…やっぱりな」



307: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:45 NH1Hd9OiO

爪゚ー゚)「さて…私はもう大丈夫そうだ。
     お前もいつ何が攻めてきても対処できるよう、今のうちに治療してもらえ」

とうとう解毒剤が麻痺毒にとどめを刺したのか、じぃは刀の手入れを始めた。
タカラはそれを眺めつつ

( ^Д^)「いや、実を言うと俺怪我とか特にしてねえ」
爪゚ー゚)「ほう? お前何時からそんなに強くなった?」
(#゚;;-゚)「…そんな訳はないですよ。何か裏があるはず」
( ^Д^)「斯く斯くしかじか」
爪゚ー゚)(#゚;;-゚)「成る程」

…さて。
和やかなふいんき(ry の中、兵士が慌てて部屋に駆け込んできたのは直後の事である。



308: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 19:51 NH1Hd9OiO

先程までの緩慢とした流れは消え去り、緊迫した空気が一階の広間を支配している。
原因は二人の男女と、彼等に従うように立っている少数の機械兵。
広間の見張りであった兵士は既に殺され―――
その死体の肩には何かが噛みつき血を吸ったような痕が残っていた。

( )「おい、私はあまり遊んでない訳だが、お前は楽しめたか?」
(=゚ω゚)ノ「はい、それなりに。
     ですが団長殿と落ち合う前、一人の馬鹿を振り切るのに少々手こずりましたょぅ」
( )「(団長と呼ぶなとあれほど…)
   で、その馬鹿とやらはどうしてやった? 殺したのか?」

複雑な思いを抱きつつ、女は配下に問う。

(=゚ω゚)ノ「いえ、勝負がつかないので上手いことやって撒いてきましたょぅ。
     ですが所詮馬鹿は蜂や蚊以下の虫けらも同然、そんな奴は放っておいても――」
( )「その蜂や蚊に刺された後では手遅れなのだよ。
   そいつはお前を潰しにくるかもしれん。十分に警戒しておけ」
(=゚ω゚)ノ「イエッサーですょぅ!」



309: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:28 NH1Hd9OiO

そんな、周囲の状況を無視した会話。

「やい、いつまで余裕ぶっこいてるつもりだ!
 ここはてめえらの陣地じゃねえぞ!」

機械兵達と相対するように位置し、各々の武器を構えた兵士の内の一人が怒鳴る。
訳の解らぬ侵略戦争に巻き込まれたことに対する苛立ちが、彼等から滲み出ていた。

( )「やれやれ…目障りな奴等だ」

対し、兜の女は面倒臭そうに呟きながらサーベルの切っ先を兵士達へと向け

( )「…かかれ!」

同時に周囲にいた機械兵達が一斉に行動を開始する。
命じられた動作はただ一つ―――殺戮。
主の命令に従い、目前の相手へと武器を振り下ろすが―――

「そうはいくかってんだ! やっちまえ!」
「おうよ!」

兵士達もまた各々の武器を構え、勇猛果敢に応戦を試みる。
たちまち一人が一機の機械兵を破壊し、それを境に兵士達はさらに勢いづく。

( )「ほう…?」

兵士達の数が多いせいもあってか、機械兵はみるみるうちに残骸と化していった。



310: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:32 NH1Hd9OiO

やがて全ての機械兵が破壊され、再び辺りの空気は静まり返る。

( )「やるな? どうやら私はお前達を甘く見すぎていたらしい」
「嘗めてもらっちゃ困るね。
 俺たちゃ魔界軍の精鋭部隊…他の兵士とは一味違う訳で、そう簡単にはやられんのさ!」
( )「そうか…ならおかわりはどうかな?」

言葉と同時。
女の背後、つまり入口から新たな機械兵が数機侵入してくる。
今にも襲ってきそうな相手を見て

「おかわりねぇ…俺今腹一杯だわ」
「てめえ一旦死ね! つーか空気嫁!」
「やかましい、てめえら突っ込む暇があったら敵を潰すこと考えやがれ!」
「人に言う前にまず て め え が 考 え ろ !」

悪言雑言の中、兵士達は険しい表情で身構える。
先程は万全の状態であったが、今は負傷した者もいる。
さっきと同じ相手とはいえ、今度は此方にも犠牲者が現れてもおかしくない状況。



311: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:38 NH1Hd9OiO

その時だ。

「お前達、下がれ!」
「!?」

突如飛んできた声を耳にした兵士達は皆、反射的に後方へ退避。
直後、青白い雷が広間を駆け回り、機械兵達は呆気なく打ち払われ動かなくなる。

( )「…そうか、ここからが本番な訳か」
爪゚ー゚)「…初にお目にかかる」

律儀にも挨拶の言葉を述べながら現れたのはじぃ。
次に相手がどんな反応を示そうが、そんなことは気にしない。

(=゚ω゚)ノ「…団長殿、あの女は?」
( )「さあてね。私にも解らん」

そう言って考えるような素振りをみせた後

( )「おい、相手してやれ」
(=゚ω゚)ノ「イエッサーですょぅ!」

主の命令を受けたぃょぅは両手に細身剣を構えた。
外見は人間の大人よりもやや小さい程度の男だが、その立場からして決して弱い相手ではないだろう。

( )「本来ならさっさとこの城を落として終わりにしたいんだがな。どうやら少し長引きそうだ」
爪゚ー゚)「終わらせたいのは私も同じさ…そっちの撤退という結末でな!」

言葉と共に、じぃとぃょぅの双方が動いた。



312: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:51 NH1Hd9OiO

( )「さて…私は今の内に食事の時間とするかねぇ…」
「ひっ…!?」

女は、一箇所に固まっている兵士達に視線を向けた。

( )「さっきの奴は我々を満足させるに至らなかったようだ。
   だからお前達で満足させろ」

狂気を纏いつつ、彼女は恐ろしい言葉を投げかける。

「ど…どういうことだよ!」
( )「頭は大丈夫か? さっきの奴がそこに転がってるだろう」

そばにある死体に目を遣り、再度兵士達に視線を戻す。

( )「端的に言うと…お前等の血と魂を寄越せ」



313: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:54 NH1Hd9OiO

一瞬の沈黙。
そして

「ふ…ふざけんな! そんな無茶苦茶なこと―――」
( ^Д^)「誰がOK出すか、って話だよな」
「ちょwwwwwwwお前何時の間にwwwwwwww」

タカラの突然の出現に、一瞬緊迫した空気が崩れる。
その際、すぐ近くで攻防を繰り広げているじぃに半目で睨まれたことは内緒だ。

( )「何だお前は。二百年前にもいたような気がするが」
( ^Д^)「うっせえ黙れ、俺はてめえに会うの初めてだね。
     そんでもって気のせいかもしれんが、てめえは誰かさんみたく性格最悪って感じだな!」

誰かさんの詳細は最早不要だろう。
だが軽い口調とは裏腹に、両手にはいつもの鉤爪を装着し「どこからでもかかってこい」といった様子。



314: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:56 NH1Hd9OiO

( )「それでお前に何が出来る?
   まさか私を倒そうなどとは思ってないよな?」
( ^Д^)「倒せなくたって、追い返せればいいってことよ!
     …って風にさっきまでは思ってたけど、やっぱ仕留める!」
「そうだそうだ!」
「あの女に一泡吹かせてやれ!」

何時の間にか安全圏へ避難した兵士達が騒ぐが、そこで突っ込んでは負けだ。

( ^Д^)「よーし、ここは俺が奴を倒して、でぃにかっこいいとこ見せるぞー!」

緊張感の欠片もない台詞の直後、突撃を試みる。



315: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 20:59 NH1Hd9OiO

―――だが

「どきな、この身の程知らず!」
(;^Д^)「おわっ!?」

聞き慣れた女の声と同時に、タカラの身が弾かれるように吹っ飛ばされた。

(#^Д^)「んだとてめえ―――」

どうやら下半身の宝箱を強く蹴り飛ばされたらしい。
痛みは感じないが、自身を吹っ飛ばした本人の姿を確認した途端に彼は内心泣きたくなった。

(*゚∀゚)「アンタがあの女を倒す? 馬鹿言ってんじゃないよ!」
( ^Д^)「つー…お前こんな時に来やがって!」
(*゚∀゚)「そりゃそうさ、奴を倒すのは私以外にはいないんだから」



316: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 21:03 NH1Hd9OiO

どうやら彼女は侵略側の指揮官に対し、強い宿命のようなものを抱いているらしい。
こんな時だというのに一向に退く気はない。

( ^Д^)「そんなん誰がやろうが変わりねえだろうが!」
(*゚∀゚)「五月蝿い、私の宿命がアンタになんてわかってたまるか!」
( ^Д^)「ああ解らねえよ。だからお前が言いたいことも解らねえな」
(*゚∀゚)「何だと、この糞アル中!」
(#^Д^)「同じネタ何度も使うんじゃねえ!」

視線をぶつけ合い、激しく火花を散らすタカラとつー。

( )「む…何故に奴がいる? 眠らせておいたはずだが。
   というより、そろそろ始めてもいいかね」

敵である兜の女などそっちのけ。
最早何時もの喧嘩だ。



317: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 21:06 NH1Hd9OiO

無論、こんな状況はいつまでも続くはずはなく

爪゚ー゚)「止めんかお前達!」
( ^Д^)(*゚∀゚)「!」

ぃょぅと戦っていたはずである、じぃの鋭い一声が飛んできた。

( ^Д^)「…見ろ、怒られたじゃねえか!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ-、私は悪くないよーだ!」

それでもなお続く二人の喧嘩は流石に無視され、gdgdな状況は終わりを告げることになる。

( )「おかしいな、こっちに干渉してくる余裕はないと思っていたが」
爪゚ー゚)「済まぬ、予想以上に早く終わった」

何気なく言ってのける。
その視線の先には両腕・両脚から白い電気らしきモノを纏い始め、聴き慣れぬバチバチという音を周囲にばらまいているぃょぅの姿。

(;=゚ω゚)ノ「だ、団長殿、申し訳ありません…そいつは僕の手には負えませんょぅ…」

途切れ途切れに声を発するぃょぅ。
これが幽体であり、しかし機械でもあるということの表れなのだろうか。



318: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 21:14 NH1Hd9OiO

対し、兜の女は戦力外となったぃょぅを軽く見据えた後

( )「随分とやるではないか。ぃょぅをああまで追いつめるとは」
爪゚ー゚)「…私は己の力を見せつける為にこの場にいるのではない」

冷静に、且つ冷淡に言い放つ。
同時に、目の前の女が負傷したぃょぅを殆ど気にかけていないことを内心疑問に思う。

( )「あいつは放っておいても自分でそれなりの判断をするとして…
   …さっさと終わりにしよう。とりあえず聞くが、城主はどこにいる?」
爪゚ー゚)「そこで答えては一応の我が主に背くことになる」
( )「ほう…一応、とは?」
爪゚ー゚)「言葉通り」

目を伏せ

爪゚ー゚)「私は本来、生ある人間。
     肉体が朽ちた後にこの魂だけが現世から天界へ移り、そして天界から魔界へ…お前に解るかな」
( )「…何だと」

疑問の混じった声。
その表情を正確に読みとることは出来ないが、彼女は驚きを隠せない様子であることは確かだった。



319: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 21:17 NH1Hd9OiO

( )「そうかそうか…するとお前は…いや、何でもない」

言いかけて、しかし止める。
その心情の変化をじぃは見逃さない。

爪゚ー゚)「(この女、私のことを…?)
     お前は一体――」
( )「さあなぁ…私はさっさと終わらせたいと言った。早いとこ城主を出したまえよ。
   或いは城内を完全に破壊した挙げ句に大虐殺なんてことにしたっていいんだよ!? アヒャヒャヒャアアア!!」

凛々しいその姿からは考えにくい、狂気の笑い。
並の人間ならば耳にしただけで戦意を奪われそうになるほどだ。

爪゚ー゚)「そうはいくか!」

鞘から刀を抜こうとした、その時。

「待ちたまえ!」

背後から静かな、しかし強い意志が篭もった声が響いた。



320: ◆wAHFcbB0FI :10/06(土) 21:20 NH1Hd9OiO

タカラやつーも含めた皆が、声のした方を向く。

(-_-)「…遅れて済まなかったね」

魔王ことヒッキー。
現在戦場と化しているこの城の主であり、そして魔界を統べる存在。
気配すらも感じさせず、彼は何時の間にかそこに立っていた。

爪;゚ー゚)「魔王殿! ここは危険ですぞ!」

ヒッキーが狙われているこの状況で、本人が直接現れることは非常にまずい。
瞬時にそう判断したじぃはヒッキーに制止をかけるが

(-_-)「忠告ありがとう…でも、その必要はないよ」

和やかな表情のまま、しかし普段とはどこか違ったオーラを纏ったヒッキーはじぃの前に出る。
そして自分の命を狙っている女を真っ直ぐ見据えつつ

(-_-)「…ここから先は、僕が相手をするよ」



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