( ^Д^)と(*゚∀゚)は魔界のならず者のようです 特別編

411: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 19:16 geUxeGy0O

『話の通じる悲惨な奴』



( ^Д^)「因みにハロウィンはカボチャの日とも言うらしい」

※勿論そんなことはないです



( ^Д^)「さて、まずは一番道理が通る奴から攻めるか」
(#゚;;-゚)「…と、いうと?」
( ^Д^)「ハロウィンという単語が通じて、且つ何かと扱いやすい奴だ。もう解るな?」
(#゚;;-゚)「あー…成る程」



412: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 19:21 geUxeGy0O

そして

( ^Д^)(#゚;;-゚)「Trick or treat!」
(; ´∀`)「ちょ…不意打ちモナ」

城下町のとある一角で、タカラとでぃはモナーを捕まえていた。
彼等からして一番扱いやすい存在はモナーである…というか、モナー以外に扱いやすい相手はいない。

( ^Д^)「五月蝿ぇ、くれって言ってんだからとっとと寄越せ」
(; ´∀`)「こっちに要求する権利はないモナ?」

当然モナーにもその権利はある。
だが、現実とは辛いものだ。

( ^Д^)「ねえよ。早い者勝ちが俺達のルールだ」



413: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 19:24 geUxeGy0O

この瞬間、モナーの意識内で波瀾が巻き起こる。

(; ´∀`)「(うわぁ…寄越せって言われても、僕はお菓子どころか食べ物すら持ってないモナ…。
       でも相手は妖怪、ないとか言ったら何されるか知れたもんじゃないモナ…どうすんの俺?)」


この間僅か三秒。
タカラとでぃが何か喚いているが、そんなことはモナーの耳に入らない。
彼は考えた挙げ句、苦肉の策に出た。



414: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 19:26 geUxeGy0O

( ´∀`)「…こ、こんなこともあろうかと、実はちゃんと用意してあるモナ。でも今は持ってないからすぐに取ってくるモナ」
( ^Д^)「よっしゃ、十分で戻ってこい」
( ´∀`)「了解モナー!」

これぞ、妖怪にパシられる元人間の図である。




そして、十分後

( ´∀`)「お待ちどうモナ!」
(#゚;;-゚)「…ご苦労様」
( ^Д^)「おい見ろよ、すげえぞ!」

モナーがどこからか持ってきたのは複数の飴玉。
割と大きめで、タカラとでぃで山分けしても十分な量だ。



415: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 19:30 geUxeGy0O

( ^Д^)「しっかし、よくこんなモン魔界で手に入ったな。どこから取って(盗って)きた?」
( ´∀`)「それは企業秘密モナ」
( ^Д^)「…? まあいいや。サンキューな、早く彼女作れよ」
(#゚;;-゚)「…良い一日を」
( ´∀`)「彼女…ねえ」

モナーはそう呟いてタカラとでぃを見送った。



( ´∀`)「…………」

( ;∀;)

( ;∀;)「ああああああ! 僕はどうせ死んでからも独りモナよ!
      現世にいた頃も小学中学高校と誰からも見向きされず
      そうこうして魔界に迷い込んで数年後に死に、さらに約百年経った今でも女の子と手を繋いだことさえないモナー!」

愕然として叫ぶモナーを、周囲にいた住人達は変質者を見るような目で眺めている。
とうとうタカラ達にお返しの菓子を要求することさえも忘れましたとさ。



続く



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