( ^Д^)と(*゚∀゚)は魔界のならず者のようです 特別編

423: ◆wAHFcbB0FI :10/31(水) 23:59 geUxeGy0O

『「Rich man」を狙う!』



( ^Д^)「よし、次も大きく稼ぐぞ!」
(#゚;;-゚)「(何かおかしくなってるような…それともこれがハロウィンってものなのかな?)」

モナーと高岡から見事に菓子を巻き上げたタカラとでぃは、次の標的を既に決めていた。
向かった先は、魔王ことヒッキーが暮らす城。
つまり今度の相手は―――言うまでもないだろう。

何時もの如く我が物顔で城に入り、何時もの如く城内にて出会う兵士達と適当に言葉を交わし、そして何時もの如く玉座の間に到達する。



424: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 00:02 avuXyZvqO

(-_-)「…やあ、君達何の用―――」
( ^Д^)(#゚;;-゚)「Trick or treat!」

ヒッキーの最初の言葉さえ最後まで言わせず、出会い頭に要求を突きつける。
先程モナーが言っていたように、確かに不意打ちともいえる態度だが

(-_-)「…成る程ね」
( ^Д^)「おっ……ということは魔王さんはハロウィン知ってるんだな?」
(-_-)「この世界では関係ないことだけど、一応それぐらい知っておかないと情けないからね。
    今年辺り、ハロウィンという理由でそろそろ何かねだりに来る奴が出現してもいい頃だな…って思ってたら、たった今本当に来た訳だよ」

流石は魔王、何から何まで予想済みだったようです。



425: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 00:07 avuXyZvqO

(-_-)「…という訳で、特別にこれを君達にあげよう。二人で楽しく飲みたまえ」

そばにあった箱から瓶を取り出す。

( ^Д^)「こ、こ、こ、これは!」
(#゚;;-゚)「…驚き杉?」

それは、城の地下に保管してある稀少なワインの内の一つだった。
高々ハロウィンでこんな高級品を貰ってしまってよいのだろうか。

( ^Д^)「おい…いいのかこれ。俺こんなワイン飲んだことねえぞ?」
(-_-)「いらないならいいけど」
( ^Д^)「いやいやいやいや、貰うに決まってるだろ!」

引ったくるように受け取る。
貰う側として無礼極まりない。

( ^Д^)「…にしても、こんなモン貰っちまったら前の二人から巻き上げた菓子が安っぽく思えてくるな」

この呟きが先程の二人に知れた日には、モナーは兎も角高岡から爆発の集中豪雨をプレゼントされかねない。
…が、問題ないだろう。



426: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 00:15 avuXyZvqO

(#゚;;-゚)「…で、それどこで飲むの?」

でぃに問われて、タカラは考えるような素振りをみせる。
そして

( ^Д^)「現世のいつものとこ…ってのも悪くはねえが、こいつは現世にはないワインだ。
     だったらこの魔界で一杯やるってのがお約束ってもんだろ」

そういうものなのか?


( ^Д^)「となると、やっぱりこの城のあそこかな…でぃ、行こうや」
(#゚;;-゚)「うん…魔王様、ありがとうございますです」

頭を下げて礼の言葉を述べるでぃ。
誰かさんとはえらい違いだ。

(-_-)「ああ、楽しんでおいで」

ほのぼのとした様子で、ヒッキーは二人を送り出した。
アレは魔界でも滅多に手に入らない貴重なワインだが、まあこんな日があってもいいだろうと不思議に思ってしまうのである。



―――が、それから数分後にヒッキーは何かに気付く。

(-_-)「…あれ、そういえば確かハロウィンって……まあいいか」



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