( ^Д^)と(*゚∀゚)は魔界のならず者のようです 特別編

432: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 16:11 avuXyZvqO

『ナンテコッタイ!』



( ^Д^)「さて、次はどこから巻き上げるか」
(#゚;;-゚)「(…何かがおかしくなっているー)」

もうそろそろ引き上げて良いであろう頃合いだというのに、二人のハロウィンという名の略奪行為はまだまだ続く。

(#゚;;-゚)「大体…他に誰かいる?」
( ^Д^)「…うーん、言われてみれば……」

悩むこと三秒。
タカラはポン、と手を叩き

( ^Д^)「…いやいやいやいや、いるじゃねえか。
     お人好しで、簡単に何かくれそうな奴が!」



433: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:13 avuXyZvqO

…………………


(*゚A゚)「…それで自分のとこに来たと」
( ^Д^)「まあ、そういうことになるな」
(#゚;;-゚)「…私は興味があったから御一緒してる」
(*゚A゚)「(バカにされとんのかなぁ…)」

魔界に唯一存在する森の奥地の小屋内にて、タカラとのーは向かい合わせに座っている。
無論、タカラの横にはでぃも一緒だ。

(*゚A゚)「でも、ここには木の実とかキノコしかあらへんよ?」
( ^Д^)「じゃあそれでいい、くれ!」
(*゚A゚)「うーん…今日は…」
( ^Д^)「おっ、解ってるな。
     その通り今日はハロウィンだ!」
(*゚A゚)「いや、だからt――」
( ^Д^)「最初から俺達にくれるつもりでいてくれたんだよな? 流石、のーは気が利いてるぜ!」
(*゚A゚)「…………そ、そう。最初からそのつもりやったよ」
( ^Д^)「よしよし!」

タカラは歓喜し、でぃは気まずそうに目を逸らす。



434: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:17 avuXyZvqO

(*゚A゚)「…この小屋の周辺で食べれる木の実とキノコが穫れまっせ。
    ま、穫りすぎない程度に持ってってや」
( ^Д^)「サンキューな!」
(#゚;;-゚)「…いいの? さっきまで躊躇ってたけど」
(*゚A゚)「ええよ…………多分」
(#゚;;-゚)「…多分? まあいいか。
     では、御言葉に甘えて」

タカラとでぃは略奪の品(?)を回収するべく、小屋から出ていった。
それを見届けたのーは、小さく悪戯っぽい笑みを浮かべながら呟く。

(*゚A゚)「……別に嵌める気はあらへんけど、この際今のが自分からの『trick』でええよな?
    自分だって偶には嵌めますよ、っちゅうことで堪忍してや」



435: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:20 avuXyZvqO

数十分後

( ^Д^)「ふぅ、こんなもんかな」
(#゚;;-゚)「…結構穫ったね」

二人は現世では見つからない奇妙な形状の木の実やキノコを両手で抱え、互いに顔を見合わせて笑う。

( ^Д^)「じゃ、そろそろ行くか」
(#゚;;-゚)「…次で最後ね。私は結構満足したよ」
( ^Д^)「そうだな。よし、じゃあ次に出会った奴から頂戴するとしよう」
(#゚;;-゚)「…うん」

そして二人が森の出口へと向かおうとしたとき、前方に人影が見えた。

( ^Д^)「おっ…飛んで火に入る何とかかんとかってやつだな!」

タカラはすっ飛ぶように向かっていき、でぃも少し遅れて後を追う。

が、相手が悪かった。



436: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:26 avuXyZvqO

(*゚∀゚)ノ「やぁ、バカップルじゃないか!」
(;^Д^)「ちょwwwwwqあwせdrftgyふじこlp」

タカラにとって、今最も起こってほしくないことが起きた。
それはつまり、つーに出会ってしまったということ。
何か食べ物などを持っている時に彼女に出会うと、大抵横取りされてしまうのだが―――

(*゚∀゚)「…で、その美味しそうなモノの数々は何だ?」

…やっぱりこうなったか、とタカラは思う。
飲まず食わずでもやっていけるというのに、どうしてこの女は他人から物を奪うことを快感とするのだろう。



437: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:27 avuXyZvqO

( ^Д^)「…何だっていいだろ」
(*゚∀゚)「言わなくったって私にはお見通しさ。
     大方のーから貰ってきたんだろうね…寄越しな!」
( ^Д^)「なーんで俺がお前なんぞにやらなきゃなんねえんだよ」
(*゚∀゚)「アンタの物は私の物、私の物は私の物だからねぇ。
     そして何より、今日はハロウィンだからさ。それだって本来、私がのーから貰うはずのモノなんだからね」
(#゚;;-゚)「(…何というジャイアニズム)」

こうなると、もはや外見と行動が全く一致していないドSなつー御姉様の最終形態である。
…いや、それはないか。

(*゚∀゚)「…ま、正確に言っちゃうともうハロウィンは過ぎてる訳だけど。
     作者も作者で矛盾発生させるとかほんと馬鹿だよねー」

ほんとごめんなさい。



438: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:29 avuXyZvqO

( ^Д^)「(…しっかしまあ、何か嵌められた気がするのは俺だけ?)」

いずれにせよ、こうなったつーを止める術はない。
ついでに普段からカツアゲされているであろうモナーが、毎度の事ながら惨めに思えてくるのだが気のせいだろうか。

( ^Д^)「わかったわかった、半分やるから大人しくしろ」
(*゚∀゚)「半分とか言わずに全部寄越せ。
     それから、何か美味しそうな血を持ってこい」
Σ(;^Д^)「ハア!? 何でそんなことしなきゃいけねえんだよ。
     いい加減にしろやカス!」
(*゚∀゚)「だってハロウィンだからな。
     そして私は何時ものルールに乗っ取った上でこう言うよ」

タカラが言い返す隙さえ与えずに

(*゚∀゚)「kill or blood♪」

恐らく「血をくれなきゃ殺すよ!」とい
う意味であろうが深く考えないことにする。
ハロウィンはもう過ぎたとか、そんな過去の言葉は彼女にとっては一切関係なしである。



439: ◆wAHFcbB0FI :11/01(木) 17:35 avuXyZvqO

( ^Д^)「…ああわかったよ。
     早い者勝ちが俺達のルールだよな!」

先程まで散々自分で言っていたことが、今ここで仇となった。
だが、さらなる追い討ちがかかるということも十分に有り得るものである。

(*゚∀゚)「よーし良い子だ。
     じゃあ今から十分で戻って来い。でないと…」




…その続きを聞いたタカラは、してやったりといった様子のつーを涙目で睨みつけた後、やむを得ずある場所へと向かうことになった。



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