('A`)が神を認めないようです。

157: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:41:22.17 ID:aPScLMoE0
(・∀・)「えー、初めまして皆様。どうも、神です。」


神………?
なんだこいつ。ふざけているのか?





……などと簡単に考えることはできなかった。

それほどまでに圧倒的な威圧感。
自分の命を手で掴まれている。
簡単に握りつぶす事ができる。

そう感じさせるほどその男は異質だった。



163: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:42:42.07 ID:aPScLMoE0


(・∀・)「皆様の中に今日の午前6時から能力を使える人間が現れたはずです。」

(・∀・)「その人たち。 本当におめでとう!!!!!!」


なんだ?? 何を言ってるんだ??


(・∀・)「君達は選ばれました。 そう。私という神に選ばれた存在なのです。」


こいつ頭がおかしいんじゃないのか??
………しかし、画面から目を離す事が出来ない。



172: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:44:01.81 ID:aPScLMoE0

(・∀・)「君たちに与えた能力のほとんどは火のレベル3まで。
     しかし、その中に僅かな確立でレアも存在しています。
     その人たちは本当にラッキーだ。 いや、実に羨ましい。」


わざとらしくおどけてみせる喋り方。
何故だかわからないが非常に不愉快だ。


(・∀・)「私に選ばれた皆さんにはね。是非選ばれなかった人間たちを皆殺しにしてほしいんですよ。」



…………?

こいつ…、今なんていったんだ??



177: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:45:28.75 ID:aPScLMoE0

(・∀・)「私に選ばれなかった人間はね。いらないんですよ。 とにかく殺してしまってください。」


わけがわからない。
駄目だこいつ…。早くなんとかしないと。


(・∀・)「さて、私が選んだ方達を普通の人間とわけるために…、そうだ[ゼロ]と呼ぶことにします。」

(・∀・)「かっこいいでしょう? じゃゼロ以外の人間は殺してください。」

(・∀・)「といっても、ただ殺せと言われてもやる気がでませんよね〜…。 というわけで、なんと!」

(・∀・)「たくさん殺したひとには能力が強くなるというおまけをつけちゃいます!! 頑張ってくださいね〜。」



183: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:46:40.32 ID:aPScLMoE0


……最悪だ。
何を言ってるかもはやわからない。
わかりたくない。

でも、こいつが言ってる事をみんなが実行したら……地獄だ。



(・∀・)「それから[契約者]の方々へ連絡があります。」



('A`)「!!!!!!!」
川 ゚ -゚)「!!!!!!!」



190: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:47:51.09 ID:aPScLMoE0

やっぱり契約者なのか。
少なくともこいつは契約者の存在を知っている。




(・∀・)「はい、想像通り私も契約者です。ただ、貴方達とはくらべものにならないほど強いですがね。」

(・∀・)「今回私が行ったのは[多数契約]そして[強制契約]の二種です。」

(・∀・)「強制契約のほうは私が独自に作り上げた技です。貴方達は知らないでしょう。」

(・∀・)「私の要求は一つ。 私に従え。 従わないなら殺します。」

(・∀・)「これだけの人数に多数契約できる私に勝てるとは思いませんよねぇ〜?」



195: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:48:59.63 ID:aPScLMoE0
(・∀・)「能力の源、エネルギーの[レイ]も多数契約してる私ならたくさん手に入りますからね。」

(・∀・)「従うと言うなら、今なら私の側近にしてあげましょう。天使ですよ。嬉しいでしょう??」



川#゚ -゚)「ふざけるな!!!!!! だいたい強制契約だと!? そんなもの許されるはずがない!!!」

クーがいきなり大声で叫ぶ。
確かに、あまりにふざけた内容だ。

しかし……

しかし、クーは震えていた。
怯えているんだ。

そうか……。
クーでも抗うことはできないんだな……。



198: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:50:55.06 ID:aPScLMoE0

(・∀・)「従う場合は一週間以内に東京にきてください。」

(・∀・)「まぁ、また何かあったら同じ方法でお伝えしますからテレビはマメに見たほうがいいですよ〜。」

(・∀・)「それでは。」



また画面が切り替わる。
さっきまでのニュースと同じ画面。

一体…なんだったんだ??
夢なのか?



222: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:56:10.44 ID:aPScLMoE0

いや……違う。

逃げることなんかできない。
受け止めるしかない。現実を。



('A`)「……どうするよ??」

川 ゚ -゚)「…なにがだ?」


まだ少し震えているものの、さっきよりマシだと思える。
それはクーも同じだ。



229: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:57:26.60 ID:aPScLMoE0
('A`)「天使さんになるのか?」

川 ゚ -゚)「…フン。笑わせるな。 私が従うのは君だけだ。」

('A`)「……悪い。馬鹿な事言っちまった。」

川 ゚ -゚)「まったく君は馬鹿で困る。」

('A`)「………すまん。」

川#゚ -゚)「………っ!!」



いきなりクーに押し倒された。
そのまま勢いで唇を重ねられる。



234: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:58:35.33 ID:aPScLMoE0

え……???

俺…初キス…。ん…?


慌ててかおをそむける。


(;'A`)「ちょ!! 何やって…んー!!!」


ふりほどけない。
またしても唇を重ねてくる。
駄目だ…。
ふりほどくことなんてできない…。
いい匂いするし…。気持ちいいし。



240: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/19(日) 23:59:38.29 ID:aPScLMoE0

川 ゚ -゚)「………私はそんな君が好きなんだ。」

('A`)「クー……。」


起き上がってそう呟くクー。
まっすぐな瞳に吸い込まれそうになる。


あれ??俺ヤバイかも………。



245: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:00:44.42 ID:KNe/oXVD0
♪きっと今は自由に空も飛べるはず〜♪


携帯の着信音がものすごい音量で鳴り響く。

見つめあっていた俺とクーは慌てて目を逸らす。
なんだ…この恥ずかしさは。

その恥ずかしさを振り払うかのように電話にでる。

(*'A`)「も、もしもし??」

(;^ω^)「もしもし??ドクオかお!!?」



251: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:01:59.95 ID:KNe/oXVD0
ブチッ。


電話を切る。

酷く不愉快だ。

あの甘酸っぱいようなドキドキ感を邪魔しやがったのがこいつだったとは…。
着信拒否してればよかった。


そしてクーの方を見る。
クーはこちらをずっと見ていたようで、自然に目が合う。


………沈黙。


いたたまれなくて声をかけてみる。



257: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:03:11.81 ID:KNe/oXVD0
('A`)「あの…」
川 ゚ -゚)「あの…」


タイミングが被ってしまった…。





♪きっと今は自由に空も飛べるはず〜♪




(#'A`)「…………。」



まぁ、そうだよな。
普通かけ直すよな。



265: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:04:39.48 ID:KNe/oXVD0

川 ゚ -゚)「………プッ。」

川 ゚ー゚)「アハハ。 中々タイミングのいい友達だな。出てあげればいいじゃないか。」



あーあ…。
もう、あのいい雰囲気には戻れない。

そう、この電話のせいで…。



(#'A`)「もしもし。」

(;^ω^)「ちょ!切るとかひどいお!!!!」



270: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:05:47.16 ID:KNe/oXVD0
(#'A`)「うるさい。何のようだ??」

(;^ω^)「テレビを見てくれお!!早く!!!!」


あ……。
忘れてた。
そうだ。とっても大事な事を忘れてた。


(;'A`)「あーーーーーー!!!!」

(;^ω^)「見たかお!!? コールって叫んでみたかお???」



273: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:07:08.80 ID:KNe/oXVD0

しまった……。
どうしよう。

俺はもともとクーと契約してるから能力自体は使えるんだが…。

川 ゚ -゚)「ドクオ。」

クーが耳元で囁く。

川 ゚ -゚)「しばらくは今朝の6時に初めて能力が使えたフリをしておけ。火のレベル3までだ。」


なるほど…。
確かに能力が使えないと言うと今日から能力を手に入れた人間。[ゼロ]に狙われてしまうかもしれない。

それにレアな能力だとどうしても目立ってしまう。
ここは大人しくしておくほうが安全だろう。



276: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:08:28.15 ID:KNe/oXVD0

('A`)「あ、ああ。手のひらに小さい火の玉みたいなものが…。」

(;^ω^)「ドクオもかお!? 実はブーンとツンもなんだお…。」

(;'A`)「二人ともゼロなのか!?」

(;^ω^)「テレビ見てたのかお!!? 二人とも火が出るお!」


なんてことだ…。
いや、この場合喜んだほうがいいのか。

ほかのゼロに襲われなくてすむからな……。


(;^ω^)「でも、ブーンは人差し指の先からライターのような小さい火しかでないんだお…。」



………レベル1だ。



279: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:09:45.55 ID:KNe/oXVD0

('A`)「あー…、それは残念だったなぁ。ツンはどうなんだ?」

( ^ω^)「ツンはドクオと同じだと思うお! とりあえず一回みんなで合流しないかお?」

('A`)「……だな。 とりあえず学校で会おうぜ。」

( ^ω^)「了解だお!!」


プチッ。



川 ゚ -゚)「どうやら君の友達は能力があったようだな。」

('A`)「あぁ。正直複雑だが、狙われる心配がない分マシだろう。」



283: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:12:05.77 ID:KNe/oXVD0
川 ゚ -゚)「……なぜそう言いきれる??」

('A`)「ん? なにがよ??」

川 ゚ -゚)「能力を持っていても襲われる可能性はあるんじゃないか??」

(;'A`)「……!! そうか!確かにその可能性はある!!!」


何故そんな簡単な事にも気づかないんだ。
馬鹿か、俺は。

ゼロとそれ以外の人間の数の比率はわからない。



286: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:13:14.30 ID:KNe/oXVD0

ただ、ゼロじゃない人間を殺すと能力が強くなるというメリットがあるなら、
より多くの人間を殺すためにゼロの数を減らそうと考える人間がいてもおかしくない。

('A`)「そうか…。まいったな…。」

川 ゚ -゚)「まぁ、レベル3では簡単に人は殺せない。 まずは少しでも情報を集めてくるのが先だ。」

('A`)「…わかった。 クーは家で待っててくれ。」

川 ゚ -゚)「ここでか?? 自分の世界じゃなくて??」

('A`)「いや、この世界にいてくれ。万が一何かあったらコールで呼び出す。」

川 ゚ -゚)「ふむ…。了解だ。」

('A`)「ありがとう。それじゃ頼んだ。」



289: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:14:20.56 ID:KNe/oXVD0

急いで家を出て学校に向かう。
道路のあちこちで人が手から火を出してるのが見える。
…なんてことだ。
ほとんどゼロじゃないか。

早く…学校へ行かないと。



294: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:15:27.06 ID:KNe/oXVD0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

( ^ω^)「ドクオ!おいす〜」

ξ゚听)ξ「あら、ドクオ。早かったわね。」

(;'A`)「はぁはぁ…。 このクラスに能力の無い人間は…???」

( ^ω^)「いないお。」

(;'A`)「…………え???」

ξ゚听)ξ「クラスどころか、現時点でこの学校内に能力が現れてない人なんかいないみたいよ。」



296: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:16:33.58 ID:KNe/oXVD0

……どういうことだ??

あの神という男……一体何人と契約してるんだ??

たとえレベル3でもこの人数…。

どれだけの力を持ってるんだ。


( ^ω^)「ドクオ!見てくれお!!  コール!」


ブーンの人差し指の先からボウッと音をたてて小さな火が出る。
…本当にライターくらいの小さいのが。



298: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:17:46.17 ID:KNe/oXVD0

('A`)「…………。」

ξ゚听)ξ「あんたのちっちゃいわねぇ………。」

(;^ω^)「お!これくらいがちょうどいいんだお!! それより、ツン!ドクオに見せてやってくれお!!」

ξ*゚听)ξ「も、もう、しょうがないわね!! ア、アンタの為に見せるんじゃないんだからね!!」


そう言いながらツンが両手の手のひらを上にむける。

ξ゚听)ξ「コール!!」

すると右手の上には赤い火の玉。左手には青い火の玉が浮かんだ。



301: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:18:52.31 ID:KNe/oXVD0

(;'A`)「ツ、ツン!!? なんで!??」

ξ*゚听)ξ「えへへー。これがレアってやつなのかしらね。」

('A`)「…………。」

(*^ω^)「おっおっお。ツンは凄いお!!」

ξ*゚听)ξ「ほ、ほめてくれても何もあげないわよ!! 」


最悪だ。
レア能力者がツンだなんて…。
間違いなく目立つ。
下手すれば狩られるかもしれない。

くそ…。どうすれば。



303: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:19:58.49 ID:KNe/oXVD0

( ^ω^)「ドクオ!! ツンはこれ以外にもあるんだお!!」

ξ*゚听)ξ「いくわよー!コール!!」

今度は右手の手のひらをブーンに向けて叫ぶ。

(;'A`)「お、おい!!そんなことしたらブーンが…!!!」

だが次の瞬間ブーンを囲むように薄い光の膜のようなものが包んだ。

(;'A`)「!!!!??」

( ^ω^)「おっおっお!びっくりしてるお!!」

ξ゚听)ξ「このあとにね、ブーンにこうやっても…コール!」



306: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:21:06.53 ID:KNe/oXVD0

また同じようにブーンに向けて手のひらを広げて叫ぶ。
しかし、今度は火の玉が飛び出した。
それはブーンのほうへむかって飛んでいく。

('A`)「…………。」

だが、その火の玉はブーンに当たる前にさっきの光の幕に包まれて消えてしまった。

('A`)(やっぱりアンチフレイムか…。)

( ^ω^)「このとおりブーンは無事だお!」

ξ゚听)ξ「えへへ。 私この3つの力が使えるの。 今のトコ知り合いの中では私だけみたいね。」

('A`)「そっか…。すげーじゃねーか。」



310: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:22:15.12 ID:KNe/oXVD0
( ^ω^)「やっぱりツンはすごいお!!」

ξ*゚听)ξ「あ、あたりまえじゃない! まぁ、何かあったらこの力であなたたちを守ってあげるから感謝しなさい!!」

( ^ω^)「よろしくたのむお!!!」


そっか…。ほとんどのゼロは火の能力…。
ツンがアンチフレイムを使えるなら襲われる心配は一気に少なくなる。

(*'A`)「そうだ、そうだよ!! よくやったツン!!!」

ξ*゚听)ξ「も、もう、何よ!! 照れるじゃないの…。」



314: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:23:25.16 ID:KNe/oXVD0

そのあとツンはいろんな友達にアンチフレイムをかけてまわった。

もちろん俺にもかけてくれた。

そのあといろんなやつに話を聞いたが、知り合いは全員能力を使えるようになっていたようだ。
一体どういうことなのか…。

これじゃ一般人なんてほとんどいないじゃないか。


その日は当然のように授業などなく、そのまま解散となった。

そして…家に帰って俺は大変な事を知らされる事になる。



317: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/20(月) 00:24:31.67 ID:KNe/oXVD0








('A`)「ただいまー。」

川;゚ -゚)「ドクオ!!!! 大変だぞ!!!!!」



第三話  ゼロ



戻る第四話