('A`)が神を認めないようです。

2: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:41:06.06 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「ただいまー。」

川;゚ -゚)「ドクオ!!!! 大変だぞ!!!!!」


家に入るなり、クーが慌てて出てきた。
こんなに動揺しているクーは初めて見る…。


(;'A`)「おいおい、いきなりどうしたんだよ??」

川;゚ -゚)「説明が難しい…。いいからテレビを見てくれ!!」

(;'A`)「また何かあったのか!!?」



4: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:42:34.40 ID:FN+ZJ2Z30
急いでテレビをつける。
そこに映ったのはあの[神]とかいうふざけた男ではなく、ただのニュースキャスターの男だった。

しかし、言ってる内容が問題だったんだ。


(;@-@)「皆さん! 全国の情報を整理したところ、大変な事がわかりました。
      [ゼロ]と呼ばれる手から火を出す事のできる人間。そのほとんどは関西地区で確認されています。
      厳密には、大阪、兵庫、京都、奈良の4つの県と府での情報が圧倒的に多いようです。
      他には、東京、そして千葉にも[ゼロ]の存在は確認されています。」



どういう…ことだ??

なぜそんなに偏っているんだ??
全国からランダムで選ばれたんじゃなかったのか??



5: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:43:31.60 ID:FN+ZJ2Z30
(;@-@)「なお、その中でも大阪と兵庫に住んでいる方達のほとんどが[ゼロ]になったようです。
      詳細はわかりませんが、東北地方や、九州、沖縄などにはほとんど[ゼロ]になった人は確認されておりません。
      なお、ゼロの中でも出せる火の大きさはバラバラのようで、
      一番大きくて手のひらの上にテニスボール一つ分くらいの大きさ、
      小さいものは人差し指の先から3p程度の大きさのようです。」


(;@-@)「われわれ[VIPニュース]はこれから先もこの情報をお知らせしていきたいと思います。
      なお、本日の放送は予定を変更してゼロについての情報をお送りします。」



それもそうだろう…。
こんな事件があったのにのん気に他の番組を放送している場合じゃない。



6: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:44:53.92 ID:FN+ZJ2Z30
しかし…、どういうことなんだ??

契約していない人達を全員殺してしまいたいと考えているのなら、
全国にバラけさせてゼロをつくったほうが効率がいいはずだろう…。


('A`)「どういう…ことなんだ??」

川 ゚ -゚)「……強制契約…。」

('A`)「ん??」

川 ゚ -゚)「ドクオが帰ってくるまでの間ずっと考えていたんだが…。
     おそらく強制契約とやらには条件があるんだろう。」



8: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:45:54.30 ID:FN+ZJ2Z30
強制契約…? そういえば神と名乗る男がそんな事を言ってたような…。


川 ゚ -゚)「我々契約者が人間と契約するために条件がある事は話したな?」

('A`)「あぁ、覚えてる。」

川 ゚ -゚)「しかし、あの男はおそらく強制契約という技をつかって、文字通り強制的に契約したのだろう。」


なるほど…、学校の皆の様子を思い出すと、確かに契約や契約者についての話は一切でてこなかった。



9: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:47:13.05 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「まぁ…、皆の話を聞く限りそのようだな。」

川 ゚ -゚)「しかし、そんな技は並の契約者どころか、相当能力の強い契約者でもムリだ。」

('A`)「そうなのか? クーにも??」

川 ゚ -゚)「うむ。 私には想像もつかなかった。 しかし、それほどの技だ。おそらく使うのになんらかの条件がある。」

('A`)「条件……??」

川 ゚ -゚)「あぁ。 そして、その条件をクリアしたものが…」

('A`)「今のゼロってわけか。」



10: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:48:13.48 ID:FN+ZJ2Z30
そうなってくると、その条件というのは地域に関係があるということなんだろうか??
そのほとんどが関西に集中。そして東京や千葉にもゼロになった人間がいる…。

共通点………ダメだ一切わからん。


('A`)「一体どんな条件なんだ??」

川 ゚ -゚)「まぁ、馬鹿な君にはわからないだろうな。」

(#'A`)「……じゃあお前はわかるっていうのか??」

川 ゚ -゚)「いや、まったくわからん。」

(#'A`)「お前も一緒じゃねーか!!」



11: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:49:16.82 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「まぁ、そう怒るなよ。 それより…。」

('A`)「ったく…。 なんだよ?」

川 ゚ -゚)「残念な知らせだが、もう被害が出始めている。」

(;'A`)「もう!? 能力で殺されたのか!!?」

川 ゚ -゚)「能力で殺された者もいるが…、過半数は普通の凶器で殺されている。」


そうか…。
能力を使って殺せなんて、あいつは一言も言ってない。
つまり、どんな手を使っても殺しさえすれば能力のレベルはあがる。



13: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:50:25.27 ID:FN+ZJ2Z30
(#'A`)「警察は何をしてるんだ!!!!」

川 ゚ -゚)「逮捕者も出てるが…キリがないだろう。 何せゼロの数は半端じゃない。」

(#'A`)「くそっ!! このまま…このまま指をくわえて見てるしかないのか!?」

川 ゚ -゚)「…………止める手段は無くはない。」

('A`)「本当か!!?」

川 ゚ -゚)「ゼロは神とやらが契約したことにより能力を得た。そして、能力の無い人間を殺す事で能力が強くなるから人を殺す。
     だが、強制契約とはいえ所詮契約は契約だ。」

('A`)「ということは……。」



14: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:51:42.62 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「あぁ。 あの神を名乗る男を消せばゼロの能力も消える。」

('A`)「…………あいつを?」

川 ゚ -゚)「………そうだ。」


あの男を…消す?
つまり、戦うのか?あいつと。

あんなに恐ろしい男と。



15: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:53:01.23 ID:FN+ZJ2Z30
(;'A`)「…………。」

川 ゚ -゚)「だが、君もわかってると思うが…それはムリだ。」

(;'A`)「…お前でもムリなのか?」

川 ゚ -゚)「勝てる可能性は0だ。万が一にも勝てない。」

(;'A`)「あいつ……そんなに強いのか??」

川 ゚ -゚)「これだけの人数に多数契約…。ほとんどに火の能力を貸してる事を考えると、おそらく火の能力だけ特化したタイプだろう。」

('A`)「ん…?どういうことだ??」



16: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:54:01.71 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「私は火以外にも水、重力、剣、アンチなど他の系統の力も使える。
     だが、あの男はおそらく火以外にはアンチくらいしか使えないんだ
    基本的に使える系統が少ない者は、その系統を極めようとするから強さが特化するんだ。」

('A`)「そういえば…ツンもアンチと火だけだったな。」

川;゚ -゚)「君の友達にアンチがつかえる者がいたのか??」

('A`)「あ、あぁ。 アンチフレイムのレベル3を使ってた。 他にも青い火も使えてるようだった。」

川 ゚ -゚)「そうか…。それが神のいうレアというやつか。」

('A`)「だけど、どれもレベル3までだったぜ? レアってくらいだからもっとレベル高いのを使えると……」



18: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:55:27.61 ID:FN+ZJ2Z30
(;@-@)「みなさん!!!新しい情報が入りました!!!」


(;'A`)「うお、びっくりした。 そういやテレビつけっぱなしだったっけ…。」

川 ゚ -゚)「ドクオ、テレビが聞こえない。少し黙れ。」


(;@-@)「今まで一番大きい火はテニスボールくらいだと言っていましたが、
      今入ってきた情報によると、長さ約1メートル半くらいの炎の槍のようなものが人の体を貫いたのを見た人がいるようです!
      目撃情報の場所は兵庫県神戸市です。近隣に住む方々は十分に注意してください。」


川;゚ -゚)「そんな………まさか。」



19: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:56:36.68 ID:FN+ZJ2Z30
(;'A`)「お、おい。それはレベルいくつくらいなんだ??」

川;゚ -゚)「フレイムランス。火の能力のレベル50だ。」

(;'A`)「50!!?嘘だろ!?」

川 ゚ -゚)「君には…レベルについて詳しく説明していなかったな。」

('A`)「いや…、高いほど大きくて温度が高いんだろう??」

川 ゚ -゚)「まぁ、そうなんだが…。厳密には少し違うんだ。」



20: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 00:59:46.69 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「どういうことだ??」

川 ゚ -゚)「君は今までレベル5までしか見たことなかったものな。」

('A`)「うーん…。別に使う必要なかったからな。」

川 ゚ -゚)「レベルは1から10までは少しづつ、大きくなるだけだ。温度もそれに比例するように上がっていく。」

('A`)「レベル5でサッカーボールくらいの火の玉だったよな。」

川 ゚ -゚)「あぁ。 だが、ここから少し違ってくる。10から19はまったく変化がないんだ。」

(;'A`)「え!? レベル10の火とレベル19の火は一緒ってこと!?」



21: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:02:08.53 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「あぁ。まったく変わらん。 ただし…、レベル10と20には絶望的な差がある。」

(;'A`)「………どういうことだ??」

川 ゚ -゚)「レベル10まではただの火だ。大きくても火には変わりない。 
     だが、たとえるなら、さっきのフレイムランスはただの火じゃない。」

('A`)「………たしかに、ただの火が人を貫くなんて不可能だ。」

川 ゚ -゚)「そうだ。だが実際フレイムランスは細長い火を放出して対象物を貫くことができる。」

('A`)「…………。」

川 ゚ -゚)「そして対象となったものは貫かれた場所から発火して炎上する。」



24: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:04:24.18 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「そんなの…、もはや火とかそんなんじゃないだろ…。」

川 ゚ -゚)「レベル20から29もやはり変化はない。30から39も同じだ。10ずつ変化がある。100以降はわからんがな。」

('A`)「……じゃあ20はどんな形なんだ?」

川 ゚ -゚)「フレイムボール。対象物に触れた瞬間爆発を起こす。」

(;'A`)「………じゃあ30は?」

川 ゚ -゚)「同じだ。20より大きくて高威力。30も40もフレイムボールだ。」

('A`)「50からフレイムランスってことか…。」

川 ゚ -゚)「あぁ。50から90まではフレイムランスだ。」



25: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:06:27.28 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「……100はどうなんだ??」

川 ゚ -゚)「フレイムウオール。 術者を中心に半径5メートル程地面から炎が噴出す。」

(;'A`)「……おそろしいな。」

川 ゚ -゚)「基本的に自分が出した火は自分の事を燃やす事はもちろん、温度を感じることすらないからな。」

('A`)「………でもよ、よく考えたらフレイムランスよりフレイムボールのが強そうじゃねーか?」

川 ゚ -゚)「状況による。 だが…フレイムランスのほうが速度や温度は上だ。」

('A`)「なんか…、どんどん現実離れしていく気がする。」

川 ゚ -゚)「私の存在自体がそうだからな。」

(;'A`)「……そうですよね。」



26: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:10:19.24 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「しかし…、いくらなんでもフレイムランスはまずいな。」

('A`)「そんなんに襲われたらひとたまりもねーぞ……。」

川 ゚ -゚)「……君がやるしかないだろう。」

('A`)「……何が?」

川 ゚ -゚)「悪者退治だよ。」

('A`)「悪者って??」

川 ゚ -゚)「さっきテレビで言ってた、フレイムランスを使うゼロの事さ。」



28: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:11:32.24 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「……何が?」

川 ゚ -゚)「神とかいう男は……まず勝ち目がない。 しかし、あの程度なら私でもどうにかなる。」

('A`)「ねぇ。何の話?」

川 ゚ -゚)「心配するな。あれくらいなら私のアンチフレイムで消せる。」

('A`)「………いや、でも…。」

川 ゚ -゚)「なんだ??」

('A`)「えっと…。怖いし。」

川 ゚ -゚)「…………。」

('A`)「…………。」

川#゚ -゚)「君には…がっかりだよ。」

('A`)「…………。」



29: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:12:36.93 ID:FN+ZJ2Z30
気まずい空気の中テレビの画面が変わるのが見えた。
そしてあの男が画面に映る。
忘れもしないあの男が。








(・∀・)「やぁ、ゼロのみなさん。 元気に殺してますか??」




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