('A`)が神を認めないようです。

33: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:23:01.21 ID:FN+ZJ2Z30

(・∀・)「やぁ、ゼロのみなさん。 元気に殺してますか??」



……第一声にソレか。

相変わらずふざけた男だ。


(・∀・)「え〜、少し説明不足だったと思うので今からゼロの皆さんに少し説明があります。  
     まず一つ、ゼロ同士で殺し合いをしても、能力は強くなりません。ただ、特にペナルティもありません。
     そして、もうわかってる事と思いますが、ゼロが密集してる地域と一般人が密集してる地域があります。
     自分たちで考えて効率よく人間狩りをしてくださいね。
     あと、一つアドバイス。 レアな能力を持ってるゼロは、普通のゼロではおそらく歯が立たないでしょう。
     ですから、そういう強いゼロをリーダーにしてグループを作ってみてはいかがかな?
      
     まぁ、個人の自由ですがね。」



36: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:25:38.32 ID:FN+ZJ2Z30
こいつ……、本気なんだな。
本気で殺し合いをさせる気なんだ。

確かにレベル50の能力を使えるようなやつにレベル1〜3しか使えないブーン達が勝つ事は不可能だ。


(・∀・)「それから契約者のみなさんにお知らせがあります。
     現時点で私に従うと言ってきた契約者はたったの二人。
     愚かにも私に歯向かった契約者は三人でした。 
     あと契約者は20人ほど存在するはずなんですが…、是非クー君とギコ君。そしてハインリッヒ君には仲間になってほしい。
     圧倒的に能力が強いのはこの3人ですからねぇ。 
     楽しみにしてますよ。 それでは、また。」



38: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:27:22.50 ID:FN+ZJ2Z30

言いたい事だけ言い終えると画面は元のニュースに戻った。
画面内ではちょっとした混乱が起こっていて、
いろんな人間が騒いでる場面が映されたあと「しばらくお待ちください」の画面になってしまった。

…そんなことよりももっと重大な事がある……。


(;'A`)「……クー、ご指名がかかってるぜ。」

川#゚ -゚)「ずいぶん自分に自信があるようだな。」

('A`)「…この男と知り合いなのか??」

川 ゚ -゚)「いや。知らない。 だが契約者自体そんなに大勢いるわけではないからな。」



39: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:28:23.68 ID:FN+ZJ2Z30

その中でも力の強い者は限られる。そういう事か。
ギコやハインリッヒといった者達の名前は聞いた事がない。
それどころか、俺は本当に今まで契約者について、そして能力についてほとんど何も聞いていない。
ある事からクーと契約を交わした。
だが、能力を使うことはもちろん、今までほとんどこうやって会話をすることもなかった。

まさか…、こんなことになるなんて思わなかったから。


('A`)「やるしか…ないのか。」

川 ゚ -゚)「何をだ?」



40: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:29:47.94 ID:FN+ZJ2Z30

何を?? 決まってる。
俺には大事な人がいる。
ブーンも、ツンも。
ジョルジュやほかの友達だって絶対に失いたくない。


('A`)「あの野郎を…ぶっ飛ばすしかないんだろ?」

川 ゚ -゚)「…怖いんじゃないのか?」

('A`)「怖いさ。 …でも、ほっとくわけにおいかないだろう?  それに……」



41: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:32:12.58 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「それに??」

('A`)「あいつさ、なんかムカつくんだよな。」

川 ゚ -゚)「………。」

('A`)「いきなり出てきて神だなんだの言ってさ。 いろんな人間巻き込んで殺し合いさせて。
    そんなやつが神?? そんなもん…俺が認めない。」

川 ゚ -゚)「…だが強いぞ??」

('A`)「あぁ。俺一人じゃ絶対勝てない。 
    だから…手伝ってくれないか?」



42: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:33:25.37 ID:FN+ZJ2Z30
川 ゚ -゚)「…………。」

('A`)「…ダメか?」

川 ゚ー゚)「君は本当に馬鹿だな。」

('A`)「あぁ、馬鹿さ。 本当にな。」

川 ゚ー゚)「……そんなやつだから、私は君が好きなんだ。」

('∀`)「うし。じゃあどこまで出来るかわかんないけど、頑張りますか。」

川 ゚ー゚)「頼むぞ、我が主。」



43: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:35:28.01 ID:FN+ZJ2Z30

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そして時間は現在に至る―――。


あれから各地で一般人とゼロの争いはずっと繰り返されてる。

警察も最初は止めようと努力していたが、結局無駄だった。
警察の人間の中にもゼロになった人間はいる。
それらが中心となってゼロに加勢する者、一般人に加勢する者の二つに分裂してしまった。

ゼロの中には大きくわけて3つのグループが出来ていた。



44: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:36:45.64 ID:FN+ZJ2Z30
以前テレビで報道されていたレベル50のフレイムランスを使える者を頂点として、
ただひたすらに人間狩りと称して一般人を殺戮し続ける集団。
神と自称する男を崇拝し、神軍と自分たちのことを呼称している。

一般人の身内や、知り合いがいる等の理由で絶対に一般人を攻撃させない。
上記の集団と対立を続ける集団。
神に反抗しているつもりなのだろうか人軍と名乗っている。


そしてそのどちらに入ってるわけでもない、いわば中立の存在。


ツンやブーン達は中立だ。

はっきり言って神軍も人軍も対して変わらない。
どちらも能力を使って戦おうとする集団だ。



45: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:38:07.68 ID:FN+ZJ2Z30
そういうのを好まない人達だっている。

そして、神軍も人軍も中立の人達に対してはほとんど手を出さなかった。

ゼロを殺しても能力が強くならない以上神軍にとってあまりメリットのある行為ではない。
また、人軍にとっても、一般人を襲ったりしない中立の人を襲う理由がない。

何より、お互いの交戦で忙しくてそれ以外に手を出してる余裕がないというのが一番の理由だった。



47: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:39:13.44 ID:FN+ZJ2Z30

( ゚∀゚)「何ボーッとしてんだよドクオー??」


ジョルジュ…。こいつもゼロ。
レアな能力もなく、普通のレベル3。
ブーン達と同じように中立で神軍にも人軍にも入ってないが、
思想はこの一年で大分神軍に近づいてるように思えた。

つまり、自分は神に選ばれた人間。
故に、選ばれなかった普通の人間を殺しても問題はない。
むしろ、神が殺せと言ってるのだから殺すべきだと。

そこまで完全に思想が神軍よりなわけではないが、
たまに近い考え方を見せることがあった。



48: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:40:09.68 ID:FN+ZJ2Z30
('A`)「別にー? それより今日は飯どうするよ??」


だが、それはめずらしいことじゃない。
学校に通ってはいるが、最近の授業は数学や物理なんかはほとんど削られて、
神、ゼロ、そして神軍や人軍の情報を勉強していた。

先生の中にも神軍に近い人、人軍に近い人がいる。
それぞれ、自分が信じてるものを良いものだと教え込む。
そして、自分の信じるものと逆の方の悪い情報を生徒に教える。

その中で考え方が神軍、人軍のどちらかにかたよっていくのはある意味しょうがないことだともいえる。



49: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:41:13.62 ID:FN+ZJ2Z30

( ゚∀゚)「一緒に学食行くべ? ツンとブーンはもう誘ってあるしよ。」

('A`)「そっか。もうブーンはツンのお許しを得たのか??」

( ゚∀゚)「あぁ。ブーンのやつがツン手作りの弁当を喜んでたら、あっという間に機嫌なおっちまいやがんの。」


その状況を想像して少し顔がゆるむ。
なんとなく微笑ましい。

世の中はこんなだけど、毎日平和と呼べるわけじゃないけれど、
それでも変わらないものがちゃんとある。


あいつらはきっとこれからもずっと一緒にいるんだろう。

そしてくだらないことで笑いながら二人で生きていくんだろう。



50: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:42:08.83 ID:FN+ZJ2Z30

もちろん何があるなんてわからない。
でも、そうなればいいなと思う。


( ゚∀゚)「なにニヤニヤしてんだー?」

('∀`)「なんでもないさ。今日はカレー食おうと思ってさ。」


くだんねー。と言いながらジルジュもつられて笑ってる。
こんな日常がいつまでも続けばいい。

本当に、そう思っていたんだ。



51: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:43:10.88 ID:FN+ZJ2Z30

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

( ^ω^)「じゃあブーン達はこっちだからここでバイバイだお!」

ξ゚听)ξ「あんたたち、寄り道しないでちゃんと帰るのよ。」


無事学校を終えていつも通りの帰り道。
いつも元気なブーン。 少しおせっかいなツン。
いいコンビだと思う。


(;゚∀゚)「ガキじゃねーんだからよ……。」



52: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:44:12.01 ID:FN+ZJ2Z30

('A`)「そっちこそ変なとこ行くんじゃねーぞ。」

ξ///)ξ「ちょ!! 変なとこって何よ!!!!」

( ゚∀゚)「あれ〜? 言っちゃっていいのかな〜??」

('A`)「本当はわかってるくせにぃ〜。」

( ^ω^)(……一体なんの話だお??)

ξ゚听)ξ「もう!!行くわよブーン!!」

(;^ω^)「お!? わかったお。」



53: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:45:24.53 ID:FN+ZJ2Z30

耳をひっぱられながらツンに連れ去られるブーン。
実際に耳を引っ張られるやつなんているんだな……。

そして賑やかなブーン達と別れ、ジョルジュと二人で歩く。
そういえば…ジョルジュと二人で帰るのは初めてかもしれない。

何故今日に限ってわざわざ遠回りしてまで俺と帰ってるのかはわからないが、
くだらない話をしながら帰るのも中々悪くない。

そしていつもと変わらない口調で「大事な話があるんだ」と切り出された。



54: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/24(金) 01:46:40.82 ID:FN+ZJ2Z30

('A`)「なんだよ。また好きな女ができたのか??」

( ゚∀゚)「いや、そうじゃないんだ。」


このあとジョルジュの口から発せられた言葉に俺は硬直するしかできなかった。



( ゚∀゚)「俺さ、神軍に入るわ。」




第五話 神軍



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