('A`)が神を認めないようです。

5: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:46:36.83 ID:G4rknH4N0

( ゚∀゚)「俺さ、神軍に入るわ。」


神軍……??
今こいつ…神軍に入るって言ったのか??


('A`)「……なんだよ急に。 笑えないぞ。」

( ゚∀゚)「いや。 俺は本気だ。」



8: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:47:37.19 ID:G4rknH4N0
本気だ。 
―――その言葉を聞いて気持ちが一気にはじけた。


(#'A`)「ふざけんな!!! お前だってあいつらがどういう集団かわかってんだろ!?」

( ゚∀゚)「あぁ、わかってるさ。」


興奮している自分とは反対にとても冷静に返事をするジョルジュ。
それがさらに俺の怒りをかきたてる。



11: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:50:08.57 ID:G4rknH4N0

(#'A`)「だったらなんでだ!? あんなもんただの人殺し集団じゃねーか!!」

( ゚∀゚)「…………。」


何を考えているのか返事をせずに黙り込むジョルジュ。
…わかってるはずなんだ。神軍がどんなやつらなのか。
今まで散々授業やテレビで神軍の情報は入ってる。

反抗する人間はもちろん、無抵抗な女子供までそのターゲットにする。
笑いながら殺戮を繰り返す。

フレイムランスを使うニダーをリーダーとして、
他にもレベル30前後が10人近く、レベル20に至っては50人近くも所属する暴力集団。



13: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:52:27.13 ID:G4rknH4N0

現在ニダーのフレイムランスのレベルは60を超えている。

どうやらレベルが高くなるほど殺す人数が増えるようだ。
レベル50から60以上へあがるまでに何人殺してきたのか想像もしたくない。

そんな最低なやつらの集団になぜ自ら加わろうとするんだ??


( ゚∀゚)「たしかに…人殺し集団だ。」


やっぱりわかっている。
ちゃんと理解している。

じゃあどうして…?



14: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:54:17.55 ID:G4rknH4N0


( ゚∀゚)「だけどさ、俺達はヒトじゃなくてゼロだ。」





……どうして。
どうしてそうなってしまうんだ。

頭の中はおっぱいばかりで、
よく学校にエロ本持って来ては女子に怒られて、
ツンをからかうのが大好きで、

…電車でおばあちゃんに席を譲ったり、母の日に小遣いはたいて花束買ってやったり。
本当はとても優しいやつなのに。

たった一年で…。たった一年でなんでこうなってしまうんだ。



17: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:55:24.24 ID:G4rknH4N0

('A`)「ゼロじゃないヒトは…殺されても仕方ないってか…?」

( ゚∀゚)「ドクオ! 俺達は選ばれたんだ!!」


今度は俺が黙る番だった。
何も言えない。
何も言ってやる事ができない。
思考がおいつかない。



18: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:57:02.61 ID:G4rknH4N0

( ゚∀゚)「俺達はあの何のとりえもないただのヒトとは違う! その上に立つべきゼロなんだ!」

( A )「…………。」

( ゚∀゚)「わかるだろ?? 神が選んでくれた! 優れた存在なんだ!」

( A )「…………ジョルジュ。」

( ゚∀゚)「俺はイヤなんだよ。 せっかく力を手に入れたのに、弱いままでいるなんて耐えられない。」

( A )「…………。」

( ゚∀゚)「…なぁドクオ。一緒に来ないか?? お前なら、一年でレベル10を超える事だって…」



19: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:58:18.40 ID:G4rknH4N0

( A )「…だまれ。」

( ゚∀゚)「……ドクオ?」

( A )「ジョルジュ…頼むわ…。 もう黙ってくれ。」

( ゚∀゚)「……そっか。 …いきなりこんな話されても驚くよな。
     …悪かった。」

( A )「…………。」

( ゚∀゚)「…………。」


そして俺達はそのまま一言も喋ることなく別れた。

何も……考えたくなかった。



21: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 00:59:40.35 ID:G4rknH4N0

('A`)「……ただいま。」

川 ゚ -゚)「やぁ。遅かったじゃないか。」


クーはあの日以来ほとんど俺の家で留守番してもらっている。

両親は中学を卒業した少し後に事故で他界した。
親戚がオレをひきとるかどうかでモメていたようだが、そんなものはクソくらえだった。
幸い、暮らしに困らないほど…とまではいかないが、
卒業するまでの高校の学費と生活費程度は親の遺産でなんとかなりそうだった。

今はそれを食いつぶしながら生活している。



22: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:01:12.91 ID:G4rknH4N0

('A`)「…あぁ。」

川 ゚ -゚)「…? えらく機嫌が悪いようだが。」


こいつはどうしてそういう事に関しては感が鋭いのだろう?
俺は自分でいうのもなんだが、いつも暗い顔であまり表情を変えるほうじゃない。
しかし、クーはいつも俺の感情の変化に誰よりも早く気付く。

ありがたい時もあるが、少し煩わしい時もある。

今は圧倒的に後者の気分だった。


('A`)「…悪い。ちょっと寝るわ。」



25: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:02:24.90 ID:G4rknH4N0

川 ゚ -゚)「添い寝してやろうか?」

(;'A`)「…結構です。」

川 ゚ -゚)「ふむ…。残念だ。」


本気かどうかわからない。
相変わらずのいつも通りのやりとり。
だが、たったそれだけのことで落ち込んでた気分がいくらかマシになった気がした。



26: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:03:42.91 ID:G4rknH4N0

('A`)「……やっぱ眠くないわ。」

川 ゚ -゚)「……なんだそれ。」

('A`)「いや、いざ寝ようとすると寝付けなくてな。」

川 ゚ -゚)「そうか。まぁ起きてるというなら話がある。 聞いてくれないか。」


あぁ、構わないよ。と言いながらコーヒーをいれる。
俺はコーヒーには少しだけうるさい。
この豆もいつも愛用してる店の高級品だ。

そしてコーヒーができるのを待ってる間にタバコや灰皿を用意する。

タバコを吸いながらじゃコーヒーの味はわからない?
いいんだよ。うまいんだから。

つか、タバコ吸いながらコーヒーを飲む。
その雰囲気を味わうのが好きなんだ。



27: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:05:36.92 ID:G4rknH4N0

川 ゚ -゚)「むぅ……。またタバコか…。」


クーはタバコがどうしてもお気に召さないらしい。
俺がタバコを吸うと必ずイヤなかおをする。

クーが言うには、煙草を吸う男はキスするとき口が臭い。という理由らしい。

だが、実際にキスした事なんかあれから一度もないし、そんな雰囲気になることもない。

それなのになぜそこまで嫌がるんだろうか。


('A`)「さてと。んで? 話ってのは?」



30: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:06:42.87 ID:G4rknH4N0

コーヒーを二人分机の上に用意してたずねる。

いれたてのコーヒーを口に含むと心地よい苦味と酸味が広がる。
うん。 上出来。


川 ゚ -゚)「神様がテレビに出てたぞ。」


その言葉を聞いた瞬間口から盛大にコーヒーを噴き出す。

あまりにクーが落ち着いていた為、予想だにしなかった。
つか、そんな大事な話なら帰ってきてすぐに言ってくれ。

いや、確かに機嫌悪かったのは俺なんだが…。



32: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:07:48.68 ID:G4rknH4N0

('A`)「ほんとか!!? 今度は一体なんの話だったんだ???」


そうクーに詰め寄って気付く。

あ……。
クーさん、コーヒーまみれじゃないっすか。
風邪ひきますよ? サーセンwww



35 名前: >>33 すみません。 あれからという言葉が抜けてました…。 投稿日: 2007/08/25(土) 01:10:49.07 ID:G4rknH4N0

川#゚ -゚)「あまり私を怒らせないほうがいい。」

(;'A`)「い、いや、その…。 本当すみませんでした!!!」


とりあえず必死で謝ってなんとか許して貰えた。

危ない危ない…。
クーを怒らせて大事なタバコを1カートン燃やされてしまったのはまだほんの一週間前のことだ。


川 ゚ -゚)「さて、本題に入ろう。」

('A`)「あ、はい。」

川 ゚ -゚)「今日ドクオが帰ってくる30分ほどまえのことだ。」



37: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:12:03.14 ID:G4rknH4N0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(・∀・)「皆さんお久しぶり。神です。」

川 ゚ -゚)「!!!!!!!!!」


ドクオはまだ帰ってこないのだろうかとボーッとテレビを見てたときの事だ。
のみさんの暑苦しい顔を見ながら煎餅をかじっていると、
いきなり画面が切り替わった。


この神という男がテレビに出るのは最近では一ヶ月に一度程度。
それもただ契約者についての話を伝えるだけの30秒ほどのもの。

今回もそんな感じだろうと思っていたが、なんだか様子がおかしい。



39: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:13:28.93 ID:G4rknH4N0

(・∀・)「今回は契約者の皆様に非常に残念なお知らせがあります。」


残念な知らせ??

こいつが以前言っていた一週間の期限内にハインリッヒもギコも、もちろん私もこいつの下にはつかなかった。
結局こいつの下についた契約者はたった三人。

その事を特に落胆した様子もなく、気が変わったらまた会いに来てくれとテレビで喋っていたのを思い出した。

まさか………。



(・∀・)「私がもっとも部下にしたかった三人。 そのうちのハインリッヒ君はたった今お亡くなりになりました。」



40: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:14:35.49 ID:G4rknH4N0

川;゚ -゚)「馬鹿な!!!!!」


ハインリッヒと言えば契約者の中でもかなり有名だ。
攻撃的な性格、それを支えるいろんな系統の能力。
そして契約してる者の名はヒッキー。
知能が高く、とても冷静な人間だと聞いた事がある。

熱くなりすぎるハインの性格に冷静なヒッキー。
このコンビがここ最近での契約者と人間の最強のコンビだと噂されていた。


川;゚ -゚)「そんな彼らが…簡単にやられるわけ…。」


(・∀・)「まぁ、簡単には信じられないかもしれません。 
      ですので、彼らが愚かにも私に挑む様を映像に残してあります。
     信じられないという方はごらんになってください。」



41: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/25(土) 01:15:56.50 ID:G4rknH4N0

神がそう言い残すとまた画面が切り替わった。

ここは…??
どこだかわからないが、とても広い部屋だ。

そしてドアが勢いよく開けられた。




从#゚∀从「神出てこいやー!! 私がここでぶっ飛ばしてやる!!」




第6話 ハインリッヒ



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