('A`)が神を認めないようです。
- 1: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:49:56.53 ID:ep30NUqZ0
从#゚∀从 「ぶっころす!!!!!」
(・∀・)「待ちたまえ。私は君と争うつもりは…」
ハインリッヒが跳躍する。
その高さは神の身長を軽く越えている。
そしてその頂点に達すると同時に両手をふりかぶり構え叫んだ。
- 2: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:52:05.12 ID:ep30NUqZ0
从#゚∀从「コール!!!!!!」
瞬時に剣の柄が形成されていく。
それを掴んだハインリッヒはそれを空間から引き抜く。
(・∀・)「ふむ…。 話し合いは決裂か。
草薙の剣。 剣の能力のレベル300だったね。
しかし、先ほどの人間ですでに証明しただろう?
私のアンチソードはレベル300を越えているのだよ。」
ヒッキーがビコーズに斬りかかった時、その剣は確かにビコーズを捉えた。
しかし実際にはビコーズには神によってアンチソードがかけられていた。
そのためにビコーズに触れる瞬間その剣は形を失ってしまったのだ。
そして、それはすなわち神にも効かない事を証明することになる。
- 5: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:53:39.00 ID:ep30NUqZ0
从#゚∀从「うるせぇんだよ!! とっととくたばりやがれぇ!!!!」
(・∀・)「やはり一人だけでは熱くなりすぎるな。 使えないか。」
神は降りかかってくる剣を避けようともせずに呟く。
反撃をするようすもなく、ただハインリッヒを見つめる神。
そして落下しながら草薙の剣を振り下ろすハインリッヒ。
そしてその剣は神に触れる瞬間その形を失った。
- 6: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:55:16.19 ID:ep30NUqZ0
(・∀・)「わかりきっていたことだろう。 頭が悪すぎる。やはり君も私の部下には必要ないな。」
从#゚∀从「いつまで余裕面かましてやがる!!! コール!!」
その瞬間地上から炎が噴き出す。
全てをやきつくすかのような炎。
それらは視界すべてを覆い尽くし、少しの逃げ場さえ残さない。
- 7: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:56:30.96 ID:ep30NUqZ0
川;゚ -゚)「フレイムウォール…。 いくら神が強くてもこれは…。」
テレビを見ながら思わず声が漏れた。
アンチ系統の能力は基本的に重ね掛け不可能だ。
アンチフレイムをかけたあとにアンチソードをかけていても、効果が残るのはアンチソードのみ。
火の能力はすべてまともにうけてしまう。
つまりこの状況で神が避ける手段など存在しない。
どう見てもハインの勝ちではないのか…?
しかし…、確かに神は生きていた。 一体なぜ??
- 10: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:59:15.59 ID:ep30NUqZ0
(・∀・)「ふむ…。レベル200といったところか。
いい炎だ。よく鍛錬してある。」
火が消えたあと、そこに立っているのはまぎれもなくあの男だった。
从;゚∀从「馬鹿な…。 どうして…?」
(・∀・)「いや、馬鹿にしてすまなかったね。 草薙の剣は囮だったということか。」
从;゚∀从「ふ、ふざけるな!! たしかに炎にのまれたはずだ! アンチをかける時間はなかったはず…。」
- 12: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 22:59:59.70 ID:ep30NUqZ0
- そう、確かにその通りだ。
草薙の剣をアンチで消し去った神は油断しきっていたはずだ。
あのタイミングでさらにアンチフレイムをかける余裕など絶対になかった。
それなのに、どうしてこの男は今そうしてたっているんだ…。
(・∀・)「そうだな。 君をあなどっていたお詫びに種明かしをしてやろう。」
从;゚∀从「………。」
- 13: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:01:05.43 ID:ep30NUqZ0
(・∀・)「君も知っている通り、レベルを上昇させるのには壁が存在する。
一番初めは20。 そして50。 その後には100がある。
そして300。ここまでたどりつける者はそうはいない。 余程鍛錬をつまないとね。
一般的に最後だといわれている500。 ここまでたどり着いたのは、今までの契約者の歴史の中でも一人だけ。
そのあとはいくら鍛錬を積んでもレベルは上がらなかった。そう言われている。」
从;゚∀从「……まさか、お前!?」
(・∀・)「そう。 レベル500も越える事が可能なのだよ。
私自身がそれを証明した。」
从;゚∀从「……その500以上の能力があの攻撃を防いだってことか。」
- 16: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:04:24.71 ID:ep30NUqZ0
(・∀・)「なんだ。聞いた噂では能力が強いだけで頭のほうはかっらぽということだったが、
なかなか頭が切れるじゃないか。
いいね、ますます部下にほしくなったよ。」
从 ゚∀从「………。」
(・∀・)「どうだね?? 今なら全ての非礼は許そう。
さらに高待遇で迎えてやる。 今からでも遅くはない。部下にならないか?」
从 ゚∀从「………。」
少しの沈黙。
両者とも一切表情を変えない。
- 18: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:05:26.99 ID:ep30NUqZ0
その沈黙を破りハインリッヒが神に中指を立てて呟いた。
从 ゚∀从「……地獄におちろ。自意識過剰野郎。」
(・∀・)「…そうか。残念だ。」
そう言って神が背を向けた瞬間ハインリッヒは炎に包まれた。
从 ゚∀从「………ごめんなヒッキー。 俺も…今かr…そっちn…。」
- 19: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:07:24.56 ID:ep30NUqZ0
最後の言葉を残して焼け焦げていくハインリッヒ。
その体が崩れ落ちたところで画面がまた元に戻った。
(・∀・)「さて、というわけで。
ハインリッヒ君は最後まで私に従うことはしなかった。
そのため最終的に殺すしかなかったのだ。 残念に思う。」
川#゚ -゚)「…ふざけた男だ。」
テレビの中で欠片も表情を変えずに言葉を発する男。
その顔に憎しみすら覚える。
- 22: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:09:08.98 ID:ep30NUqZ0
しかし……、同時に恐怖も感じている事は確かだ。
少なくとも、自分はハインリッヒより弱い。
能力ではなく、何より戦闘経験が圧倒的に乏しい。
ハインリッヒもヒッキーもそれなりに戦い慣れてるように見えた。
しかし、それでも神に触れる事すらできなかったのだ。
恐らく…自分も何も出来ないまま殺されるだろう。
このままではダメだ。
このままでは……。
(・∀・)「どこかに隠れているギコ君。それからクー君。
私は君たちなら仲間になってくれると信じているよ。
今からでも遅くはない。 待っているよ。」
- 23: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:10:52.49 ID:ep30NUqZ0
川#゚ -゚)「…………クズ野郎め。」
テレビをぶち壊したい衝動にかられるが、それをなんとか抑える。
他に何か情報を喋る可能性もあるし、今テレビを壊すとこれから先情報を得る事が難しくなる。
(・∀・)「契約者の皆様への話は以上です。
次はゼロの皆さんへの連絡ですが…。
どうやら人軍のせいでいまいち人間を減らす事に手間取っているようですねぇ。
近いうちに何か手を考えておきます。 それでは。」
そう言い残すとテレビは普通の画面に戻った。
テレビの中ではまた人間たちが多少混乱しているようすが映っていたが、
慣れてきているのだろう、すぐにニュースとしてさっき神が言った事を繰り返しはじめた。
- 24: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:12:13.31 ID:ep30NUqZ0
川 ゚ -゚)「気に触る男だ……。」
しかし…強い。
まず勝つ事はできない。
強くならなければ……。
あれから一年間いろいろ努力はしてきたつもりだった。
しかし、神の強さはそんなもので届く領域だとは到底思えない。
一体どうすれば…。
- 25: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:13:20.22 ID:ep30NUqZ0
('A`)「……ただいま。」
ん? ドクオが帰ってきたのか。
そういえば今日はずいぶんおそかったな…。
川 ゚ -゚)「やぁ。遅かったじゃないか。」
('A`)「…あぁ。」
- 26: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:15:11.47 ID:ep30NUqZ0
なにかあったのだろうか。
目を合わせようとしない。
こちらを見ようともしない。
こういうときは機嫌が悪いか、考え事をしているかどちらかだ。
川 ゚ -゚)「…? えらく機嫌が悪いようだが。」
('A`)「…悪い。ちょっと寝るわ。」
やはり機嫌がよろしくないようだ。
何があったのかはわからないが…。
- 29: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:23:32.90 ID:ep30NUqZ0
彼は放っておいてほしいのかもしれないが、その後姿はとても寂しそうで何か声をかけたくなる。
川 ゚ -゚)「添い寝してやろうか?」
(;'A`)「…結構です。」
川 ゚ -゚)「ふむ…。残念だ。」
ドクオがこう答える事はわかっている。 その上で言っているのだ。
今まで何度も似たようなやりとるをしてきているが、彼が誘いに乗ってきた事は一度もなかった。
- 30: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:24:29.57 ID:ep30NUqZ0
――照れているのか呆れているのか、
後頭部をポリポリ掻いているドクオの姿を見ているとなんだか和む。
さっきまでの落ち込んだ気分が少しマシになった気がした。
そしてドクオを包むどこか近寄りがたい空気が少し柔らかくなった気がする。
('A`)「……やっぱ眠くないわ。」
川 ゚ -゚)「……なんだそれ。」
('A`)「いや、いざ寝ようとすると寝付けなくてな。」
- 32: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:26:10.91 ID:ep30NUqZ0
そう言いながら台所でガサゴソと何かを始めるドクオ。
おそらくコーヒーをいれる用意でもしているのだろう。
ここ一年くらい寝るときとドクオが学校へ行ってる時以外はほとんどをドクオとすごしている。
それだけ一緒にいれば相手の行動の予測もある程度できるようになってくる。
さて、今あった事をドクオに伝えないといけないだろう。
川 ゚ -゚)「そうか。まぁ起きてるというなら話がある。 聞いてくれないか。」
- 33: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:28:43.06 ID:ep30NUqZ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
川 ゚ -゚)「ということがあってな。」
(;'A`)「マジすか……。 ハインリッヒって人とヒッキーって人は大分強かったんだろう??」
川 ゚ -゚)「あぁ……。 少なくとも私達よりは強かっただろう。」
クーの言葉を聞いて驚愕する。
神……、あの男が強いのは俺でもわかる。
テレビで見ただけなのにあのプレッシャー。
初めて見たときの恐怖は今でも忘れられない。
- 36: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:30:18.63 ID:ep30NUqZ0
だけど、クーの話によるとハインリッヒとヒッキーって人達は、
契約者の間では有名なコンビだったらしい。
それだけ強いって事だ。
その二人が手も足も出ないなんて……。
(;'A`)「……どうするんだ??」
川 ゚ -゚)「どうって??」
- 38: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:32:32.70 ID:ep30NUqZ0
(;'A`)「……言っただろう。 俺はあいつをぶっ飛ばす。」
だけど……。
あの男が強いことなんて最初からわかってる。
それでも…俺は決めたんだ。
大切な人達を守るため…、そのためにあいつをぶっ飛ばすって。
('A`)「そう、俺は臆病だし、まだまだ弱いかもしれない。
でも、ヒッキーって人たちが負けちまって、ギコって人はどこにいるかわからない。
それなら……、それなら俺たちが頑張るしかない!!!」
- 39: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:34:10.91 ID:ep30NUqZ0
川 ゚ -゚)「ドクオ……。」
(;'A`)「…まぁ、偉そうな事言いながらひざは震えてるんだけどな…。」
川 ゚ー゚)「…ハハハ。 かっこいいぞドクオ。」
クーが笑ってくれてる。
かっこわるい俺を馬鹿にして笑ってるんじゃない。
そんなんじゃなくてもっと優しい笑顔。
そんなクーがいるから、俺はひざがふるえながらもかっこつける事ができるんだ。
- 41: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:36:26.07 ID:ep30NUqZ0
(*'A`)「よ、よし! じゃあ具体的に何をすればいいんだ??」
川 ゚ -゚)「…ん?? ドクオ? なんだか顔が赤いぞ?」
(*'A`)「ば、ばか! やる気になってんだよ! 頑張るよ?頑張っちゃうよ?俺。」
あぶないあぶない。
頭の中で恥ずかしい事を考えすぎた。
クーの能力に相手の思考を読むようなものがなくてよかった…。
こんな事考えてんのバレたら俺死んじゃう。
- 42: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:37:47.94 ID:ep30NUqZ0
川 ゚ -゚)「……?? まぁいい。 今までもいろいろトレーニングはしてきただろう?」
('A`)「あー…。一応…ね。」
あの神とかいう男をぶっ飛ばすって決めてから1年くらい。
ずっと毎日筋トレをしてきた。
…といっても腕立てと腹筋と深夜ランニングくらいなんだが。
- 43: ◆2tIpUAdHJU :2007/08/28(火) 23:39:12.40 ID:ep30NUqZ0
川 ゚ -゚)「だが、そんなことではなくてそろそろ能力をつかった戦闘の訓練が必要だと思う。」
('A`)「戦闘…? なるほどな。 確かにそうかもしれない。」
たしかに、筋トレなんかしててもあの男に勝てる気はしない。
実際筋トレしながらもそれは考えてた事だ。
体力はあるに越した事はないだろうが、体力があれば戦えるというわけでもない。
('A`)「どうやって訓練するんだ?」
川 ゚ -゚)「私達契約者は、どうやって能力のレベルを上げると思う??」
第8話 準備
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